高野口町

akehyon2005-01-13

 和歌山県高野口町で地域情報化政策の取材。総務省の地域情報化施策「マルチメディア街中にぎわい創出事業」のモデル地区指定。
 高野口町は、その名の通り、高野山参詣のための入口として栄えた町である。大和街道と高野街道の交差点に位置し、もとは「名倉村」であったが、鉄道の「高野口駅」に合わせて町制施行の際に高野口町となった。最盛期、高野口駅前には、参詣のための人力車がずらりと並んでいたそうである。駅前旅館の「葛城館」もにぎわっていたがその後、南海高野線の開通、モータリゼーションの進展で人の流れが変わり、現在では高野口駅からの商店街もさびれており、葛城館も廃業した。この街の活性化のためにこの施策を導入した。
 具体的には、倒産した幸福銀行の高野口支店の跡地を、「IT地域交流センター」(裁ち寄り処)へと改造した。事業費は7369万円で、国庫交付額は3684万5千円。
 一階は、繊維製品を中心とした地域の特産品が多く揃えられ、テーブルと椅子で住民がくつろげるようになっている。私が取材した日には、みかんやお菓子も用意してあった。さらに高齢者交流健康管理システムとして、体重と血圧を測定してサーバに情報を蓄える機械(パナソニックDM-X20E)が2台設置され、住民は登録カードで自分の記録をここのサーバーに記録する。ちなみに、2005年1月現在で、カード登録者は約110名。
 二階はIT体験工房システムであり、IT講習なども行える。生徒用のノートパソコンが10台、教師用が一台、そして、プリンタなどを揃えた出力用が1台、計12台である。施設のオープンは2004年7月28日だが、有料の講習(業者に委託している)の開始は2005年に入ってからである。
 運営・管理の多くの部分は、町の商工会に委託されている。特に機械の保守点検にお金がかかる。
 高野口町は、平成18年3月に、隣接する橋本市との合併が決まっている。合併後、この施設がどうなるかは未定であるが、新市は手を引く可能性も大きい。その場合には商工会の単独事業となるが、商工会そのものも、橋本市のものと合併する可能性がある。