ラノベ作家のメモと戯言

ラノベ作家の相崎壁際です。第13回GA文庫大賞で「ガンガンGA特別賞」を受賞。デビュー作『どうか俺を放っておいてくれ なぜかぼっちの終わった高校生活を彼女が変えようとしてくる』は2巻まで発売中&コミカライズも連載中です。

2巻発売から3年ぶりに『どうか俺を放っておいてくれ(ぼちかの)』3巻の制作が決定したよ~って話!

ぼちかの3巻、制作決定しました!

なんと、GA文庫で刊行されているライトノベル『どうか俺を放っておいてくれ なぜかぼっちの終わった高校生活を彼女が変えようとしてくる(ぼちかの)』の3巻制作が決まりました!!うお~~~うれしい!

2巻が出たのが2021年11月なので、なんと3年ぶりです。

3年ぶり3巻目の刊行、最近強くなってきた高校の甲子園出場回数みたいだ。

 

「重版しておらず『このライトノベルがすごい!』などでランクインしたわけでもない作品の続刊が、前巻の刊行から約3年ぶりに決まる」というのはライトノベル業界全体でも珍しい事例だと思います。

せっかくなので、このブログでは『ぼちかの』の歴史を振り返ってみようかと思います。(『ぼちかの』のことは知らずにブログだけ読んでる人もいるかもしれないですしね)

 

・目次

 

GA文庫大賞受賞~1巻刊行(2020年9月~2021年7月)

『ぼちかの』は2020年9月、第13回GA文庫大賞の前期で入賞した作品です。ちなみに、受賞時のタイトルは『ぼっちの俺は終わった高校生活を変えられない』でした。出版時のタイトルにもちょっと面影がありますね。

応募原稿を書いたのはちょうどコロナでゴタゴタしてた時期で、世間はヤバそうだけど呑気にラノベ書いてていいのかな~とか、ウチの会社どうなるんかなとか、リーガルリリーの『1997』ってめっちゃ良い曲だな~とか色々考えてた気がします。

 

応募原稿もキャラクターや話の大筋は出版時と変わってないんですが、全体的に若干暗かったかも。

今でこそタイムリープラブコメはライトノベル内の一ジャンルとして確立された感がありますが、応募時点ではそんなに目立ってなかったと記憶してます。そもそも2018~2019年くらいまで「ラブコメ冬の時代」って感じにだったし。

近い時期だとGA文庫から『高2にタイムリープした俺が、当時好きだった先生に告った結果』が出てたのと、応募した直後に『厳しい女上司が高校生に戻ったら俺にデレデレする理由』の情報が発表されて「ちょっと被ってるな……」と不安になったくらいでしょうか。

 

そこから当時の編集さんと二人三脚で改稿を重ねているうちに第13回GA文庫大賞の通期結果発表があり、めでたく『ガンガンGA特別賞』という賞をいただきました。

ガンガンGA特別賞は賞金がちょっと低い代わりに(?)最初からコミカライズ確約という賞でして、ちょうど第13回から創設されたのですが第15回くらいには消えてました。結果的に歴代受賞者は自分だけという謎の賞になっています。なんだったんだアレ。

 

なんやかんやで原稿も出来上がり、2021年7月に『ぼちかの』1巻が発売されました!

イラストは間明田先生!どのキャラクターも可愛く描いていただけて、最初にキャラクターデザインが届いた時からテンション爆上がりだったのを覚えています。

受賞作ということで、店舗特典のタペストリーも出ました。作者にも見本として送ってもらえたので、今も家に飾ってあります。

 

PVも作ってもらいました。いま見たら「3巻おめでとう」ってコメントがいくつか付いててあったけえよ……ありがとうね……。

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さらに、発売と同時にKindle UnlimitedとかBookwalkerの読み放題に追加されるという施策もありました。

これが上手くいったのかどうかは編集さんサイドのみぞ知るという感じですが、その後同様の施策が続いたという話は寡聞にして知りません。とはいえ、1巻のAmazonレビューがかなり多い理由のひとつなのは間違いないと思います。

 

2巻刊行、実質的な打ち切り(2021年11月)

1巻が刊行される裏で2巻の制作が進められ、2021年11月に『ぼちかの』2巻が発売されました。これまで新人賞への応募作しか書いてこなかったので、「話の続きを書く」というのが人生初でした。大変なところは多々ありましたが、楽しかったですね。

新しいイラストもたくさん描いていただけて、最高に嬉しかったな~!

 

そんなこんなで2巻が出たわけですが、ついぞ編集さんから「3巻を書きましょう」という話は出ませんでした。

明確に打ち切り宣言を受けたわけではないものの、こちらも2巻の初版部数がわかった時点で「こりゃ3巻は難しいな」と察していたので、3巻の話が出ない時点でそういうことなんだろうな……とわかりました。

 

当然ながら落胆しましたが、読者として3巻を出せるシリーズの少なさは理解していましたし、相応に厳しい世界だというのも重々承知していましたから、「仕方ないよな……」と切り替えることはできました。

読者さんから感想がもらえるのが嬉しすぎて、すでに十分プラスだなと感じたのもあります。作品を読んで「面白かった」と言ってもらえるの、本当に嬉しいんですよ……!

 

とはいえ、読み放題に追加されていたのと読者さんの評判がよかったおかげで、電子書籍のランキングは常にGA文庫内の上位にいる感じでした。

他の作品の売上とかは知る由もないですが、たぶん同時期に発売された作品の中でも、電子書籍の売上は高い方だったのではないかなと推測します。

 

コミカライズ連載の開始(2022年6月)

2巻の発売から半年以上が過ぎ、読者さんから「3巻はいつ出ますか?」と聞かれるたびに内心で「申し訳ない……」と泣いて謝りつつ、新しい編集さん(前編集さんは転職)と新企画に取り組んでいた2022年6月。

なんと『ぼちかの』のコミカライズが始まりました。そう、「ガンガンGA特別賞」で確約されていたアレです。コミカライズは四季ムツコ先生に担当していただきました!

 

ものすごく漫画が上手いし絵が可愛い!!!最高!!!

原作がキャラクターの掛け合いメインの作品なので、「これを漫画にしても動きがなさ過ぎるのでは……?」と不安だったのですが杞憂でした。原作を丁寧に読みこんでくださった上で漫画的な表現を組み合わせて、原作以上の面白さに仕上がっています!

マンガUP!さんで連載中ですので、是非どうぞ~!!

www.manga-up.com

素晴らしいコミカライズにしてくださった四季先生には感謝してもしきれません!自分も原作者として毎話ネームや原稿をチェックするのですが、いつも読者みたいにワクワクして読んでますしね。最初に読めるのは原作者の特権!

四季先生のおかげで読者さんからの評判も高く、コミカライズは原作2巻の範囲に突入しています。コメントも毎回たくさん付いていて嬉しいです!

最新4巻も発売中です。コミカライズには貴重なヒロイン視点のSSも収録されておりますので、原作読者の皆さんもよろしくお願いします!

 

たまに読者さんから「どうして3巻出ないのにコミカライズしたんだ?」という疑問をいただきますが、このコミカライズは先述の通り「ガンガンGA特別賞」のおかげで始まったものです。よって、コミカライズが始まったことと原作の売上とは関係ないんですね。

仮に原作の売上によってコミカライズの有無が左右されていたら、『ぼちかの』がコミカライズされることはなかったかもしれません。(それくらい売れていたら3巻もスムーズに出ていたでしょうし)

 

作品への反響

もともと『ぼちかの』は原作読者さんからの評判が良かったのですが、コミカライズをきっかけに原作へ手を伸ばしてくれる読者さんも大勢いました。

これは感覚ですが、他のラノベ原作のコミカライズよりも原作に手を伸ばしてくれる率がかなり高かったんじゃないかと思います。これもすべて素晴らしいコミカライズにしてくださった四季先生と、魅力的な原作イラストを担当してくださった間明田先生のおかげです!ありがとうございます……!

 

コミカライズの更新や単行本の発売、セールのタイミングで電子書籍の売上ランキングで上位になるなど、発売から時間が空いてもじわじわ電子書籍の売上が伸びてるのは感じていました。

 

とはいえ、原作に重版がかかったというわけでもないため、そう簡単に3巻制作が決定するはずもなく。(2巻の在庫は途中でなくなったのですが)

2巻が発売されてからかなり時間が経っても読者さんから「3巻まだですか?」というメッセージがたくさん届いており、「嬉しい~!」と「ごめんね……」の間を反復横跳びしておりました。(2巻発売から3年近くの間、以下のようなメッセージがたくさん届いてました!皆さんありがとう……!)

 

こういう温かいメッセージに「嬉しいよ!でも3巻は厳しいです……ごめんね……」って返信するのが本当に申し訳なかったです。もちろん嬉しいし続刊につながる可能性もあるので、読者さんは気にせずどんどん送ってください!いつもありがとうございます!

とはいえ3巻が出ないことに関しては、原作者として忸怩たる思いでした。原作イラストもコミカライズも素晴らしいので……。

 

3巻の制作決定(2024年10月)

なんやかんやで月日は過ぎ、2024年10月のある日。編集さんから「『ぼちかの』の3巻が出せるかもしれません」と連絡が。

 

……え?今!?もう2巻の刊行から3年くらい経ってるけど!?

 

もちろん驚きました。重版していない作品の続刊が最後の刊行から3年経っていきなり出るなんて話、少なくともライトノベルでは聞いたことなかったですし。

編集さんによると、重版こそしていないものの刊行からずっと電子書籍の売上が高く、読者さんからの応援の声も大きいので企画会議が通りそうだというお話でした。(Amazonレビューが多い&好評なのも後押しになったそうです)

 

こちらとしては拒否する理由もありませんので、喜び勇んで、でも企画会議で落ちても凹まないように心の中で保険かけつつお受けしました。

そのままあれよあれよという間に企画会議は通過。展開が早すぎて着いていけてなかったし、ギリギリまで「もしかしたら自分の早とちりかも……?」と疑心暗鬼になっていました。

ですが無事に10月25日、『ぼちかの』3巻の制作が発表されました。

皆さんに喜んでいただけて本当によかった~!

 

そして自分はまったく知らなかったのですが、間明田先生にもサプライズでめちゃくちゃカワイイ花見辻さんのお祝いイラストを描いていただきました!!嬉しすぎる……!!

 

2巻の刊行後も間明田先生は定期的に『ぼちかの』を気にかけてくださっておりまして、感謝してもしきれません……!

間明田先生、重ね重ねありがとうございます!今後もよろしくお願いします……!

 

自分のツイートにもたくさんの読者さんからコメントをいただきまして、本当に大勢の方に支えられているなあと実感しました。

3巻ではその期待に応えられるよう、頑張ります!!

 

イレギュラーな事例

先述した通り、今回の件はかなりイレギュラーな事例だと思います。

『ぼちかの』は原作に重版がかかっておらず、コミカライズも好評なものの重版には至ってないので……。(ちょっと前にガガ〇の某作の2巻が数年振り出るという話がありましたが、あれは1巻が何回か重版してたはず)

 

もちろん電子書籍の売上が継続的に良かったことが大きな要因ですが、それに繋がったのは以下の点かなと思います。

 

・原作読者さんが2巻の刊行後も根強く応援してくれたこと。

・素晴らしいコミカライズが続いており、新規読者さんが継続的に増えてくれたこと。

・作者がSNSをやっていて、読者さんが応援メッセージを送りやすかったこと。

・読者さんのメッセージに作者が返信しており、反応が外から見えやすかったこと。

・原作が面白かったこと!(自分で言うのもなんだけど流石に言わせてください)

 

色々と恵まれていたなーと思います。

そして何よりも読者の皆さん、本当にありがとうございました!皆さんの応援には、3巻の内容で恩返しさせていただければと!

 

あくまで『ぼちかの』が珍しい事例なので、「他の作品もこうなるかも!?」という期待が広がるのもなんだか心苦しいのですが……でも実際あるかもしれないしな……。

とはいえ、実は『ぼちかの』の3巻制作が発表された後の12月に、同じGA文庫から『泥酔彼女』の3巻が出るという発表もありました。重版状況については把握してないのですが、これも数年振りの続刊というイレギュラーですね。

今後こういう流れが増えていく可能性も無きにしも非ずかも。

 

長々と書きすぎたけど、とりあえずこんな感じですかね……。

まだ刊行日とか詳しい諸々が未定なんですが、今日はひとまず報告までということで。3巻もよろしくお願いします!

 

また、2024年6月には新作の『美少女生徒会長の十神さんは今日もポンコツで放っておけない』も刊行しました!こちらも森神先生の素晴らしいイラストで彩っていただいておりますので、是非よろしくお願いします!面白いよ!

aizakikabegiwa.hatenablog.com

それではまた。

 

『美少女生徒会長の十神さんは今日もポンコツで放っておけない』6月15日頃発売です!

新作『美少女生徒会長の十神さんは今日もポンコツで放っておけない』が発売されます!

6月15日頃、GA文庫さんから発売です!

外面は完璧なのに実はぼっちでポンコツな生徒会長さんと巻き込まれて生徒会に入れられた落ちこぼれ主人公の、コメディ色強めな生徒会ラブコメとなっております!

表紙の女の子がポンコツ生徒会長の十神さんです。森神先生のイラストがかわいくて最高~~!

 

▼特設サイト

ga.sbcr.jp

 

それにしても新作発売はなんと2年半ぶりということで、告知のテンションがさっぱりわかりません。

参考にしたくて2年半前のブログを見てみたものの、冒頭からなぜか『リズと青い鳥』の話をしていて滅茶苦茶すぎる。自由律にしても程度ってもんがあるだろ。

とりあえずテンションをアゲていけばいいのか?ウェ、ウェ~イ……オタクくん、見てくれてるのかな……?(テンションのアゲ方がわからず、彼女を寝取ったのに雑魚い奴になってしまいました)(何?)

 

そもそもブログでの告知にどれほどの効果があるのか、今でもよくわかんないですからね。2000字くらい書いた費用対効果としては薄すぎるという可能性が高い。

それでもラノベ作家が自分のブログで告知をするという文化が絶滅の危機に瀕している今、後継者不足に悩む文化遺産の保存会に入った気持ちでこの記事を書いています。ワシらがこの文化を次世代に伝えていかなきゃならんのじゃ……。

 

内容紹介

何はともあれ『十神さん』の内容紹介。あらすじはこんな感じです!

私立麗秀高校で知らない者はいない完璧美少女の十神撫子は、一年生にもかかわらず生徒会長に就任した。
そして郡上貴樹もまた、留年の危機を回避するために、半強制的に生徒会役員になってしまった。
とはいえ優秀な十神がいるのなら、仕事を任せてサボれるチャンス――
と思っていたのだが……
「た、助けてください郡上さん!」
十神は外面”だけ”が完璧な重度のポンコツ美少女だった!?
十神の裏の顔を知ってしまった郡上は、任期をつつがなく終えるためサポートに回ることに。
初めは遠慮していた十神だが、活動を通じて徐々に打ち解けていき……。
ポンコツ美少女と送る生徒会ラブコメディ!

 

書いてある通り今作は生徒会ラブコメとなっております。

企画作りのときに「特定のグループ内で、かといって完全な友達同士というわけでもない間柄でわちゃわちゃするラブコメがやりたいな~」という気分だったので、本作は生徒会が舞台です。生徒会ラブコメっていいよね!

ラノベだとそれこそ『生徒会の一存』あたりがパッと思い浮かびますし、その他にも『俺の青春ラブコメは間違っている』『僕は友達が少ない』などちょいちょい生徒会が関わってくる名作って多いですよね。最近だと『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』も2巻以降そうだし。

 

『十神さん』は最近のラノベのラブコメではコメディ色が強い方だと思います。ポンコツな生徒会長ヒロインと落ちこぼれで無理やり生徒会に入れられた主人公、という建付けもちょっと懐かしいテイストかも。こういうの好きだから書きたくなるんですよね。

軽い気持ちでラノベが読みたい人、コメディ寄りのラブコメが好きな人、そして"あの頃"の生徒会ラブコメが好きな人に楽しんでいただけたら嬉しい!お楽しみに!!

 

登場人物紹介

続いて主要な登場人物を紹介!全員生徒会のメンバーです。

 

・十神撫子(とがみ なでしこ)

1年生にして生徒会長を務め、文武両道で立ち振る舞いも堂々とした完璧美少女……かと思いきや実はぼっちでポンコツな人。主人公の郡上に失態を見られたことをきっかけに、どんどんポンコツが露呈して最初の完璧感はどこへやら……という感じですが真面目で優しい人です。

 

・由良愛梨澄(ゆら ありす)

郡上の幼馴染で、北欧出身の母親譲りの銀髪がトレードマーク。どこか取っつきづらい見た目とは裏腹にこざっぱりした性格で、落ちこぼれた郡上を心配しています。もともと生徒会に興味はありませんでしたが、先に郡上が入ったことで流されるように生徒会役員になりました。役職は会計。

 

・鳳来美鈴(ほうらい みすず)

快活な印象でポニーテールがトレードマークの2年生で、生徒会の役職は副会長。前年度も生徒会をやっていた頼れる先輩で、1年生たちをあれこれサポートしてくれます。本人は部活に入っていませんが運動が得意で、色々な部活に顔が効く様子。

 

・郡上貴樹(ぐじょう たかき)

最後に主人公の郡上です。頑張って偏差値の高い高校に入ったはいいものの、色々あって勉強について行けず落ちこぼれてしまった上に、生まれつきの顔が怖すぎてぼっちになってしまった残念な奴です。当初の案では友達がいたけどしっくりこなくてぼっちになったという悲しい裏話がある。生徒会顧問の陰謀(?)で生徒会に入ることになり、うっかり十神の裏の顔を知ってしまったせいでフォロー役に回ることになりました。役職は書記。


基本的にこの4人が生徒会でわちゃわちゃするお話となっております。

1話あたり20~40ページくらいの連作短編的な感じになっておりますので、移動中とか待ち時間とか休み時間とかにサクッと読めるかと~!

 

というわけで、『美少女生徒会長の十神さんは今日もポンコツで放っておけない』をどうかよろしくお願いします!!

 

通販とか電子とか

アニメイト、ゲーマーズ、メロンブックスさんで文庫版を購入いただくと、特典のSSリーフレットが付いて来ます。是非どうぞ!

・Amazon

https://www.amazon.co.jp/dp/4815617791/

 

・Bookwalker

bookwalker.jp

・アニメイト(特典SSあり)

www.animate-onlineshop.jp

・ゲーマーズ(特典SSあり)

www.gamers.co.jp

・メロンブックス(特典SSあり)

https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2398232

 

それではまた。

 

第15回GA文庫大賞受賞式(2023年)に行った話

※2024年5月10日に「第16回」GA文庫大賞受賞式が開催されますが、このブログは2023年開催の「第15回」GA文庫大賞受賞式の話であることにご留意ください。

この記事は2024年のGW明けに書いたものですが、ちょうど第16回授賞式の直前になってしまったので、授賞式の開催が公式に告知されるまでは公開しないでおこうと判断しました。(書き上げた直後のタイミングで公開して「次の週末に授賞式あるんですか?」と聞かれると答えに苦慮するので……)

以上の点を踏まえて気になる方はお読みください。

 

同期ゼロ人事件

自分は2021年に、第13回GA文庫大賞で「ガンガンGA特別賞」という賞をいただいてデビューしました。当時は時勢的に大々的な対面式のパーティーを執り行うことはできなかったため、授賞式はリモートで行われました。

翌年の第14回GA文庫大賞も同様でしたが、2023年の第15回GA文庫大賞では久しぶりにリアル授賞式が復活。以前の規模よりは縮小開催でしたが、直近数回の受賞者を招いてパーティーをするというわけで、2年前に受賞した自分も呼ばれたというわけです。

ネットでもリアルでも引っ込み思案な自分にとって、リアルで他のラノベ作家さんとお会いする貴重な機会。

というかデビュー後にラノベ作家さんと会ったのはこれが初だったかも。

 

「ちょっと怖いけど楽しみだな~、第13回の同期ともリアルでは初めて会うし」なんて呑気に思っていたある日、担当さんから「第13回は相崎さん以外全員欠席です」と衝撃の事実が伝えられました。

 

え?自分以外全員欠席?

受賞回より2回上とはいえ授賞式で同期ゼロ人!?自分含めて6人もいたのに!?

 

確かに自分がデビューしたのは『どうか俺を放っておいてくれ なぜかぼっちの終わった高校生活を彼女が変えようとしてくる(略称:ぼちかの)』というぼっちが主人公の作品だし、読者さんの感想(コミカライズ版含む)でも「主人公のぼっち感がすごい」「言うことがぼっちなら『わかる』となるものばかり」「本物の陰キャを経験してないと書けない」「作者さん辛い思いしてきたんだなあ」などぼっち描写に定評があるけれども!学校を卒業して社会人になってもこれかよ……!しかも話を聞くと、第13回以外の代は普通に大勢参加するらしい。

この時はさすがに「そんなギャグみたいなこと本当にあるんだ」と笑ってしまいました。

 

まあ、授賞式という場に同期がまったく居ないのは心細いですが、都合がつかなかったものは仕方ないです。平日だったし、場所も東京だし。

ここまで行くともはやオモシロになるから許せるしね。もう大人だから大丈夫……たぶん……。

 

他にも授賞式前日に東京のホテルを取ろうと思ったらなかなか見つからず、前からTwitterでつながりのあった15回大賞受賞者の志馬なにがし先生にお世話を焼いてもらうなど色々ありました。

授賞式前日の主賓に一体なにをやらせているんだ……志馬先生、その節は本当にお世話になりました……!皆も心優しい志馬先生の大賞受賞作「透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。」を読もう!

 

いざ会場へ

そんなこんなで授賞式当日、昼前の京都発の新幹線で東京へ。

フォーマルな場だからちゃんとスーツも着たし、新幹線のチケットも予約したし、授賞式後にしばらく東京に滞在する用の荷物もバッチリ!それに何か忘れても大抵はコンビニで買えるし問題なし!

雑魚がよ……。

というわけで、「名刺はコンビニで買えないから忘れたら詰む」という教訓のみ携えて徒手空拳で東京へ。

 

地図とにらめっこしながら歩いてるのに何故か会場へ辿り着けず、同じ参加者っぽい雰囲気の人に着いていったら実は全然関係ない人で普通のマンションに入りかけたりと、無駄に30分近く歩き回ってようやく会場へ。

地図を見てるのに全然辿り着けないのが不思議で、9と4分の3番線かと思った。

 

受付を済ませて会場に入ると、予想以上にちゃんとしたホールでビビりました。縮小開催という話だったので舐めていましたが、さすがは出版社のパーティーという感じです。

今回は直近の受賞者に加えて、GA文庫の中でも特に有名な作家さんや、メディアミックスの関係者さんも多数来場していました。半分くらいはメディアミックス関係の人だった気がする。

 

大きな丸テーブルに7、8人ずつ座る形式で、自分は第14回GA文庫大賞の受賞者さんに1人だけ混ざって座りました。出っ張りこそないけど気分は完全にお誕生日席。

アウェイだぜ……と思ったものの、幸いにも第14回の方々が非常に優しく話しかけてくれたので、会場でもぼっちになることは免れました。自分は人の優しさに生かされています。

ありがてえ……今回色んなラノベ作家さんとお話できましたが、皆さん良い人ばかりでしたね。

 

ちなみに、第14回の受賞者さんの中にも名刺を忘れてきた人がいたので、「忘れちゃいますよねえ」と打ち解けることができました。名刺を忘れることで縮まる距離もある。

 

授賞式で名刺回収マシーンと化す

そして肝心の授賞式の模様ですが、詳しくはラノベニュースオンラインさんの記事を読みましょう!授賞式の模様だけ知りたい人は、本当はこんなブログを読む必要はなかったんですね~。

ln-news.com

一応自分の感想とかも言い添えておきますと、今回の受賞者さんはそれぞれ壇上で受賞コメントを言う流れがあったんですが、皆さん堂々としていてびっくりしました。

(自分の時はリモートで良かったかも……と少しだけ思ってしまった!)

 

自分が授賞式で失敗した世界線を想像してバッドに入っている間も式は滞りなく進み、こういう式ではお決まりの「しばしご歓談を」タイムに突入。

全員リアルでは初対面(しかも同期ゼロ)の場でこういう時間になると人見知りは非常に困りますが、パーティーだと「ご飯を食べる」コマンドがあるのが助かります。大学のサークルで50周年パーティーか何かがあった時もこれに助けられた記憶。

ビュッフェ形式の料理が用意されていたので同卓の作家さんに紛れて取りに行き、ビールを飲んだり寿司を食べたりしていました。

 

酒が入ると少しは気もほどけてきて、いろんな席を飛び回っている先輩作家さんと挨拶したり、第15回受賞者の方とも話したりできました。

「不死探偵・冷堂紅葉 01.君とのキスは密室で」でデビューされた零雫先生が、「ぼちかの」を読んでGA文庫大賞に応募したと言ってくれたのは本当に嬉しかったですね。思えば読者の方と会ったのもこれが初めてでした。

他にも「どうか俺を放っておいてくれ」のコミカライズに関わっている方とお話したり、先輩作家さんと好きなラノベ作家さんの話をしたり、原稿がこれでもかと滞りまくっていた件で担当編集さんに土下座したりしていました。

最初はどうなることかと思いましたが、楽しかったですね。授賞式サイコー。

 

まあ、こんな良い感じのやり取りの最中も、差し出すもののない自分は名刺回収マシーンになっていましたが。残念ながら当然。

 

それと、肝心の式についての写真がまったくない理由について説明させていただきますと、これには仕方ない事情があるんです。当時のカメラロールを見てもブルーアーカイブの限定イベント「放課後スイーツ物語 甘い秘密と銃撃戦」のスクショしかなかったんです。宇沢レイサが好きすぎるんです。

 

唯一会場で撮ったであろう写真がこれ。帰り際に「そういえばなんも撮ってなくね?」と気づいて慌てて撮影した記憶があります。かけ恋のイラスト、綺麗でめっちゃ良いよね。

 

実はこの後も先輩方が二次会を開いてくれたり、雨の秋葉原でドクターペッパーを飲んでたそがれたり、志馬先生に高級焼肉をごちそうになったり、国立西洋美術館に行こうとしたら滞在中ずっと改装工事やってたり、長瀞で川下りしようと思ったら前日までの雨でとんでもない濁流だったり(もちろん川下りは中止だった)と色々あったのですが、長くなり過ぎるので割愛します。ここまで読んだ人いるのか?

 

何はともあれ授賞式は良いものですので、もしどこかで参加する機会がある人は楽しみにしておきましょう。あと家を出る前には名刺を持ってるかどうかチェックした方がいいです。

参加予定の第16回授賞式も余裕があったらそのうち書きます。公開は来年の5月になるかもしれませんが……。

 

新作「十神さん」出るよ&「ぼちかの」もよろしく

……というわけで最後に新作の宣伝!もはやこれのためにブログを書いたまである。

「美少女生徒会長の十神さんは今日もポンコツで放っておけない」、6月15日頃に紙および電子書籍で発売です!

見ての通り生徒会ラブコメです~!良いよね生徒会ラブコメ……!

 

・Amazon

美少女生徒会長の十神さんは今日もポンコツで放っておけない (GA文庫)

 

・Bookwalker

bookwalker.jp

最近のラノベで「ラブコメ」と銘打たれた作品の中でも、かなりコメディに振ってる方じゃないかな、と自負しています。(振り過ぎたかもしれない)

「気楽に笑えるラブコメが読みたい」「最近のラブコメってコメ成分が薄くないか?」って人に超オススメしておきます。是非是非~~!

それと、「ちょっと懐かしいラノベが好き」って人にも合うかもしれないです、自分の嗜好がそっちなので。

 

詳しい情報が出たらまたブログを書きますので今回はこの辺で。

 

デビュー作の「どうか俺を放っておいてくれ」もよろしくお願いします。コミカライズ版もあるよ!

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どうか俺を放っておいてくれ なぜかぼっちの終わった高校生活を彼女が変えようとしてくる (GA文庫)

 

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どうか俺を放っておいてくれ なぜかぼっちの終わった高校生活を彼女が変えようとしてくる (GA文庫)

 

・コミカライズ版連載

www.manga-up.com

それではまた。

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