2015/08/02
【フランス国籍】<ビットコイン>私電磁的記録不正作出・同供用容疑で逮捕
残高100万ドル水増し容疑 ビットコイン 4年前から流出、穴埋めか仮想通貨「ビットコイン(BTC)」の世界最大の取引所「マウントゴックス」(東京)から計約65万BTC(1日現在で228億円相当)が消失した事件で、マウント社のBTC口座の外部との取引記録の解析で、平成23年以降にBTCが外部に流出し始めていたことが1日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁は同日、私電磁的記録不正作出・同供用容疑で、仏国籍で同社最高経営責任者(CEO)のA容疑者(30)を逮捕した。
警視庁はA容疑者が流出したBTCを穴埋めするために口座残高を水増しし、顧客の預かり金を流用してBTCを買い増したとみており、顧客からの預かり金など現金計約28億円の消失についても業務上横領容疑で調べる。
警視庁によると、A容疑者は「納得できない。弁護士が来るまで(調書などに)署名しない」と話している。
捜査関係者によると、A容疑者が口座残高を水増ししたとされる25年2月時点で、消えた65万BTCのうち数十万BTCが流出。A容疑者はほかにも複数回、現金やBTCの残高を水増しし、BTCの売買を繰り返しており、一部が消失したとみられる。
同社のサーバーなどにアクセスし口座残高を不正操作できたのは、システムの管理者のA容疑者だけだった。
逮捕容疑は25年2月中旬、社内システムを2回不正操作し、自身名義の口座残高を計100万ドル分水増ししたとしている。
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ビットコイン(BTC)平成21年から取引が始まったインターネット上の仮想通貨。「サトシ・ナカモト」を名乗る人物が発明したとされる。高度な暗号技術で管理しているため、複製はできない。特定の発行者や管理者がおらず、政府や中央銀行の裏付けがないが、ネット上の取引所でドルや円と交換できる。安い手数料で海外へ送金できるのが利点。一部の商品やサービスの代金決済が可能だが、国内で使える店舗はまだ少ない。発行量の上限は2100万BTCで、匿名性が高く犯罪への悪用も懸念されている。
産経ニュース
※記事中の被害者名、加害者名については匿名化しています