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【プロ野球】常勝球団と弱小球団の差はどこにあるのか?巨人と広島の比較。

今さらの話題だが、プロ野球のセリーグはヤクルトが制しました。

だがちょっと待ってほしい。我が愛すべき弱小カープは今年こそ常勝球団となって優勝できるはずではなかったのか。。

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今シーズンのセリーグは、近年稀にみる混戦で各球団ペナントレース制覇に向けてデットヒートを繰り広げていた。

どこのチームが優勝してもおかしくなかったはずなのに、やっぱり勝てないカープのどこに問題があったのだろう。

今回は毎年Aクラス入りする常勝球団・巨人と24年間優勝から遠ざかっている弱小球団・広島の比較で各チームの意識をデータで分析したいと思います。

まず、開幕前まで時間を遡って見てみましょう。

人気先行でカープファンは浮かれていた??

今年は男気・黒田選手の凱旋、日本球界を代表するエースに成長したマエケン選手、昨年のホームラン王エルドレッド選手。菊池・丸選手らを筆頭に多数の若手が成長しているなど、他球団と比べて遜色ないどころか、優位な戦力だったはず。。

しかし、今回の苦戦を考えると、開幕前の期待はカープファンのいつもの妄想だったのでしょうか。

もうカープ女子フィーバーで浮かれ過ぎにも程があったのは否めない事実です。実際、広島の書店ではカープ関連書籍が大量に平積みされており、人気ぶりは過熱しています。(現在進行形の模様)

なぜ彼女たちはカープに萌えるのか 新<カープ女子>論

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開幕前の評価

さて、カープはシーズン開幕当初、解説者達に比較的上位予想をされていました。野球評論家40人の予想をまとめてみました。赤が広島、橙色が巨人、黄色が阪神です。

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ぱっと見て分かると思いますが、評論家達の予想では上位3球団は巨人阪神広島に絞られていました。

予想の順位を平均化すると、

1位…阪神(2.15位)

2位…広島(2.23位)

3位…巨人(2.70位)

4位…DeNA(4.25位)

5位…ヤクルト(4.48位)

6位…中日(5.20位)

AクラスはBクラスと1.5位以上の大きな差をあけています。

ただし、ここで気を付けたいのは、解説者や評論家らは、自分のひいき球団を上位予想するということです。それは彼らにも大人の事情があって、完全な客観的な順位予想が不可能であることを意味します(遠い目)。

そんな信用ならない予想ではあるけれど、この中で広島を積極的にひいきするような評論家は北別府氏に限られていることを考えると、やっぱり広島の戦力の評価は高いものと思われます。

カープのチーム成績

正直言って、最後は息切れ気味だったカープ。終盤戦では満身創痍になって戦う赤ヘル戦士が本来の実力を発揮できていなかったと見ています。(まあ、実際どこのチームも同じなので言い訳になりませんが)

ここでは、まだまだ混戦状況だった8月まで遡ることにします。

今一度、8月15日時点でカープの成績を確認してみましょう。

8/15までの広島の打撃成績

打率 .257 (セ2位)  = 出塁率 .319 (セ2位)   長打率 .387 (セ1位)
HR数 79 (セ1位タイ)== 得点数 396 (セ2位)   得点圏 .242 (セ4位)
OPS .706 (セ1位) =  盗塁 56 (セ5位)    犠打数 98 (セ2位)
犠打率 80.3 (セ3位) = 失策数 64 (セ5位)

8/15までの広島の投手成績

防御率 3.09 (セ2位)  先発防御率 3.16 (セ2位) 救援防御率 2.93 (セ2位)
WHIP 1.24 (セ2位)  QS率 66.0 (セ1位)    被HR数 59 (セ1位)
失点数 357 (セ2位) = 自責点 319 (セ2位)

 

前評判に違わず強いじゃないか!打撃力・投手力ともにバランスよく素晴らしい数字を叩き出しているカープ。

僕はこの成績にも関わらず、なぜ混戦の中で抜けだせなかったのかが気になって仕方ないんですよね。

常勝球団と弱小球団の差

野球はどれだけ打って守っても、試合に負けてしまっては全てが水泡に帰します。試合にはターニングポイント、つまり勝負どころが必ず存在するもの。

先ほど示したカープの成績では把握できませんが、弱小球団カープには決定的な勝負強さが欠けてしまっていると考えられます。

それを今期4連覇を目指していた常勝球団・巨人との簡単な比較で検証してみます。

検証方法

今回は巨人と広島の状況別チーム打率(通算と得点圏で分類)を比較して、常勝球団と弱小球団の意識の差を測ってみようと思います。

打席の状況を5段階に分類しました。つまり試合状況で打率が変化するのではないかという仮説を立てました。

・5点差以上B(ビハインド)…負けている状況で満塁ホームランを打っても届かない大敗が決まる状況。

・僅差B(ビハインド)…4点差以内の接戦で追いかける状況。ファンとしては、この時の打率が高ければ、負けていても常に勝つという強い気持ちが感じられ、試合を最後まで見たいと思わせてくれるでしょう。

・E(イーブン)…野球の試合では同点である状況が圧倒的に多く、選手は平常心で戦えている状況。最も通常の力が発揮し易いのではないかと考えられます。

・僅差L(リード)…4点差以内の接戦で勝っている状況。なんとか逃げ切らなければならない場面です。

・5点差以上L(リード)…ほとんど勝ちが見えているため、これ以上打っても仕方ない状況。この打率が高い場合、「死体蹴り」と言われ、死人をさらに痛めつけるように沢山打つことが目立つ。

さて、各チームは状況によって打率がどう変化するのでしょうか。

結果

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常勝軍団・巨人に関して、注目すべきは、通算打率と得点圏打率で大きな差がないことです。つまり打たなければならないプレッシャーがかかった場面でも常に同じパフォーマンスを発揮できるということです。(ちなみに5点差以上ビハインドで得点圏打率がゼロなのは打数が少なすぎるせいです。)

常勝軍団である巨人の選手たちは、いつでもマスコミに囲まれており、私生活でもあることないこと事細かに取り上げられるといいます。常勝であり続けるのが当然であるという重圧だけでなく、野球以外の部分から来るプレッシャーも背負っている彼らにとっては当然の成績なのかもしれません。

一方の広島、特筆すべきは、5点差以上のビハインドでは通算2割8分という打率の上昇が見られ、しかも得点圏になれば3割5分という高い打率を誇ります。しかし、僅差ビハインド・同点の状況になれば、得点圏打率は2割~2割5分まで落ち込んでいます。圧倒的な勝負弱さが見てとれますね。

さらに、リード時にはプレッシャーから解放されるかのように打率の向上が見られ、5点差以上のリードをしている状況では、カープ戦士は通算3割を超える一流打者に変貌するのです。

つまり、広島の打撃成績が良いのになぜか打ち勝てていないのはこれが原因。無駄なヒットが多い。大きな点差が開いた状況なら、「もう気楽に自分の給料稼ぎしちゃお~」とばかりにノープレッシャーで自分の力が発揮できている感じです。

野球は点を取り合う勝負。いくら投手力が優れていても、相手も必至だから点は必ず奪われます。しかし、僅差でのビハインドで、2割まで得点圏打率が低くては、勝てる試合が少なくなるのは当然の結果かもしれません。

戦力云々ではない??

カープファンは過去十数年、大型FAなどで主力選手を失うことが弱体化の全ての原因だと思っていました。しかし、違うのかもしれません。弱小には弱小たる所以がある。常勝球団とは全く正反対の負け体質。表向きは選手もプロだから「優勝目指して」なんて言葉を発するが、実際は負け癖が染みついていると思いました。

それは弱小を許すファンのせいでもあるかもしれません。だから僕は厳しい目でカープを応援したいと思うのでした。

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