プロジェクトマネジメントの話とか

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「先延ばし」しがちな人の、キャパシティが小さい理由と対策。

 こんにちは、wiz7です。先日、職場の飲み会で血液型の話になった際に、「俺はA型なんスよ」と言うと、みんなから一斉に「いやいや(笑)絶対に再検査したほうがいいよ!」と諭された次第です。黙れ。

 
 さて。今回はキャパシティ(=キャパ、タスクを受けられる容量)の話です。あなたの職場で、このような会話が交わされていたりしませんか?

 「Aさんはキャパシティが大きいよね。どんなに無茶振りしても鬼神の如く、仕事を処理していくし!」
 「Bさんは少しでもタスクが立て込むとすぐに『ダークゾーン』に入っちゃう……キャパシティ小さ!」

 個人差の大きい「受けられる仕事量」。なぜ人によってここまで差が出るのでしょうか?

 「彼らIQモンスター達はそもそも仕事が速いし、僕らとは元々の頭のつくりが違うんだよ……」 

 って、本当に才能の差だけなのでしょうか?僕らに改善の余地はないのでしょうか?

 今回は「キャパシティの増やし方」と、それと密接な関係がある「先延ばし癖の克服方法」について考えてみましょう。

※当ブログはエンターテイメントです!主張には根拠がありますが(専門家が見れば「ああ……あれね(笑)」となります)、個人差もあるかと思うので、まずは試してみましょう。上手くハマれば凄まじい破壊力を発揮するかと思います!

キャパシティが小さい人の特徴とは?

 真っ先に思い浮かぶのが「仕事の処理スピード」の問題かと思います。
仕事が丁寧で遅い人に共通する、たった1つの問題点とその対策。 - プロジェクトマネジメントの話とか
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 もちろん、それも大きな要因の一つです。タスクの消化スピードが速ければ、それだけ受けられる仕事にも余裕ができるため、結果的にキャパシティが大きいように見えるためです。

 今回は、そこからもう一歩踏み込み、「タスクを受ける際に発生する勘違い」にフォーカスしてみたいと思います。

 まず基本をおさらいしましょう。下記「図1」を参照ください。

自分の限界以上にタスクを受けた状態

図1:タスクが溢れ、キャパオーバーを起こした状態

 キャパオーバーを起こした(タスクを自分の限界以上まで受けることで、溢れてしまった)状態です。この状態にならないよう、みなさんは

 などの形で、頭がパンクしないようメンテしているのです。脳内クリアについては過去記事でも一度取り上げていました。
自己啓発本・ライフハック記事を読み漁っても、なぜ行動できないのか? - プロジェクトマネジメントの話とか

 ここで考えていただきたいのが、「キャパが小さいため、タスクが溢れてしまう」という事象についてです。一般的にみなさんがイメージする「小さいキャパ」というものは、下記「図2」のようなものになるかと思います。

世間一般の「キャパシティが小さい」という認識

図2:「キャパシティが小さい」という言葉から感じる一般的なイメージ

 受け入れる「器の大きさ自体が小さい」状態です。これはこれで一つの事実ではあると思いますが、ここで一つ考えてみていただきたいのです。あなたのキャパシティは、本当に小さいのでしょうか?ひょっとしたら「そう思い込んでいるだけ」なのかもかもしれないのです。

 実際は、たいしたタスクではないにもかかわらず、「アレもコレもやんなきゃ……もうパンク寸前」と、自分で自分にプレッシャーをかけ、勝手に溢れさせて自滅してしまうケースが多々あるのです。

 今回、僕が新たに提唱したいイメージは下記「図3」の形となります。

対象の実体を正しく把握できず、溢れてしまう状態

図3:受け取るタスクを無駄に「過大評価」することで、すぐに溢れてしまう

 タスクを正しく認識できずに自らプレッシャーを感じ、受けたタスク量の割に、早めに限界が訪れてギブアップしてしまい、相対的に「自分はキャパシティが小さい・狭い」と考えてしまうことが多いのです。

 実際、よくありませんか?いっぱいいっぱいの状態で、追加の「小さなタスク」が割り込んできた際に「ムッキー!!ヽ(`・ω・´)ノ」とパンク状態になってしまうことが。冷静になれば何てこともない問題であるにも関わらず。

 また、同じ仕事を処理するのでも、余裕があるときとないときを比べると、処理スピードに圧倒的な差がつくこともありますよね。

 人は思い込みの中で生きています。

 人は自分の頭で考えているつもりであっても、見聞きする全ての情報から影響を受け続けています。長年培ってきた独自の色眼鏡というフィルターを通じて、自分の思い込みの範囲でバイアス(=先入観)にまみれた思考を繰り返すわけです。

 特に、仕事で多忙を極めている状態が一番危険です。

 手持ちのタスクが膨大な量となり、カツカツの状態で心身も疲弊してしまう。このような状態では、肉体と共に「脳という一つの臓器」も徐々に元気を失ってしまいます。すると、「図3」のように思い込みがいっそう強くなり、正しく実体を把握することが難しくなるのです。

 また、それ以前の問題として、日頃から自らプレッシャーを与えがちな真面目な人は、特別メンタル・フィジカル共に疲労していなくとも、無意識のうちに「図3」の状態に陥ってしまう、という傾向があるのです。

 この「タスクの実体を正確に把握すること」、これが問題解決のカギとなります。

「先延ばし癖」の根本原因とは?

 ここで、もう一つの例を考えてみましょう。「先延ばし癖」についてです。 

 「小姑のようなウルサイ課長にインプットするための資料を作らなきゃ……面倒くさいなあ、気が重いなあ。明日からやろう。明日になっても、明日から」

 このように先延ばししてしまう原因については、様々な要因が考えられますが、一つの原因に「不安やプレッシャーからの逃避」というものが挙げられます。

 プレッシャーと一言にいっても、

  • 完璧主義のあまり、キッチリとやり遂げようとしてしまい、必要以上に負担を感じてしまうものであったり
  • 頭の中でそのタスクをイメージして、「未知なる負担」がどんどん肥大化することで、自分で自分を追い詰めてしまうパターンであったり

 と、様々な形があるかと思います。

 これも先ほどの話と同様、「面倒なタスク」だという思い込みが悪さをしているわけです。思い込みがプレッシャーを生み出し、そのプレッシャーから逃避するように、先延ばしをしてしまう。

 つまり、自分で自分の首を絞めているだけの話なのです。これって全く馬鹿げた話ですよね!?

 この問題についても、前述のキャパシティの話と同様に「タスクの実体を正確に把握・認識する」ことで、無駄なプレッシャーや不安から解放されることで、自由気ままに作業にとりかかることができるようになります。
 
 では、実際に「タスクの実体を正確に認識する」ための解決策について、考えてみましょう。

キャパシティの拡大と「先延ばし癖」を克服する、2つのステップからなる新しい方法

 今回の解決法は、以下の2つのステップからなります。

1.着手することで「タスクの実態」を把握する

 まず、面倒だとプレッシャーに感じている仕事に対して「5分間だけ着手」してみましょう。この手法は様々な場所で語られており、経験的にその効果を実感している人もいるかもしれませんが、僕が考える効果を、以下にまとめてみます。

 少しだけ着手してみることで……
  

  • 漠然とした「よくわからないけど大変そう……」という未知のタスクに対する「不安感」「恐怖心」「プレッシャー」から解放される!
  • 意外と「楽に片づけられそうだ!」という見通しが立つ!
  • 逆に「思っていたよりも時間がかかりそうかも!?」という感触が得られた場合、十分に時間を充てるためのスケジュール調整ができる!
  • 時間がかかりそうな場合でも既に具体的な作業イメージがつかめているため、次回からは取り掛かりやすい!
  • イヤイヤでも実際に作業に着手することで、脳内の側坐核という部分が刺激され、ヤル気が発生!5分間だけのつもりが、長時間作業に没頭してしまうことも!(=作業興奮と呼ばれるものです)

 このように書き出してみると、良いこと尽くめですね!

2.思考を記録し、認知・認識を修正する

 二番目の策として、「考えたこと、思ったことを記録する」ことがキモになります。

 長文で記録する必要はありません。慣れるまでは一言、二言でもOKです。記録をつけること自体が面倒になり、書かなくなってしまっては本末転倒です。いかに自分に負荷をかけないか?がポイントになります。

 自分がどう感じたのかを以下の3ステップで記録して、定期的に見返してみましょう。

  1. 「タスクを受けた時」に感じたこと
  2. 「5分間着手したとき」に感じたこと
  3. 「タスクが完了したとき」に感じたこと

 文章にする必要はありません。「面倒だ……」などといった、簡単な言葉でよいのです。

表1:考えを記録することで、客観的に思考を修正する

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 あまりに単純なタスクでこれを実行してもあまり意味はないため、着手することが「面倒くさい……」と感じたら、さっそく試してみましょう。

  1. で「面倒だ……」と感じ
  2. にて「思ったほどじゃないな!もっと早く着手しておけばよかったわ!」となり
  3. で「ホントにたいしたことなかった!先延ばしなんてバカバカし、まだまだタスクを受けられる!」と認知の歪みを修正

 という記録ができるわけです。このような記録の積み重ねを、後から見返すわけです。

 人間は恐ろしいほどに忘れやすい生き物です。

 「たいしたことなかった、俺はやればデキル子!」という成功体験の財産ですら、一瞬で忘却の彼方へ消え去ります。

 よって、記録を見返すことで「ああ、そうそう、このプレゼン準備の時も、イザ作成してみたら大したことなかったんだわ、俺イケてるわ!」という記憶と自信を呼び起こすわけです。

 これを繰り返し、「タスクの実体を把握する」経験を積むことで「目の前のタスクは、実は大したことがない!」と言い切れる自分を創り上げることができるのです。

 やがて不毛な思い込みは矯正され、より「現実に即した見積」が可能となり、結果的に先延ばしの克服やキャパシティの拡大につながっていくことでしょう。

なぜ記録(レコーディング)すると良いの?

 話をこれだけで終わらせないために、原理を理解しておきましょう。深い理解を伴った知識や考え方は、応用することで100倍、200倍の力を発揮します。知識は人生の様々なシーンに応用できて初めて「知識は力になった」といえましょう。

 先程も少し述べましたが、記録することの力についての補足です。

 何も友人に「ほれスゴイっしょ!?」などとSNSでシェアしたり、自己満足に浸ったりするためだけに記録するわけではないのです。

 例えばダイエット。「レコーディングダイエット」が有名ですよね。また、何か脅迫的なものにとらわれて同じ行動を繰り返してしまう人も、行動を「記録し続ける」ことで、あるタイミングで症状がストップすることも報告されているようです。

 自分の過去の「行動や思考」を客観視し、大きな気づきを得ることで、自分の思考が「現実に即した正しい、本来あるべき姿」に改善されるのです。

 過去の記事でも何度か取り上げていますが、自分の思考を客観視すること(=メタ認知)は、複雑化した現代社会を生き抜く上で非常に重要なスキルだといえます。

 記録に残すという、ちょっとした簡単な作業で、人生の質=QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を向上させることができるのです。

 
 ちょっとした工夫一つで、次々と変わっていく風景――。

 フィルターを少し磨いて、面白い世界を覗いてみませんか?


photo by Philip Chapman-Bell

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