GAZ-67とは? わかりやすく解説

GAZ-67

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 23:54 UTC 版)

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GAZ-67
GAZ-67B
種類 軍用車両
原開発国 ソビエト連邦
運用史
配備期間 1943年 -
開発史
開発者 ゴーリキー自動車工場
開発期間 1943年
製造業者 ゴーリキー自動車工場
製造期間 1943年 - 1953年
製造数 3,137両(GAZ-67)
92,843両(GAZ-67B)[1]
諸元 (GAZ-67)
重量 1,320kg[1]
全長 3,340mm[1]
全幅 1,700mm[1]
全高 1.700mm[1]
要員数 4名[1]

エンジン GAZ 3.3L 4気筒液冷ガソリン[1]
54hp[1]
行動距離 140km[1]
速度 90km/h[1]
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GAZ-67ロシア語: ГАЗ-67)は、1943年ソビエト連邦のゴーリキー自動車工場(現GAZ)で開発された4×4輪駆動の小型軍用車両である。

第二次世界大戦中にアメリカ大量生産されたジープに形態が類似することから、"ソ連版ジープ"などと呼称されることもある。

概要

GAZ-67は、同時期にアメリカで開発されていたジープ(バンタムBRC-40)を参考に開発され、1941年-1942年にかけて646両が生産されたGAZ-64ロシア語版英語版の改良型に相当する車種で、1943年9月に生産がスタートした。GAZ-64からの変更点としては、エンジン出力が50hpから54hpに強化されたこと、前後輪のホイールベースが若干広くなっていることなどが挙げられる[2][3]。開発にあたっては、エンジンやギアボックスをGAZ-MMから、ラジエーターGAZ-AAAから流用するなどして開発期間短縮・部品共通化が図られている[4]。GAZ-67は1943年中に718両[4]1944年に2,419両の計3,137両が生産された。1944年1月からは改良型のGAZ-67Bの生産が開始された。なお、エンジン出力の50hpから54hpへの強化や、ホイールベースの拡大を、GAZ-64から67への変更時ではなく、GAZ-67から67Bへの改良に伴うものであると記述する資料[1][5]も見られる。

GAZ-67と67Bの外見上の相違点として、フロントのラジエーターグリルガード部の構造が変わっていることが挙げられる。具体的には、初期のタイプのラジエーターグリルガード部分が10本の金属棒を並べて溶接した構造であるのに対し、後期タイプではアメリカ製ジープのような、1枚の金属板をプレスして7個の長穴を打ち抜いた構造になっている。なお、ラジエーターグリルの構造変更はGAZ-67から67Bへの改良に伴うものであるとする資料[4]と、大戦中の生産型と戦後型の違いであるとする資料[5][6]が存在し、明確ではない。

GAZ-67Bはヨーロッパにおいて戦闘の終結した1945年5月9日時点までに1,714両が生産され、67と合わせた総生産数は計4,851両[4]となった。当時のソ連では工業生産のリソースの多くを戦車等戦闘車輌の生産に振り当てていたこともあって、大戦中の生産数は5,000両未満[4][2]と決して多くなく、これに対しレンドリースで供与されたアメリカ製ジープの供給数量は50,000両以上であり、機械的信頼性の高さもあって、大半の部隊がこれを使用した[4]

GAZ-67Bの生産は大戦終了後も継続し、生産数としては、むしろ大戦後の方がずっと多く、1953年までに計92,843両[1]が生産された。なお、大戦直後の1946年に後継車種のGAZ-69の開発がスタートし、1953年から量産が開始されたことにより、GAZ-67Bの生産は終了している。

GAZ-67/67Bは開発国ソ連の他、中国北朝鮮ポーランド[2]などに輸出されて運用されている。

また、GAZ-67のシャーシ装甲車体を載せた小型装輪装甲車としてBA-64Bが生産されている。なお、BA-64の初期タイプにはGAZ-64のシャーシが使用されている。

形式・派生型

GAZ-67
1943年-1944年にかけて生産。生産数3,137両。
GAZ-67B
1944年1月-1953年まで生産された、主生産型となった後期型。大戦中に1,714両、計92,843両が生産された。主な変更点は、ラジエーターグリル部の生産簡易化など。
GAZ-67/M8
GAZ-67の車体後部に4基のM-8ロケット弾発射機を搭載した車両。コーカサスの山岳地帯で運用された[7]
BA-64B
シャーシを流用した装輪装甲車。初期型はGAZ-64ロシア語版英語版のシャーシを用いて製造され、改良型のGAZ-64BはGAZ-67Bの車台をベースとしている。1946年までに5,209両が製造された(初期型も含めたBA-64全体の生産数は約9,000両)。

画像

模型

模型メーカーの田宮模型から1973年に1/35スケールで発売されたGAZ-67Bのキットは、当時、鉄のカーテンの向こうより得られる資料の少なさからか、戦中型モデルであるとして後期タイプ(戦後型)のプレス型ラジエーターグリルを誤って再現してしまっている。一方、ソビエト連邦の崩壊後の2007年に同社から1/48スケールで発売されたGAZ-67Bのキットは、元共産圏から得られる資料も豊富となり、ラジエーターグリルが棒溶接タイプの初期型(戦中型)を正確に再現している。

2013年中国の模型ブランド"トランペッター"から発売されたGAZ-67Bのキットは、パッケージに描かれたイラストは初期型溶接グリルであるが、中身のパーツは後期型プレスグリルとなっている[5]

登場作品

漫画・アニメ

ウクライナ混成旅団
単行本「幻の豹 The Panther in Ukraina 1950」または「独立戦車隊」収録作品。キリバエフ中尉の移動用に使用される。
ココロ図書館
第11話にて敵戦車指揮官が使用。

ゲーム

コール オブ デューティ:ユナイテッド オフェンシブ
マルチプレイでのみ、ソ連軍車両として使用可能。車載機銃として、SG-43重機関銃を搭載している。

脚注・出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l militaryfactory.com GAZ-67 - 4x4 Military Utility Vehicle - History, Specs and Pictures
  2. ^ a b c 田宮模型, 1/48ミリタリーミニチュアシリーズ, 32542, ソビエト・フィールドカー GAZ-67B, 組立説明書, 実車解説
  3. ^ ロシア語版ru:ГАЗ-67БではGAZ-64からGAZ-67への変更に伴うものであると記述されている
  4. ^ a b c d e f Engines of the Red Army in WW2 - GAZ-67
  5. ^ a b c M's PLUS ソビエト GAZ-67B 4輪駆動車 (トランペッター 1/35 AFVシリーズ No.02346 )解説
  6. ^ ロシア語版ru:ГАЗ-67Бでは1948年に変更されたと記述されている
  7. ^ http://zebrano-model.com/ Z72024 - GAZ-67-M8 KATYUSHA

関連項目

外部リンク


GAZ-67

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ココロ図書館」の記事における「GAZ-67」の解説

第11話登場敵軍指揮用四輪駆動車

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