女木島 地形

女木島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/08 07:27 UTC 版)

地形

洞窟の出口上方の柱状節理

女木島は北側の標高186.8メートルの鷲ヶ峰、南側の標高216.0メートルのタカト山、両者の間の標高153メートルのズッコウ山(日蓮山)の山並みから成る[2][10]。基盤岩は花崗岩類、上層部は玄武岩質火山礫凝灰岩、頂部は讃岐岩質玄武岩溶岩(カンラン石玄武岩)で覆われるが、浸食(開析)が進んで平坦面は残っていない。そして、鷲ヶ峰の鬼ヶ島大洞窟の出口の上方に崖があり、見上げると柱状節理の岩柱が見える[11]。島の中央の東西両岸に小規模の堆積平野が見られるほかは、傾斜地である[12]

歴史

鎌倉時代は四国本土の豪族、香西氏の領地であった。室町時代の末から江戸時代の初期は香西氏の一族、直島の高原氏が所有していたが、1672年(寛文12年)に幕府の直轄地(天領)となる[1]

天領の時代は直島・女木島・男木島を「直島三か島」と称し、備中松山藩領地・倉敷代官所支配・大坂城代支配・高松藩預地など、たびたび支配者が変わるが、幕末は備中倉敷代官の支配下にあった[1]

1871年明治4年)、明治維新後の廃藩置県で、香川県香川郡へ編入された。1890年(明治23年)、自然村の女木島と男木島で、行政村雌雄島(しゆうじま)村が成立する[1]

明治以降は、農漁業地から商工業地の高松市・阪神地域への人口供給の一般的傾向をもつ。大正期から昭和初期には、アメリカ160人の他、ブラジルカナダに移住している[8][12]

島名の由来

いくつかの説がある[8]

  1. 那須与一が射落としたの一部が流れ着いたことから「メギ」という名がついた(このあたりでは「壊れる」ことを「めげる」と言う)。
  2. 北隣にある男木島と合わせて、2つの島を男女に見立ててオギの「オ」に対応するものとしてメギの「メ」がついた。
    • 「ギ」は、木の多い「木島」、防御地を意味する「城島」と考えられる。
  3. 「紀」と呼ばれる出雲系種族が住みついた。
  4. 古事記』にまつわる「姪姫(玉依姫)」から名づけた。

年表

頭上運搬をする島の娘。鉄道省(1920-1943)発行の絵葉書より。
  • 1890年(明治23年) - 女木島と男木島が町村制を施行し、行政村の香川県香川郡雌雄島村が成立。雌雄島村大字女木島になる[10]
  • 1937年(昭和12年) - 島民がズッコウ山の山頂に日蓮上人像を設置[10]
  • 1956年(昭和31年) - 女木島灯台が点灯、供用開始となる[1]
  • 1956年(昭和31年) - 雌雄島村は高松市に合併する。女木島は高松市女木町となる。女木出張所が開所、小・中学校も市立に改称する[1]
  • 1957年(昭和32年) - 離島振興法の指定を受ける。
  • 1958年(昭和33年) - 市立女木中学校を閉校、市立城内中学校に統合する(その後、市立高松第一中学校に統合)。
  • 1960年(昭和35年) - 四国電力の電力供給で点灯する。
  • 1976年(昭和51年) - 簡易水道が完成し、給水船による水輸送を開始する。
  • 1976年(昭和51年) - 日本電信電話公社のダイヤル電話が即時通話となる。
  • 1997年(平成9年) - 海底移水管が完成し、本土と水道網が直結する。
  • 1997年(平成9年) - 鷲ヶ峰展望台( 女木島山頂園地)が完成する。
  • 2002年(平成14年) - 女木海水浴場の親水護岸・突堤などの海岸環境整備が完了する。
  • 2007年(平成19年) - 女木港ビジターバースが完成する。

交通

  • 高松~女木島~男木島を結ぶ、定期便(雌雄島海運[13]が運航されている。高松港(サンポート)からフェリーで女木港まで20分、女木港~男木港まで20分である。他に船便は無い。
  • フェリーの到着時刻に合わせて「女木港~鬼ヶ島大洞窟」を往復する定期バス[14]が運行されている(冬季は運休、鬼ヶ島観光自動車)。その他は、レンタサイクルが唯一の交通手段。

注釈

  1. ^ 雲仙国立公園および霧島国立公園と同時指定。
  2. ^ 国勢調査、1950年(昭和25年)の雌雄島村の人口は2139人、2015年(平成27年)10月の女木町と男木町の合算人口は355人である。
  3. ^ 西浦の集落には16世帯が居住する(2016年8月現在)。

出典

  1. ^ a b c d e f 高松市史編修室 編 『新修高松市史 第1』高松市、1964年12月15日、675 - 676頁。NDLJP:3030912/355 
  2. ^ a b c 電子国土基本図(地図情報)・地名集日本2007(地名に関する情報)ー国土地理院
  3. ^ a b 四国新聞社出版委員会 編 『香川県大百科事典』四国新聞社、1984年4月10日、911頁。NDLJP:12193119/462 
  4. ^ 瀬戸内海国立公園ー環境省
  5. ^ a b c 『香川の瀬戸内海国立公園 ガイドブック』、香川県みどり保全課 編集/発行、2016年、14頁。
  6. ^ 登録人口 2017年12月現在ー高松市
  7. ^ 北川フラム 監修 永峰美佳 他 編集『瀬戸内国際芸術祭 2016 公式ガイドブック』、現代企画室、2016年、7・93頁。
  8. ^ a b c 角川日本地名大辞典編纂委員会 『角川日本地名大辞典37 香川県』角川書店、1985年9月、794-975頁頁。ISBN 978-4-04-001370-1 
  9. ^ 香川県のしまっぷー第六管区海上保安本部
  10. ^ a b c d 香川県の歴史散歩委員会 編『香川県の歴史散歩』、山川出版社、2013年、292頁。
  11. ^ 讃岐ジオサイト探訪ー香川大学
  12. ^ a b 観光学術読本 鬼が島』、高松市商工観光課、1957年、23・58-59頁。
  13. ^ 男木島・女木島フェリーー雌雄島海運
  14. ^ a b 鬼ヶ島おにの館ホームページ・バスの案内ー鬼ヶ島おにの館ホームページ
  15. ^ さくら遍路/女木島、四国新聞、2018年3月31日。
  16. ^ 三好 貞 編集『鬼が島』、高松市商工観光課、1957年、48頁。
  17. ^ モアイ修復プロジェクト:経過年ータダノ
  18. ^ 企業メセナ協議会 編著『メセナ白書1995』、ダイヤモンド社、1995年、34頁。
  19. ^ 香川県女木島野営場ー香川県
  20. ^ Missing”. Busan International Film Festival. 2022年8月12日閲覧。






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