雪線とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 社会 > 社会一般 > > 雪線の意味・解説 

せっ‐せん【雪線】

読み方:せっせん

降った一年じゅう消えない地域下限連ねた線。


雪線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/14 00:56 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

雪線(せっせん、英語: snow line)とは、自然地理学において、氷河の形成を促進する気候条件を満たす範囲の地域(有効氷河形成範囲)の下限を結んだ線のことをさす[1]。年ごとの氷河平衡線[注釈 1]の長期間での平均高度にあたり[3]、自然地理学において重要な境界線の1つである[注釈 2][3]

有効氷河形成範囲

有効氷河形成範囲(zone of glacier formation)は気候条件(気温、降水量)と地形条件によって決定される[4]。有効氷河形成範囲の上限は大気中の水蒸気量により(高度上昇に伴い大気中の水蒸気量は減少する)、下限は乾燥地域においては降水量、それ以外の地域では気温により決定される[4]。また、氷河の形成のためには、雪氷が堆積可能な平坦な地形が存在することが求められる[5]

雪線高度

異なる緯度における雪線高度を示したスケッチ。左が南極、中央が赤道、右が北極である。この図はアレクサンダー・キース・ジョンストンにより1848年に描かれた。


雪線高度は概して赤道付近では高く、極地にむけて低くなっていく[3]。ただし、中緯度地域では乾燥帯であるため赤道付近よりも雪線高度が高いなどの例外もある[3]

世界各地の雪線のおおよその標高は以下のとおりである。

スヴァールバル諸島 78°N 0300–0600 m
スカンディナヴィア北極圏 67°N 1000–1500 m
アイスランド 65°N 0700–1100 m
シベリア東部 63°N 2300–2800 m
スカンディナヴィア南部 62°N 1200–2200 m
アラスカ南東部 58°N 1000–1500 m
カムチャツカ半島 (沿岸部) 55°N 700–1500 m
カムチャツカ半島 (内陸) 55°N 2000–2800 m
アルプス山脈 (北側斜面) 48°N 2500–2800 m
アルプス山脈中央部 47°N 2900–3200 m
アルプス山脈(南側斜面) 46°N 2700–2800 m
ピレネー山脈 43°N 2600–2900 m
コルシカ島 43°N 2600–2700 m
カフカス山脈 43°N 2700–3800 m
ポントス山脈 42°N 3800–4300 m
ロッキー山脈 40°N 3700–4000 m
カラコルム山脈 36°N 5400–5800 m
トランスヒマラヤ山脈 32°N 6300–6500 m
ヒマラヤ山脈 28°N 6000 m
オリサバ山 19°N 5000–5100 m
ルウェンゾリ山地 1°N 4700–4800 m
ケニア山 4600–4700 m
ニューギニア島 2°S 4600–4700 m
アンデス山脈エクアドル 2°S 4800–5000 m
キリマンジャロ 3°S 5500–5600 m
アンデス山脈(ボリビア 18°S 6000–6500 m
アンデス山脈(チリ 30°S 5800–6500 m
ニュージーランド北島 37°S 2500–2700 m
ニュージーランド南島 43°S 1600–2700 m
フエゴ島 54°S 0800–1300 m
南極 70°S 0000–0400 m

なお、雪線より下にある世界で最も標高の高い山はオホス・デル・サラード(標高6,893m)である[6]

脚注

[ヘルプ]

注釈

  1. ^ 年間での降雪量と融解・蒸発量が一致する点を結んだ線であり、万年雪の有無から判別可能である[2]
  2. ^ 他には森林限界も重要な境界線である[3]

出典

参考文献

関連項目


「雪線」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



雪線と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

','','','','','','','','','','','','','','','','','',''];function getDictCodeItems(a){return dictCodeList[a]};

すべての辞書の索引

「雪線」の関連用語

1
万年雪 デジタル大辞泉
100% |||||




5
高山帯 デジタル大辞泉
52% |||||

6
高山気候 デジタル大辞泉
52% |||||




10
デジタル大辞泉
34% |||||

雪線のお隣キーワード
検索ランキング
';function getSideRankTable(){return sideRankTable};

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



雪線のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの雪線 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS