部分写像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/19 04:49 UTC 版)
数学において部分写像(ぶぶんしゃぞう、英: partial mapping)あるいは部分函数(英: partial function)は適当な部分集合上で定義された写像である。即ち、集合 X から Y への部分写像 f は X の任意の元に Y の元を割り当てることが求められる写像 f: X → Y の概念を一般化して、X の適当な部分集合 X' の元に対してのみそれを要求する。X′ = X となる場合には f は全域写像 (total function) と呼ばれ、これは写像と同じ概念を意味する。部分写像を考えるときには、その定義域 X' がはっきりとは分かっていないという場合もよくある。
基本概念
部分写像 f に対し f(x) が定義される値 x 全体の成す集合(上記の X')を f の定義域と呼び、D(f) や Def(f) のように表すのが典型的である。これに対し集合 X は f の始域(あるいは圏論においては「域」とも)呼ばれる。英語等では両者とも単に f の domain と呼ぶことがあるので注意が必要である(定義域を明確に domain of definition と呼ぶ流儀もあるが)。同様に codomain が f の像(値域)と終域(圏論では余域とも)の何れかの意味で用いられる。
始域 X, 終域 Y の部分写像を f: X ⇸ Y のように縦棒付き矢印であらわすことがある。あるいは
部分写像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 18:57 UTC 版)
詳細は「部分写像」を参照 一般には、定義域と始域が異なる(値の定められていない始域の元が存在する)という場合も考え得る。集合 A, B の元の順序対からなる集合(すなわち二項関係)Gf が 右一意性: (x, y1) ∈ Gf かつ (x, y2) ∈ Gf ならば y1 = y2 をみたすとき Gf は A から B への関数関係であると言われる。このとき、三つ組 f := (A, B, Gf) をこの関数関係 Gf から定まる A から B への部分写像と呼び、f: A → B で表す。部分写像 f: A → B すなわち Gf ⊆ A × B の定義域 dom(f) と値域 ran(f) は次のように定義される: dom ( f ) = { x ∣ ∃ y ( ( x , y ) ∈ G f ) } ⊆ A , ran ( f ) = { y ∣ ∃ x ( ( x , y ) ∈ G f ) } ⊆ B . {\displaystyle \operatorname {dom} (f)=\{x\mid \exists y((x,y)\in G_{f})\}\subseteq A,\quad \operatorname {ran} (f)=\{y\mid \exists x((x,y)\in G_{f})\}\subseteq B.} 写像の定義の際には課した関係の全域性は、部分写像 f の定義域 dom(f) が始域 A に一致することをいうものであり、全域的な部分写像を特に全域写像 (total mapping) と呼ぶ。すなわち、全域写像は写像の同義語である。
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