由来説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/08 22:47 UTC 版)
ムササビは日中は木の洞などにこもり、夜に空中を滑空するという生態が怪しまれたことから、実在のムササビそのものが野衾として妖怪視されていたという説もある。また、ムササビやモモンガは暗視能力に長けるため、夜間での滑空中に松明や提灯の火に目が眩んで着地を誤り、その際に人間の頭にへばりつく様子を人間側が妖怪に襲われたと誤認し、怪異の事例として語ったともいう。鳥山石燕の妖怪画集『今昔画図続百鬼』の「野衾」の解説文にも「野衾は鼯(むささび)の事なり」と記述がある。 『和漢三才図会』の「鼠類」の巻に鼯鼠という項目が有り(むささひ のふすま)と読み仮名が振られている。「鼯鼠は毛色と形はほぼ鼠に似て肉の翼有り。原禽類の伏翼(コウモリの事)に詳しい」と記されている。「原禽類」の巻には「鸓鼠」という項目が有り(むささひ もみ のふすま ももか)と読み仮名が振られている。記されている生態は爾雅注疏卷十の「鼯鼠」と同じ。呼び名については「俗に野衾と言う。関東では毛毛加と言う。西の国にては板折敷と言う」と記されている。「原禽類」の巻の名称に関しては、『和名類聚抄』(10世紀中頃)の部分的引用がみられる(詳細は「ムササビ#人との関係」を参照)。
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