生物起源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/02/02 23:49 UTC 版)
幅広い生物がポリアセチレンを合成し、その多くが医薬品としての性質を持つ。アセチレン脂肪酸1は、ヤドリギ科Paramacrolobium caeruleumの根の皮から単離された。この科の植物の茎や葉は、インドネシアでは癌の治療に用いられている。 天然色素チアルブリンB(2)は、オオブタクサから単離された。この型の化合物を含む植物は、アフリカやカナダの原住民が皮膚感染や腸内寄生虫の治療に用いてきた。 アメリカハリブキの内樹皮や根は、アメリカ原住民が様々な病気の治療に用いてきた。単離されたポリインの1つは、オプロパンジオール酢酸(3)である。ジヒドロマトリカリア酸(4)は、ジョウカイボン科から得られるポリインである。植物由来の他のポリインには、エナントトキシン、シクトキシン、ファルカリノールがある。 ポリインは、ニンジン、セロリ、フェンネル、パセリ、パースニップ等のセリ科の野菜でも見られ、細胞毒性を示す。 Ichthyothere属は、イクチオテレオールと呼ばれるポリインを活性物質として含む。この物質は魚にとって非常に毒性が強く、そのため、Ichthyothere terminalisを釣りの餌として用いることで、魚は水の外に跳び出る。 ファルカリノール型の脂肪族C(17)-ポリインは、代謝調整剤として作用し、健康増進の栄養剤として研究されている。 これらのポリインの医薬品としての性質のため、その合成経路が有機合成工業で再現されることが望まれている。そのような多くの過程の中には、カディオ・ホトキェヴィチカップリング等がある。
※この「生物起源」の解説は、「ポリイン」の解説の一部です。
「生物起源」を含む「ポリイン」の記事については、「ポリイン」の概要を参照ください。
- 生物起源のページへのリンク