摩擦円とは? わかりやすく解説

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摩擦円

英語 friction circle

カーブ走行中にブレーキかけたり加速しながらハンドル切ったりする場合には前後力(制動力駆動力)と横力(カーブ走行必要な力)が同時に生じる。両方の力ともタイヤ路面間の摩擦力であるが、両者同時に生じ場合摩擦力最大値(=摩擦係数μ×タイヤ垂直荷重W)は変わらない。それを概念図表したのが摩擦円である。すなわち前後Fx横力Fy合力が摩擦円(半径=μW)を超えることができないロック状態で急ブレーキをかけながらハンドル切ったときにハンドル効かないのは、大きな制動力影響横力がほとんど発生しないためである。なお前後と横の摩擦力最大値一定でないものとして、摩擦楕円考えることもある。

摩擦円

※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。

摩擦円

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 09:11 UTC 版)

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摩擦円(まさつえん、英語: friction circle)は、車両が旋回している時に「タイヤ接地面に発生する前後力と横方向力の合力の最大値が静止摩擦力に等しいとした時,“前後力2 + 横力2 = 最大静止摩擦力2” で表せるのことをいう[1]」。車両のタイヤ路面との間の動的相互作用について考えるための有用なやり方である。下の図は上から見たタイヤを示しており、路面はx-y平面内にある。タイヤが付いている車両は正の y 方向に移動している。

摩擦円

この例では、車両は右(すなわち曲がり角の中心から正のx方向)へ旋回していることになる。タイヤの回転面は、実際にタイヤが動いている方向(正のy方向)に対して斜めになっていることに注意すること。言い換えれば、タイヤは自分が「指している」方向(この場合,正のy方向から見て右方向)に単純に「転がる」のではなく、正のy方向への「前進」を維持するために、自分が指している方向とは異なる方向に「滑る」必要がある。この、タイヤが「向いている」方向(回転面)と、実際の進行方向との差が横滑り角英語版(スリップ角)である。

タイヤが路面に接する部分では、すべり英語版(スリップ)という機構によって水平方向のが発生する。その力を図中ではベクトル Fで表している。この例では、Fはタイヤの平面に対して垂直になっていることに注意すること。これは、タイヤが自由に転がっていて、車のブレーキ駆動列(ドライブトレイン)によってトルクが加えられていないからである。しかし、これがいつでも当てはまるというわけではない。

Fの大きさは破線の円によって制限されているが、破線の円からはみ出さないFxFYの成分の組み合わせであれば、どのような大きさでも構わない[2](現実のタイヤでは、円はy軸がx軸よりも少し長い楕円に近い形になりそうである)。

この例では、タイヤはx方向に力の成分 (Fx) を発生させている。この力がサスペンションシステムを介して車両のシャシーに伝達され、他のタイヤからの同様の力と組み合わされると、車両は右に曲がることになる。また、負のy方向にも小さな力 (Fy) がある。これは抗力を表しており、他の力で打ち消されなければ、車両は減速してしまう。このような抵抗は、タイヤが横方向の力英語版を発生させる滑りの機構上、避けることができないものである。

摩擦円の直径、つまりタイヤが発生させることのできる最大の水平方向の力は、タイヤの設計やその状態(経年変化や温度など)、路面の質、タイヤにかかる垂直方向の負荷など、多くの要因によって決まる。

出典

  1. ^ 摩擦円”. 機械工学事典. 2021年9月8日閲覧。
  2. ^ Foale, Tony (2006). Motorcycle Handling and Chassis Design (Second ed.). Tony Foale Designs. pp. 2–29. ISBN 978-84-933286-3-4. https://books.google.com/books?id=84hF-qoR5I8C&q=friction+ellipse&pg=SA2-PA29. "A much used graphical aid to understanding how corning and traction (braking and driving) forces combine is the so called "friction ellipse"." 

関連項目

  • 車両動力学英語版
  • 旋回求心力


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