性理学とは? わかりやすく解説

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せいり‐がく【性理学】

読み方:せいりがく

中国宋代から明代にかけて隆盛だった儒学の一学説。漢・唐代訓詁(くんこ)学に対し宇宙原理としての理を究明し人間の本性明らかにようとしたもの。宋学中核をなす。


性理学

読み方:セイリガク(seirigaku)

中国における儒学一派で、南宋の代、朱熹によって大成された学問

別名 朱子学(しゅしがく)


せいりがく 【性理学】

宋学

宋明理学

(性理学 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/29 01:10 UTC 版)

宋明理学(そうみんりがく)は、中国の宋代から明代にかけて流行した思想を指す言葉で、朱子学陽明学のこと[1]。宋以後の思想史の中で最も重要な位置を占める[1]。宋代・明代の儒学を代表するテーマが「」であることからその名がつき、単に「理学」とも呼ばれる。

その新しい思想傾向を強調して「新儒教」とも称され[2]、英語では Neo-Confucianism と訳される(現代の新儒家(現代新儒学)とは別物である)。また、宋明理学のうち、北宋南宋の学術は特に宋学と呼ばれる[3]

概要

その起源は中唐韓愈柳宗元らに求められる。それまでの経典解釈学的な儒学(漢唐訓詁学)は批判され、人間の道徳性や天と人を貫くことわり(理)を追求することこそ学問であるとされた。このことは文学史上の古文復興運動と連動しており、文章は修辞などによる華麗さを追求するものではなく、を表現するための道具であるとされた。

宋代にはさまざまな流派が興ったが、やがて程顥程頤二程子)を祖とする道学が主流となった。天理人欲、理一分殊、性即理などを述べた。

道学の流れを汲み、他の流派の言説をも取り入れつつ、後世に大きな影響力のある学問体系を構築したのは南宋朱熹である。朱熹の学派は道学の主流となり、このため程朱学派の名がある。朱熹は存在論としてを述べ、理気二元論を主張している。彼らの学問は性即理を主張したので性理学と呼ばれる。

一方、朱熹と同時代の陸九淵明代中葉の王守仁(王陽明)のグループは心即理を主張したので、心学と呼ばれる。心学は明代中期に隆盛した。

理気論は宋代は理気二元論、明代は気一元論へと変化していった。

主要学派

朱熹以前

朱熹以後

脚注

  1. ^ a b 島田 1983, p. 255.
  2. ^ 西 1983, p. 262.
  3. ^ 島田 1983, p. 262.

参考文献

  • 島田虔次 著「思想史3」、島田虔次ら 編『アジア歴史研究入門』 3巻、同朋舎出版、1983年、249-286頁。ISBN 4-8104-0368-8 
  • 西順蔵 著「宋学」、日原利国 編『中国思想辞典』研文出版、1984年、261-262頁。ISBN 4-87636-043-X 

性理学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/28 14:36 UTC 版)

李氏朝鮮の学問」の記事における「性理学」の解説

太祖李成桂助けて李氏朝鮮建国大きい功を立てた鄭道伝趙俊などは、皆が朱子学信奉者だった。彼らは儒学的な理想新王朝実現させようと、政治宗教指導理念儒教採択する同時に仏教猛烈に排斥させた。李氏朝鮮では君主進講はじめとして成均館四学郷校などの教育機関科挙などにもその科目採択され、国の政治儒教政治ようになった一方新し王朝官職につかず節義守った吉再などは山林入り弟子たち教育朱子学研究に力を尽くし、彼らの間で朱子学はさらに発達するようになった吉再門下学んだ金淑滋・金宗直及びその後に続く金宏弼・鄭汝昌などの新進士類たちも、世宗の時からしだいに官界に就くようになり、また世宗時に設置され集賢殿通じて立派な儒学者たちがたくさ溢れ出たそんな中で、世祖簒位契機に、儒学者地方思想処世上のさまざまな学派として勲旧派節義派・清談派・士林派四つ大きく分かれた勲旧派建国初期から朝廷基盤持ち継続して政権握って来た学者だったのに対し節義派や清談派は節義守った清談だけに没頭し現実政権からは離れていたので、結局は勲旧派との対立的な勢力成したのは士林派だった。 士林派は、初め勲旧派不和生じ何回迫害受けたが、後には継続して要職登用され政治直接参与する一方正統的な朱子学継承しながら李氏朝鮮時代儒学主流をなした。特に中宗時に金宏弼の学統継いだ趙光祖は、君主の厚い信任受けて理想的な道学政治実現するために、至治主義標榜して儒教的教化事業多く方面大きく興した事もあった。しかしこの時までの学風は、文字訓詁を主にした。そのうち己卯士禍によって趙光祖以下多くの士類たちが死刑あるいは追い出されると、残りの士類たちは政界に進む考え捨てて学問にだけ熱中する風潮起き学問傾向思索理論方面一変して朱子学宇宙論心理説などが深く研究された。この学風先駆成した学者徐敬徳李彦迪だったが、彼らの後を継いで現れ明宗宣祖時の李滉李珥は特に目立ち朝鮮儒学史上代表的な学者として尊敬受けている。しかしその後は、党争結びつき学問対す研究は活発ではなかった。さらに朱子学隆盛により台頭した礼論は、うるさい服制問題惹起し党争利用された。 李氏朝鮮時代儒学排他的だったので、中国盛行だった儒学分派である陽明学は、朝鮮では異端視されただけでなく、同じ朱子学派でも朱子と経註に反対てひどい非難受けた学説違い党争誘発させ、政治・社会面にも深く影響及ぼした李氏朝鮮後期になってからは、清の考証学西洋文物などに対す知識得て貢献できる学問である実学起き柳馨遠李瀷丁若鏞など、この方面に目立つ学者たちが出て新し学風見せた。しかし、これらも勿論、朱子学から完全に脱け出すことはできなかった。 一方大韓帝国末期崔益鉉のような儒学者たちは、朱子学名分論などを掲げて抗日運動実践移したこともあった。儒学国教のように崇めた朝鮮では、儒学思想社会広く普及するにも力を尽くした高麗末期朱子学一緒に伝来された朱子家礼、家廟などの普及が、両班層はもちろん一般庶民にも儒教的倫理観念を一般化させることに大きく作用した。またその倫理道徳具体的に庶民教えるために、孝子忠臣烈女などの事蹟編纂したし、地方官たちもその教化に力を尽くしたこのように儒学朝鮮社会及ぼした功績もあったが、一方で家族制度階級思想厳格にしたし、形式的な礼節事大主義思想生んで商工業芸術などを賤視するようにするなど弊害多かった

※この「性理学」の解説は、「李氏朝鮮の学問」の解説の一部です。
「性理学」を含む「李氏朝鮮の学問」の記事については、「李氏朝鮮の学問」の概要を参照ください。

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