微分型表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 13:49 UTC 版)
導体内の微小な断面(法ベクトル n)を考え、その面積を ΔS とすると、この断面を貫く電流 I は、この点での電流密度を j として I = j ⋅ n Δ S {\displaystyle I={\boldsymbol {j}}\cdot {\boldsymbol {n}}\Delta S} と表される。一方、この微小な断面を貫く微小な法線を考え、その長さを ΔL とすると、この法線に沿った電位差 V は、この点での電場を E として V = E ⋅ n Δ L {\displaystyle V={\boldsymbol {E}}\cdot {\boldsymbol {n}}\Delta L} と表される。この電流と電位差にオームの法則を適用すれば E ⋅ n = R Δ S Δ L j ⋅ n {\displaystyle {\boldsymbol {E}}\cdot {\boldsymbol {n}}={\frac {R\Delta S}{\Delta L}}\,{\boldsymbol {j}}\cdot {\boldsymbol {n}}} となる。導体が一様で等方な材質であると考えれば、電場 E と電流密度 j は平行であると考えられ E = ρ j {\displaystyle {\boldsymbol {E}}=\rho {\boldsymbol {j}}} と表される。比例係数 ρ = R ΔS/ΔL は導体の材質と温度によって定まり、抵抗率 (resistivity)あるいは固有抵抗 (specific resistance)と呼ばれる。さらにその逆関数 j = σ E {\displaystyle {\boldsymbol {j}}=\sigma {\boldsymbol {E}}} と表したときの比例係数 σ = 1/ρ は導電率 (conductivity)と呼ばれる。 この表現は導体内の微小領域におけるオームの法則を示しており、微分型表現といわれる。この微分型表現を実際の導体の形状寸法に合わせて積分することによりその導体の電気抵抗が定まる。
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