多賀宮とは? わかりやすく解説

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多賀宮

読み方:タカノミヤ(takanomiya)

伊勢神宮豊受大神宮別宮

教団 神社本庁

所在 三重県伊勢市(豊受大神宮域内)

祭神 豊受大神荒御魂

神社名辞典では1989年7月時点の情報を掲載しています。

多賀宮

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/14 20:29 UTC 版)

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多賀宮
所在地 三重県伊勢市豊川町279
位置 北緯34度29分7.4秒
東経136度42分13.8秒
座標: 北緯34度29分7.4秒 東経136度42分13.8秒
主祭神 豊受大御神荒魂
社格 式内社(大)
豊受大神宮別宮
創建 804年以前
本殿の様式 神明造
地図
多賀宮
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多賀宮(たかのみや)は三重県伊勢市豊川町にある外宮(豊受大神宮)の境内別宮である[1][2]。 第62回神宮式年遷宮2013年)では、別宮の中では荒祭宮に次いで10月13日遷御が行われた[3]

概要

拝殿
多賀宮への石段
式年遷宮により建てられた新社殿と旧社殿

多賀宮(たかのみや)は外宮正宮南方の檜尾山(ひのきおやま)にある[4]。別宮とは「わけみや」の意味で、正宮に次ぎ尊いとされる。

外宮の別宮は多賀宮のほか、境内に土宮(つちのみや)と風宮(かぜのみや)、境外に月夜見宮(つきよみのみや)があるが(合計四所)[5]、多賀宮がもっとも古く、外宮の4別宮のうち、『止由気宮儀式帳』(804年)と『延喜式神名帳』に記載されているのは多賀宮のみである[6]。祭神が外宮の祭神の豊受大御神荒魂である豊受大御神荒魂(とようけのおおみかみのあらみたま)であることから、4別宮の中で最高位とされる[1][2]

正宮前の池の横の亀石を過ぎ[7]、土宮と風宮の間にある石段を98段登った丘の上に多賀宮がある[8]。亀石は高倉山の天岩戸の入り口の岩を運んだと伝えられている。多賀宮の前の参道には、寝地蔵さんと呼ばれる、地蔵菩薩のように見える石がある[9][10]

足腰が悪く丘の上に登れない者のために、麓の池のほとりに多賀宮遥拝所が設けられている。

内宮の荒祭宮、外宮の多賀宮とも、神宮第一の別宮(荒魂)には双方とも鳥居がない[10]。詳しい理由は不明[10]

祭神

  • 豊受大御神荒魂(とようけのおおみかみのあらみたま)[11][12]
『倭姫命世記』『天照坐伊勢二所皇太神宮御鎮座次第記』『伊勢二所皇太神宮御鎮座伝記』では豊受大神荒魂の別名として、黄泉から戻ってきた伊弉諾尊で誕生した伊吹戸主(祓戸大神)[13][14]、または伊吹戸主神の別名として神直毘神とする(禊祓と三貴子の誕生[15][13][16]

歴史

由緒は定かではないが、雄略天皇22年(478年)の外宮創祀と同時に創建されたと伝えられている[1][17]。 神宮ではおおむね高宮(たかのみや)と呼称されていたが[1][18]、明治以降は『延喜大神宮式』を基準としたため『高宮』の表記は廃止され、多賀宮のみの標記となった[2]。縁起のよい字を当て多賀宮(たかのみや)になったともいう。従って多賀大社(こちらは「たが」と濁って読む)やその祭神である伊邪那岐命伊邪那美命とは関係がない。ただし豊受大神荒魂(多賀宮祭神)は伊弉諾命が禊祓した際に誕生した伊吹戸主の別名ともされる[15]

多賀宮専用の忌火屋殿があったが、明治に廃止された[2]第二次世界大戦中の1945年(昭和20年)7月29日宇治山田空襲により御階が燃えたものの、警備隊が体をこすりつけて消火し、社殿は無事であった[19]

祭事

外宮正宮に準じた祭事が行なわれ、祈年祭月次祭神嘗祭新嘗祭の諸祭には皇室からの幣帛(へいはく)がある[1]。皇室の勅使は正宮に続き、外宮の別宮のうち多賀宮のみに参行する。この待遇は、内宮の荒祭宮と同様である[20]

社殿

多賀宮の社殿[21]は外宮に準じ外削ぎの千木と、5本で奇数の鰹木を持つ萱葺の神明造で南面している。遷宮のための古殿地(新御敷地)は東西に隣接している。

交通

脚注

  1. ^ a b c d e 神道大辞典(平凡1939)二巻コマ246(原本422頁)
  2. ^ a b c d 伊勢神宮(学生社)75-77頁『多賀宮』
  3. ^ “内宮別宮で遷御の儀”. 読売新聞. (2013年10月11日). オリジナルの2013年10月15日時点におけるアーカイブ。. https://megalodon.jp/2013-1015-0127-42/www.yomiuri.co.jp/e-japan/mie/news/20131011-OYT8T00088.htm 2013年10月15日閲覧。 
  4. ^ 伊勢参宮案内コマ27(原本7頁)
  5. ^ カラーブックス伊勢神宮123頁『豊受大神別宮四所』
  6. ^ 筑摩、神宮の展開51-54頁『別宮の内実』
  7. ^ カラーブックス伊勢神宮55頁『亀石』
  8. ^ カラーブックス伊勢神宮67頁『別宮・多賀宮への石段』
  9. ^ カラーブックス伊勢神宮68頁『寝地蔵さん』
  10. ^ a b c 矢野、知られざる社53-54頁『荒御魂をまつる荒祭宮と多賀宮』
  11. ^ カラーブックス伊勢神宮69頁『別宮・多賀宮』
  12. ^ 神道大辞典(平凡1940)三巻コマ23(原本31頁)
  13. ^ a b 国史大系7巻コマ263(原本499頁)
  14. ^ 神道大辞典(平凡1937)一巻コマ90(原本147頁)
  15. ^ a b 神道大辞典(平凡1937)一巻コマ232(原本398頁)
  16. ^ 神道大辞典(平凡1937)一巻コマ142(原本239頁)
  17. ^ 皇大神宮史コマ170(原本242-243頁)
  18. ^ 皇大神宮史コマ170(原本242-243頁)
  19. ^ 矢野、知られざる社184頁
  20. ^ 伊勢年鑑(昭和17)コマ22(原本15頁)
  21. ^ 大神宮叢書(第3後篇)コマ359-360(原本664-666頁)『別院 多賀宮壹院』

参考資料

  • 『お伊勢まいり』(発行:伊勢神宮崇敬会)
  • 上田正昭ほか「別宮の祭祀」『神宮の展開 伊勢の大神』筑摩書房、1988年11月。ISBN 4-480-85469-X
  • 『宇治山田市史 上巻』(宇治山田市役所編、昭和4年発行、昭和63年復刻、国書刊行会発行)
  • こほりくにを・日竎貞夫『伊勢神宮』保育社〈カラーブックス890〉、1996年8月。ISBN 4-586-50890-6
  • 神宮禰宜桜井勝之進「五 度会の神々」『伊勢神宮』学生社〈日本の神社〉、1988年5月。ISBN 4-311-40704-1
  • 矢野憲一著『伊勢神宮 知られざる杜のうち』角川書店〈角川選書402〉、2006年11月。ISBN 4-04-703402-9

関連項目

外部リンク



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