代数的構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/26 14:45 UTC 版)
数学において代数的構造(だいすうてきこうぞう、algebraic structure)とは、集合に定まっている算法(演算ともいう)や作用によって決まる構造のことである。代数的構造の概念は、数学全体を少数の概念のみを用いて見通しよく記述するためにブルバキによって導入された。 また、代数的構造を持つ集合は代数系(だいすうけい、algebraic system)であるといわれる。すなわち、代数系というのは、集合 A とそこでの算法(演算の規則)の族 R の組 (A, R) のことを指す。逆に、具体的なさまざまな代数系から、それらが共通してもつ原理的な性質を抽出して抽象化・公理化したものが、代数的構造と呼ばれるのである。 なお、分野(あるいは人)によっては代数系そのもの、あるいは代数系のもつ算法族のことを代数的構造とよぶこともあるようである。 後者は、代数系の代数構造とも呼ばれる。 現代では、代数学とは代数系を研究する学問のことであると捉えられている。
- ^ 用語についてはいくつか表記ゆれが存在する。たとえば、マグマを亜群 (groupoid) と呼ぶ流儀もあるが、別な意味で亜群と呼ばれる概念もあるので注意。半群 (semigroup) を準群と訳す流儀もある。通常 pseudogroup に充てる擬群という語を準群(quasigroup)の訳とする流儀もある。
- ^ 左逆元および右逆元の存在は必ず存在するが、両者が一致して両側逆元となることは保証されない。
代数的構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/18 07:02 UTC 版)
点付き集合は、きわめて単純な代数的構造と考えることができる。それは普遍代数学における意味で、基点を選び出すという一つの零項演算を持つ代数系ということである。 多くの代数的構造が凡そ自明な仕方で点付き集合と見なすことができる。例えば、群は単位元を基点に選んで点付き集合と見れば、ちょうど群準同型が点付き写像となっていることが見て取れる:24。このような観察は、圏論的な言い方をすれば、群の圏から点付き集合の圏への忘却函手(英語版)があると言い換えられる:582。
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