中江家
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「風の市兵衛シリーズの登場人物」の記事における「中江家」の解説
中江 作之助(なかえ さくのすけ) 北相馬藩中村家6万石に仕える勘定人。33歳。足軽小頭の家に生まれ育ったが、剣術はさっぱり上達しなかった代わりに、幼い頃から算術を得意とした。そのため勘定人の助手に抜擢され、そこで能力を認められて勘定人に取り立てられた。 藩が手形を乱発し、実質的な借金が到底返済不可能な額に膨れ上がっていることを知り、江戸家老の筧に相談すると、筧から調査と事後の昇進を約束され、身の安全のために一時町屋住まいをするよう命ぜられる。その際、筧の態度に不審を抱き、不正会計の証拠となる帳簿を一冊持ち出した。帳簿が消えたことが筧らにばれると、上屋敷に呼び出されて殺され、公金横領の罪で成敗されたことにされてしまった。しかし、帳簿が表に出ることを恐れた首脳陣により、中江家には一旦病死と伝えられた。 中江 半十郎(なかえ はんじゅうろう) 作之助の父。作之助に家督を譲る前から、足軽奉公の傍ら道場主として近隣の子どもたちに剣術を教えてきた。本人は謙遜していたが、国元ではかつて「相馬の鷹」と呼ばれる剣豪だった。 ある日、江戸表から作之助が病死したという知らせを受け取る。しかし、作之助本人からの手紙を受け取って、作之助の死に不審を抱き、節を連れて江戸に向かった。そして、甲吉から中村家の付込帳を受け取ると、「宰領屋」を通じて市兵衛を雇い、その中身を精査させた。その結果、藩があり得ない額の手形を乱発していることを知る。そして、その後の調査により、藩の不正会計を知った作之助が藩の上層部によって謀殺されたことに気づいた。 筧と腹を割って話し合うために市兵衛と共に上屋敷に赴いたが、多くの討手に取り囲まれてしまう。しかし、討手を次々と斬り伏せて脱出した。その際深手を負うが、宗秀の手術によって一命を取り留めた。そして宗秀に、回復して国元に帰ったら、仏門に入って作之助や今回斬ってしまった人たちの菩提を弔うと語った。 節(せつ) 作之助の娘。7歳。母が節を生んで間もなく産後の肥立ちが悪くて亡くなり、その1年後に半十郎の妻も亡くなり、家には下女を雇う余裕がなかったため、半十郎に育てられてきた。 江戸に出てきてからは、半十郎が仕事などで留守にするときには、長屋の近くの「喜楽亭」で面倒を見てもらい、配膳などの手伝いをした。日頃無愛想な喜楽亭のおやじも、節と半十郎には親身に接する。 和恵(かずえ) 半十郎の娘で、作之助の姉。納戸方富田栄之進に嫁いだ。事件落着後に北相馬から下女と共に出府すると、節を連れて国元を離れたことについて半十郎をくどくどと責め、節を引き取ることを宣言した。その後は半十郎が回復するまで看病し、一緒に北相馬に戻っていった。それを見送った市兵衛は、いつも素直で大人びた様子だった節が、和恵に母親のように甘える姿を目撃した。
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