チェアスキーとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > チェアスキーの意味・解説 

チェア‐スキー

《(和)chairski

車椅子利用が行雪上スポーツパラリンピックでは、アルペン種目クロスカントリースキーなどで座位分類となる。シットスキー

1使用する道具。特に、1本のスキー板の上座席取り付けたもの。多くは、板と座席の間に衝撃緩和するための機構介する。主にアルペン種目選手がこれに乗り左右アウトリガーバランス取りながら滑走する

チェア‐スキーの画像
パラアルペン回転競技滑走のようす/撮影・Explorer-Media [CC BY-SA 3.0] https://bit.ly/3M23Oxb
チェア‐スキーの画像
スキー板が1本のモノスキー撮影・Ski66210 [CC-BY-SA-4.0] https://bit.ly/3rmEaKa
チェア‐スキーの画像
スキー板が2本のバイスキー/撮影William D. Moss [Public Domain] https://bit.ly/3M3DIdy

チェアスキー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/02 02:21 UTC 版)

2010年 回転競技

チェアスキー英語: sit-skiまたはoutrigger skiまたはmonoski)は、障害者スポーツのうち、座位で行うアルペンスキー競技及び、それに使用する用具。

概略

主に下肢に障害のあるスキーヤーがレジャーとして、または競技として、座席にスキー板を固定し、滑降などを行う。冬季パラリンピックにおいても座位のクラスが設定されている。

アルペンスキー

傾斜面を滑降する競技である。用具はサスペンションショックアブソーバーを組み込んだ金属フレームが、炭素繊維等を使用したFRP製のバケットシートを支える形状である。スキー板への固定は、スキーブーツと同じ方法(ビンディング)により行う[注釈 1]。初心者は2本板(バイスキー)[注釈 2]、上級者は1本板(モノスキー)を使用する。また両手には、ストックの先に短いスキー板がついたアウトリガーを装着する。モノスキーを使用した滑降において、上級者では時速100km程度に達する。

呼称

「チェアスキー」は日本独特の呼称であり、主にメカニカルな衝撃吸収機構の付いたもの、またはそれを使用して行う競技を指すが、海外での正式な呼称はsit-skiである。なお、整地されたコースを腕の力だけで走破する、クロスカントリースキーで使用するものは、日本においてもシットスキーと呼ばれる。

競技 日本での呼称 海外での呼称
アルペンスキー座位 チェアスキー sit-ski, outrigger ski, monoski
クロスカントリースキー座位 シットスキー sit-ski

歴史

1988年 板ばね使用
  • 1970年代後半、北アメリカにおいてアルペンスキーのために開発された。当時はそりのような形状であり、ターンができないものであった。
  • 1978年にアメリカのピーター・アクセルソンによって、ターンが可能なものが発明された。
  • 1980年代前半には、衝撃を吸収するために板ばねが使用された。
  • 1984年、インスブルックパラリンピックにおいて、デモンストレーションとして実施された。
  • 1988年、インスブルックパラリンピックにおいて正式種目として採用された。

日本におけるチェアスキー開発の歴史

日本においては神奈川県の福祉関係者が、車椅子使用者にもスキーを楽しんでもらうために研究を始めたのが開発のきっかけとなり、1980年に神奈川総合リハビリテーションセンター(神奈川リハ)にて誕生した[1]。また1998年に長野県で開催された長野パラリンピックにおいて、日本選手が使う用具を産学官共同で開発に当たったことが、世界的にも高いレベルを維持できている要因である。[2]

  • 1975年 開発開始[3]
  • 1980年 1型機[1][4]
  • 1984年 2型機/制動用のハンドブレーキなど過剰な装備を取り除いた。また、アウトリガーを採用し、シートとスキーの連結部分にショックアブソーバーも取り付けられた。
  • 1987年 3型機/チェアリフトへの乗降が可能となったが、いったんリフトを止める必要があった。
  • 1988年 インスブルックパラリンピック開催。銅メダル2個を獲得。
  • 1990年 4型機/高速な滑降が可能となり、競技会への参加も可能となった。
  • 1992年 アルベールビルパラリンピック開催。銅メダル2個を獲得。
  • 1994年 リレハンメルパラリンピック開催。銀3、銅3の好成績を収める。

これとは別に、1980年頃から北海道札幌市の北海道立肢体不自由者訓練センター(当時、現在の北海道立子ども総合医療・療育センター)の職員によって、神奈川県の施設にて作られていたチェアスキーを参考に、壊れた椅子・パイプ・不要のスキー板といった廃物利用品にバイクのショックアブソーバーを組み合わせ、ターンを可能として非常用ブレーキも備えた3本スキータイプの、現在のチェアスキーに通ずるそりが考案・試作されており、1982年(昭和57年)2月13日に全道ハンディキャップスキー大会会場となった北見市北見若松市民スキー場で完成品2台の披露と試乗会が行われ、参加者や試乗体験者からかなりの好評を得ていたという[5]

長野モデル

  • 1996年 世界選手権(オーストリア)開催。この頃から諸外国のアルペン用シットスキーの性能が向上し始め、2年後の長野パラリンピックに向けて、チェアスキーの本格的な研究開発が迫られた。
    • 長野パラリンピックに出場するナショナルチームを支えるため、企業や大学が開発チームに加わった。[6]
  • 1998年 長野モデルが完成。
    • ショックアブソーバーとサスペンション機構について、ドイツ製スキーを徹底的に研究。日本の障害者スキー史上初の金メダルを獲得。(大日方邦子、志鷹雅浩)

ソルトレークモデル

トリノモデル

販売

現在、普及型の長野モデルと、競技者向けのトリノモデルが購入可能である。[9]

開発団体

脚注

注釈

  1. ^ ただし大きな負荷が発生するため、スキーブーツよりも強い力で固定する。
  2. ^ バイ」は、「2」を意味するラテン語の接頭辞「bi-」の英語読み。

出典

関連項目

外部リンク


チェアスキー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/11 00:32 UTC 版)

スキー板」の記事における「チェアスキー」の解説

詳細は「チェアスキー」を参照 障害者スポーツとして下肢障害のある競技者使用

※この「チェアスキー」の解説は、「スキー板」の解説の一部です。
「チェアスキー」を含む「スキー板」の記事については、「スキー板」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「チェアスキー」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「チェアスキー」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

','','','','','','','','','','','','','','','','','',''];function getDictCodeItems(a){return dictCodeList[a]};

すべての辞書の索引

「チェアスキー」の関連用語











チェアスキーのお隣キーワード
検索ランキング
';function getSideRankTable(){return sideRankTable};

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



チェアスキーのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのチェアスキー (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのスキー板 (改訂履歴)、アルペンスキー (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS