ダイヤ図
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 09:50 UTC 版)
一般に鉄道のダイヤグラムは、時間を横軸、距離を縦軸にとり、停車場名を縦軸上に配置したグラフ状の形態(ダイヤ図)である。逆に距離を横軸に、時間を縦軸にとったダイヤ図も用いられることがあるが、基本的な考え方は同じである。以下、時間を横軸にとった形態を前提に説明する。 下りの起点駅が一番上に配置され、ここを原点として距離は下向きに、時間は右向きに増加する。そして一つの列車は一本の線(スジ)で表現される。従って始発駅を出発した列車、すなわち下り列車は右肩下がり、反対に上り列車は右肩上がりの折れ線を描く。できるだけスジが直線となるよう、駅は通常、駅間の距離ではなく所要時間に基づいて配置される。線の傾きは列車の速度を表し、速い列車ほど線の傾きは大きくなり、水平線(傾き0)は停車を表す。 単線区間においては駅間で上下列車の交換ができないので、駅間でスジが交差することはない。複線区間であれば上下列車の交換はどこでもできるので、駅間でスジが交差することがあるが、追い抜きはやはり待避設備のある駅に限られる。こうした待避関係はダイヤグラム上で図示すると一目瞭然となる。このため、単線区間と複線区間の配置などもダイヤの脇の方に併記されている。このほか、電化区間や自動列車保安装置など、列車の運行に影響を与える情報が併記されている。 一般に公表される時刻表は1分単位であるが、ダイヤの上ではもっと細かい単位で計画が立てられている。この目的で、スジの駅線との交点には秒単位での発着時刻を表現する記号が付けられており、鉄道会社内部ではこの記号のことを「ヒゲ」「ポツ」などと呼んでいる。この記号の使い方や時間単位は鉄道会社によって異なっている。 ダイヤ図には列車スジの以外に列車番号・着発番線のほか、入出区や、連結・解放などの作業や、停車場の特徴、および列車の種類を示す記号などが記されている。 なお、上の形態に対して車両の運用や乗務員の乗務スケジュール(行路)を示すために作成される「ハコダイヤ」、構内作業計画を行うための構内作業ダイヤと呼ばれるものがあるが、スケジュールや計画を鉄道の運行図表になぞらえた、あくまでも俗称であり、区別のために通常のダイヤグラムを「山型」と呼ぶ場合がある。ハコダイヤに関しては「運用」を参照。
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