アサドとは？ わかりやすく解説

アサドとはアラビア語由来の男性名で「ライオン、獅子」を意味する。またスペイン語では焼肉料理を指す。

人名

アサドはアラビア語由来の男性名で、アラブ諸国以外にもイスラーム教徒の名前としてイスラーム諸国を中心に世界各国で用いられている。アラビア語の名詞 أسد（asad, アサド）「獅子、ライオン」という意味に加え、「勇敢な（男性）」という比喩的な語義も有する^[1]。

アラビア語の発音通りのラテン文字表記（≒英字表記）はAsadだが、sを濁点化して発音する地域での誤読を防ぐといった目的からsを2つ重ねたAssadも多用されている。（注：アラビア語発音に関してはAssadと書いてアッサド、アッサードと読む訳ではない。）

アラブのラストネーム（家名）として

父祖の本名ないしはあだ名がアサドだった場合、家長名をラストネーム（家名、名字に相当）として名乗るフルネーム形式では「◯◯・アサド」、「◯◯・アル＝アサド」となる。

シリアのアサド家

定冠詞アルをつけた「アル＝アサド」（アラビア語: الأسد‎ al-Asad）についてはシリア大統領一族の家名として有名である。ただしシリア大統領一族のアサドというのは父祖のファーストネーム・実名ではなく父祖のあだ名が由来で、元々は野獣という意味の الوحش（al-Waḥsh, アル＝ワフシュ(アル＝ワハシュとも)）だったものを後代になって無難なライオン・獅子という家名に変更したという。

• アリー・スライマーン・アル＝アサド（アラビア語版、英語版） - シリアのアラウィー派リーダー。後のシリア大統領ハーフィズの父。
• ハーフィズ・アル＝アサド - シリアの政治家・軍人。前大統領。
  • バースィル・アル＝アサド - シリアの政治家・軍人。ハーフィズの長男。
  • バッシャール・アル＝アサド - シリアの政治家。現大統領。ハーフィズの次男。
    • アスマー・アル＝アサド - バッシャールの妻。
  • マジド・アル＝アサド（アラビア語版） - シリアの電気技師。ハーフィズの三男。
  • マーヘル・アル＝アサド - シリアの軍人。ハーフィズの四男。
  • ブシュラー・アル＝アサド（アラビア語版、英語版） - ハーフィズの次女。（彼女が生まれる前に夭逝した同名の姉がいる。）バースィルやバッシャールの姉。
• ジャミール・アル＝アサド（アラビア語版、英語版） - シリアの政治家。ハーフィズの弟。バッシャールの叔父。
• リファアト・アル＝アサド（アラビア語版、英語版） - シリアの軍人。元副大統領。ハーフィズの弟。バッシャールの叔父。

ブラジルのアサド（Assad）ファミリー

ポルトガル語圏であるブラジルにはアサド（Assad）家という有名な音楽家一族がいるが、レバノンから移民してきた父方祖父の家名^[2][3]であり、アラビア語ネームを引き継いだ形となっている。

• セルジオ・アサド - ブラジルのクラシックギター奏者、作曲家。
• オダイル・アサド - ブラジルのクラシックギター奏者。セルジオの弟。
• バディ・アサド - ブラジルのクラシックギター奏者。セルジオ、オダイルの妹。

その他

• アサード（アサド、asado） - スペイン語で焼肉のこと。ガウチョによって始められたもので、現代ではアルゼンチン、ウルグアイにおける代表的料理のひとつとなっている。

脚注

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