応仁の乱前夜の京。大飢饉と疫病が同時に襲った。加茂川ベリにはたった2か月で八万を超える死体が積まれ、人身売買、奴隷労働が横行する中世の暗黒時代ダークエイジ。しかし、時の権力者は無能で享楽の日々を過ごすばかり。貨幣経済が進み、富める者はより一層富み、かつてない格差社会となっていた。蓮田兵衛は、己の腕と才覚だけで混沌の世を泳ぐ自由人。しかし、ひそかに倒幕と世直しを画策する無頼漢。京とその周辺の悲惨な状況と窮民を見た兵衛は、立ち上がる時を狙っていた。一方、才蔵は夢も希望もない日々を送っていたが、兵衛に見出され、手下となる。やがて、決死の修行を生き延びた才蔵の武器となるのは、六尺棒。才蔵だけでなく、個性たっぷりのアウトローたちを束ねる兵衛。ついに巨大な権力に向けて空前の大暴動を仕掛ける。行く手を阻むのは、兵衛のかつての悪友・骨皮道賢率いる幕府軍。髑髏の刀を手に一党を動かす道賢を前に、兵衛は命を賭けた戦いに挑む。
入江悠