ミドリムシで強力接着剤 産総研と旭化成開発、車部品のリサイクルに
鹿野幹男
微生物のミドリムシの細胞から抽出した材料を活用した自動車構造材用の接着剤を、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)と、旭化成(東京都千代田区)が開発した。高い接着力を持ちながら、解体しやすいため、自動車部品リサイクルへの貢献が期待される。
ミドリムシは湖沼などに生息する藻の一種で、体長約50マイクロメートル。水中を泳ぐとともに光合成を行うこともできる。
産総研によると、欧州では環境意識の高まりから、使用済み自動車部品の再利用が求められつつあり、解体しやすい接着剤の開発が急務になっている。現在、自動車の構造用材などに広く使用されている石油由来のエポキシ系接着剤は、接着力が高いが、解体しにくいのが弱点という。
研究者も驚く強度
産総研は石油由来の材料を植物などバイオベースに置き換える研究開発を進めている。今回は二酸化炭素や糖を原料とした多糖「パラミロン」を大量に細胞内に蓄積するミドリムシに着目。細胞から取り出したパラミロンに脂肪酸を加えて接着剤をつくった。
3日、報道陣に公開された接…
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