人前式の流れ
まず、多くのカップルが踏襲している人前式の流れをご紹介しましょう。と言ってもこれはあくまで一般的な例ですので、必ずしもこの通りに式を行う必要はありません。
- 1. 列席者入場
- 結婚証明書に各々でサインをし、式の証人の役目を任されたゲストが入場します。
- 2. 新郎・新婦入場
- ゲストに見守られ、新郎・新婦が入場します。
- 3. 開式宣言
- 司会者が開式を告げ、これからおふたりの結婚の証人になってもらう旨をゲストに説明します。
- 4. 誓いの言葉
- ゲストの前で新郎・新婦が自分たちで用意した誓いの言葉を読み上げます。
- 5. 指輪の交換
- 誓いの証である指輪を新郎・新婦の順に互いの薬指にはめ、交換します。
- 6. 結婚証明書へのサイン
- 新郎・新婦と証人代表が結婚証明書へサインをします。証明書の代わりに婚姻届を記入することもあります。
- 7. 結婚成立宣言
- 司会者がサインの済んだ結婚証明書(または婚姻届)をゲストに示し、おふたりの結婚をゲストに宣言します。
- 8. 閉式の辞
- 司会者がおふたりの結婚へ立ち合ってくれたことへのお礼を述べ、閉式を告げます。
- 9. 退場
- 誓いを終えた新郎・新婦は列席者に見守られながら退場します。退場時または退場後に祝福のセレモニーなどを行う場合もあります。
式次第を一通り行って30分前後に収まるようにするというのが、プログラムを決める上でひとつの目安となります。
人前式にあまりなじみがない列席者(年配のゲスト、お呼ばれ経験の少ないゲストなど)が多そうな場合には、司会者に式の主旨や進行を丁寧に説明してもらうなどのフォローをお願いしておくと安心です。
ゲストも楽しめる演出ポイントとは?
教会式や神前式は厳かで神聖な雰囲気を味わうことができるという魅力があります。ですが、あらかじめ段取りが決められているため、プログラムや演出にはあまり自由が利かないのがウィークポイントとも言えます。その点、人前式はいろいろな演出を柔軟に盛り込むことができるのがメリット。ゲストも一緒に楽しめるようなプランを取り入れれば、「おふたりの結婚の証人になった」という記憶とともに長く思い出してもらえる人前式にすることができるでしょう。おすすめの演出をいくつかご紹介します。
■ キャンドルリレー
両家の列席者がリレー形式でつないだキャンドルの火を新郎・新婦がひとつにすることで、おふたりの絆や両家の結び付きを表現します。
■ 式の最中に婚姻届を提出
結婚証明書の代わりとして、あらかじめ必要事項を記入しておいた婚姻届へ新郎・新婦と保証人がサインをし、代理人がそれを提出に行きます。役所の近くの会場で挙式をする時にはぜひトライしたい演出です。
■ おふたりの結婚を音で承認してもらう
鈴、ベル、笛など音の出るものをゲストに持ち寄ってもらい、結婚を承認するタイミングで一斉に鳴らしてもらいます。
その他、お子様と一緒の人前式では新郎・新婦と3人でバージンロードを歩いたりするのも心温まる演出ですね。
人前式の費用
人前式の費用は会場や演出によってピンキリであると言えます。
先ほどご紹介したようなプログラムで人前式を行うのであれば、司会者やBGMの演奏者(オルガニスト、シンガーなど)へのお礼、式次第や結婚誓約書の代金、会場使用料などが必要となり、10万円~20万円ほどが見込まれます。
基本的に人前式は段取りや演出が自由なので、会場使用料と演出に使うアイテムの実費以外にはあまり費用がかからなくて済むこともあります(結婚式場・チャペルなどを使用せずに教会式を模したい場合は、祭壇を設置するのに5万円ほどがかかります)。リーズナブルに使用できる会場での人前式を選択することで挙式費用をぐっと抑えておき、式の後の披露宴やパーティは思い切り豪華にするというカップルもいます。
人前式での誓いの言葉とは?
人前式の中でもっとも重要なプログラムが、新郎・新婦の読み上げる「誓いの言葉」です。教会式では牧師(神父)の「誓いますか?」という問いかけに新郎・新婦それぞれが「誓います」と答える形で結婚の誓いが行われますが、人前式ではおふたりが結婚に対する思いや決意を自分たちの言葉で表明するため、ゲストにとっても印象深い瞬間です。「病める時も、健やかなる時も…」というおなじみのフレーズを引用して誓いの言葉としてももちろん良いですが、次のような内容を入れるのもおすすめです。
■ ゲストへの感謝を伝える
列席してくれたことへの感謝と、今後も変わらぬお付き合いをしてほしいというお願いを飾らない言葉で伝えます。
■ 結婚後の約束事や誓いを宣言する
これからも両親を大切にする、笑顔の絶えない家庭を作るなど、結婚後の約束事をゲストの前で宣言します。おふたりで決めた約束事を一緒に読み上げても、新郎・新婦1人ずつ表明する形にしても、どちらでもよいでしょう。
■ 場の雰囲気を和ませるユーモアを入れる
堅苦しいお式にしたくないのであれば、「たとえこの先、妻の体型が変わっても/夫の頭髪がさみしくなっても愛し続けます」などのユーモアを取り入れ、ゲストを楽しませるという方法も。
どのような文面を用意するにせよ、大切なのは“自分たちらしさ”です。せっかくの機会ですから、身近な人たちにおふたりの思いを伝えてみましょう。