誰もが受けたい!アクセス解析5分クリニック

Googleアナリティクスで「(not provided)」が増えて困っています

Google検索の仕組みが9月下旬に大きく変わり、「(not provided)」が増えた。今回はその対策を考える。
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丸山先生
医者:丸山先生(35歳・男)
当クリニックの代表。
来栖あきら
研修医:来栖あきら(25歳・男)
イケメンの研修医。
綾瀬ゆい
研修医:綾瀬ゆい(25歳・女)
優しい天然ボケの研修医。

ここ「アクセス解析5分クリニック」には、Webサイトについてさまざまな悩みを抱えた患者が、毎日のようにやってくる。研修医の来栖と綾瀬はデコボココンビだが、院長の丸山先生がとにかく名医。たった5分ですべての悩みを解決する!というのだ……。(登場人物紹介を詳しく見る

今回のお悩み
Googleアナリティクスで「(not provided)」が増えて困っています

Google検索の仕組みが大きく変化

Googleアナリティクスのキーワードレポートだけど、最近「(not provided)」が急に増えたと思わない?

あれ、知らないの? 9月下旬に、Google検索の仕組みが大きく変わったんだよ。

なんと! Google先生ェ……。これは困ったね。あきらはどうしてる?

どうしようもないよね。キーワードレポートを見ても、「(not provided)」が増えたし、もう別のレポートなどを見ているかなぁ。

2人とも困っているようだね。今日は、この「(not provided)」対策を考えてみようか。

そもそも「(not provided)」って何?

ところで、この「(not provided)」というのはどういう意味だろう?

「ユーザーの検索キーワードが読み取れなかった」という意味ですよね?

「(not provided)」。つまり検索エンジンから、検索キーワードの情報が「提供されなかった」ということだよ。

なぜ最近急に増えたのだろう?

それは、先ほどの参考記事にもありますが、Googleが検索結果ページを全ユーザーでhttps化したせいですよ。

じゃあ、なぜそれで、キーワードが「(not provided)」になるの?

Googleが検索結果ページをhttps化したことで、僕達のサイトに飛んでくる情報(リファラ)が変わったんだね。具体的には、参照元としてGoogleからの訪問というのはわかるようにしてくれたんだけど、キーワード情報は含まれなくなったんだ。ユーザーのプライバシー保護の観点のようだよ。そういうわけで、もう僕たちには、キーワード情報はわからないんだ。

ということは、Google検索以外だったら大丈夫なのかな?

あ!? そういえば、どうなんだろうね?

そうだね。今回の変更は今のところGoogleだけなので、他のYahoo!検索などでは確認できる。またGoogle検索でも、ウェブマスターツールやGoogle AdWords経由では、検索クエリを確認できるよ。

検索キーワードが確認できる場所
  • Googleウェブマスターツール(全部ではないが、一部の90日以内のデータを確認できる)
  • Google AdWordsの管理画面(詳細クエリ)
  • Googleアナリティクスで、Yahoo!など他の検索エンジンとAdWordsのキーワード

何が困るのか?

さて、前提を理解したところで、「(not provided)が増えると、何が困るのか?」から整理してみようか。2人は、キーワードレポートを何に使っている?

やっぱりSEOですよね。有効・無効なキーワードを見つけて、対策を考えるという部分です。

似ているけど、リスティング広告(PPC)で出稿するための有効キーワード探しもやっています

GoogleとYahoo!の違いに気づいたり、ユーザーの潜在ニーズや気持ちを推測したりするにも有効ですよね。

それで思い出したけど、僕は、ユーザーのグループ分けに、つまりセグメント分けにも使っていますね。似たようなニーズをもっているユーザーをまとめて、そのサイト内の動きを確認するというか。

だいたい出揃ったようだね。整理してみるとこんな感じかな。

  • SEOやリスティング広告のためのお宝キーワード発見
  • SEOやリスティング広告のためのNGキーワード発見
  • GoogleとYahoo!の細かいユーザー層の違いに気づく
  • 潜在ニーズ探し・気持ちに気づく
  • 似たニーズのグループをまとめて、導線の確認

「(not provided)」が増えると、これらが対応できないから、困ってしまうという訳だね。

対策

じゃぁ、どうすればいいのか。対策をそれぞれについて考えてみたよ。

  • SEOやリスティング広告のためのお宝キーワード発見

    • Googleウェブマスターツールを使う(すべては表示されないので、想像力でふくらませる)
    • Google AdWordsに部分一致で出稿し、アナリティクスでお宝キーワードを発見する(広告主だけ)
    • Google AdWordsのキーワードツールを使用する(広告主だけ)
    • Googleアナリティクスで確認できる、他の検索エンジンの結果から発見する
  • SEOやリスティング広告のためのNGキーワード発見

    • 1つ目の「SEOやリスティング広告のためのお宝キーワード発見」の対策と基本的に同じ。
  • GoogleとYahoo!の細かいユーザー層の違いに気づく

    • Google AdWordsに部分一致で出稿し、Yahoo!との違いに気づく(広告主だけ)
    • 似たキーワードで集客してそうなランディングページでセグメントし、違いを確認していく
  • 潜在ニーズ探し・気持ちに気づく

    • 1つ目の「SEOやリスティング広告のためのお宝キーワード発見」の対策と基本的に同じ。
  • 似たニーズのグループをまとめて、導線の確認

    • 似たキーワードで集客していそうなランディングページで、セグメントを作成し、違いを確認していく

なんか、難しそうですね。

いや、そんな難しくはないよ。基本的に、確認できるところで確認しましょうということだからね。ウェブマスターツールを使うか、Googleアナリティクスで現在確認できるキーワードデータを使うしかないからね。

でも、他の手法も出てきていますよね?

付け加えたのは基本的に2つだ。「Google AdWordsを有効活用できる」というものと、「同じカテゴリに属するランディングページでセグメントする」というものだ。

なぜランディングページでセグメントするのですか?

これは、カテゴリごとに情報が分けられているECサイトなどで特に有効なんだけど、たとえば、グラスを扱うページが「glass」というディレクトリにあるとする。そうすると、「glass」ディレクトリ以下のアクセスは、「グラス」関連のキーワード検索の結果が集まっているんだ。なので、その「glass」をファイル名に含むランディングページを確認していくと、「glass」のニーズを持った人の導線をほぼ確認できることとなる。

なるほど~。

まとめ

「(not provided)」が増えてしまったのは、正直に言えば、かなり痛手だ。でも、もともとGoogle検索もGoogleアナリティクスも全部無料で提供されている仕組みだから、仕方ない。とはいえ、困るのも事実だから、その対策としては、できることをするしかない。

対策としては、初心者であれば、ウェブマスターツールを見るか、Googleアナリティクスで現在確認できるキーワードを見るのがいいのではないかと思う。それだけでも気づきは得られる。

また、Google AdWordsのツールには、初心者にも使いやすいキーワードツールがあるので、チャレンジしたい人はツールを使う目的でも、Google AdWordsのアカウントを開設してみるのはよいと思う。もしアドバンスセグメントを使っている人であれば、ぜひランディングページ毎のセグメントを試してみてほしい。

今日の処方箋

お悩みGoogleアナリティクスで「(not provided)」が増えて困っています

アドバイスこの仕様変更は仕方がないので、できることからやっていきましょう。

ウェブマスターツールを確認すると、期間は決まっていますし、全部ではありませんが、Googleの検索クエリは確認できますよ。以下3ステップでやっていきましょう。

  1. 11【2分】 ウェブマスターツールにログインします

    ウェブマスターツールに登録していない人は登録しましょう。

    ログイン後、確認したいサイトをクリックします。

  2. 1【1分】 検索クエリをクリックして表示します
  3. 11【2分】 キーワードと表示数などを確認します

    ここで実際に検索されているキーワードと表示数などを確認し、ギャップがないかチェックしましょう。

※キャラクターイラスト(来栖、綾瀬):「コミPo!」にて制作

用語集
AdWords / Googleアナリティクス / Googleウェブマスターツール / PPC / SEO / ディレクトリ / リスティング広告 / 検索エンジン / 訪問
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