海未「なるほど。これが“朝ちゅん”ですか」 【ラブライブ!】



1:※ことうみ:2014/11/02(日) 09:09:34.18 ID:DUbb9sSoo
<チュン チュン


ことり「いや、ちがうと思うよ・・・」

海未「?」

ことり「えぇとね、朝ちゅんっていうのは、その、・・・ね?
    あいしあう二人が、らぶらぶして、そのまま二人で朝を、」

海未「それならなおさら合ってるじゃないですか。
   お泊まりの朝に、小鳥の鳴き声を聞くのでしょう?」

ことり「ことりたち、そんないやらしいことしてませんっ!!」

海未「あっ・・・“ことり”というのは鳥の小鳥のことであって、
   “鳴き声”というのも別にそのっ・・・あのっ」///

ことり「それは分かってるよおっ!!」///





2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:10:29.67 ID:DUbb9sSoo
ことり「もうっ、海未ちゃんそんな言葉どこで聞いた の・・・」

海未「昨日、ここにお泊まりすると話してたら、『花陽が」

ことり「あの花陽ちゃんが?! 予想外すぎるよっ!」

海未「・・・朝ちゅんなんて、似合わないわね』という話になって絵里が、」

ことり「と思ったら結構予想通りだったかも・・・」

海未「『ねえ希、朝ちゅんって何なの?』と希に聞いてたんです」

ことり「絵里ちゃんごめんなさぁい!!」

海未「でもなぜか教えてくれなかったので、まあ、穂乃果に」

ことり「うそっ!? それ一番予想外だよ!ちょっとショックかもっ!」



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:11:05.23 ID:DUbb9sSoo
海未「『二人で早起きして鳥の声を聞くの、マンガで見 たもん』と」

ことり「穂乃果ちゃん・・・理解してるのかなぁ・・・」

海未「古文にもありましたね。百人一首でしたか、
   鳥の鳴き声が聞こえたら、別れの時間だから悲しい、と」

ことり「あー。一年の時に習ったよねっ」

海未「・・・そういえばことり、」

ことり「ううん、今日は夕方までは大丈夫だよ?」

海未「そうですか、安心しました」

ことり「もうっ、こんな時間に海未ちゃん帰したりしないよぉ」ぎゅー

海未「・・・ふふっ」ぎゅっ



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:11:40.60 ID:DUbb9sSoo
ことり「・・・」

海未「・・・」

ことり「・・・このままだと、もう一眠りしちゃいそうだね」

海未「そうですね・・・そうしますか?」

ことり「うーん・・・せっかくだし、早起きして朝ごはんを・・・ああっ!」

海未「えっ?」

ことり「あのね、いまうち、牛乳切らしちゃってたの・・・」

海未「・・・それなら。今から、買いに行ってみませんか?」



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:12:16.02 ID:DUbb9sSoo
ことり「海未ちゃん、まだ四時半だよ?」

海未「だからこそ、です。
   たまにはこんな時間にお出かけするのも、いいものですよ」

ことり「そっか・・・考えてもみなかった」

海未「私、明け方の感じが好きなんですよ。
   走り込みや道場の掃除などの合間に肌で感じる、
   透明で、まっさらな空気が」

ことり「そうなんだぁ・・・なんとなく、わかるかも」

海未「あっでも、今の時間ではコンビニしか開いてないですね」

ことり「大丈夫! ことりも海未ちゃんと行ってみたい!」

海未「では、早いうちに支度して出かけましょうか」ニコッ

ことり「うんっ!」



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:12:51.45 ID:DUbb9sSoo
  ◆  ◆  ◆

ことり「・・・まだ、暗いね」

海未「そうですね。車の音も聞こえません」

ことり「しんみりしてきちゃう。冬の朝みたいだね」

海未「もう十一月ですし、最近はとみに冷えてきましたね」

ことり「十一月かあ・・・今年ももう終わっちゃうね」

海未「中間試験も終わりましたし、時の流れる速さを感じますね」

ことり「・・・穂乃果ちゃん、お勉強大変だったよね。こんな時間まで・・・」

海未「嫌な事件でしたね、あれは・・・」

ことり「あはは・・・」



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:13:26.98 ID:DUbb9sSoo
ことり「人、いないねぇ」

海未「もう少し早いと新聞配達のバイクが通ったりもするんです」

ことり「そんなに早いんだ・・・あ、でもそうだったっけ。こないだの衣装の時」

海未「ああ、あれですか。そんなに夜更けまで掛かったんですか?」

ことり「次の日が休みだと、つい、ね」

海未「まったく、身体は大切にしてくださいよ?」

ことり「ごめんね。ありがと」

海未「・・・ふふっ」



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:14:02.32 ID:DUbb9sSoo
ことり「?」

海未「いえ、なんだか・・・家族みたいだなあって」

ことり「もー、そこは夫婦って言ってよぉ」ツン

海未「そうですね。・・・あなたっ」

ことり「へ?!」//

海未「さ、行きましょう」クスクス

ことり「わわ、・・・もう、海未ちゃんのくせにっ」//



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:14:37.74 ID:DUbb9sSoo
海未「さあ、着きましたよ・・・って、あれ?」


 《テナント募集中》

ことり「そこねぇ、こないだ閉店しちゃったよ?」

海未「そうですか、早いものですね・・・高校入学した時でしょう?」

ことり「そうだね、春のパン祭りだからって、穂乃果ちゃんに」

海未「ふふ、今年も私たちもポイント集めに駆り出されましたよね」

ことり「来年も、・・・って閉まっちゃったんだよね」



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:15:13.07 ID:DUbb9sSoo
海未「角地で駐車場に入れづらいと閉店しやすいんで しょうか・・・
   って、どうしましょう?」

ことり「あ、そうだった。・・・じゃあ、海未ちゃん家のほうのセブンにしない?」

海未「ここからだと、ちょっと遠くないですか?」

ことり「おしゃべりしてればすぐだよ。
    それに・・・ちょっと、行ってみたくなったの」

海未「そうですか・・・では、向かいましょうか」

ことり「うんっ」



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:15:48.50 ID:DUbb9sSoo
海未「・・・・」てくてく

ことり「・・・・」てくてく


海未「あの」
ことり「ねえ」


海未「あ、先にどうぞっ」//

ことり「海未ちゃんからどうぞっ」//

海未「やっ、その、別に大した話題ではないのでっ!」

ことり「ことりの方がどうでもいいよっ!!」


海未「・・・・ふふっ」

ことり「・・・えへへっ」



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:16:23.94 ID:DUbb9sSoo
海未「それで、どうしたんですか?」

ことり「ええとね、・・・ふたりきりなんだなぁ、って」

海未「・・・そうですね」

ことり「・・・海未ちゃんが言ってたの、わかったかもっ」

海未「・・・」

ことり「わらわないでね。・・・世界を、ふたりじめしたみたいだなぁって」

海未「・・・ふふっ」

ことり「もうっ! わらわないでって、」

海未「すみません。・・・ちょうど、同じようなことを、思ったんです」

ことり「!・・・そっか、えへ」



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:16:59.47 ID:DUbb9sSoo
海未「・・・」

ことり「・・・海未ちゃんの、番だよ?」

海未「・・・そこの中央分離帯、あるでしょう?」ひそひそ

ことり「うん。・・・って、どうしたの?」

海未「いえ。・・・眠っている街を起こしてしまいそうな、そんな気がして」

ことり「そっかぁ・・・それなら、ことりも静かにお話します」くすっ

海未「ふふっ・・・覚えてますか?
   いつかの初詣の帰り道に、だれもいないからって道路の真ん中で、」

ことり「・・・そうだっ」パッ たったったっ

海未「あ、・・・ちょっ、危ないです!」たったっ



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:17:35.00 ID:DUbb9sSoo
海未「ことりーっ!」


ことり「ねえっ、海未ちゃあん!」くるんっ


海未「車がっ、」キョロキョロ

海未「・・・・来そうにないです、けど」


ことり「海未ちゃーんっ! ことりのこと、見えてるー?」ひらひら


海未「見えてますっ、ことりしか見えてません!」


ことり「えっ・・・///」



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:18:10.42 ID:DUbb9sSoo
海未「だから、その・・・ああもうっ!」たったったっ

  ぎゅうっ

ことり「あ・・・っ!」

海未「・・・心配かけないでください、もうっ」

ことり「ごめんね、つい・・・・ううん、ありがと、うみちゃん」

海未「もう、・・・っ、ちょっと急ぎますよっ!」///

ことり「あ・・・うんっ」

たったったっ



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:18:45.75 ID:DUbb9sSoo
  ◆  ◆  ◆

ピンポーン
ッシャーセー


ことり「・・・まぶしっ」

海未「外がほの暗かったからですからね」

ことり「そうだね、じゃあカゴを・・・あっ」


海未「・・・」
ことり「・・・」


海未「・・・手、はずしますか」
ことり「・・・そ、そうだねっ」



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:19:21.09 ID:DUbb9sSoo
ことり「あ、ねえ海未ちゃんみて、このチョコパン新商品だって!」

海未「いいですね。穂乃果がよろこびそうです」

ことり「先に買ってふたりで試してみよっか?」

海未「そしたらまた、穂乃果にいろいろ言われてしまいますよ・・・」

ことり「もうっ、お泊まりもデートも穂乃果ちゃんにはいまさらだよっ」

海未「からかわれる身にもなってください!最近は絵里にまで・・・」

ことり「えへへっ、海未ちゃんは人気者さんだもんねぇ」

海未「うぅ・・・っそれより牛乳、牛乳以外に買うものはありますか?」



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:19:56.63 ID:DUbb9sSoo
ことり「うーん、おやつはあるし、海未ちゃんはなにかある?」

海未「朝食は一緒に作りますから、なにか軽いものでも・・・」

ことり「そうだねっ、じゃああずき杏仁なんてどうかなっ?
    セブンのおいしいんだよっ」

海未「そうなんですか・・・では、試してみましょうか。あとは・・・」

ことり「ええと、そうだなぁ・・・」じーっ

海未「・・・烏龍茶ですか?」

ことり「あっいいの、重たくなっちゃうからっ」

海未「なに言ってるんですか、これぐらい平気ですよ?」

ことり「・・・じゃあ、一緒に持とうよ」

海未「・・・ありがとうございます」



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:20:32.25 ID:DUbb9sSoo
アリアトーッシター


てくてくてく

ことり「意外と買っちゃったねぇ」

海未「そうですね・・・ことり。ホットレモン、どうぞ」

ことり「ありがとう・・・んくっ、・・・うん。あったまるね」

海未「ごくっ・・・そうですね。持ってるだけでもぽかぽかします」

ことり「そうだねぇ。少しすっぱくて、・・・ほんと、ぽかぽかする」

海未「・・・これから、もっと寒くなるんでしょうね」

ことり「そうだね。・・・そしたらまた、こうやって暖まるのかなぁ」

海未「それは・・・なんだか楽しみですね」

ことり「ふふっ」



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:21:07.58 ID:DUbb9sSoo
海未「・・・車の通りが多くなってきました。首都高の方からでしょうか」

ことり「都道だもんね。セブンにも、配送のトラックが停まってたし」

海未「こんな時間にもお仕事している方がたくさんいるんですよね。
   本当に、頭が下がる思いです」

ことり「おかげでお買い物できたんだもんねっ」

海未「・・・空の色も、薄くなってきましたね」

ことり「もう、おはようの時間になるね」

海未「・・・」

ことり「・・・」



22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:21:42.93 ID:DUbb9sSoo
海未「・・・」

ことり「・・・どうしたの」

海未「・・・すみません。なんだか、ちょっと」

ことり「・・・・」ぎゅっ

海未「・・・・なんだか急に、さみしくなってしまったんです」

ことり「ことりはここにいるよ?」

海未「はい。でも・・・こうやって、人通りが増えてくると、」

ことり「・・・・ふたりきりじゃ、いられないんだよね」

海未「はい・・・二人だけの世界なんて、ほんとはありえないんですよね」

ことり「・・・・海未ちゃんは、さみしがりやさんだもんね」



23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:22:18.44 ID:DUbb9sSoo
海未「・・・・ごめんなさい」

ことり「・・・・でもね、」

海未「・・・・」

ことり「・・・・私は、海未ちゃんのこと、一番大事だって思ってるよ」

海未「・・・・」

ことり「・・・こころのなかでなら、いつだって、
    ふたりきりの世界、作れるんじゃないかな」

ことり「家族にだって、・・・きっと、なれるよ」

海未「・・・・っ」

ことり「ね?・・・・・そうだっ いいこと考えちゃいました」

海未「?」



24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:22:53.86 ID:DUbb9sSoo
ことり「今だけは、・・・ううん、今日だけは、」

ことり「そうだっ。海未ちゃん、ことりのおうちのカギ貸して」

海未「?・・・はい」

ことり「・・・ことり、家に先に行って、」

ことり「ううん、・・・・先に帰って待ってるねっ」

 たったったっ

海未「あっ・・・・」


海未「・・・いけませんね。こんな話を、してしまって」




25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:23:29.33 ID:DUbb9sSoo
ガチャ

海未「ことり?」


ことり「・・・・おかえりなさい。あなた♪」

海未「・・・ぷふっ、なんですかそれ」

ことり「海未ちゃんのお嫁さん」

海未「そのために帰ったんですか・・・」

ことり「だって、決めたんだもん。海未ちゃんの家族になるって」



26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:24:04.76 ID:DUbb9sSoo
海未「あ・・・・」


ことり「・・・海未ちゃん、言ってたもんね。家族みたいだ、って」

海未「・・・・」

ことり「だから、・・・『ただいま』って言って。ことりのために」

海未「・・・・ありがとう、ございますっ・・・」

ことり「・・・ね?」



27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:24:40.15 ID:DUbb9sSoo
海未「・・・ただいま戻りました、ことり」 にこっ


ことり「うん、・・・おかえり、海未ちゃんっ!」


 ちゅっ



28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 09:25:20.01 ID:DUbb9sSoo
海未「ふあ・・・・や、やりすぎですっ!」

ことり「海未ちゃん、“朝ちゅー”だよっ!」

海未「なっ・・・!」///

ことり「ねえ海未ちゃん、お嫁さんっぽくない?って待ってえっ!」

海未「もうっ、知りません!、牛乳しまってきます!」


ことり「・・・あははっ、まだまだ先は遠いかなぁ」


おわり。



30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 11:25:55.95 ID:orCFMq4n0
いいなあこういう関係



35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/11/02(日) 19:09:01.24 ID:FG2Octweo
おつ
いいことうみだった








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