「あれから8年か・・・・・」(長編) 【ラブライブ!】



1:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 05:24:15.10 ID:X5wHRN9s
そう言ったお姉ちゃんの顔は、誇りに満ちたようであ り、どこか寂しげでもあった。

「緊張してるの・・・?」

「・・・どうして?」

「最終予選の日と、同じ顔してる」

「あのときも、ありさのその言葉のお陰で緊張がほぐれたわ」

μ’sの解散、お姉ちゃんの卒業から8年・・・

そんなことを考えながらそのトレードマークのポニーテールを見送る。

「いってきます」



2:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 05:27:08.95 ID:X5wHRN9s
序章 

私はこの音ノ木坂学院に通う高校一年生!

この春この町に越してきてここに入学したばかり!

なのに、いきなり廃校の危機が!!!

デデーン!

「そんな!入学したばっかりなのに廃校なんて!」

「先生もとても悲しいんだけど・・・また、入学希望者が減ってしまっているらしいの・・・」

・・・また?以前にもあったことなのかな?

「でも先生、今年ノ音木坂に来たばっかりっていってたじゃないですか!悲しいなんて思ってないでしょ!」

「ここは先生の母校なんです。配属になって楽しみにしていたんだけれどね・・・」



3:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 05:28:19.46 ID:X5wHRN9s
「それにそれを言うならあなたこそ最近引っ越してきた んでしょう?」

そりゃ、私にはこの高校に思いいれなんてないけど・・・

「私はまた受験するのが嫌なんです!」

「え・・・?それは違うわ」

え・・・?

先生の話によると、私たち一年生が卒業するまで廃校にはならないらしい。

「なーんだあ」

「昔、似たようなことを言った子がいた気がするわ・・・」

「似たような子?」

「ええ。必死に廃校を止めようと活動していたわ・・・」

「へえ。見上げた精神ですね。私はそんなことしませんけど」

一生徒がどうにかできる問題じゃないのに。

「そう・・・そうよね。普通できることではないわ」



4:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 05:29:09.86 ID:X5wHRN9s
学校の帰り道。ふと、ある看板が目についた。

「和菓子屋さんか・・・ちょっと寄ってみようかなあ」

ガラガラ

「ぅいらっしゃいませーーー!!!」

・・・元気のいい和菓子屋さんだなあ

「えっと」

「あ!その制服!音ノ木坂の子だね!おまけしちゃうよっ!」

・・・景気のいい和菓子屋さんだなあ

「じゃあ、これとこれください!」

「はい!まいどあり!ほむらまんじゅうおまけしとくよ!」

「ありがとうございます!」

なんだかこっちまで勝手に元気になっちゃうなあ

店を出るとき、ファイトだよ、と意味の分からない挨拶をされたのが印象的だった。



5:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 05:31:02.38 ID:X5wHRN9s
数日後

「部活申請、今日が締切だけど、みんなしっかり決めてきた?」

先生の言葉で思い出す。

しまった、まだ何部に入るか決めてない・・・!

「まだあなたの申請用紙が出てないんだけど・・・」

先生・・・ごめんなさい

「まだ決めてません・・・」

その後の一悶着は、指導する側とされる側特有のものだった。

「はい。すみませんでした・・・」

「なら、アイドル研究部にしたらどう?」



6:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 05:31:31.48 ID:X5wHRN9s
「え・・・いや、別にアイドルとか興味ないです」

「今は実質帰宅部のカモフラージュになっているの。幽霊部員もたくさんいるし」

そうなのかあ

「昔はもっと・・・いえ、とにかくどう?丁度私が顧問なの」

でも確か、学校の許可があれば無所属も可能だって生徒手帳に書いてあった・・・

ダメもとで先生に聞いてみよう!

「学校の許可ぁ?認められないわぁ」



7:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 05:33:12.40 ID:X5wHRN9s
「みんな!新入部員を紹介するわ!」

結局、私はアイドル研究部とやらに入ることになってしまった。

長い黒髪を振りながら先生は呼びかけるが、部室にはほとんど人がいない。

本当にほぼ帰宅部状態のようだ。

私以外にも数人一年生はいるみたいだけど、おそらく全員幽霊部員と化すつもりだろう。

と、思っていたら最初に自己紹介を始めた子がとんでもないことをいいだした。

「だれか、私と一緒にスクールアイドルをする気はない?」



8:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 05:35:30.29 ID:X5wHRN9s
スクールアイドル?よくわからないけど、ちゃんとアイ ドル研究部の活動をするつもりらしい。

もちろん、みんなの反応は悪かったが、私はがぜんその子に興味がわいた。

話しかけるべきだろうか・・・?いや・・・でも・・・

そのとき、頭の中で何故かあの店員さんの声が響いた気がした。

ファイトだよ!

・・・・・!

「あ、あの・・・」

「なによ」

「アイドル、好きなんですか?」

「当たり前でしょ。だからここに来たのよ」

「スクールアイドルってなんですか?」

「はあ?あんたそんなことも知らないの?スクールアイドルってのは・・・」



9:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 05:35:52.34 ID:X5wHRN9s
スイッチが入ったらしく、熱弁をふるわれた。内容はよ く覚えていない。

「数年前は大ブームで、大きな大会なんかもあったりしたんだけどね」

いつのまにか先生も会話に参加してきている。

「今じゃすっかり下火になってしまったわね。流行ものの流れは速いわ」

「高校生がアイドルなんて、今じゃ本物さえなかなか活躍できないのに!」

「でもすごいじゃない。それでもやろうなんて。先生応援するわ」

たしかにすごい。きっとこの子は自分の意志で・・・でも、

「でも、なんで?」

「好きだから」



10:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 05:39:16.25 ID:X5wHRN9s
「八年前、この音ノ木坂にもμ’sというグループがい たの。私は当時まだ子供だったけど、彼女たちを見て感動したの

 いつかこんな風になりたいって。誰かを笑顔にしたいって。

 彼女たちのお陰で、私は明日も頑張ろうって思えたの」

「どんな人たちだったの?」

「結成から一年もしないで全国大会で優勝。その後すぐ解散した伝説のスクールアイドルよ」

「なにその化け物じみた経歴」

「でしょ?私はμ’sにあこがれてここにきたのよ」

先生が涙目になりながらなにかつぶやいた。

「ーーーーー!」

が、聞き取ることができなかった。

そのときの私は、まだその言葉の意味を知らなかった。



15:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 05:58:09.88 ID:X5wHRN9s
数か月後、私は彼女と一緒にスクールアイドルを始めて いた。

余談だか、先生はダンスが超上手かった。

「私の最終目標はμ’sの再結成よ!」

「すごい!頑張れ!」

アイドル、主にμ’sについて彼女の話を聞いてるうち、私も詳しくなったし、興味を持った。

彼女の夢が私の夢になっていた。

彼女を応援することが私の目標になっていた。

私たちは、もうすっかり仲良しだった。



16:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 05:59:21.11 ID:X5wHRN9s
「最近あんた明るくなったわよね」

「ええ!そんなことないよー!」

とは言っても、自覚はあった。おそらくあの和菓子屋さんとも仲良くなったことが原因だろう。

「メンバーだから特別に私のμ’s復活計画を教えてあげるわ!」

「うんうん!」

「まず、八年前の解散からメンバーの足取りはほとんど掴めてないわ。個人情報なんかもほぼ皆無。

 本当に光のごとく輝いて過ぎ去っていった伝説よ」

そこからどうやって手がかりをつかんだんだろう!

「だから私は音ノ木坂に入ったの。手がかりを探すためにね」



17:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 06:01:59.26 ID:X5wHRN9s
「全然だめじゃん!手ががりゼロじゃん!」

「うるさいわね!ほとんど、掴めていないっていったでしょ!九人のうち三人は情報を持っているわ・・・!

 さらにそのうちの一人が実は・・・」

「あ!その服!CHU-Nだ!」

「聞きなさいよ!・・・よく知ってるわね」

「海外の日本人デザイナーのブランドだよねー」

「ふふーん。そうよ!結構したんだから・・・」

なんてガールズトークをしているうちに、μ’s復活計画はすっかり棚に上げられてしまった。

「じゃあ、また明日」



19:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 06:05:37.13 ID:X5wHRN9s
最近は、途中まで一緒に帰って、別れてから和菓子屋に よるのが日課だ。

ガラガラ

「こんにちは!」

「いらっしゃい!ねえ、聞いたよ!音ノ木坂廃校になっちゃうの!?」

「そうなんですよ。でも、私最近アイドルはじめたんです!廃校阻止してみせます!」

最初は・・・そんなつもりなかったけど

「え・・・」

店員さんは、いままで見たことのない表情をした。

驚いているような・・・何かを懐かしんでいるような・・・

「・・・そっか!私に何か手伝えることがあったら何でも言ってね!!!」

「はい!」

そう。私はスクールアイドルになって廃校を阻止するんだ!やるったらやる!

「だって可能性感じたんだ そうだ進め」

つづきを店員さんが歌ってくれた。

「後悔したくない 目の前に 僕らの道がある」

レッツドゥーン!



21:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 06:08:40.80 ID:X5wHRN9s
「ただいまーお母さん」

「おかえり。あれ、始まってるわよ」

そうだった!今日の歌番組はアイドル特集!参考にしなきゃ!

「今アライズがやってるわよ」

アライズ・・・元スクールアイドルのプロ・・・やっぱりすごいなあ

「次は、星野そらとKAYOです」

TVの中の司会者がなにやら決まり文句じみた紹介をしている。

「きゃー!そらりん!お母さん録画!」

星野そらとKAYOは私が昔から大好きなアイドルだ。

「精いっぱいやらせていただきます!」

笑顔でTVの中のアイドルはそう言った。

「私もこんな風にやれるかなあ・・・」

「そのためには明日の身体測定でアイドルらしい数字を出さなきゃね」

「もう!お母さん!健康診断の方を心配してよ!」



22:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 06:12:36.48 ID:X5wHRN9s
健康診断当日、

「次の人、どうぞー」

大きく口を開けていると、隣のしきりの向こうから声が聞こえてきた。

「もう、なんで私がこんなことしなくちゃいけないのよ!

 そもそも私の専門は外科なのに!イミワカンナイ!」

・・・女医さんの愚痴だ。医師界も人手不足らしい。

と、そのしきりの奥から現れたのは、私のかかりつけの病院の先生だった。

「あら、あなた・・・」

医者とは思えないほどきれいな笑顔。

「最近顔出さないから心配してたのよ?」

「いや・・・病院ですし・・・いかないのは健康の証拠ですよ!」

「な・・・!そ、そうね。心配なんかしてないわ」

「先生こそどうして?」

「この学校とは腐れ縁でね。特に今年からは」

「え?でも今年の入学者を最後に廃校予定ですよ?」

「はい、終わり。あとがつかえてるから、さっさとしなさいよ」



23:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 06:14:06.29 ID:X5wHRN9s
つづきはお昼ごろにでも・・・



24:名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 06:17:16.61 ID:O9siH7S9
一旦乙~



32:名無しで叶える物語(らっかせい)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 08:15:47.28 ID:kV7pPaYP
にこにー教員免許取れたのかw



34:名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 08:32:51.51 ID:o2fX642Z
先生はえりちかと思ったらにこにーだった



37:名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/:2014/09/02 (火) 08:46:26.50 ID:LbNMnrWK
海未ちゃんだと思ってた



49:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 15:20:19.99 ID:X5wHRN9s
前回のラブライブ!
この春音ノ木坂学院に入学した私!しかしいきなり廃校のピンチが!!!
最初はどうでもよかったけど・・・
とある和菓子屋さんからもらった元気と勇気
先生の勧めで入ったアイドル研究部での一人の女の子との出会いが私を変えた!
廃校をアイドル活動で阻止してみせる!
そしていつか必ず、伝説のスクールアイドルμ’sを再結成させる!
それが前回までの・・・
ラブライブ!



50:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 15:21:02.91 ID:X5wHRN9s
身体測定も終わり、これで何の気兼ねもなく 好きなものを食べられる!

「おいしい和菓子屋さんがあるんだけど、今度一緒に行かない?」

何気ない会話の、ほんのささいな一言だった。

それが、大きく運命を動かす。

「今日、放課後空いてるんだけど、よかったらこのあいだ言ってた和菓子屋さん、連れてってよ」

「いいよ!すごいおいしいんだよ!びっくりするよ!」

いつも別れる道を一緒に歩いて、穂むらに向かう。

「でね、その店員さんがすごくて・・・」

「ふーん」

なんて話している内に、その運命に、私は歩みを進めていた。



51:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 15:23:17.35 ID:X5wHRN9s
ガラガラ

「ぅいらっしゃいませー!!!」

「今日も元気ですね!」

相変わらずだなあ店員さんは

「あれ!お友達ー!?」

紹介しようとしたその瞬間、

「あなたは・・・μ’sの・・・!?」

え?

「・・・!」

どういうこと?店員さんのあの反応も・・・

店員さんが、あのμ’sのメンバー・・・!?



54:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 15:30:50.71 ID:X5wHRN9s
「なかなか、私のμ’s復活計画の実現は遠そうね」

そういった彼女の目は、いつになく悲しげだった。

「そうかな?メンバーを一人見つけたんだよ?」

「でも、あの様子じゃあね・・・」

「・・・あの様子かあ」

先日、私たちは偶然にも元μ’sのメンバーに出会った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あなたは・・・μ’sの・・・!?」

「・・・!」

「え?え?どういうこと!」

この店員さんが、μ’sのなんだって言うの・・・!?

「私のこと知ってるの?」



55:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 15:31:50.67 ID:X5wHRN9s
「知ってるも何も!あのμ’sのメンバーでしょ!まさ かこんなところで会えるなんて・・・!」

「あはは・・・昔のことだよー!」

「サインくださいん!」

「ええーっ!何年ぶりかなあ・・・」

「いいいいいいんですかあ!」

「いいよ!」

この人が?本当に?

「あの・・・店員さん・・・?」

「ごめんね、隠してた訳ではないんだよ!」サラサラ

「・・・・・」

「きゃー!サイン!ありがとうごさいます!」



56:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 15:32:44.80 ID:X5wHRN9s
別に黙っていたことにショックを受けた訳ではない。

そう。私は停滞していたμ’s復活計画の進展を喜ぶ方が先だった。

これはチャンスだ。・・・私は前髪を握りしめた。

「・・・以前、できることはなんでも協力してくれるって言ってくれましたよね?」

「うん!何でも言って!」

・・・チャンスを逃すわけにはいかない!

「また、μ’sを・・・やってくれませんか?

 再結成してくれませんか・・・!?」



58:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 16:31:58.66 ID:X5wHRN9s
「あはは・・・ごめん・・・」

「どうして!?」

「私も家の仕事があるし・・・みんなもいろいろ忙しいよきっと。連絡もずっとしてないし」

「でも・・・!だってμ’sは・・・」

「ごめんね。それは昔の話」

私が言葉に詰まっていると・・・

「・・・そうですよね、今日は帰ります」

え?いいの?

「ここならいつでも会える。今日無理に押すことはないわ」

「・・・ごめんなさい。でも、また和菓子は買いに来てね!

 それに二人のことは応援してるから!」




・・・それから毎日通ってお願いしたが、承諾してくれることはなかった。



59:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 16:32:51.78 ID:X5wHRN9s
たぶん、大人になるってそういうことなんだろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「部室で作戦会議よ!」

どうすればいいんだろう?そもそも、店員さんはどうして・・・

ああでもない、こうでもない、と説得作戦を練っていると・・・

「・・・その話、詳しく聞かせて頂戴」

先生・・・!

話し合いに熱中するあまり、いつのまにかいることに気が付かなかった。

「いつから聞いてたんですか?」

「ずいぶん前からよ」

・・・ずいぶん前から聞いてたなら改めて詳しく聞く必要なくない?



60:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 16:33:34.88 ID:X5wHRN9s
「さあ、聞かせて」

・・・・・私たちの計画から、店員さんに接触したことまで洗いざらい話すことにした。

「あなたたち・・・」

「私たちは本気です」

「ハ・・・私のあずかり知らぬところでなんてことが起きていたの・・・!」

「でも全然店員さんが承諾してくれないんです」

「・・・そう。でもきっとあなたたちの気持ちは届いているわ」

「そんなのわかりません」

「わかるわ。だってとってもうれしいもの」



61:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 16:34:08.52 ID:X5wHRN9s
その日の帰りも交渉のため穂むらに寄った。

「君たちもしつこいなあ~。おかし買ってってくれるからいいけど!」

「店員さん・・・」

「でもだめなものはだめ。いい加減にしないと、お姉さん怒っちゃうぞ~!」

口調こそ冗談めいているが、さすがに堪えているようだ。

こうも毎日では無理もない。言葉の裏に強い拒絶を感じる。

さすがに・・・もうだめだ。ここまでだ。

「・・・もう・・・」

隣の彼女も似たものを感じ取ったらしい。

「・・・・・」

私の・・・私たちの夢はここで・・・

ガラガラ

「待ちなさいっ!!!」



62:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 16:34:43.12 ID:X5wHRN9s
えっ・・・!?

あれは・・・先生・・・!?

「せ、先生・・・えり先生!!!」

「あなたたち、いままでよく頑張ったわ。ハラショーよ」

ハラショー・・・いつかえり先生がつぶやいた、私が聞き取れなかった言葉・・・

いまなら意味がわかる・・・!

きっといい感じの意味だ・・・!



63:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 16:35:21.49 ID:X5wHRN9s
「ほのか!久しぶりね!」

「えりちゃん・・・!」

「ほのか!久しぶりね!」

「え・・・えっと・・・えりちゃんなんで髪黒いの?」

「さすがに先生という立場で金髪はまずいわ」

「そうか・・・!!じゃあ・・・まさか・・・」

「そのまさか。染めているのよ!」

な、なんだってー!

「そうなんだ!」

「ほのか、久しぶりね。あなたは変わらないわ」



65:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 16:36:54.67 ID:X5wHRN9s
「そんなことな・・・えっ!?先生!?先生なのえり ちゃん?」

「そうよ!いつ気づいてくれるかと思っていたわ

 今年から私は音ノ木坂の先生よ!」

えり先生は店員さんと知り合い?

「まさか・・・絢瀬えりって・・・同姓同名だと思っていたわ・・・

 髪が黒いなんて思ってもいなかったからこの私でも気づけなかった・・・」

「え?どういうことなの・・・?」

「先生も、μ’sのメンバーってことよ」



66:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 16:38:30.06 ID:X5wHRN9s
何年越しかの再会で、二人は何を思っているのだろう。

二人は一言も話すことなく対面している。

静寂・・・空気の流れる音が聞こえてきそうだ・・・

しかし、その沈黙に気まずさは感じなかった。

そしてその均衡が破られる。

「うえええん えりちゃん!会いたかったよおおお」

「ちょっと・・・急に抱き着かないでよ!」

ハナミズベローン

「ちょ・・・」

「話したいことがいっぱいあって!なにから話そうかなって!

 そしたら何話したらいいのかわかんなくなっちゃって!」

泣きながらまとまらない言葉をぶつける姿は、子供のようだった。

「まったく・・・」

先生の瞳にも、涙が溜まっているようにみえた。

しばらく二人は、八年という時間を埋めるように抱擁を交わしていた。



67:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 16:44:39.83 ID:X5wHRN9s
「ほのか・・・久しぶりね・・・!本当に・・・」

えり先生は何回ほのか、久しぶりね。と言っただろうか。ようやく店員さん・・・、ほのかさんが泣き止んだ。

「・・・・・ひっく」

「ほのか、この子たちから話を聞いているわ。あなたらしくないんじゃない?」

「だって・・・」

「いったい何があったの?」

「だって・・・見てよこのお肉!最近全然運動してなくて!試食ばっかりで!」

「え」

「こんなんじゃアイドルなんて無理だよ~!」

「・・・それだけ?」



68:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 16:45:24.39 ID:X5wHRN9s
「・・・それに、みんなもうそれぞれの道を歩んでる。

 もう、私のわがままは・・・終わったんだよ

 私がいまさらμ’sを再結成したいなんて、言えると思う?」

「・・・私は・・・

 あのとき、あなたの手に救われた」

「・・・・・!」

「いまのあなたのように、踏み出せなかった私を引っ張ってくれたのはあなたよ」

「えりちゃん・・・」

「再結成したいなんて、言えると思う?ですって?

 言えるわよ!それが高坂ほのかでしょ!」

「・・・・・!!!」



69:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 16:47:16.74 ID:X5wHRN9s
ほのかさんは、頭にかぶった三角巾を外すと、髪の片側 を結び、先生に手をのばした。

「生徒会長。いえ、えり先生。μ’sに入ってください!

 私と一緒に・・・また・・・」

震える声を落ち着かせるように、先生はその手をつかんだ。

「さあ、忙しくなるわよ」

私たちは、女神再誕の瞬間を見たのかもしれない。



72:名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 17:49:28.65 ID:+q5Z3rq+
劇場版かな?



73:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 18:11:54.63 ID:X5wHRN9s
前回のラブライブ!
和菓子屋の店員さんは実は元μ’sのメンバーだった!
さらに先生まで!
いろいろあったけど、二人は再結成をするつもりになったみたい!
予期せぬうちに復活計画は進行した!順調順調!
女神再誕まであと七人!



74:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 18:12:27.05 ID:X5wHRN9s
二章

「あれから八年か・・・」

μ’sの解散、私の卒業から八年。

今日から私は、音ノ木坂の先生だ。・・・戻ってきたんだ。

「緊張してるの・・・?」

ありさ・・・

「・・・どうして?」

「最終予選の日と、同じ顔してる」

あのときはたしか・・・バレエの大会の時と同じって言われたんだっけか。そして・・・

「あのときも、ありさのその言葉のお陰で緊張がほぐれたわ」

トレードマークの金髪は、黒く染めてしまったけど、

私は変わらないわ。大丈夫。

「いってきます」



75:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 18:12:55.83 ID:X5wHRN9s
その子は、どこかほのかに似ていて放っておけなかっ た。

だから、部活を決めていないと聞いてついアイドル研究部に誘ってしまった。

でもそれは間違いじゃなかった。

今では夢を見つけて、がむしゃらに頑張っている。



もう一人の子は、にこみたいにアイドルが大好きで、熱心で、

そのあまり孤立気味だった。だから放っておけなかった。

にこのように、あのとき話しかけていれば・・・と後悔したくなかった。

今では仲間を見つけて、一緒に頑張っている。



76:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 18:13:46.97 ID:X5wHRN9s
二人に、私はダンスや歌を教える。

そんな日常に懐かしさと充実感を感じている・・・先生になってよかったと。

ガラガラ

「さあ!今日も・・・」

あら?なにか熱心に話し合っているわ・・・

「どうすれば穂むらの店員さんはμ’s復活に乗り気になってくれるのかなあ!」

「高坂ほのかさんよ!いい加減覚えなさい!」

え!?どういうこと・・・

「・・・その話、詳しく聞かせて頂戴」



77:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 18:16:07.96 ID:X5wHRN9s
二人の計画と、すでに実行段階に入っていることを知 る。

ハラショー!私のあずかり知らぬところでなんてことが起きていたの・・・!

そんなにμ’sのことが・・・・・

こんなに嬉しいことはないわ・・・!

それにしてもほのか、実家を継いでいたのね。今日の帰り寄ってみようかしら。



・・・・・

「たしかこのあたり・・・あったわ。ハラショー」

店内の様子が見えるわ。ほのかは元気にやってるかしら

あれは・・・あの二人!今日もほのかを説得に来ているのね・・・

諦めて帰ろうとしているわ!

「待ちなさいっ!!!」



78:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 18:17:01.79 ID:X5wHRN9s
「・・・・・とこんな感じでほのかと再会したわ」

「すごいわお姉ちゃん!またμ’sを結成するのね!」

「そのつもりだけど・・・うまくいくかわからないわ」

「すごいすごい!絶対見に行くね!楽しみ!」

・・・。この年でアイドルオタクだなんて不安だけれど

ありさは純粋でいい子だわ。

「あっ!このあいだのアライズのライブのとき、部屋に泊めてくれてありがとうね」

「いいのよ、私も出勤初日で不安だったし」

「うん。じゃあそろそろ切るね!」

ツーツー

かわいい妹に報告した以上、がっかりさせるわけにはいかないわ。

μ’s再結成・・・必ずやりとげてみせる!

まず私にできることは・・・



79:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 18:17:57.38 ID:X5wHRN9s
コンコン

「どうぞ」

「失礼します。理事長」

「どうしたんですか?」

「完全に私用なんですが・・・お時間よろしいですか?」

「・・・・・」

なにやら書類を整理している・・・後の方がいいかしら?

「・・・はい、構いません。なんですか?」

「・・・最近、娘さんのほうはいかがですか?」



81:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 18:22:58.11 ID:X5wHRN9s
「ええ。向こうでよろしくやっているみたいよ」

「連絡なんかは・・・?」

「最近は全然。でも便りがないのが何よりの便りって言うでしょう?

 ・・・でも、年に一回くらいは電話をくれるわ。国際電話って高いのにね」

「そうですか・・・。もう立派なデザイナーですものね」

「ええ。この学校でも持ってる子をたまにみかけて嬉しいわ」

「アイドル研究部の二人の生徒がよく練習着で着てくるのをみます」

「ふふ。そうですか。で、要件はなんでしたっけ」

「ああ、あの・・・娘さんと連絡は取れないでしょうか・・・?」

「構いませんよ。ではとりあえず番号だけでも。ことりも喜ぶわ」

「ありがとうございます!」

「・・・それから、ことりでいいわよ。娘さんだなんて。本人が悲しむわ」



82:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 18:23:33.88 ID:X5wHRN9s
「タダイマ、電話ニデルコトガデキマセン。」

「だめね繋がらない・・・やっぱり忙しいのかしら」

なら次は・・・西木野総合病院ね。

「まき!久しぶりね!」

「この前学校で会ったじゃない・・・何の用?」

「あなたのために足をくじいてきたわ!治療してちょうだい!」

「私は外科よ・・・」

「・・・・・・・」

「えり?」

「ねえ、まき。あのころに戻りたいと思ったことはある?」



83:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 18:24:13.36 ID:X5wHRN9s
「はあ?いみわかんない」

「どうなのよ」

「なによその真剣な顔は・・・・

 そうね。未練なんてないわ。精いっぱいやったもの。だから今の私がここにいるの。

 いい思い出だけど・・・それだけに、戻りたいなんて思わない」

「実は、ほのかとμ’sを再結成しようって話になったのよ」

「!」

「・・・とりあえず伝えたわ。じゃあ・・・」

「まちなさいよ」

「・・・なに?」

「・・・足、診てあげるから」



84:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 18:24:55.76 ID:X5wHRN9s
結局まきもすぐに返事はくれなかったし

あとのメンバーは詳細不明だし・・・前途多難だわ

のぞみ・・・こんなときあなたがいてくれたら・・・

今どこにいるの・・・?



・・・・・音ノ木坂学院付近、とある公園前

「ちょっと、きみい

 ・・・おーい、そこの音ノ木坂の生徒さん」

「はい?」

「これ、キーホルダー落としたよ」

「あ!ありがとうございます!」

「それ、CHU-Nのキーホールダーやんなあ。

 ウチの友達のつくったブランドなんよ」

「そうなんですか!すごい!お姉さん何者ですか!?」

「ウチは、通りすがりのスピリチュアルなOLよ」



94:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 19:34:38.73 ID:X5wHRN9s
3章

ほのかさんとえり先生以降、μ’s復活計画は進行していない。

でも、そればっかりじゃだめだ!私だってスクールアイドルやってるんだから!

廃校になんかさせないし、なにより、私自身がスクールアイドルをやりたいんだ!

そしていつか・・・

「私、いつか星野そらとKAYOみたいなアイドルになりたいな」

「ええ。私もよ」

「え?あなたはμ’sみたいになりたいんじゃないの?」

「そうよ。とにかく今日は夢の第一歩。初ライブ!

 今日、みんなを一番の笑顔にするわよ!」



95:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 19:35:10.29 ID:X5wHRN9s
人生そんなに、甘くない!

初ライブは言うまでもなく散々なものだった。

えり先生が動画を撮ってアップしてくれたけど、あまり期待はできない。

と、そのときはそう思っていた。



96:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 19:35:48.41 ID:X5wHRN9s
「どうしてμ’sを再結成したいの?憧れてアイドルに なりたいってのはわかるけど」

「・・・それは・・・もちろん聞くも涙語るも涙の深ーいわけが・・・」

「みんな!がんばってるぅ!?おまんじゅう持ってきたよ!」

「わーい!」

「聞きなさいってば!」

「ほのか!やっときたわね!どうだった?」

「うーん・・・久しぶりにうみちゃん家まで行ってみたんだけど・・・」

「だけど?」

「いなかった」

「いなかった!?うみは家元を継いだんじゃないの?」



97:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 19:36:26.40 ID:X5wHRN9s
「そうだよ!今はいなかったってこと」

「・・・うみちゃんって誰?」

「μ’sのメンバーよ!あんたほんとなんも知らないわね!」

「今はって・・・じゃあどこにいっているの?」

「外国のナントカーって山を制覇しに行ったって!」

「うみ・・・ハラショー

 あなたの幼馴染はことごとく出国中なわけね」

「うん・・・でもことりちゃんと違って近いうち帰ってくるって」

「・・・ことりちゃんって誰?」

「しょうがないわねー。しっかり覚えなさいよ」



98:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 19:36:50.47 ID:X5wHRN9s
「あら、あなたたち知らないの?ことりはその服をつ くった人よ」

「え・・・?」

「ええええええ!あの有名デザイナーの!?」

「知らないで着ていたなんて・・・」

「で、えりちゃんはどうだった?」

「まきに伝えてはきたけど、すぐにとはいかなかったわ」

「・・・まきって誰?」

「あんたいい加減にしなさいよ」



99:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 19:37:26.15 ID:X5wHRN9s
「あとはのぞみちゃんと、はなよちゃん、りんちゃんか あ・・・

 あの二人は絶対忙しいよねえ」

「そうね・・・のぞみも地方の会社に就職するって聞いて以来だし・・・」

「あれ?でもこれで八人?あと一人足りない・・・」

「にこね」

「あ!そうにこちゃんは?」

「にこは本物のアイドルを目指すって言っていたわ。

 ちょっとやそっとで諦める子じゃないしもしかしたら・・・」

「にこにーのことなら私・・・」

ガラガラ

「おもしろそうなことやってるやん?ウチもいれてーな」

「え・・・・・!?」



100:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 19:40:37.69 ID:X5wHRN9s
「のぞみちゃん!?どうして・・・!」

「音ノ木坂に戻れって、カードが」

「のぞみ・・・のぞみ・・・!」

「久しぶりやなあ。ほのかちゃん、えりち」

「・・・あ!キーホルダー拾ってくれた人!」

「のぞみぢゃーん!!!」

と泣きながらその人に飛びつこうとするほのかさんよりはやく・・・

「のぞみいいいいいいい」

「あらあら、えりち教え子の前で・・・みっともないよ」

「だって・・・」ポロポロ

「よしよし」

先生・・・こんな一面もあったなんて



101:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 19:47:42.76 ID:X5wHRN9s
「・・・というわけで、μ’sのメンバーを集めてるん だけど・・・」

「まだ私とほのかの二人だけなの」

事情を説明してる間、のぞみさんは黙って話を聞いていた。

「三人や。ウチをいれて」

「え・・・?」

「のぞみ・・・!」

「私はどんなときもずっと、μ’sのメンバーだよ。それが、私の望み」

「のぞみ・・・あなたってまったく・・・!

 最高だわ」

「この八年、みんないろいろあっただろうけど、ウチもいろいろあったけど・・・

 やっぱりμ’sはウチの夢だから。だからまた、この物語をみんなで叶えたい」

「ええ!必ず叶えましょう。きっとまだ青春は聞こえるわ!」

「よーし!えりちゃん!のぞみちゃん!いっくぞー!!!」

「いち!」

「はち!」

「きゅう!」

女神再誕まで、あと六人



108:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 22:28:02.21 ID:X5wHRN9s
前回のラブライブ!
メンバー集めのため東奔西走するほのかさんとえり先生。
何人かの情報は得られたけど、一向にメンバーが増えない。
その裏であった私たちの初ライブも完敗からのスタート。
そこに突如現れた東条のぞみさん。
「三人や。ウチをいれて」
八年経ってものぞみさんはずっとμ’sメンバーだった!
それが前回までの
ラブライブ!



109:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 22:28:25.98 ID:X5wHRN9s
四章

いったい私は何をしているのでしょう

ここ何年か胸でずっとモヤモヤしているもの・・・

わかりません・・・・・

どこにも後悔はありません。

不満もありません。

高望みもしません。

ただ強くありたい・・・でも



110:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 22:31:01.48 ID:X5wHRN9s
私はこの胸のつかえの答えを得るために短い旅をするこ とにしました。

・・・いえ。もしかしたら逃げるため・・・?

ならばなおさら、弱い自分を見つめな直さなければ。

ストックで地をつき、足を前へ。この傾斜を一歩進むたびに、自分の中へ踏み込んでいる気がします。

いつも私の前を歩き、新しい世界を見せてくれたあの人はもういません。

いますけど・・・私のそばにはいません。

だから自分で自分の道を切り開くのだと、誓いました。

ならばなぜ私は・・・迷っているのでしょうか。

・・・迷っている?私は迷っているのですか?

何に?

私は何を迷っているんでしょうか・・・・?



111:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 22:32:19.66 ID:X5wHRN9s
私は何のために迷って・・・

このモヤモヤの発端と向き合わなければ・・・

そう。私は・・・

自分の足で歩いているのだと思い込んでいたのです。

あれから結局決められた道を歩かされていたにすぎないのに。

では決められた道で、何を迷うことがあるのでしょう。

それは・・・決められた通りに進むかどうかです。

自分の本心に気づき、思うままに生きれば何を迷うことがあるでしょうか!

でもそれができればだれも苦労はしません・・・

結局私は、誰かと一緒でなければ寄り道をする勇気も・・・

「ヘイ!そこのウーマン!今日は天候がいい!運がよかったな!どうする?」

インストラクターさん・・・決まっているでしょう。

「山頂アタックです!」



112:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 22:33:15.68 ID:X5wHRN9s
山頂からの絶景はこんなにも晴れやかなのに

私の心は曇り模様です

先ほどこの雲の正体が分かりました。

私の本心、私のやりたいことに気が付きました。

なのにそれを実行できないでいるもどかしさ・・・

もちろん家を継いだことは誇りに思っています。

投げ出すつもりも毛頭ありません。

そうです。昔の私は両立できていたではありませんか・・・!

頑張るのが大好きで・・・

だから、今の妥協している自分が許せない・・・

でも一人では何もできない・・・

そうです。私は一人ではなにもできない。



113:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 22:34:52.24 ID:X5wHRN9s
答えは見つかりました。あとは踏み出す勇気だけ・・・

なのに

成す術なく、日本の空港に戻ってきてしまいました。

今の自分の・・・

どこにも後悔はありません。

不満もありません。

高望みもしません。

でも一つ、心残りがあるとすれば、

私の弱さを認め、支えてくれる仲間にもう一度会いたい・・・

「うみちゃん!!!」

え・・・?

「うみちゃん!!!!!」

そこには、ほのかがいました。



114:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 22:35:53.49 ID:X5wHRN9s
「今日の便で帰ってくるって聞いたから!」

「どうして・・・」

「実はね!」

「いえ、やはり待って下さい」

「え?でも・・・」

今度は、私から・・・!

「やっとわかったんです!私はアイドルが好きなんです!

 やりたいんです!!!」

勇気の理由が、ここにある。

「ほのか!もう一度μ’sを!アイドルをやりませんか!?」

「えっ」

そうですよね・・・いきなりこんなこと言いだして・・・

「あははっははははははは!!!」

笑われるに決まっています・・・

「ははははっはははははっは」

「笑い過ぎです!!!」

「だ、だって!」

「わ、私は冗談を言っているのでは・・・」

「私も、同じこと言おうと思ってたから・・・!」

「えっ」



115:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/02(火) 22:37:00.42 ID:X5wHRN9s
一人で何もできないなら、助けを求めればいいのです。

その思いが重なったのなら、その相手は

仲間

そう呼べるのです。

これは、私とほのかの、μ’sをもう一度やりたいという思いが重なった

小さな奇跡。

私たちは、空港を飛び出しました。

彼女に手を引かれるのではなく、

手を繋いで、並んで・・・・・



125:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 01:06:54.46 ID:XaTY59Ph
前回のラブライブ!
自分探しの旅に出ていたうみさんだったが、
結局得た答えは、自分の不甲斐無さ、無力さだった。
一人では何もできない・・・意気消沈して帰国したが、
空港ではほのかさんが待ち構えていた!
勇気を出して一人では絶対叶わない夢、μ’s再結成をほのかさんに提案するうみさん。
二人の思いが重なった!
女神再誕まで、あと五人!
それが前回までの
ラブライブ!



126:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 01:07:21.84 ID:XaTY59Ph
五章

デデーン!

「再結成と聞いていたのになんですかこの有り様は!」

「あはは・・・」

「まだほのかとえりとのぞみしかいないじゃないですか!」

「まあまあ、うみちゃん落ち着こ、な?」

「そうよ。確実にメンバーは集まっているんだから」

「呑気すぎます!というかほのか!なんですかその体たらく!」

「うっ・・・」

「ダイエットをしてもらいます!!!」

「え、えりちゃ~ん」

「それは・・・自分で頑張りなさい」

「えりち、今日もパフェ、食べに行く?」

「・・・そうね」

「ダイエットの話してるのにその流れはひどくない!?」

「黙りなさい!とにかくあなたはまず階段50往復です!」

「ひぃ~膝がわるくなっちゃうよ!」

そこには、鬼がいた。



127:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 01:07:59.12 ID:XaTY59Ph
「ねえ、μ’s復活計画についてはもう、私たちの出る 幕はないんじゃない?」

「ええ。ひとまず私たちは次のライブに集中しましょう」

そういって何気なく、以前えり先生に撮ってもらった動画を開いた。

「え・・・?なにこの再生数・・・!?」

「なんや?TVみてないの?」

「TV?」

「ハラショー!とんでもない再生数ね!

 このスクールアイドルの激減した時代だからこそ、あなたたちは注目されているのよ」

「どういうこと?」

「廃校寸前の学校を救うためアイドル活動をする二人組・・・

 この煽り文、えりちがやったん?」

「ええ。そんなおいしい設定を世間が見逃すはずがないわ」

「それで今朝の情報番組で取り上げられてたんか」

「今はラブライブもひっそりとした大会になっちゃったし

 注目されるにはメディアを利用するしかないと思ったの」

「これはかしこいえりちやなあ」



128:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 01:08:46.14 ID:XaTY59Ph
数日後

「私は今!話題の音ノ木坂学院にきています!」

そこには、TVカメラと、本物のアイドルがいた。

「レポーターは私、星野そらと!」

「KOYOです!」

どこかの局の番組らしい。

アイドルつながりということで今を駆けるアイドル、そらりんこと、星野そらさんと

KAYOが来ている。

「あなたがスクールアイドルですね!頑張ってください」

小柄だが、スレンダーで、肩までかかる髪。そしておしとやかなそらりん。

「私達ももとはスクールアイドルだったんですよ?」

「そうなんですか!」

「なつかしいに・・・なあ~。ね!KAYOち、ゃん」

「ふふっ!そうだね」

同じく小柄だがその・・・大きくて親しみやすいKAYOさん。



129:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 01:09:28.51 ID:XaTY59Ph
「どうやってスクールアイドルからプロになったんです か?」

「どうというか・・・そうですね。

 きっかけはあるモデルのショーで、私たちがライブを依頼されたことです」

「そうなんですか?」

「いつもセンターだった子が急に来られなくなっちゃったの」

「それで代わりに私が・・・あのとき友達に背中を押されてなかったら、今の私はありません」

「そうなんですか・・・」

「その友達の一人が実はKAYOちゃんなんです!」

「そうなんですか!」

じゃあ、そろそろ。と言うとアイドルは学校紹介のためほかの場所に移動していった。

「はあ、緊張した・・・」

質問される側だと思ったのに・・・質問ばっかしちゃったなあ

でもきっとこれで・・・音ノ木坂の入学希望者が増える!

「ちょっと!ここらへんに・・星野そらとKAYO、こなかった?」

「そらりんかわいかったな~」

「いたのね!追うわよこんなチャンス二度と来ないかもしれない!あの二人が鬼門だったのよ!」

「ええ?どういうこと・・・ちょ」



130:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 01:10:15.05 ID:XaTY59Ph
「いた!ちょうど休憩中ね!」

「なんなの?サイン欲しいの?そらりんとKAYOの」

私を気にも留めず、そのアイドルに話しかける。

「すみません」

「あら!どうしたんですか?」

「星野そらさん、KAYOさん・・・・・いいえ。芸名ではなく、本名で呼ばせてください」

芸名?よく聞くけど・・・それがいったい・・・?

「星空りんさん。小泉はなよさん」

「・・・・・!!!」

「あなたたちはμ’sの星空りんと小泉はなよ。そうですよね?」



143:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 10:51:45.63 ID:XaTY59Ph
「あなたたちはμ’sの星空りんと小泉はなよ。そうで すよね?」

言葉の話終わりに、私の理解は追い付かなかった。

「えっ!?どういうこと・・・?」

「はあ!?前にも話したじゃない!覚えてないの!?」

「あれ?そうだっけ・・・?ごめん・・・」

「ちょっと、本気で忘れてるの・・・?信じらんない」

「いやー最近忘れっぽくて!」

「・・・とにかく!答えてください!星空りんさん、小泉はなよさん」

「・・・・・」

「わ、わあ!こんな若い子が私たちのこと知ってるなんて!ねえ!りんちゃん」

「・・・そうだね。それにかよちんも若いよ」

「そんなことない!りんちゃんのほうが若いよ!!!」

そこ揉めるとこかな?

でも・・・目の前にいるこの二人がμ’sだったなんて・・・!

「二人とも・・・またμ’sに入る気はありませんか!?」

「えっ?何を言って・・・」



144:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 10:52:58.93 ID:XaTY59Ph
私たちはこれまでの経緯を簡単に説明した。

たとえ本物のアイドルになっても、きっと・・・!

「お断りします」

「り、りんちゃん!」

「な・・・どうしてですか!!!」

「り・・・私はもう・・・μ’sじゃない。かよちんも」

「りんちゃん・・・」

「だから・・・もうμ’sのメンバーには会いたくないの!」

え・・・?

「そんな話をしにここにきたの?お仕事の邪魔です。でてってください」

「そんな・・・でも」

「でてって!!!!!」

あまりにもショックだった。私たちは気おされて黙ってその場を後にしてしまった。



145:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 10:56:06.48 ID:XaTY59Ph
「まさか・・・あんなこと言われちゃうなんて・・・」

「・・・・・」

すっかり気が参ってしまった。何をどうすればいいのかわからない。

私たちはただ・・・

どうして星野そら・・・星空りんさんはあんなことを・・・

そうか・・・星野そら、そらりん、星野そらりん、星空りん・・・

現実から逃げるためか、私はどうでもいい思考をめぐらせる・・・そこに

「二人とも」

「KOYO・・・はなよさん・・・?どうしてここに」

「話があるの」



146:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 11:02:52.85 ID:XaTY59Ph
「りんちゃんだって・・・心の底からあんなこと言った んじゃないんだよ?」

「じゃあどうして・・・」

「りんちゃん・・・過去にちょっと辛いことがあって・・・

 とにかくいろいろあって、今はμ’sのメンバーには会いたくないんだと思うの」

過去に辛いこと・・・?μ’sのメンバーに会うとそのことを思い出してしまうとか・・・?

「私も協力してあげたいんだけど・・・今はそっとしておいて欲しいかなって。

 必ずまた会って話す機会を私がつくるから。だから今は・・・ね?」

「はなよさん・・・」

「・・・わかりました」



148:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 11:48:31.09 ID:XaTY59Ph
・・・という感じで、断られてしまいました」

私たちは今部室でえり先生たちに相談している。

「そう・・・そんなことが・・・」

「りん・・・どうして・・・私たちは嫌われてしまったのでしょうか?」

「そんなはずない!きっと何かあるんだよ!」

「過去につらいこと、かあ・・・。

 女の子らしくないコンプレックスは克服したはずなんやけどなあ」

「そうね。少なくとも私たちに心当たりはないわ」

「そうですか・・・」

みんな心当たりがない・・・じゃあいったい・・・



149:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 11:49:24.36 ID:XaTY59Ph
「解散後になんかあったんかもなあ。

 ・・・例えば、アイドルになってからとか」

「そうかもしれません。先輩アイドルにいじめられたとか・・・

 そんな!そんなの許せません!!!ひどすぎます」

「うみちゃんそうと決まったわけじゃ・・・」

「でもそれは私たちに会いたくない理由になるかしら?」

みんなショックを受けるより、りんさんの身を案じている。

そこに感じる確かな信頼と愛情に、私はひそかに感動していた。

「はなよちゃんを待つだけじゃなく、私たちも何か行動しよう!」

「何かって・・・なんです?」

「のぞみの線で調べてみましょう」

「アイドルになってからのりんちゃんのことを?どうするんや?」

「ふふふ。それは・・・」



150:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 11:50:38.54 ID:XaTY59Ph
秋葉原

「ここよ!!!」

秋葉に生徒を連れてくる先生がかつていただろうか。いやない。ハラショー。

「アイドルショップももうこの一画しか残ってないんだね・・・」

「時の流れを感じます・・・」

「ここでアイドル星野そらを調べようっていうんやな」

私たちは手分けして手がかりになりそうなものを探した。

アイドルの経歴を詳しく書き上げた本。インタビューの載った本。業界の人の暴露本・・・。



151:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 11:51:28.98 ID:XaTY59Ph
「だめね・・・全然みつからないわ」

「あら?ちょっとあんた鼻血でてるわよ」

「あれ・・・ほんとだどうして急に・・・」

アイドルショップに興奮しちゃったのかな?空気にのぼせちゃったのかな?

私が鼻にティッシュをつめていると

「あれ・・・?理事長・・・!?」

えり先生が指差す方向。あれは・・・

たしかにわが音ノ木坂学院の理事長に似てなくもないような・・・

実はちゃんとみたことないし顔覚えてないけど。

「ほんとだ!おーい!ことりちゃんマ・・・理事長!」

ほのかさんの声でこちらに気づいた理事長はそそくさとその場を去ってしまった。



152:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 11:51:56.33 ID:XaTY59Ph
「なんや、こんなとこにいるの見られたくなかったんか なあ」

「サングラスにマスク、厚手の帽子。日焼け対策はばっちりね。流石理事長」

「具合でも悪かったのでしょうか・・・?」

結局理事長は見失い、りんさんとはなよさんの情報も有意義なものは得られなかった。

私たちは、はなよさんが言っていた、次の機会を待つことしかできなかった。



154:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 11:52:58.03 ID:XaTY59Ph
とある楽屋・・・

「ねえりんちゃん・・・」

「いやだよ!会いたくないったら!」

「りんちゃん。聞いて」

「昔のことは・・・過去はなかったことにはできないんだよ!かよちん!

 だったら忘れるしか救われる方法がないじゃない!」

「きいて!!!りんちゃん!!!」

「・・・!」

「つらい過去を忘れたい気持ちはわかるよ・・・

 でもそれって、今りんちゃんがやってることって

 μ’sというスクールアイドルと、μ’sのメンバーも忘れようとしてるみたい!」

「それは・・・」

「μ’sを・・・あのころの私たちを!みんなを!思い出を!

 否定する人を私は許せない!!!それがたとえりんちゃんでも!!!」

「!!!」



155:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 11:53:56.49 ID:XaTY59Ph
「本気で忘れたいなんて思ってるのなら・・・私・・・ 私だって!怒るよりんちゃん!」

「・・・りんは・・・」

「かつてつらい過去と向き合って、乗り越えて、救われたのはどこの誰!?」

「あれは・・・みんながいてくれたからで・・・」

「じゃあ行こう。みんなに会いに」



158:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 12:58:21.77 ID:XaTY59Ph
「はなよ。ハラショー。・・・立派になったわね」

「そしてりんも!」

えり先生とうみさんが口をそろえて言った。

「ご・・・ごきげんようみなさま。今日はお集まりいただきまして・・・」

「りんちゃん!」

「え・・・なにか変なこといいましたかしら・・・?」

「口調が!」

「え・・・?ああそうでしたわね。えっと・・・」

「りんちゃん、はなよちゃん。ずっと会いたかったんだよ?

 会って、言いたいことがいっぱい・・・。とにかく私はまた会えて嬉しいよ!」

「ほのかちゃん・・・」



159:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 12:59:18.78 ID:XaTY59Ph
「いったい何があったん?ウチらできることな ら・・・」

「そうよりん。水臭いじゃない」

「・・・り、私は」

・・・・・長い、沈黙。よっぽどいいづらいことらしい。

「む、無理に今すぐどうこうする必要はないよ!ね、ねえうみちゃん」

「そ、そうです!せっかくの再会なのですから、楽しい話をしましょう!」

「みんな・・・」

「そ、そうよりん!そういえば、にゃーはどうしたの?まだ一度も聞いてないわ!」

「ぁ・・・えりちゃ」



160:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 12:59:49.82 ID:XaTY59Ph
「ぬあああああああああああああああああああああああ ああ」

「え!?り、りんちゃん!?」

「やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて思い出したくない」

「ど、どうしたん!?」

「にゃーとか言ってないから!私にゃーとか言ってないからうわああああああ」

「りんが壊れた!」

「あ!野生のちんすこう!!!」

「えっ!どこ!?」

ダダダダッ

疾風の如くりんさんは走り去った。

・・・野生のちんすこうってなに?

「り、りんちゃん・・・いったいなにが」

「にゃーは見事に黒歴史になったようですね・・・」



162:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 14:11:43.82 ID:XaTY59Ph
「は・・・はあ、はあ、はあ・・・

 やっぱりみんな覚えてるんだ・・・・・どうしよう・・・

 絶対みんな変だと思ってたんだ・・・内心馬鹿にしてたんだ・・・

 そうだよね・・・あんなの痛すぎるよね・・・寒い・・・」






「誰かさんの受け売りだけど、寒い子は強いのよ。りん」



163:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 14:12:49.71 ID:XaTY59Ph
「え・・・えりちゃん・・・みんな・・・」

「なんや、そんなこと気にしてたんか」

「それで私たちに会いたくなかったんだね・・・」

「話は全部、はなよから聞きました」

「ごめんね、りんちゃん・・・」

「語尾ににゃーを付けていたことが恥ずかしくて、そのことを知ってる人に会うのがいやだったんだね・・・

 でもりんちゃん!私たち全然気にしてなかったよ!今だって・・・」

「嘘だ!!!」

「りんちゃん・・・」

「心の中で笑ってたくせに!陰でわらってたんでしょ!?そうに決まってる!

 だって・・・!だっておかしいもん!あんなのおかしいもん!」



164:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 14:13:26.60 ID:XaTY59Ph
「そんなことはありません!」

「あんなの!あんなのわたしじゃない!!!」

スパンッ!

という音が先か、言い終わるのが先か・・・・

気が付いたら、はなよさんがりんさんにビンタをしていた。

「・・・・・っ!」

「りんちゃん!私言ったよね!?そんなこと言ったら怒るって!」

「・・・ごめん・・・つい・・・」

その目には痛みのせいか、涙が浮かんでいた。



165:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 14:14:51.59 ID:XaTY59Ph
「はなよ・・・あなた・・・」

「りんちゃん!にゃーの何が悪いにゃ!恥ずかしくなんかないにゃ!

 かわいいじゃん!にゃ!何を気にしているのにゃ!」

「ほのか・・・!。そうですにゃ!何もおかしくなんてありませんにゃ!」

「そうにゃ!ハラショーにゃ!りん!」

「りんちゃん、ウチらはみーんな、りんちゃんの味方なんやにゃ」

「そうだよりんちゃん!周りになんと言われようとここではありのままの自分でいいんだよ!そうでしょにゃ!」

「にゃーにゃーにゃーにゃーうるさいにゃあああああ!!!!!あっ・・・」



166:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 14:15:46.95 ID:XaTY59Ph
「りん・・・!」

「い・・・今のは・・・」

「ええんやで。りんちゃん。μ’sは九つの個性でできてるんよ。

 世間になんと言われようと、みんながいてくれるやん?

 たとえりんちゃんが世界中の人から嫌われたとしても・・・」

のぞみさんは、優しく、りんさんを包み込んだ。

「μ’sのみんなはりんちゃんのことが大好き。

 な・・・?ほんとはわかってるんやろ?ウチらは誰もあなたを笑わない。

 ウチらはみんな、あなたを認めてる」

「・・・のぞみちゃん」

「そうだよ!りんちゃん!」



167:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 14:16:33.97 ID:XaTY59Ph
「そうだった・・・。私・・・アイドルを目指すあまり 嫌われることを恐れて・・・

 必死に理想の自分を取り繕ってた・・・。みんなに認めてもらおうと・・・

 でもそうだよね。認めてもらうために頑張るんじゃない・・・。

 ありのままのりんを・・・偽りのないりんを認めてもらわなきゃダメだったんだ」

「りん」

「りん」

「りんちゃん」

「どこで・・・間違っちゃったんだろう・・・」

りんさんは、のぞみさんの胸の中で、泣き叫んだ。

声にならない声で、泣き続けた。



169:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 14:23:49.15 ID:XaTY59Ph
季節は秋に色づき始めた。私たちのスクールアイドルは 結果こそ残せていないが

音ノ木坂学院に注目を集めることには成功している。

μ’sはというと・・・・・

「そろそろ本格的に動き始めないとね」

「そうやね。二人はなんやって?」

「今日もスケジュールの合間をぬって顔を出してるらしいわ」

「ほのかはレッスンプラス減量特別メニューです!私がつきっきりで!」

「えええええそんなあああ!誰か・・・」

「ダレカタスケテー!なんちゃって!」

「さあ!今日も練習!いっくにゃーーー!!!!!」



170:名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 14:30:29.56 ID:KubptW1n
泣けてきた



171:名無しで叶える物語(しまむら)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 14:49:54.45 ID:BH+pJ3mx
これは5年後くらいに映画化すべき



174:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 17:02:31.82 ID:XaTY59Ph
前回のラブライブ!
私たちの活動に注目したTVが音ノ木坂に取材に来た!
しかも私の憧れのアイドル、星野そらとKAYOが!
そこで二人の本名が判明!星空りんと小泉はなよはμ’sのメンバーだった!
だけど?
かつての自分を恥じ、封印してしまったりんさんはμ’sのみんなに会ってくれない!
見兼ねたはなよさんの必死の説得とみんなの温もりに触れ、
閉ざしていた心が解けたりんさんは、はなよさんと共に合流を果たす。
「今日も練習!いっくにゃーーー!!!!!」
女神再誕まで、あと三人



175:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 17:03:50.24 ID:XaTY59Ph
六章

わたしはなにをおぼえて なにをわすれているのだろう

いつかわたしは わすれていることもわすれて

おぼえているふりすら しなくなるのだろう

そんなのいやだ

せめて せめてゆめのはてをみるまでは

どうかもっていてください わたしのきおく



176:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 17:04:14.63 ID:XaTY59Ph
理事長室

「・・・という訳なので、是非我がアイドル部にも・・・

 文化祭で発表の場を設けて頂けませんか?」

「ええ。わかりました。ただし、場所は伝統のくじ引きよ?」

「ありがとうございます!」

「ふふ。陰ながら応援してるんですよ。私も。・・・まだ何か?」

「あの・・・先日秋葉原のアイドルショップ付近で理事長を見かけたのですが」

「はい・・・?」

「いったい何の用があったんですか?」

「・・・?何のこと?人違いじゃありませんか?」

「え・・・でもあれは」

「私はそんなところに行ったことはありませんよ

 私の記憶違いでなければですが」



178:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 17:12:32.85 ID:XaTY59Ph
屋上

「やっぱりおかしいわ」

「なにがですか?」

「あなたたちも見たわよね?この前秋葉原に理事長がいたの」

「ああ、いたいた。怪しい格好して」

「え?そんなことあったっけ?」

「あんたが興奮して鼻血垂らしたときよ!」

「え・・・?あ、ああ~」

「でしょう?なのに理事長行ってないっていうのよ。私たちが声かけたのも覚えがないって」

「どうせばつが悪くてしらばっくれてるんでしょう」

「そうかしら?あれはそうは見えなかったわ・・・」

「そんなことより練習よ!先生早くこのステップの続き教えてよ!」



179:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 17:13:08.95 ID:XaTY59Ph
下校時 穂むら

「・・・やっぱほのかさんはいないかあ」

「いらっしゃいませ!・・・姉に用ですか?」

「あ、いえ、えっと」

「あ、わかった!あなたが噂のスクールアイドルね!」

「あ!そうなんです!」

「あなたのせいで最近私ばっかり店番よ!練習練習ってまったくもう」

「ごめんなさい・・・」

「・・・冗談だよ。何買ってくの?」

「ほむらまんじゅうください!」

「はい!まいど!・・・・・ありがとう」

ガラガラ

「あれ?のぞみさん」

「こんにちは」



180:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 17:13:47.76 ID:XaTY59Ph
公園

「懐かしいなあ。覚えてる?ここで私があなたのCHU-Nのキーホルダー拾って・・・」

「えーそんなことありましたっけー!」

「ふふっ!もう!」

「・・・のぞみさんがμ’sの名付け親って聞きました」

「そうよ」

「どういう意味が込められてるんですか?」

「ミューズは、九人の歌の女神なんよ」

「へえ~!」

「蛇足やけど、その女神を生んだのは記憶の女神なんよ」

「記憶の女神・・・」

「だからミューズは記憶を助けるとも言われてる」

「記憶を・・・助ける・・・」



181:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 17:14:11.45 ID:XaTY59Ph
かのじょたちが またあつまるのがうれしかった

うぬぼれだけど みまもっているようなきぶんだった

ちゃんとみとどけたい そうおもった



182:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 17:14:37.06 ID:XaTY59Ph
翌日 理事長室

「そういえば理事長、全然ことりと連絡が取れないんです」

「そう・・・何度か私もかけてはみてるんだけどね」

「本当、多忙なんでしょうね・・・その・・・

 実際行くかはわからないんですが、向こうの住所を教えて頂けませんか?」

「構いませんけど・・・本気なんですね」

「はい。一人でも欠けるわけにはいきませんから」



183:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 17:15:16.86 ID:XaTY59Ph
屋上

「はい、ワンツー、ワンツー・・・ちょ!どうしたの!」

「あはは!ごめんなさい」

ハナヂダラー

「また鼻血ブーして・・・疲れてんのよ。ねえ先生」

「ええ。そうね。今日の練習はここまで」

「ごめんごめん、ゆっくり休むよ!」

「まったく!まあいいわ。私もたまには休みが欲しいし。

 今日は一人で秋葉のアイドルショップに行くとするわ

 先生はまたメンバー集め頑張ってね」

「はいはい」



184:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 17:15:41.78 ID:XaTY59Ph
μ’s練習中

プルルルルルルル

「タダイマ電話にデルコトガ・・・」

「まったく!国際電話になるしこう何度もかけられないってのに・・・ことり」

「えりちゃん・・・また繋がらないの?」

「ええ。もう住所を聞いてきてしまったんだけど・・・」

「ええ!えりちゃんいくの?先生なのに暇なんだにゃー」

「そうやすやすと行けるわけないじゃない!仕事があるのよ」

「そうですよね・・・私もこのあいだ旅行に行ったばかりですし」

「私とりんちゃんは絶対無理だよ・・・」

「なら、ウチが行ってこよか?」

「え!?大丈夫なの?のぞみ」

「だいじょーぶだいじょーぶ。ここはどーんと任せておき」

「じゃあ、はいこれがことりの向こうの住所よ」

「ほな、ウチちょーっといってくるな」



190:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 18:27:01.06 ID:XaTY59Ph
わたしはもう しっていた

すでに げんかいがちかいことを

それでも

いつまでかくしていられるか わからないけど

しんぱいも めいわくもかけたくないから



191:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 18:27:25.23 ID:XaTY59Ph
秋葉原 アイドルショップ

「やっぱりここのアイドルショップの品ぞろえはいいわねえ・・・うふふ

 ・・・ん?あれは理事長?また変装みたいに顔かくして・・・

 ふっふっふ!こっそり後ろつけてえり先生に報告してやるわ!

 いったいどこに・・・え!?」



192:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 18:27:57.53 ID:XaTY59Ph
その翌日 屋上

「・・・で、その足で行っちゃったのよ、のぞみ」

「のぞみさん・・・何者なんですか?」

「もう私もわからないわ・・・

 早ければ今日明日にも戻ってくるかもね。ことりを連れて」

「先生、そのことなんだけど昨日アイドルショップで・・・」

バターン!

「えりち!!!やっぱここにおったか!大変や!」

「のぞみ!?ずいぶん早いわね!どうしたの」

「ことりちゃんは向こうにはおらんかった!」

「え・・・?どういう・・・」

「ことりちゃんは今、日本にいる!!!」



202:名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 19:49:09.05 ID:rFxhTkjz
とりあえず参考画像貼っときますね





















203:名無しで叶える物語(さくらんぼ)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 20:01:39.84 ID:Es3xaNKi
>>202
いいですな~



207:名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 20:41:18.70 ID:y5SDV7Tn
>>202
真姫ちゃんにゾクゾクする



209:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 20:44:59.97 ID:XaTY59Ph
秋葉原 とあるメイドカフェ

「・・・本当にここなの?」

「ええ。昨日ここに入って行くのをみたの」

「しかし・・・いったいどうして」

「いってみればわかるよ!」

ガランガラーン

「いらっしゃいませ!ご主人様!・・・がた」

「ちょお、ほのかちゃん・・・こんな大人数で」

「何言ってるの!今日はりんちゃんとはなよちゃんはいないんだし。

 昔はもっと大人数で・・・」

「ご案内します」



210:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 20:45:36.27 ID:XaTY59Ph
「・・・フロアにはいないわね」

「私こっそり厨房みてくるよ!」

「ちょっとほのか!もっと礼儀正しく・・・もう」



厨房

「すみませーん?」

「え・・・ご主人様、困りますこちらは・・・」

パリーン

「あ・・・ああ・・・」

「どうしたの!?ミナリンスキー」



211:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 20:46:07.42 ID:XaTY59Ph
フロア

「なに頼む?先生が払うから遠慮しないでいいわよ」

「え!やったあ!じゃあ・・・」

ズダダダダダ

「みんな!ことりちゃんが裏口から逃げた!はやく!!!」

「えっ本当にいたの!?・・・でもなにも頼まず店を出るのは・・・

 私はこの子たちと残るから!うみ、のぞみ、ほのかお願い!」



212:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 20:46:40.70 ID:XaTY59Ph
少々時間をさかのぼ る・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ことりちゃんは今、日本にいる!!!」

「ことりが日本に!?どういうこと!?」

「住所の場所におらんかったからCHU-N本社を訪ねたんやけど・・・」

「本社に!?」

「ずいぶん前からアイデア発掘のため帰国してる言われたんや」

「言葉が通じたの・・・?」

「ウチの言語力なめたらいかんよ?」

「と、とにかくほのかとうみも呼ぶわ!」

「あの先生、そのことに関係あるかわからないけど、

 昨日秋葉で理事長を見かけたから追跡したの」

「どうしてそんなことを・・・」

「出来心よ!・・・とにかく行き場所を突き止めたわ」

「ナイスや!もしウチの予想が正しければそれは・・・・・」



213:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 20:47:25.20 ID:XaTY59Ph
時はもどり 秋葉原ランナーチェイス

「ことりちゃん!まてー!!!」

「待ちなさい!ことり!久しぶりの再会なのに逃げるなんて」

「ハアハア・・・この道を抜ければ・・・え!」

「ことりちゃん・・・ウチ、飛行機のって・・・現地までいったんよ?」

「そんな・・・先回り・・・!?」

「どうしてくれるんや・・・?」

「コトリチャン?シリマセン!ヨキニハカラエ ミナノシュウ」

「・・・どうやら本人で間違いないみたいやな・・・

 この恨み・・・フルパワーワシワシMAXや・・・!」

「いやあああああああああ」



214:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 20:48:48.49 ID:XaTY59Ph
「・・・どういうことか説明してよ!ことりちゃん!」

「・・・今、職場は全部まかせっきりで・・・

 私はアイデア集めに戻ってきてたの・・・」

「日本にいるなら連絡くらいくれればよかったんです!」

「・・・それは」

「それは?」

「これが初めてじゃないの・・・行き詰るたびに戻ってて・・・

 というか・・・たしかにCHU-Nをつくったのは私だけど・・・

 もう一人歩きしちゃってて・・・私がいなくても現場は回ってるの」

「だから・・・どうして・・・」

「言えるわけないよ・・・!あんなに息巻いて飛び出してったのに・・・

 もう私あんまり必要とされてないから戻ってきました。なんて」

「ことりちゃん・・・」



215:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 20:49:47.35 ID:XaTY59Ph
「お母さんにも言えてないの・・・だからこの前みんな を見かけたとき・・・

 本当に焦っちゃって・・・」

「やはり、あれは理事長ではなくことりだったのですね」

「どうして・・・?ことりちゃん」

「聞いていましたかほのか!?だからことりは・・・」

「どうして!何がだめなの?ことりちゃんは挫折して帰ってきたわけでも

 失敗したわけでもないのに!CHU-Nはまぎれもなくことりちゃんがつくったもの!

 世界でも人気があって・・・私の知ってる子もよく着てくるよ!」

「ほのか・・・」

「胸を張って帰ってきていいんだよ!!!」



216:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 20:50:42.00 ID:XaTY59Ph
「ほ・・・ほのかちゃん・・・」ポロッ

「ことりちゃんは夢を叶えたんだよ。自信を持って、お母さんにも会いに行こう?」

「わ、私・・・私・・・

 失望しないの・・・?がっかりしないの・・・・?」

「そんなはずありません。称賛されることはあれど、

 どこにも、だれにも、あなたを責める理由はありません」



217:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 20:51:27.81 ID:XaTY59Ph
理事長室

「ことり・・・!?」

「お母さん・・・ごめんなさい・・・!ごめんなさい・・・!」

「・・・私たちは行きましょう。ほのか」

「うん」

「お母さん・・・私ずっと・・・ひっく」

「大きくなったわね・・・」

「おかあさん・・・・・ごめんなさい」

「・・・いいのよことり。あなたは私の自慢の娘なんだから・・・!」



227:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 22:35:58.65 ID:XaTY59Ph
「エエエー!コトリチャン ニホンニイタノー!!?」

「びっくりだにゃ~!」

「ごめんなさい・・・ずっと黙ってて・・・

 でも、この埋め合わせはこれからしていくから・・・」

「ふふ。まったく相変わらず人騒がせなんだから・・・」

「ことりらしいです」

「騒がしすぎて懐かしむのも忘れちゃったよ!」

「ウチはワシワシできたし、恨みっこなしや」

「ゴホン!では改めまして・・・ことりちゃん!また一緒にμ’sをやってくれる?」

「うん!もちろん!」

「ことりのことだから、連絡さえつけば快諾してくれると思っていたけど・・・」

「みんなといると・・・どんどんインスピレーションが湧いてくるの。

 私のアイデアの源は、みんなだったの!」


女神再誕まで、あとふた・・・



228:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/03(水) 22:36:56.44 ID:XaTY59Ph
文化祭 当日

「私たちもμ’sに負けないくらい頑張るわよ!!!」

「うん!」

わたしたちは ひっしにおどって

ひっしにうたって でもたのしくて

このままずっと いられたらとおもった



らいぶのあと わたしはたおれた

まだここでたおれるわけには いかないのに

まだまだ ゆめのとちゅうなのに



234:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 00:04:30.14 ID:6jkDOfgk
七章

「容体はどうなの・・・?まき」

「私に聞かれたって知らないわよ・・・とりあえず命に別状はないわ」

「よかった・・・」

文化祭のライブ後、倒れた私は見に来てくれていたまき先生の協力もあって

西木野総合病院に運ばれました。

「最近、なにか変った様子はなかった?」

「・・・・・」

「そういえば、最近よく鼻血を出していたわ」

「そう・・・」

「な、何よあの子そんなに悪いの?」

「別に・・・聞いただけよ」

「・・・私のせいだわ・・・先生の身でありながら・・・」

「前もこんなことあったわね。偶然にも同じ文化祭当日」

「ほのか・・・」

「ええ。たしか、あのときえりは誰もせいでもない。とか言ってなかった?」

「それは・・・」

「えり。誰のせいでもないわよ」

えり先生は病院を後にしました。



236:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 00:08:02.19 ID:6jkDOfgk
後日

ガラガラ

「μ’sのみんながお見舞いにきたにゃ~!」

「り、りんちゃん、病院では静かに・・・」

「そうですりん。ましてや病人の前で・・・」

「具合はどうかしら?」

「みなさん・・・!ありがとうございます!もうこの通り!」

「よかったあ~」

「お見舞いの品だよ!はい!!!」

「病人に和菓子はちょっときつんと違う?」

「ま、元気そうでよかったわ」

「心配かけてごめんなさい・・・まき先生もありがとうございました!」

「ヴぇえ・・・!?私は別に何も」

「まきちゃん赤いにゃー」

「何よ!!」

「久しぶりなのに冷たいにゃ・・・」

「まあまあ、まきちゃん、りんちゃん」

「・・・はなよ、りん・・・」

「じゃあ私とりんちゃんはそろそろ行くね・・・え?何まきちゃん」

「・・・なんでもないわよ」



237:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 00:08:47.65 ID:6jkDOfgk
「・・・?まき先生・・・もしかして」

「珍しく察しがいいじゃない。そうよ!この人は西木野まき。μ’sのメンバーよ。

 私も驚いているわ」

「まき先生まで・・・もう頭の中わけわかんないや・・・」

「私もずっと同じ病室いるわけにもいかないから。そろそろ」

「あっ・・・まき・・・」

まきが病室を出た後も、しばらくみんなは病室に残っていた。



238:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 00:09:24.86 ID:6jkDOfgk
「話とはなんですか・・・?理事長」

「ええ。廃校についてなんですが・・・」

「・・・!」

「確かに以前より希望者が増えているのは事実です。

 しかし再検討に及ぶほどではないのが現状です」

「そんな・・・」

「・・・でも、私もできるかぎりのことはしてみましょう」

「え・・・?」

「もちろん鶴の一声、とはいかないけれど。私なりに策を講じてみます」

「どうして・・・?」

「八年ぶりに娘に会う機会を得るきっかけになった子たちだもの・・・

 なんだか個人的に恩を感じちゃって・・・内緒ですよ?」

「ふふふっ。ありがとうございます!」



239:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 00:10:30.56 ID:6jkDOfgk
「でね、もしかしたら廃校はなんとかなるかもって、え り先生が」

「そうなんだ!よかったー!」

「あんたもさっさと退院しなさいよー!一人じゃ張り合いないんだから」

「うん」

ガラッ

「具合はどう?」

「まき先生!もう!早く退院させてください~!」

「はいはい。採血するから席外してもらえる?」

「あ、はい。失礼しました」



240:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 00:11:07.18 ID:6jkDOfgk
「・・・まき先生」

「なに?」

「μ’s、やらないんですか・・・?」

「・・・医者とアイドルの二足のわらじなんて、聞いたことないわ」

「先生は素直じゃないから」

「え?」

「どうせ、一回断っちゃって今更言い出しにくいとか、そんなんでしょ」

「な・・・」

「違うんですか?」

「ち、違うわよ!私は・・・ただ」

「ただ?」

「・・・私の音楽は、もう終わってるのよ」



241:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 00:31:36.83 ID:6jkDOfgk
「えり先生、お客さんが来ていますよ」

「え?私に・・・?誰かしら・・・」



「こんにちわ」

「まき!どうして学校に!?」

「別に!あの子が、一回だけでいいから見に行ってあげてってうるさいから」

「そう・・・でもμ’sの練習は学校でやっているわけではないの」

「え・・・?と、とうぜんでしょ!知ってるわよ」

「ふふ。せっかくだから校内を回りましょうか?懐かしいでしょ?」

「・・・・・お願いするわ」



242:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 00:32:31.80 ID:6jkDOfgk
「まずはやっぱりここからね。講堂。

 μ’sの初舞台の場。・・・メンバーとして私はいなかったけど」

「・・・そうね」

「ここだけの話、実は初ライブ、私聞いていたのよ。」

「えっ!?えりも!?」

「え・・・まさかまきもいたの・・・?」

「・・・そうよ悪い?のぞみと一緒に聞いてたわ」

「えっ!?のぞみもいたの!?」



243:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 00:33:20.50 ID:6jkDOfgk
「部室・・・」

「部の体系はいろいろ変わっちゃったけど・・・

 変わらないものもあるのよ。ほら」

「これって・・・にこちゃんの伝伝伝・・・」

「にこがそろえた部品はほとんどそのまま残っているの」

「・・・・・」




「屋上は変わらないわね・・・」

「いまではあの子たちが練習場所にしてるわ」




「中庭・・・ここでりんとはなよと出会ったの」

「そう・・・」



「ここで九人そろっての初ライブをしたわね・・・」

「今、何考えてる・・・?」

「・・・・・」

「答えなくていいわ。わかるから」



244:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 00:34:53.47 ID:6jkDOfgk
「・・・音楽室・・・」

「よくりんがマラカス振ってたわね・・・」

「ここでほのかに初めて会ったの・・・

 最初はいみわかんない人だと思ったわ・・・

 だって、初対面でいきなり笑いながら腕立てしてみて!だもの」

「ふふふふふっ。ほのからしいわね」

「でも・・・あの人、私のピアノが大好きだって、言ってくれたの」

「私もあなたのピアノが大好きだったわ。μ’sに入る前から。

 いつも放課後、ここから流れてくる音色を聴いていたの」

「えっ・・・?」

「私だけじゃないわ」



246:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 01:09:09.14 ID:6jkDOfgk
「ウチも」

「私もです」

「私も」

「りんも大好きにゃ!」

「私もだよ、まきちゃん」

「ちょ・・・!みんないつの間に・・・」

「みんな、まきちゃんのピアノが大好きだったんだよ!

 ううん。ピアノだけじゃない。歌も、作る曲も、全部!

 なによりまきちゃん自信が!音楽が大好きでしょ!」

「・・・!。でも私の音楽はもう終わったの。しっかりけじめをつけたの!」

「たまには、往生際が悪くてもいいんじゃない?」

「そんなの・・・」



247:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 01:10:44.66 ID:6jkDOfgk
「私・・・またまきちゃんのピアノ、聞きたいな」

「また一緒に踊りたいにゃ!」

「・・・・・」

まきはピアノに向き直り、立ち尽くしていた。

「今度は、まきちゃんの番」

スッ

りんとはなよは、まきの背中に手をやると・・・

グッ・・・

「・・・!」




「もう・・・一曲だけよ・・・?」




素直に追いかけて 勇気で追いかけて
小さな願いが明日を作る
できるかも みんなが望むなら

誰より頑張っちゃえ とにかく情熱のままに
目指すのは綺麗な風吹く道

羽のように 腕上げて
まぶしい未来へと飛ぶよ

きっと青春が聞こえる その瞬間に聞こえる
笑顔ならいつの日も大丈夫!
きっと青春が聞こえる その瞬間が見たいね
となりに君がいて 嬉しい景色
となりは君なんだ



265:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 15:39:17.26 ID:6jkDOfgk
前回のラブライブ
えりと学校見学をして周るまき。
思い出の場所を巡るうち、割り切ったはずの思いがよみがえりはじめる。
それでも素直になれないまきの背中を押したのは、りんとはなよだった。
それはかつて、まきが二人にしたように・・・。

女神再誕まで、あと一人。



266:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 15:40:30.59 ID:6jkDOfgk
八章

「どうしてμ’sを再結成したいの?」

あのとき、あの子は私にそう言いました。



SIDE A

みなさんがまきさんを迎えに行くのを、

校舎の外で待っていました。

きっともう少し・・・もう少しでμ’sが・・・!

ジャーン

音楽室から聞こえてきたピアノの音が鳴りやむのを待って

私は学校を後にしました。



268:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 15:47:44.00 ID:6jkDOfgk
「懐かしいね・・・・!」

「みんなで歌うのは、何年ぶりだったかしら・・・」

「まだよ」

「えっ!?この後に及んでまだまきちゃんそんなこと・・・」



「まだにこちゃんがいない」



「それは、もちろんわかってるんやけど・・・」

「メンバーが集まってなかった頃なら仕方ないにしても・・・」

「そうですね・・・これだけ集まっても誰も詳細を知らないなんて」

「そのうちひょっこりやってくるんじゃないかにゃ?

 ちょっと!!!私を忘れるんじゃないわよ!って」

「もう!りんちゃん」

「でも、ここまできたんだもん!大丈夫だよ!

 きっと見つかるよ!!!」

「そうね。きっとにこのことだから・・・」

「ええ。にこに会ったとき恥ずかしくないよう、

 私たちは当時の・・・いえ、さらにパワーアップしていましょう!」



269:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 15:50:28.35 ID:6jkDOfgk
SIDE B

「ただいまー」

「あ!お姉ちゃんだ!」

「おかえりお姉ちゃん!今月はどうだった!?」

「元気にしてた?こたろう、ここあ」

「うん!」

「ねえ、どうだったの?」

「え・・・ええ!まあまあだったわ!

 今月はサウジアラビア、トーゴ、えーっとリヒテンシュタインに行ってきたわ!」

「すっげー!」

「相変わらずグローバルだね!」

「ええ!それがにこの売りだからね!だから日本のTVなんかに出てる場合じゃないのよ」

「すっげー!」

「りんとはなよは日本のTVばっかりだもんね」

「それは・・・・・」



270:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 15:52:23.52 ID:6jkDOfgk
「そう、そうだわ!こころは?」

「まだー」

ガチャ

「ただいまもどりました」

「あ!帰ってきた!」

「こころおかえりー」

「あ!戻っていたんですね、お姉さま」

「ただいまこころ!今日は私が夕飯作るからね!」

「ありがとうございます」



「はい!特製チーズハンバーグよ~!」

「わあー!!!」

「おいしい~!!!」

「ところでお姉さま、次はいつお戻りになるんですか?」

「そうね、しばらくはちょくちょく顔を出せそうだわ」

「大丈夫なのー?」

「ええ。ちょっと向こうの都合でね、調整のために空き時間が増えるのよ」

「そっか!」



271:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 15:53:55.48 ID:6jkDOfgk
「・・・お姉さま、お体には気をつけてください ね・・・

 お母様のように・・・」

「だーじょうぶよ!ママは過労だったけど・・・にこはスーパーアイドルなんだから!」

「でも・・・」

「お姉ちゃんのおかげでママは元気になったんだもんねー!」

「そうよー!にこがじゃんじゃん稼いじゃうから!」

「・・・そうですね」




「そろそろ行くわね」

「頑張ってね~!」

「おやすみなさい。こころ。ここあ。こたろう」

「おやすみ!」

バタン

「・・・お姉さま」



274:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 17:34:10.99 ID:6jkDOfgk
SIDE A

「ふぃー!!!今日も寒いね~!」

「そうね」

「当たり前よ。暦上はもう冬なんだから」

「念入りに準備運動をして下さいね」

「でも、全員集まれる機会はなかなかないから

 はやく練習した方がいいんじゃないかにゃ?」

「でも準備運動は大切だよ、怪我しないように」

「はなよちゃんの言うとおりやよ、りんちゃん」

「でも私も、すっかり体鈍っちゃってて・・・んっ・・・」

μ’sのメンバーも集まり、今はスクールアイドルも休止中。

私にできることは、今はありませんでした。

「そんな顔しないで。あなたたちのお陰なんだから」

「そうだよ!」

「な、なに!?別に私はそんな・・・」

「じゃあ何考えてたん?」

「・・・みなさんは練習だけに集中してればいいの!」

私にできることは今はない・・・?

・・・先延ばしにしているだけではないでしょうか

私はもしかしたら・・・まだこころの中で待っているのかもしれません。



276:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 17:34:52.53 ID:6jkDOfgk
SIDE B

「ただいまー」

「おかえり!お姉ちゃん!」

「お疲れ様ー」

「おかえりなさい、お姉さま。夕飯はもう私がつくってしまいました」

「え?悪いわねー」

「たまには、お姉さまに私の料理を食べていただきたいんです」

「こころ・・・!」

「おれも手伝ったー」

「私も!」

「~!ありがとーーー!!!」



グー・・・グー

むにゃ・・・

すー・・・すー・・・

「こたろう・・ここあ・・・こころ」

「・・・・・」

「眠ったみたいね・・・」

「・・・・・」

「さて・・・じゃあそろそろ」



277:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 17:35:37.61 ID:6jkDOfgk
ガラッ

「お姉さま・・・」

「あ、あらこころ、起こしちゃった?」

「行かれるんですか?」

「ええ。・・・こころ、いつも悪いわね

 私がいないとあなたが一番しっかりしないといけないわよね・・・」

「そんなことありません!」

「こころ・・・」

「お姉さまがいても、一番しっかりしてるのは私ですから」

「ちょ・・・」

「私こそ・・・ごめんなさい。お姉さまばかり・・・」

「な、なーに言ってるのよ。私はアイドルが大好きなのよ!

 だから今の自分が大好き!

 ほら、こころ!にっこにっこにー!」

「・・・にっこにっこにー!いってらっしゃい!お姉さま!」

「行ってきます!」



280:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 18:45:48.64 ID:6jkDOfgk
SIDE A

「えり先生」

「あら、どうしたの?」

「相談があるの」

「μ’sのこと?それともスクールアイドルの話・・・?それならまず・・・」

「いや・・・えっと」

「ん?」

「じ、人生相談・・・?」

「え・・・!?は、ハラショー!!!!!

 悩み事ね!?悩み事があるのね!?いいわ!なんでも言ってちょうだい!

 先生が力になるわ!!!ああ・・・私もついに」

「相談相手を間違えたかしら・・・」



281:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 18:46:31.57 ID:6jkDOfgk
「・・・例えばだけど、誰かのために何かをするって、 どう思います?」

「素晴らしいと思うわ」

「いや、そうなんだけど・・・」

「でもね、結局それって自己満足なのよ」

「え・・・?」

「・・・・・誰かのために、って素晴らしいことだけど

 それだけの人間に魅力はないわ。まるで自分がない」

「そんな・・・」

「さらにタチが悪いことに、そのことを本人に指摘してもまるで気づかないのよ。

 なんとかしなくちゃいけないんだからしょうがないじゃない!!!!!

 ってね・・・・・」

「・・・!」

もしかしたら、私もそうなのかもしれない・・・

そう思いました。

「じゃあ、どうすればいいの・・・?」

「・・・その人の本当にやりたいことって、なんなのかしらね」

「本当に・・・やりたいこと・・・?」

「そう」

「でも・・・やりたいことだけやってなんとかなるなんて・・・」

「やってみればいいじゃない。特に理由なんて必要ない。やりたいからやってみる。

 ・・・本当にやりたいことって、そんな感じで始まるんじゃない?」



282:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 18:47:51.27 ID:6jkDOfgk
SIDE B

「ただいまー」

「お姉さま、お疲れのところ申し訳ありません。お話があります」

「いきなりどうしたの?こころ」

「・・・・・」

「・・・!。こたろう、ここあ。ちょっとこころと外にでるわね」

「お家で待っていてください」

バタン



「・・・どうしたの?なにかあった?こころ」

「お姉さまは、自慢のお姉さまです。私の誇りです」

「どどっどうしたのよ急に」

「・・・・・」

「こころ?」

「はっきりいいます!!!」

「えっ!?は、はい!」

「私は・・・もう知っていました!

 気づいていました!お姉さまの嘘に!」

「・・・」



283:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 18:48:37.41 ID:6jkDOfgk
「お姉さま・・・!」

「な、なあんだあ・・・!ばれちゃってたんだあ

 ・・・そうよ。私はアイドルなんかじゃない。プライドのために家族を騙してたのよ

 ごめんなさいね。こんなお姉ちゃんで」

「・・・・・」

「みじめよね!まったく!もういいわ!これからは・・・」

「また嘘をつくんですかっ!!!」

「えっ・・・いったい何のこと・・・」

「私をいくつだと思っているんですか!

 ・・・嘘の理由も・・・全部わかっています」

「こころ」

「私の自慢のお姉さまなら!すべてを正直に話してください!

 お姉さま自身の口で!」

「な・・・なによ」

「お姉さま!」

「私は・・・・・」



284:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 18:49:13.84 ID:6jkDOfgk
私は高校卒業・・・μ’s卒業後も、本気でアイドルを 目指した。

奨学金で大学に通いながら、

大手ではなかったけど、事務所に所属もできた。

夢へ着実に足を進めていた・・・その矢先。

ママが倒れた。

原因は過労。

子供四人を養うのは、もう限界だった。

子供が成長するほど食費、学費は跳ね上がっていた。

ママの負担を減らそうと私は家を出た。

妹たちの学費を出すために事務所も辞めて普通に働いた。

・・・私はアイドルを・・・諦めるしかなかった。

でも、私にはアイドルよりも、夢よりも大切なものがあった。

一人ぐらし。

パート、アルバイト、日雇い・・・

いわゆるフリーター。

働きづめでいつしか大学の単位を落とし、知らぬ間に退学。

稼いだお金で妹たちを学校に行かせて、食わせて・・・

ママの体調が良くなってからは多少は楽になったけど・・・

ママには退学になったこと、

妹たちには事務所を辞めたことを言えないでいた・・・

だってママにはこれ以上心配をかけたくなかったし

妹たちにそんな家計事情を話すなんて残酷すぎる。

学校に行かないていい、とも言い出しかねない。

だから私はアイドルのふりをし続けた。

ずっと。ずっと。ずっと。



288:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 19:15:07.36 ID:6jkDOfgk
「これで満足・・・・・!!?こころ」

お姉さまは吹っ切れたように、私に何もかも話してくれました。

やっぱりお姉さまは・・・

だとしたら

これを確認しないわけにはいきません。

・・・聞くまでもないことだとわかっていても。

「ごめんなさい。お姉さま・・・最後にこれだけ聞かせてください」

「・・・・・」

「アイドルは好きですか?」



289:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 19:15:44.67 ID:6jkDOfgk
SIDE A

私は、決心しました。

いつかこうなる日がくることはわかっていました。

「練習中にごめんなさい。どうしてもμ’sのみなさんがみんないるときに話したかったんです」

「いったいどうしたの・・・!?」

「なんだかいつもよりやけに口調が丁寧だし・・・」

「ごめんなさい!!!!!」

「えっ」

「私は・・・みなさんにずっと嘘をついていました!!!」

「嘘・・・?いったいなんの話だにゃ?」

「八年前・・・私は皆さんにお会いしたことがあります」

「ど・・・どういうこと・・・!?」

「今まで名乗っていた姓は旧姓。

 私の名前は矢澤こころ。矢澤にこの・・・実妹です」



290:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 19:16:41.39 ID:6jkDOfgk
「えええええええ!!?」

「ど、どういうこと!?以前聞いたとき、違うと言われたから・・・」

「あなたがあのこころちゃん!?嘘でしょ?

 私の記憶ではもっと礼儀正しくて・・・・・」

「エエエー!!!?アナタヤザワココロチャンダッタノォー!?」

「他人の空似に、偶然名が一致しているのだとばかり思っていました・・・!」

「そうか・・・旧姓を名乗っていたこと・・・性格の不一致・・・

 なにより本人に否定されたら疑う理由がない・・・だから誰一人気づけんかったんやね・・・!」

「なんで旧姓を名乗ってるの・・・!?」

「それは・・・家庭の事情です」

「なんでにこちゃんみたいな性格になってるにゃー!」

「それは・・・お姉さまに憧れて・・・高校ではこのキャラでいこうと・・・」

「高校デビューにゃ!?」

「ちょっと待って!今はそれは置いておきましょう」

「そうだね・・・こころちゃん・・・!

 あなたお姉ちゃんの居場所知ってるんじゃないの?」

「・・・はい」

「どうして!あなたたちがμ’sを再結成しようって・・・

 なのにどうしてそれを隠していたの!?わけわかんないよ!!!」

「お姉さまが・・・にこにーが最後じゃなきゃいけなかったんです・・・」

「どういうこと・・・?」

「すべてお話します。お姉さまの今の状況を含めて」



291:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 19:17:45.87 ID:6jkDOfgk
SIDE B

「アイドルは好きですか?」

「・・・当たり前じゃない・・・

 でも悔いはないわ。私はあなたたちのためなら・・・」

「誰かのために頑張るだけの人なんて、魅力がありません。まるで自分がありません」

「え・・・?」

「お姉さまがアイドルを諦めきれるはずがありません。

 お姉さま。私はもう一度アイドルをやっているお姉さまを・・・

 もう一度にこにーをみたいんです」

「私だってやりたいわよ!!!!!」

「・・・!」

「でもしょうがないじゃない!!!

 どうしようもないのよ!誰も助けてなんかくれないの!

 毎日生きるのに必死なの!アイドルやってる暇なんてないの!」

声の調子で、涙をこらえているのがわかりました。

「・・・でも、やりたいんですよね?」

「や・・・やりたいわよ・・・

 ほんとは諦めたくなかった・・・・・!!!

 アイドル・・・やりたかったよぉ・・・・・」

泣いているお姉さまを、初めてみました。

顔をくしゃくしゃにして、隣に私がいるのも気にせず、

お姉さまは八年間の思いを吐露しました。

私はそれを・・・

黙って聞いていました。



292:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 19:18:22.80 ID:6jkDOfgk
「うぅ・・・ひっく・・・」

「やってみればいいじゃないですか。特に理由なんて必要ない。やりたいからやってみる。

 ・・・本当にやりたいことって、そんな感じで始まるんじゃないですか?」

「え・・・その言葉・・・」

「え?」

「ううん・・・。昔どっかのおせっかい副会長が馬鹿な生徒会長にね・・・

 ありがとう。こころ。すっきりしたわ。でもやっぱりそんな余裕は・・・」

「ついて着てください。お姉さま」



294:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 19:28:01.32 ID:6jkDOfgk
COMBINATION

「ここって・・・音ノ木坂・・・こころ?いったい」

「いいからきてください」

「・・・懐かしいけど、そろそろ戻らないとこたろう達が・・・」

「問題ありません」

「ちょっ・・・」

この先は屋上・・・私はいつも一番にここにきて・・・

みんなが来るのを待っていた。

ガチャ・・・

「遅いよ!!!にこちゃん!」

え・・・?

「やっとそろいましたね。さあ練習を始めましょう!」

「にこちゃん!かわいい衣装思いついたから今度みてね!」

「なにしてんの。早くしなさいよ」

「待ちくたびれたにゃー!」

「にこちゃん!みんな待ってたんだよ」

「さっさと準備せんとワシワシやよ~!」

「にこ!あなたがいないと始まらないんだから!」

「な・・・に?」

なに?・・・これは幻覚?いったいなにがどうなって???

わけがわからなくて・・・

わけがわからないじゃない・・・!



295:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 19:30:41.87 ID:6jkDOfgk
「ああ~!にこちゃん泣いてるにゃー!」

「な!泣いてなんが・・・ないばよっ!」

「は、はい・・・にこちゃんこれ!」

「まき・・・?ってこれ私ん家の通帳じゃない!どういうことよ!」

「こころに頼んでたの」

「いったいなんの・・・な、なによこの額は!!!」

「みんなでちょっとずつ出し合って・・・」

「冗談じゃないわ!こんなのもらえない!!!」

「誰があげるって言ったのよ誰が」

「にこちゃん!」

「みーんな、貸してあげる、ゆうてんのや」

「はあ・・・?」

「何百年かかっても必ず返しなさいよね!」

「・・・み・・・みんな・・・」



296:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 19:31:43.04 ID:6jkDOfgk
「そのかわり!にこちゃん!またμ’sに入っ て!!!!!」

「ど・・・どうして・・・?」

「こころに感謝しなさい」

「こころが・・・!?」

「お姉さま、お願いです。もう一度・・・。ね?こたろう?ここあ?」

「お姉ちゃん!」

「ミューズー」

「二人ともいつの間に・・・」

「にこ!」

「にこっち」

「にこちゃん!」

「にこ」

「にこちゃん」

「・・・にこちゃん!」

「にこちゃん!」

「にこちゃん」

・・・私は・・・



298:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 19:32:19.61 ID:6jkDOfgk
「こころ、ここあ、こたろう。話があるの

 実はね・・・偽りのスーパーアイドルにこは、今日でおしまいなの。これからは・・・

 今の私の夢は、またこのμ’sのメンバーと、宇宙№1ユニットとして輝きを取り戻すこと・・・!

 それが、一番大切な夢・・・。私のやりたいことなの!!!」

「お姉さま・・・!」

「だから、これはまた九人で歌う最初の曲」



「にっこにっこ!にーーーーー!!!!!」



嬉しいから 君に会いに行こう
寂しいから 君に会いに行こう  会いに行くよ

そんな気持ちになるんだ
進む時 悩む時
つながっているんだねずっと

本気の夢で  Hi! Let's go!
明日をつかむ  Hi! Go go!
きっと出来るよ君なら

たまにはゆっくり君のペースで
やりたいことたち 見つめてごらん
その後がんばれ! 全力でね  がんばろうよ
気分が晴れて 大空へ舞い上がるよ

どんなときだって君を見つめてる



299:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/04(木) 19:32:44.00 ID:6jkDOfgk
「どうしてμ’sを再結成したいの?」

あのとき、あの子は私にそう言いました。

私はこう答えました。

「もう一度、アイドルをしている姉を・・・

 にこにーをみたいから」

女神、再誕。



314:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/05(金) 06:09:57.36 ID:ewVfwQL+
九章

わたしはもう 

めのまえにいる ともだちのなまえも 

おもいだせませんでした

どんなにきおくをたどっても 

そのこのなまえをよんでいるじぶんは いませんでした

それが わすれるということです



315:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/05(金) 06:10:42.77 ID:ewVfwQL+
「脳に重い病気を抱えているの。

 ずいぶん前から記憶障害が起きていたし

 最近の鼻部からの出血もそのため」

「・・・そんな」

「症状が見て取れるようになるまで本人に口止めされてたんだけど・・・」

「つまり・・・もう症状が見て取れるってことね・・・」

「かなり進行してるわ」

「なんとかならないの・・・・・?

 あの子は・・・あの子は私の大事な教え子なの!!!」

「残念だけど・・・・・」



316:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/05(金) 06:11:52.28 ID:ewVfwQL+
「あの子はこころの大事な友達なの!!!なんとかしな さいよ!まき!」

「・・・今の医学じゃ進行を遅らせることしかできないの」

「そんな・・・そういえばあの子・・・すごい物忘れがひどくて」

「・・・酷なことを言うようだけれど・・・

 いずれ、あの子の中からは私たちも消えてしまうわ」

「なら私は・・・その瞬間までずっとそばにいます。

 友達ですから」

「こころ・・・!」



317:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/05(金) 06:12:53.27 ID:ewVfwQL+
「私たちに何かできることはないかな・・・!」

「ほのかちゃん・・・!」

「ほのか・・・」

「・・・・・」

「どうしてまきはそんなに冷静でいられるのですか・・・?」

「それは違うよ・・・うみちゃん」

「私だって、自分の無力さが憎いわよ・・・!」

「すみません・・・つい」

「・・・いいのよ」

「そうだ!!!」

「ほのかちゃん・・・!?」



319:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/05(金) 06:13:32.66 ID:ewVfwQL+
「はなよ・・・どうしたの?あなたから呼び出すなん て」

「忙しいのにごめんね、まきちゃん」

「あなたたちのほうがよっぽど忙しいでしょうが・・・」

「・・・あの子のことで追い詰められてるんじゃないかと思って」

「心配しなくても大丈夫よ・・・」

「ううん。りんにはわかるよ。無理しないでまきちゃん」

「そうだよ。まきちゃん」

「・・・でも私にはどうすることもできない」

「そうかな・・・?」

「え・・・?」

「何が違うの?医者も、アイドルも。

 明日への希望をつくる。人を救うっていうのは、そういうことだと思うな」

「はなよ・・・」

「りん知ってるよ!不治の病って言われてても奇跡的に治っちゃったって話!」

「たとえ現代の医学ではどうすることもできなくても・・・

 他にできることがあるんじゃないかな・・・?」



320:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/05(金) 06:23:53.01 ID:ewVfwQL+
「あの子は・・・ウチを救ってくれたんや」

「のぞみ・・・?」

「・・・本当はな、ウチはここにおるはずなかったんや」

「それは私だって・・・いえ、みんなそうのはずよ」

「そうやけど・・・違うんよ」

「なにそれ、いみわかんない」

「ウチはその偶然を運命や思ってる・・・

 だからウチはあの子に救われたんや。

 そして、今度はたぶんウチの番」

「カードが言ってるの・・・?」

「ううん。カードに代弁してもらうのはもうおしまい。

 私自身が、そう思うの」



321:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/05(金) 15:32:12.77 ID:ewVfwQL+
みんなが おみまいにきてくれました

みんなが たいせつなひとだということはわかります

でもかおがあやふやだったり

なまえがよくわからなかったりします

きっともうすぐ・・・



「えりせんせい・・・」

「なあに?」

「わたし、せんせいの生徒でよかった」

「・・・!何よっ!急にどうしたの?」

「ミューズ・・・約束して・・・」

「大丈夫よ。必ずやりとげてみせる。そのかわりあなたも約束しなさい。 

 必ず観に来るって・・・!」

「うん」



322:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/05(金) 15:32:51.28 ID:ewVfwQL+
えり先生の話より!今日ね、学校でね・・・

 あ、そうそう。廃校の件は前向きに検討してくれるって!

 でも、スクールアイドルは続けるわよ!

 あんたがいないと私一人で練習してるんだから!

 あ、えり先生はいるけどね。忘れてた忘れてた!

 ・・・μ’sだってようやく全員そろって・・・

 もうすぐ私たちの夢が・・・かなうのよ・・・」

「こころ・・・」

「いやです・・・私のこと・・・忘れないでください・・・

 私の大切なおともだぢなんでず・・・

 スクールアイドルだけじゃなくて・・・

 もっと・・・もっと一緒に・・・

 お買いもの行ったり・・・クレープ屋さん行ったり・・・

 カラオケ屋さん行ったり・・・

 もっと・・・!もっと一緒にいたいんです・・・!

 お願いします・・・

 私のこと忘れないでください・・・・・・」



323:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/05(金) 15:33:15.95 ID:ewVfwQL+
「そんなこと私がさせないわよ。

 私はいつか必ず、宇宙№1脳外科医になるんだから。これはもう決定事項。

 そしたら治してあげるから。絶対治してあげるから。

 だからそのときまでしっかりしてなさいよ」



ほんとうは わかっているのに

みんなのおかげで なんだがきぼうがもてました

みんなはおはなを かびんにいけて

かえっていきました



「あ・・・まき・・・?せんせい」

「どうしたの?」

「こんなところにきれいなおはなが」

「きっとサンタさんからのプレゼントよ。今日はクリスマスだから」



326:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/05(金) 17:19:50.99 ID:ewVfwQL+
音もなく気配もなく

静かに運命は変わる

これからの未来に胸の 鼓動が早くなる


スタスタ

「まきちゃん」

「みんな・・・?どうしたのこんな時間まで」

「まきちゃんが仕事終わるの待ってたにゃ」

「どうしたっていうのよ」

「ほのかがね・・・・・」

「ねえ、みんな・・・海、行かない?」

「海・・・?」

「はい?なんでしょう?」

「行ってきてください・・・では私は帰ります」

「こころ・・・?」

「九人だけの景色を見に行くのでしょう?」



327:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/05(金) 17:20:54.67 ID:ewVfwQL+
わたしのきおくは 

まるでゆきのように とけていきます

どうかこないでほしい はるが

このせつなさに なまえをつけるなら

「Snow halation・・・」






「はあ・・・どうしよう・・・」

「なんだろう・・・これ」

「もしかして・・・私」

「私じゃ・・・ダメなのかな・・・?」

「言えないよ・・・」

「どうしたらいいの」

「この気持ち・・・必ず・・・!」





届けて





切なさには名前を付けようか "Snow haration"

想いが重なるまで待てずに

悔しいけど好きって純情

微熱の中 ためらってもだめだね

飛び込む勇気に賛成

まもなくstart!!



328:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/05(金) 17:22:18.23 ID:ewVfwQL+
ザザーン・・・

「海だーーーーー!!!」

「綺麗・・・」

「ほのか・・・?いったい」

「八年前、ここで九人だけの景色をみて・・・この九人じゃないμ’sなんて・・・ありえないから・・・」


ーμ’sは・・・お終いにします!!!!!ー


「でもまたこうして九人集まることができた!」

「あの子たちのお陰だね・・・」

「みんなは・・・覚えてる?」

「そりゃあ・・・」



「答えなくていいんだ。わかるから・・・!」

「胸にえがく場所はみんな同じ!」

「何度でも諦めずに・・・探すことが私たちの挑戦よ!」

「約束とか・・・いらんかったんや」

「いつまでもみんなといたい」

「駆け抜けて一緒に・・・」

キラキラ



329:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/05(金) 17:23:19.38 ID:ewVfwQL+
「私、またみんなで集まって、歌って踊って、楽しく て・・・それだけでいいって思ってた。

 でも・・・私もっともっとやりたいよ!いけるところまで・・・!」

「そしてそれがあの子のためにもなるとしたら・・・最高じゃない!」

「みんなで、叶えよう!」

「もう一度ステージに立とう!!!

 ライブをしよう!!!」

みんなの二本の指が、綺麗に重なる。

「いち!」

「に!」

「さん!」

「よん!」

「ご!」

「ろく!」

「なな!」

「はち!」

「きゅう!」

「μ’s!!!ミュージック リスタート!!!」



332:名無しで叶える物語(さくらんぼ)@\(^o^)/:2014/09/05(金) 17:38:39.07 ID:JILWGR8Q
まさかの劇場版の先行配信と聞いて飛んできました



341:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 06:18:38.35 ID:TGyBqAWj
終章 前編

私は普通の大学に通って

普通の会社に就職して

そう。世間一般に言われる普通の人生を私は歩んだ

ごくごく一般的な生活。みんなそう言って当たり前にそれを受け入れてた。

でも、私にとってそれはどうしようもなく

違和感だった。

日常に感じる違和感。みること、きくこと、かんじること。

なんだか、理解し難かった。

競争社会。

いっぱい働いて、いっぱいお金を稼いで、

みんなは何が欲しいんだろう。

・・・私は何が欲しいんだろう。

私はいつしか、競争社会からの逸脱を

のぞみ始めていた。



342:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 06:19:51.64 ID:TGyBqAWj
ある日遂に私は、会社に辞表を提出した。

最初から、性に合わなかったんだ。

もっと人々のつながりがあたたかくて・・・

寂しくないところへ。

どこか、発展途上の国にでも移り住もう。

そこで恵まれない人達のために何か活動をするのも悪くない。



会社を辞めた私はまず、思い出地めぐりをすることにした。

たくさんの、懐かしい場所に行った。

・・・未練を残さないように。

音ノ木坂学院にも行った。

・・・でも中には入らず、近くの公園でくすぶっていたら、

その子は現れた。



343:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 06:20:19.42 ID:TGyBqAWj
キーホルダーを落としたその子に私は声をかけようとし た。

でも、そういうのって意外と勇気がいるよね?

そんなとき、私はつい

「ちょっと、きみい

 ・・・おーい、そこの音ノ木坂の生徒さん」

「はい?」

「これ、キーホルダー落としたよ」

「あ!ありがとうございます!」

「それ、CHU-Nのキーホールダーやんなあ。

 ウチの友達のつくったブランドなんよ」

「そうなんですか!すごい!お姉さん何者ですか!?」

「ウチは、通りすがりのスピリチュアルなOLよ」

こんな話し方をしてしまう。



344:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 06:21:15.61 ID:TGyBqAWj
つい懐かしくて、今の音ノ木坂のことをいろいろ聞いて しまった。

見ず知らずの私に、笑顔で答えてくれる優しい子だった。

そしてその子の話を聞いてるうち、確信する。

えりちと、ほのかちゃんだ。

二人がまた、μ’sを始めようとしてくれてる・・・!

また・・・みんなで集まれる・・・?

そうだった。私が欲しかったのは・・・

私は二人の元へ向かった。




ガラガラ

「おもしろそうなことやってるやん?ウチもいれてーな」




あなたはもう、そのことを覚えていないけど、

私は覚えてる。

あのとき、あの場所で、あなたと出会って

私は救われた。

だから今度が私が・・・



349:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 12:27:55.36 ID:TGyBqAWj
「・・・という訳なんですが、お願いできないでしょう か?」

「なるほど、面白そうだ。すぐに手配しよう」

「あの、ありがとうございます!」

「そのかわり、本業も疎かにしないことを約束してくれ」

「は、はい!失礼します」

バタン

「あらぁ、KAYOさんじゃない。聞いたわよ

 一人じゃ限界だからユニット結成するんですって?」

「しかも素人と!あなたも焼きが回ったわね」

「・・・先輩」

「星野そらだっていつまで人気が続くか!」

「μ’sだっけえ?過去の栄光にすがろうなんてみっともなーい」

「あんなのちょっと運が良かっただけの勘違い集団よ」

「・・・・・!」



350:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 12:28:26.51 ID:TGyBqAWj
「じゃあ、がんばってねー」

「過去の栄光にすがる・・・?

 ただの一度も、栄光を手にしたことのないあなた達にそんなこと、

 言われたくありません・・・」

「はあ?ちょっとあんた」

「私を、どう言おうと構いません。

 今までだってずっと、聞かないフリをしてきました。・・・でも

 みんなを・・・μ’sを馬鹿にするのは聞き流せません・・・!」

「ふーん。聞き流せなかったらどうするの?」

「どうもしません。ただ」

「ただ?」

「今に見ていてください」

「ふん・・・!嫌な子!」

ツカツカツカ

「は・・・はあ!い、言っちゃった・・・」

「あれー?かよちん・・・KAYOちゃん、どうかしたの?」

「ううんなんにも。さっきプロデューサーさんに例の件お願いしてきたの」

「えー!言ってくれれば私も行ったのに」

「ごめんなさい、じゃあ次は一緒に来てくれる?」

「もちろん!次って?」

「あの人たちにも、協力を仰ごうと思うの」

「あの人たち?」



351:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 12:34:09.92 ID:TGyBqAWj
「久しぶりの本社だなあ・・・」

「OH!コトリサン!お久しぶりです」

「うん!ごめんなさい、暫く任せっきりで」

「問題ないですよ。早速ですが、次の企画について・・・」

「はいこれ!!!」

「これは・・・?」

「新商品の原案だよっ!」

「こんなに沢山・・・?」

「それから、企画については私にアイデアがあるの!

 あるコラボレーションを考えているんだけど・・・」

「OH!あのころの自信と創作意欲に満ちたデザイナーコトリが帰ってきた・・・!」



「じゃあ私そろそろ行くね!」



「えっ」



352:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 12:44:16.13 ID:TGyBqAWj
「聴覚や嗅覚は脳を刺激するの。

 記憶を司る分野なんかにも関係が深いと言われているわ」

「そうなのですか」

「音楽が脳になんらかの奇跡を起こしてきた実例はないわけじゃないわ。

 限りなく少ないけどね」

「じゃあ私たちが歌うこともきっと意味があるよ!よーし!頑張るぞー!!!」

「例えば、寝たきりだった人に毎日思い出の曲を聞かせ続けていたら、

 何年か越しに突然目を覚ました・・・とかね。

 全然因果関係はわからないし、医者としてはなんとも言えないんだけど・・・」

「そういうのTVで見たことあるよ!」

「思い出の曲ですか・・・あの子にもあったのでしょうか?」

「さあ。今はもう知る術はないわね」



353:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 12:44:44.13 ID:TGyBqAWj
「ただいまー」

「おかえりなさいお姉さま」

「あら、勉強?偉いわねこころ」

「お邪魔してるわ。にこ」

「げっ!えり!?ずいぶん贔屓な先生だこと・・・?

 それって・・・医学書」

「私たちがこんなこと知っても何になるかわからないけどね」

「μ’sのみなさんは練習に集中してくださいと言ったんですが・・・」

「まったく・・・。ちょっと待ってなさい

 片手でつまめそうなものつくるから」



355:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 15:41:04.32 ID:TGyBqAWj
「毎日お見舞いありがとうね、こころちゃん」

「まきさんに言われることじゃありませんよ」

「そうだけど・・・」

「こころですよー!」

「・・・・・」

「今日も学校であったおもしろい話を持ってきたわ!」

「・・・・・」

「その子の前では律儀にそのキャラを貫くのね・・・まあいいけど」

「今日はね、えり先生が一回も変なことしなかったの!

 どう?おもしろいでしょ!」

「・・・・・」

「もうすぐμ’sのライブだから、当日は一緒に観に行きましょうね」

「・・・・・」

「あ、それから・・・」

「・・・・・」



356:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 15:41:59.76 ID:TGyBqAWj
「はいワンツー、ワンツー・・・」

「じゃーん!」

「はい!バッチリです。十分休憩しましょう」

「もうみんなすっかり昔のキレを取り戻してきたわね」

「でも・・・みんな見てくれるかな?」

「そうだよね・・・ずいぶんと時間が過ぎているし・・・」

「それは違うんじゃない?やることに意味があるんやろ?」

「そうだよ。それにあの時の・・・

 誰もいない講堂に比べれば・・・」



357:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 15:42:25.61 ID:TGyBqAWj
「りんとかよちんは見てたけどね!」

「えりちもコッソリ録画してたしね~」

「もう!のぞみもいたんでしょ!まきから聞いたわよ」

「おっとぉ、知ってたんか」

「てことはまきちゃんもいたのぉ!?」

「うぇぇ・・・!そうよ悪い!?」

「今だから言うけど私もいたのよ」

「にこちゃんも!?」

「あれれ・・・?と言うことは?」

「あの日・・・みんないたのですね・・・!」

「・・・・・」

「そっか・・・!みんないたんだ」

「・・・・・」

「・・・ふふっ!」

「えへへ」

「あはははははは!」

「みんな素直じゃないんだから!」

「あははははは・・・」



358:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 15:43:23.95 ID:TGyBqAWj
「・・・ライブ、絶対成功させようね」

「うん・・・・!」

「もしかしたら、かつて私たちがいたことを覚えている人なんてもういないかもしれない。

 だって、それを証明できるものはもうないから。

 でも!

 何度忘れられたって、何度でも思い出してもらえばいい!

 歌の女神μ’sは、何度だって蘇るんだ!!!」

バンッ!

「証明できるものならここにあります!!!」



359:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 15:43:47.05 ID:TGyBqAWj
「こころ!?」

「これを!」

「これって・・・」

「あの日みんなで撮った証明写真・・・!」

「部室を整理していたら出てきました」

「みんな若いなあ・・・」

「な、なんだか・・・泣けてきちゃったよ・・・」

「ずっと・・・色あせずに残っていたのね・・・」

「ウチらの友情は、ノーチェンジやったってことやね」

「・・・・・」

ジーン

「よーーーーし!!!」

「ほのか!?」

「じゃあ、みんなであの日の私たちに報告しようか。

 またみんなでライブができるよ、って・・・!」

「・・・!」

「そうね」

「テンションあがるにゃー!」



360:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 15:44:35.20 ID:TGyBqAWj
「神田明神・・・ここにみんなで来るのも久しぶり、だ ね」

「ご利益バッチリなんはウチらが実証してきた」

「たしかに。でも全部神様のお陰でしたー、なんてたまったもんじゃないわ」

「そうよ。あれは間違いなく私の・・・私たちの力よ」

「そして私たちの力はみんなの力!」

「もし、私たちがみんなに力を与えることができたのならば・・・」

「素敵な無限ループにゃ!」

「きっとできるよ。私たちなら」

「さ、さっさとお願い聞いてもらいましょ」

パンパン




そして、ライブの日がやってくる。



369:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 18:47:11.26 ID:TGyBqAWj
最終章

そこにあったのは

あの日撮った

あの場所に九人が在ったことを証明する写真だった

そして私たちは 今も変わらずここに在る

そしてこれからも・・・

そうでしょ? みんな



372:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 18:48:53.08 ID:TGyBqAWj
ライブ開始八時間前

「じゃあ私たちは行ってくるけど、こころは?」

「私はあの子のところに行ってます。

 ・・・私の大好きなμ’sに、私はいません」

「そっか・・・じゃああの子と一緒に会場にきてね」



ライブ開始六時間前

「今日はついにμ’sのライブ楽しみね!」

「・・・・・」

「私、あなたに会えて本当によかったわ!」

「・・・・・」

「・・・本当に」



373:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 18:49:38.26 ID:TGyBqAWj
ライブ開始三時間前

「き、緊張してきちゃった・・・」

「ちょっとはなよ、あなたアイドルでしょしっかりしなさいよ」

「そそそそそ、そうだよかよちん!りんは全然へいきだわん」

「わん・・・?」

「い、衣装着れなかったらどうしよう・・・」

「それは・・・私の採寸が間違ってなければ大丈夫だと思うけど・・・」

「そうです!あのつらかった日々を思い出してください!

 アハハハハハ!ラブアローシュートォ~」

「あんたたち!だらしがないわねー!ほら!

 にっこにっこにっこにー!」

「にこちゃん、にこがいっこ多いぴょん」

「だめやこの子ら・・・」

「みんな落ち着きなさい!!!」

「えりち・・・」

「今更なにを恐れる必要があるの!?

 しっかりしなさい!私たちはどうしてここにいるの!」

「・・・!」

「もちろん・・・私たちがここにいたいから・・・!」

「わかってるなら、もう大丈夫でしょ?」

「うん・・・!」



374:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 18:57:18.34 ID:TGyBqAWj
ライブ開始二時間前

「お客さん・・・きてくれてるかな・・・?」

「心配ないにゃ!りんとかよちんでいっぱい宣伝したから!それに・・・」

「私のいる会社もコラボレーションって大義名分で

 ライブの提供につけたし・・・多少は・・・」

「CHU-Nがスポンサーですか・・・ずるいです。ことり」

「でも、お陰で立派なステージを用意してもらえたね!」

「せっかく髪の色を戻したんだもの。満員じゃなきゃ」

「でも・・・やっぱりもしも全然お客さんがいなかったら・・・」



375:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 18:57:57.45 ID:TGyBqAWj
ライブ開始一時間前

「きっかけは、あの子とこころちゃんから、

 私のもとにえりちゃんが来てくれて・・・」

「のぞみが駆けつけてくれた」

「そのあとうみちゃんが自分から言い出してくれて」

「なかなか会ってくれないりんを・・・」

「かよちんが説得してくれた」

「ことりちゃんが、日本にいることがわかって」

「またまきちゃんを音楽の世界に連れ戻して」

「にこちゃんも、また夢の続きを見られる」

「私は・・・もう諦めてた。家族のためなら・・・って

 こころと、あなたたちのおかげよ。

 一度しか言わないからよく聞きなさい!

 ・・・・・本当にありがとう」



376:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 18:58:23.86 ID:TGyBqAWj
「私だって、医者をやるなら音楽は捨てなきゃって、思 い込んでた

 でもいいのよね。時間の許す限り。たとえそれがたまの息抜きだとしても

 やっぱり私音楽が大好き。μ’sのみんなが大好き。

 私も・・・感謝してる」


「今なら思うよ。あのときの私、何してたんだろう・・・って。

 勝手に自分を自分で追い込んで・・・なんでもっと早く・・・

 ううん。とにかく今私はとっても幸せ。きっと何もかもが上手くいくよ!

 みんなありがとう!」


「私、本当はアイドルの世界に入ってがっかりしてたの。

 ああ、こんなもんなんだって。

 綺麗な笑顔は営業スマイル。優しいオーラは先入観。

 私・・・またありのままのみんなに会えてよかった」


「りんも・・・いつのまにか自分で自分を見失ってた。

 何がしたかったのか思い出せなくなってた。

 笑われるのが怖かった。でももう平気だよ!

 ・・・りんを認めてくれてありがとう」



377:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 18:58:48.26 ID:TGyBqAWj
「いつもどこかズレていて・・・それを正してくれるの がみんなでした。

 一人の私はズレたまま進み続けてしまいました。

 やっぱり私にはμ’sが必要なんです。

 ふつつかものですが・・・末永くお願いいたします」


「人それぞれ、幸せの形がある。

 周りに合わせようとするから・・・つらくなるんや。

 きっと奥底の自分は、答えを知っているはずなのに・・・。

 μ’sのみんなは、ウチの普遍的な幸せ。・・・ありがとう」



「もう・・・私の言うことがなくなっちゃうじゃない・・・!

 ・・・私は、この九人ならなんだってできると信じてる。

 だってあの堅物だった私を変えてしまうほどの力を持っているんだもの。

 またライブができてうれしいわ。精いっぱい歌って、踊りましょう!」


「いつだって、夢をみるのに遅いなんてことはない。

 諦めてもまたいつか追いかければいい。

 終わった夢の続きを見たってかまわない。

 夢なき夢は夢じゃない」



「いこう。みんなが待ってる」



378:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 18:59:26.80 ID:TGyBqAWj
ライブ開始十分前

「みんなが力を貸してくれてる・・・!

 それが私たちの力!!!」

「いくよっ!最高のライブにしよう!」



381:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 19:13:12.79 ID:TGyBqAWj
ライブ開始

ステージの仕掛けが、上にあがっていく・・・

暗闇から、光の先へ・・・

明暗の差で、数秒前が見えない。

・・・徐々に慣れてきた視界の先にあったのは・・・













ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!




ほのかちゃーーーん!     うみちゃん!!!!!!

      ことり!!!      まきちゃんまきちゃんまきちゃん!!!!!

りーんちゃーーん!!!   

        はなよー!!!   かよちーん!!!


            にこに~~~~!!!  
                                のぞみちゃん!!!!   

えりー!!!












地平線の彼方まで埋め尽くすかのような観衆。

地響きのような大歓声。

どれだけ時間が過ぎようと、それはやみようのないものだった。



382:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 19:13:46.66 ID:TGyBqAWj
ライブ開始二時間 前・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「でも・・・やっぱりもしも全然お客さんがいなかったら・・・」



「まったく何を言ってるのかしら」

「私たちが前座をつとめる以上、完全にフルハウスよ」

「軽く定員オーバーしてくれないと困るというものだ」

「・・・!アライズのみなさん!」

「その通り。会場は私たちが温めといてあげる。これ以上ないってくらいにね。

 だからあなたたちはパフォーマンスに集中しなさい」

「あ、あの・・・!ありがとうございます!」

「今回は特別よ。なんせあの星野そらとKAYOきってのお願いだもの」

スタスタスタ・・・

「・・・そうだ。高坂ほのかさん」

「は、はい?」

「ずっと、またあったら聞こうと思っていたの」

「なんでしょう!?」

「・・・あのときの答えは、見つかったのかしら?」

「・・・はい!!!」

「そう・・・今度ゆっくり聞かせて頂戴」



383:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 19:14:35.09 ID:TGyBqAWj
「た・・・大変です~~~!!!」

「どうしたのはなよちゃん!?」

「すー・・・はー・・・それが・・・!

 会場の収容客数を大幅に超える人が集まってしまって・・・!」

「そ、そんなに・・・!?」

「現場は大混乱です!!!」

「そんな・・・でも私たちが行くわけにも・・・・・」

「心配ないよっ!任せておいて!」

「えっ・・・あなたたち・・・」



「ヒデコ、フミコ、ミカ!!!」

「μ’s復活ライブってきいていても立ってもいられなくて!」

「収容数を超えた分の整備は私たちに任せて!」

「音ノ木坂のOGにかたっぱしから呼びかけたの!!!」

「有志でたくさんの人が来てくれてる!

 終いには地域全体巻き込んじゃってるわ!!!」

「みんな・・・!」

「必ず、成功させてよっ!」

「・・・!。うん、約束する」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



384:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 19:15:14.72 ID:TGyBqAWj
「みなさん!こんにちは!μ’sです!」

ほのかがマイク越しに語りかけると、それはとたんに静かになった。

「今日は・・・μ’s生誕九周年復活ライブにお集まり頂き、ありがとうございます」



「ここに至るまで、私たちはたくさんの助けを借りました。

 今日はその恩返しに・・・・・楽しんで行ってください!!!」

「高坂ほのか!」

「絢瀬えり!」

「南ことり!」

「園田うみ!」

「星空りん!」

「西木野まき!」

「東條のぞみ!」

「小泉はなよ!」

「矢澤にこ!」

「みなさんご一緒に!!!」

「μ’s!ミュージック スタート!」



会場が、一つになる。



386:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 19:20:45.12 ID:TGyBqAWj
「やっぱりμ’sってすごい!ね!雪穂!!!」

「うん。本当に。・・・適わないなあ」



「やっぱりほのかは、ほのか。ねえ、あなた」

「・・・・・・」



「ことりだけじゃない。あの未熟だった娘たちが・・・

 もう・・・とっくに空に飛び立っていた。

 みんな私の誇りですよ」


「お姉ちゃーん!!!」

「ここあ」

「ん?どうしたのこたろう!」

「おれ、今なら本当の意味でわかるよ。

 μ’sはバックダンサーなんかじゃない。

 最高にクールな宇宙№1ユニットだって・・・!」


「にこ・・・あなたはそれでいいのよ。

 今までごめんなさいね・・・

 でもやっぱり、今のあなたが・・・最高の親孝行よ・・・!」




「お姉さま!μ’sのみなさん!!!ほら!見えますか!!?」

「・・・・・」

「車いすだと見えにくいでしょうか・・・?」



387:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 19:21:43.62 ID:TGyBqAWj
照明が落ち、前奏が始まる。







「アイ セーーーーーーーーーーイ」



ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!



「Hey!Hey!Hey!START DASH!!!」



「Hey!Hey!Hey!START DASH!!!」



389:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 19:22:15.51 ID:TGyBqAWj
「うぶ毛のことりたちも」



たしかにCHU-Nをつくったのは私だけど・・・

もう一人歩きしちゃってて・・・私がいなくても現場は回ってるの

言えるわけないよ・・・!

もう私あんまり必要とされてないから戻ってきました。なんて



「ことりちゃんは挫折して帰ってきたわけでも

 失敗したわけでもないのに!」

「胸を張って帰ってきていいんだよ!!!」



失望しないの・・・?がっかりしないの・・・・?



「そんなはずありません。称賛されることはあれど、

 どこにも、だれにも、あなたを責める理由はありません」



「・・・いいのよことり。あなたは私の自慢の娘なんだから・・・!」



390:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 19:22:42.60 ID:TGyBqAWj
いつか空に羽ばたく」



きっかけはあるモデルのショーで、私たちがライブを依頼されたことです

・・・あのとき友達に背中を押されてなかったら、今の私はありません



り・・・私はもう・・・μ’sじゃない。

そんな話をしにここにきたの?お仕事の邪魔です。でてってください


昔のことは・・・過去はなかったことにはできないんだよ!かよちん!

だったら忘れるしか救われる方法がないじゃない!


「今りんちゃんがやってることって

 μ’sというスクールアイドルと、μ’sのメンバーも忘れようとしてるみたい!」



「μ’sのみんなはりんちゃんのことが大好き。

 な・・・?ほんとはわかってるんやろ?ウチらは誰もあなたを笑わない。

 ウチらはみんな、あなたを認めてる」



どこで・・・間違っちゃったんだろう・・・



さあ!今日も練習!いっくにゃーーー!!!!!



391:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 19:23:06.67 ID:TGyBqAWj
「大きな強い翼で飛ぶ」



「彼女たちを見て感動したの

 いつかこんな風になりたいって。誰かを笑顔にしたいって。

 彼女たちのお陰で、私は明日も頑張ろうって思えたの」

「私はμ’sにあこがれてここにきたのよ」




ハラショー!




・・・そう。でもきっとあなたたちの気持ちは届いているわ

わかるわ。だってとってもうれしいもの



・・・私は・・・

あのとき、あなたの手に救われた




「わたし、せんせいの生徒でよかった」




大丈夫よ。必ずやりとげてみせる。



392:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 19:23:30.50 ID:TGyBqAWj
「諦めちゃダメなんだ」



いったい私は何をしているのでしょう

自分で自分の道を切り開くのだと、誓いました。

私は何を迷っているんでしょうか・・・・?



私の本心、私のやりたいことに気が付きました。

なのにそれを実行できないでいるもどかしさ・・・



頑張るのが大好きで・・・

だから、今の妥協している自分が許せない・・・

でも一人では何もできない・・・

そうです。私は一人ではなにもできない。



「うみちゃん!!!!!」

「今日の便で帰ってくるって聞いたから!」


今度は、私から・・・!


やっとわかったんです!私はアイドルが好きなんです!

やりたいんです!!!



彼女に手を引かれるのではなく、

手を繋いで、並んで・・・・・



396:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 20:46:30.31 ID:TGyBqAWj
「その日が絶対来る」



これ、キーホルダー落としたよ



「あ!ありがとうございます!」



おもしろそうなことやってるやん?ウチもいれてーな



私はどんなときもずっと、μ’sのメンバーだよ。それが、私の望み

やっぱりμ’sはウチの夢だから。だからまた、この物語をみんなで叶えたい




ウチはその偶然を運命や思ってる・・・

だからウチはあの子に救われたんや。

そして、今度はたぶんウチの番



397:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 20:47:02.86 ID:TGyBqAWj
「君も感じてるよね 始まりの鼓動」



「μ’s、やらないんですか・・・?」



・・・私の音楽は、もう終わってるのよ



「せっかくだから校内を回りましょうか?懐かしいでしょ?」


・・・・・お願いするわ


「私もあなたのピアノが大好きだったわ。μ’sに入る前から。

 いつも放課後、ここから流れてくる音色を聴いていたの」

「私だけじゃないわ」


「みんな、まきちゃんのピアノが大好きだったんだよ!」



「私・・・またまきちゃんのピアノ、聞きたいな」

「また一緒に踊りたいにゃ!」



「今度は、まきちゃんの番」



398:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 20:47:26.90 ID:TGyBqAWj
「明日よ変われ!」



わ、わあ!こんな若い子が私たちのこと知ってるなんて!ねえ!りんちゃん


必ずまた会って話す機会を私がつくるから。だから今は・・・ね?


μ’sを・・・あのころの私たちを!みんなを!思い出を!

否定する人を私は許せない!!!



じゃあ行こう。みんなに会いに



周りになんと言われようとここではありのままの自分でいいんだよ!

明日への希望をつくる。人を救うっていうのは、そういうことだと思うな


今に見ていてください



399:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 20:47:51.16 ID:TGyBqAWj
「希望に変われ!」


「お姉さまは、自慢のお姉さまです。私の誇りです」

「ごめんなさい。お姉さま・・・最後にこれだけ聞かせてください

 アイドルは好きですか?」



・・・当たり前じゃない・・・

でもしょうがないじゃない!!!

どうしようもないのよ!誰も助けてなんかくれないの!

毎日生きるのに必死なの!アイドルやってる暇なんてないの!

ほんとは諦めたくなかった・・・・・!!!

アイドル・・・やりたかったよぉ・・・・・



「ついて着てください。お姉さま」



「遅いよ!!!にこちゃん!」


「にこ!あなたがいないと始まらないんだから!」



今の私の夢は、またこのμ’sのメンバーと、宇宙№1ユニットとして輝きを取り戻すこと・・・!

それが、一番大切な夢・・・。私のやりたいことなの!!!

にっこにっこ!にーーーーー!!!!!



400:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 20:48:15.37 ID:TGyBqAWj
「眩しい光に照らされて変われ」



「私最近アイドルはじめたんです!廃校阻止してみせます!」



・・・そっか!私に何か手伝えることがあったら何でも言ってね!!!



「また、μ’sを・・・やってくれませんか?

 再結成してくれませんか・・・!?」



だって・・・見てよこのお肉!最近全然運動してなくて!試食ばっかりで!

・・・それに、みんなもうそれぞれの道を歩んでる。

もう、私のわがままは・・・終わったんだよ

私がいまさらμ’sを再結成したいなんて、言えると思う?



「言えるわよ!それが高坂ほのかでしょ!」



私、またみんなで集まって、歌って踊って、楽しくて・・・それだけでいいって思ってた。

でも・・・私もっともっとやりたいよ!いけるところまで・・・!

もう一度ステージに立とう!!!

ライブをしよう!!!




「START!!」


悲しみに閉ざされて
泣くだけの君じゃない
熱い胸 きっと未来を切り開く筈さ
悲しみに閉ざされて
泣くだけじゃつまらない
きっと  きっと  君の  夢の
チカラ  いまを  動かすチカラ
信じてるよ…だから START!!



401:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 20:48:39.72 ID:TGyBqAWj
「雨上がりの気分で」

「高まる期待のなか」

「躓いたことさえも」

「思い出にしよう」


怠慢 不安 不満 後悔 虚勢 失望 挫折 取捨 絶望

みんなそれぞれ・・・つまずくことはあったけど・・・

この青い空のもとで、九人集まればなんだって笑い飛ばせる。

だよね!



「明日が咲くよ!」

「希望が咲くよ!」

「楽しいメロディー口ずさみ咲いた」

「DASH!!」



402:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 20:49:03.92 ID:TGyBqAWj
喜びを受けとめて
君と僕つながろう
迷い道 やっと外へ抜けだした筈さ
喜びを受けとめて
君と僕 進むだろう
それは (それは) 遠い (夢の)
カケラ (だけど) 愛しいカケラ
彼方へと…僕は DASH!!





「またひとつ 夢が生まれ…」







わたしは いまなにをみているのでしょう

わたしは いまなにをきいているのでしょう

わからない 

わからないはずなのに

このむねにこみあげてくるものは なんでしょう

まるで なつかしい



403:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 20:49:28.05 ID:TGyBqAWj
そのとき、頭の中で何故かあの店員さんの声が響いた気 がした。

ファイトだよ!

・・・・・!


私・・・!



「私、前にもこの光景をみたことがある」

「え・・・!」

「こころちゃん、私、ずっと前からみんなを知ってたんだ」

「私の名前が・・・わかるんですか・・・!?」

「当然じゃない。友達だもの」

「・・・・・!!!」

「私、思い出したよ。全部。

 私、初めてμ’sを見た日から・・・

 八年前からずっとμ’sのファンだったんだ・・・!!!

 μ’sが、私の記憶を助けてくれた・・・!」



405:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 20:50:41.49 ID:TGyBqAWj
喜びを受けとめて
君と僕つながろう
迷い道 やっと外へ抜けだした筈さ
喜びを受けとめて
君と僕 進むだろう
それは  それは  遠い  夢の
カケラ  だけど  愛しいカケラ
彼方へと…僕は DASH!!




「Hey!hey!hey!START:DASH!!」


「Hey!hey!hey!START:DASH!!」



一曲目が終わっても、興奮が冷めることはなかった

みんなが、そのアイドルにくぎ付けだった

かつて少女だった九人は

八年越しにある一人の少女を救い

また、おそらく大勢の人々を救うだろう


「まだまだ!次の曲いっくよーーーーー!!!!!」


そのあとも、ライブは続いた。

いつまでも、いつまでも、

終わらないパーティは

いつまでも続いた。



407:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 21:08:23.89 ID:TGyBqAWj
「あれから8年か・・・・・」

16年前みんなで撮った写真は

今も色あせていません




終劇



413:名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 21:16:01.44 ID:TGyBqAWj
最後までお付き合いくださった方、本当にありがとうご ざいました



406:名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\ (^o^)/:2014/09/06(土) 20:58:20.67 ID:DF/H8EB/
これ映画化してください



408:名無しで叶える物語(泡盛)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 21:10:00.83 ID:29ETcZU2
お疲れさんいい話だったわ



415:名無しで叶える物語(ふく)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 21:19:15.83 ID:CEDokziZ
乙! 泣いた…



418:名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/:2014/09/06(土) 21:40:41.13 ID:q6NV/H0A

神モブはやっぱり神モブだった



483:名無しで叶える物語(芋)@\(^o^)/:2014/09/08(月) 23:52:58.86 ID:MbhpoXls
面白かったので一気に読ませてもらった
ミューズや歌や作品に愛がないと書けないな
乙!








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10127: ゆりゆりな名無しさん

泣いたわ・・
  • 2014/09/14 16:30

10134: ゆりゆりな名無しさん

よかったわ・・
  • 2014/09/17 19:25

10146: ゆり名無し

素晴らしかった

これを映画化してほしいわ
  • 2014/09/23 18:07

10478: ゆり名無し

泣かせていただいた、ほんまに涙止まらん
  • 2015/04/30 16:11

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