名刺のユーザビリティ
うちの会社が名刺をあまり管理できていなかったので、名刺をデータベース化するために延々とOCRで読み込む作業をたまにしています。
かっこいい名刺のデザインなんちゃらというエントリーは定期的にはてブに上がるわけですが、だいたいそういう名刺はOCRでちゃんと読み込んでくれません。でも、今はOCRで名刺を管理している人も増えているはずなので、そろそろ名刺のユーザビリティも語られるべきではないかと思うわけです[誰]。
そこで、名刺を延々とOCRで読み込ませて、その正確性をメモするという作業を繰り返した結果、名刺ユーザビリティガイドラインを公開します。
ライティング
- 当たり前だが、誤字脱字をしない
- 名刺の間違いを手書きで修正しない(電話番号が変わったからといって、二重線ひいて、新しい番号を書き足すなど)
- 「TEL・FAX」や「TEL&FAX」を使わない
- サイトURLは「org」を「orp」と認識しやすい
- サイトURLはwwwから書かず、http://から書く(http://を手書きで入力することになる)
- 分かりにくいと思う名前にはフリガナをうつ
デザイン・レイアウト
- 株式会社(改行)社名などにすると、株式会社という言葉が認識されないことが多い(社名だけ認識される)
- E-mail・サイトURLを縦書きにしない
- 英語表記は裏面にする(表面にすると、英語と日本語が混じり合って読み込まれてしまう)
- E-mailのアイコンと実際にメールアドレスの記述にちゃんと間隔をあける(アイコンをメールアドレスの一部と誤認する)
- 最低限フォントサイズをあげる(小さすぎると認識してくれない)
- 電話、FAX、E-mail、住所、サイトURLは表面には1つずつにする。ほかは裏面に掲載する(OCRがどれを読み取るかが分からない)
- 役職は部署名と離し、できれば名前の左、か上へ(役職と部署名を間違えて、認識することは多い)
- 文字間は適度にとる(離し過ぎると認識しない、近づけると間違う。名前が等間隔にレイアウトされていると、名字と名前をうまく識別できない)
- 役職は表面に1つだけにする(なんとか学会、なんとかコンサルなどと並ぶともう無理)
- あらゆる文章は名刺の端のギリギリに書かない
- 背景色・イメージを使う場合は、文章と十分なコントラストを(コントラストが弱いと、全く読み取れない)
- 会社ロゴと社名を近くにしすぎない(ロゴを社名の一部と誤認識する)
- イタリックは極力使わない(1と7などを誤認識する)
追記
ブクマに対していくつか。
アクセシビリティと言えばよかったかも。マシンリーダブルとヒューマンリーダブルは違うと言う話。感覚値で申し訳ないけど、法人格やURLのhttp://は人間に対して読みやすいのと機械に対しては違うと思う
http://b.hatena.ne.jp/agrinote/20101019#bookmark-25791242
ちょっと僕の書き方がまずかったのかも。
この話は人間にとっての名刺の読みやすさではなく、OCRにとっての名刺の扱いやすさ。その意味では、あまり実用性がないため、ちょっとネタ扱いしてほしかったと思ったり。
そのため、アクセシビリティではないんですよね。上の方法はあくまでOCRに最適化したやり方であって、それこそヒューマンリーダブルではないので。OCRをヒトと考えると、OCRに対するユーザビリティ向上というのが主眼だと思っています。
しかし、
「ユーザビリティ」なのかちょっと分からないけど、面白い。
http://b.hatena.ne.jp/vantguarde/20101019#bookmark-25791242
そそ。ユーザビリティという言葉の使い方としてはたぶん拡大解釈しすぎかなとは自分でも思います。"名刺とOCRにおける相互運用性"とかが正確な感じですかね。