成績は優秀なのに、仕事になるとなぜか失敗が多い、遅刻癖がある、依頼した仕事より、自分の興味関心のある仕事を優先する―――。職場にこういう方はいないでしょうか。コミュニケーションがうまくとれない、モヤモヤする人は、もしかすると「発達障害グレーゾーン」の人かもしれません。
公認心理師として企業や団体でカウンセリングをする舟木彩乃さんは、相談ごとの中に、発達障害グレーゾーンの特性から来る問題がひそんでいることが多いと指摘します。著書『発達障害グレーゾーンの部下たち』より、一部抜粋・編集してご紹介します。
【発達障害グレーゾーンに気づき、対応するプロセスとは】
発達障害などによる障害者雇用枠での採用とは違い、発達障害グレーゾーンの社員は、入社当初から障害が明らかになっていることがほとんどありません。
働き出してしばらく経ってから、メンタルヘルスの不調が現れたときに、その背景に発達障害グレーゾーンがあったとわかることが多いようです。
疾病性と事例性について
職場としてどのようにグレーゾーンの社員に対応していくかを決めるときは、病気の有無や種類(疾病性)に関する情報だけではなく、職場で実際に⽣じている問題(事例性)にフォーカスすることが大切です。
たとえば、うつ病や統合失調症と診断されている場合(疾病性)でも、職場で問題なく働けている(当事者も組織も病気に起因する困りごとがない)状態であれば、職場としては特別に対応する必要はないということになります。
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