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　はっはっは。



　ネタばれ無しで「書け」って言われて、今回ほど辛い回もなかなかないですなー。orz



　まあいいさ、惚れた弱みだっ、頑張って書いていきましょう！！



【ループものの「お約束」からの推察】
　古くは、「劇場版 うる星やつら２ ビューティフルドリーマー」。

　比較的最近では、テレビ二期「涼宮ハルヒの憂鬱 エンドレスエイト」。

　どちらも有名なループものですな。てゆーか、私ぁ自慢できるほど多くの作品に触れてない事もあって、咄嗟には上の二つぐらいしか思い出せません。まあ、有名だし、上の二つで十分だと思うので、このまま話を進めます（ぇー）。

　この二つ、共通点があるのですよね。その共通点は、言わば「ループもののお約束」と言ってもいいぐらいのものなんですが…。

　それは、「ループの原因になっている張本人が、ループしていることに気付いていない」ということなんです。

　ビューティフルドリーマーの方は、夢の世界を作り出して強制ループさせているのは夢邪鬼というアヤカシの類なのですが、「みんなとずっと楽しく暮らしていきたい」と願ったのはラムであり、夢邪鬼はその願いを叶えたに過ぎません。ラムは心底、ループの続く夢の世界を楽しんでいますが、まさか自分の願いが叶えられているとは思っていませんし、そのためにあたるたちが巻き込まれていることにも気付いていません。

　エンドレスエイトについては、「ハルヒが8月31日になったら強制的に時間を戻してしまっているらしい」と作中で語られています。ハルヒには何か、やり残したと感じていることがあるのだろう、とも。ただ、ハルヒ自身はそのことに対して～やり残していることにも時間を戻していることにも～全く無自覚です。１万５千回以上に及ぶ繰り返しを発動しているのに、表面的には「自分がやりたいことはガンガンやっている」わけですし、8月31日が来ても表立って不満を口にするわけではありません。

　ループの根本的な原因である人物が、「ループしていることに気付いていない」＆「表立って不満を言い出さない」。だから当然、ループは自発的には終わりません。巻き込まれた側の人間にとってはたまったものではありませんが、ループを作り出している側がそうである以上は仕方ないんですね。ゆえに、「ループもの」という構造が成り立つわけです。

　…とまあ、ここまでご説明すると、今回のこの「姉御ループ」がかなり特異な状態なのがお分かり頂けるでしょう。

　姉御は、「私のせいなんだ…君が終わらない一日に閉じ込められているのは」と明言しました。自分自身がループの原因であることを、そしてそれを自覚していることを、明確にしたわけです。これは、ループものがループものであるためのお約束を破棄している、と言っていいでしょう。

　すると当然、「何故姉御はループを敢行したんだろうか」という疑問にぶち当たります。もちろん、意図的にいつまでもループさせるなら、まだわかります。自分がそうしたいからそうするってことで、何の問題もありませんから。でも、姉御は自発的にループを解いているんですね。どの道、いつかは止めなければならないループなら、それでも願ってしまった理由は、何なのでしょうか。

　素晴らしいなーと思うのは、そこです。中身は詳しくわからないようにしてあるんですが、でもちゃんとその辺をセリフにして語らせてるんですよ。それは、この部分。

ずっとここにいたかった。
もっと初めてを見つけたかった。
だが、もう行かなくてはならない。
運命はもう変えられないのだから。

　姉御が先に進みたくない理由が、運命として決まっているものが、何かあるんですね。

　姉御は「この夢は、私の最後の願いだったんだ」とも言いました。その避けられぬ運命が来る前に、繰り返して過ごしておきたい時間を繰り返したのでしょう。その時間の中で、姉御が一番欲しかったものは。

もっと…知りたかった。
好きという…気持ちを。

　ああ…。溜息が出ますね。姉御は本当に理樹のことが好きで、初めて味わうその気持ちを、もっともっと知りたかった、と。そうだよね、あの理樹と初めて話す時の回想シーンで、「それは面白いのか？」と聞くとこの姉御は、影の中からだんだん日の光に照らされていくんだよね。今まで自分が知らなかったもの…自分の居場所を見つけ、仲間を思いやることを知り、楽しい騒ぎをいくつも重ね、その中心にはいつも理樹が居たんだ。その中で、だんだん理樹に惹かれていったんだよね。

　でも、6月20日以降に進んでしまえば、その願いは諦めざるを得ないってことなんですね。つまり姉御は…この先に何が起きるのかを知っています。そして、自分の気持ちにフタをして、こういうんです。

忘れてしまえ、私と居た時間なんか。

忘れてしまうがいい…私のことなんか！

……………………。
……約束だ。
何が起こっても君が、鈴君を守れ。

　…一体どういう想いで、こんなことを理樹に告げたんだよ、姉御…。自分はもう理樹とは居られないような素振りで、本当は理樹のことが好きで、でもそれを告げなければいけない、使命のようなものに突き動かされて…。

　淡く、儚く、しかし途方も無く美しく…「姉御の夢の世界」が消えていきます。ここでかかってる歌、「Song for friends」って言うんですけどね、美しいよね、グッと来るよね。でもね、原作プレイヤーは「美しいな」じゃ済まねぇ大変な思いでこのシーン見てるから！！ああ、畜生、スタッフが本当にばっちりわかり過ぎていて、色々胸に刺さり込んできて仕方ないですよ…おかげでオレの切なさメーターが、振り切れまくりだっ！！

　この、夢の終わりのシーンも切なくて切なくてしょうがなかったけども…最後の方の畳みかけがまた尋常じゃないんですよ…。


　「Song for friends」が終わりかける辺りで、放送室のピアノの上の、花が活けてあったガラスの瓶が映るんですが…これ、良く見ると「造花」ですよね？本当なら咲くことのない花、作りものの美しさ。あの、第1話から何度もはらはらと舞っていた花びらは…作られた夢の世界の中だけの、姉御の思いの象徴だったってことでしょうか？

　その部屋で、理樹への思いを胸に、頬を紅潮させ、恋する乙女の顔で微笑む姉御のアップは…テレビのスイッチを切ったみたいに切られてしまって、後には「砂嵐」の画面が全面に残るだけなんですよ…。


　あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛………。


　はらはらと…ああ、はらはらと泣けてならねぇ…。しかも、しかもだよ、姉御が言った通りに全部忘れてしまった理樹の足元には、あの「夢の中で咲いていた花の花びら」が一枚落ちていて、そのまますぅっと消えていって……。

　畜生！！切なすぎるよ！！いいのかよそれで！！姉御、そのまま「夢の中」って選択肢は取れなかったのかよ……。

　取れないんですよねぇ…。

　まだ、語られていない部分に、その理由があるはずです。

　アニメがお初の方は、どうか思い出して下さい。Refrainの第1話で、初めて放送室に来た時に…理樹を後ろから抱き締める姉御の姿や、「忘れたくないんだ…ずっとここにいたかった」という姉御の言葉を、理樹はイメージしているんですよね。いずれもその後に…この第3話で体験した部分なのに。

　ループしているのは、姉御の夢の中の「6月20日」だけではなさそうなんです。

　姉御が強く願ったことで、生じることになったループの世界…。じゃあ、その他のもっと大きなループは、やはり誰かが願ったもの、なんでしょうか…。



　小毬、美魚、葉留佳にクド。

　これまで理樹は、彼女たちの突き当たった問題を解決し、願いを叶えてきました。それが、個々のシナリオの構造だったはずです。

　じゃあ、姉御は？こんな終わりをしてしまって、姉御の問題は解決したの？彼女の願いは叶ったというの？

　……解決した、叶った、と考えるべきなんだと思います。姉御に以前は知らなかった感情を知らしめ、姉御が居場所を見つける助けとなり、初めて知った「好き」という感情を繰り返し味わい…それで、問題は解決したんです、願いは叶ったんです。

　そうじゃないと…夢が消える時の、あの言葉は出てこないじゃないか…。



　




　うがはああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！




　原作オリジナルとはだいぶ変えてきてるけど、いやー完成度高すぎじゃないですか！！このまま本丸になだれ込んでいくのかよ！！うわー、まだメディアの発売スケジュールが出てないこととあるし、これはホントに一気に1クールで走り抜けそうですよ！！毎週、毎週が山場になりかねませんよ？！

　私も心してかかりたいと思います。次週も楽しみに。 ■関連記事～
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