ああ、ああああ、あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ……。
前回のレビューでね、わたしね、こう書いてるんですよね。
何だこれ!なんつーとこで切るかなぁ!
続きがこれなんじゃあ、どこで切っても正直一緒だよ!!アバンぐらいですよ、眉を寄せるレベルで済んでたの!その先はもう、ずっと泣きっぱなしですわ!なんつー構成にしてくるんだ!
先々の仕込みだなぁ、と思う場所もあったりしたんだけどさ…もう、そういうとこに触れてる場合じゃないっつーかね…いやぁ、ここまでエグる話だったかなぁ、ゲームのクドシナリオは…。いや!違うな!この構成には、アニメ版ならではの組み換えが含まれてるんだ!それが、オレの一番柔い部分を始終刺激しまくってるんだよ!
ホント、なんつーことするんだ!まだ解決編じゃないのに!グッジョブすぎる!!
~~~
転んだこと、ありますか?
挫折したこと、ありますか?
自分の力ではどうにもならない辛い出来事に出会ったことは?
繰り返し押し寄せる悲劇や苦境に、何度も何度も晒されたことは?そうして結果的に、それらから逃げてしまったことは?
…他の人が見てどう思うかはわかりませんが、私は、自分ではそういう経験が「ある」と思っています。そして、今回のこのシナリオを組み上げたスタッフの方々にも、そういう経験があるに違いない、とも。
書けないんですよ。そういう経験なしには、このシナリオは絶対に、書けないと思います。だって、今話には、この短い中に「挫折」も「逃避」も繰り返し描かれていて、更にはそれらに対する「許容」までも描かれてるんですよ?挫けたことがある人、逃げたことがある人なら、それがどれだけ辛い中のどうしようもない選択だったか、ありありと思い描けるでしょ?少なくとも私は、クドのこの状況とは何もかも違うのに、自分自身の辛さや苦しみや後悔までもが再体験したように蘇ってしまったくらいです。
Aパート入って間もなくの、理樹たちの会話からしてこんな内容です。
理樹「どうして…こんなことが起きるんだろう…。
僕たちの手に余ることばかり
起きてしまうのは、何故なんだろう…。」
恭介「どんなことだって起こり得るさ。
起きるまでは、誰もそれが起こるなんて思いもしない。
起こったことは、必ず起こるように出来てるんだ。」
この恭介のセリフは、リトルバスターズ!の結末を知っている者にはこれまた実に感慨深いのですが…それを脇に置いておいても、実にするどく辛さをエグり、本当に深く悲しみに刺さり込むような、秀逸なセリフだと思います。不謹慎に思わないでほしいのですけど、災害とかにもね、すごく通じる部分だと思うのですよ。もちろん、起きた出来事が人の心の問題なのだとしても、同じことなのですよね。
これに続く恭介の言葉も、つい目頭が熱くなる言葉のオンパレード。
恭介「大切なのは、悲惨な出来事に打ちのめされない事だ。
いつか乗り越えられると信じ続けることだ。」
実感、ありますよ。これは、確かに大事なことです。越えるまでの長い長い過程を思い出して、既に泣いてましたよあたしゃ。だけど、人によっては、これは理想論にも聞こえるのね。「言うのは簡単だろ」「信じ続けたって救われねェモノは救われねェんだよ」ってシニカルに言っちゃう人は、当たり前にいるんですよね。それもまた事実なところが悩ましいんです。
これで終わんないところが、今話は凄かったですわ。今話は、理樹にこう言わせちゃうわけ。Bパート冒頭の、恭介とクドの対話を遠くから見つけた理樹のモノローグとして…。
理樹「辛いことに立ち向かえと言うのは簡単だ。
言うだけなら、簡単なんだ。
クドに前を向けなんて言えるほど、僕は強くない。
何を選んだって結局、後悔は残る。
正解なんて、どこにも無いんだから。」
…もうね、たまんないんですよ。恭介の先の言葉は、一つの得難い言葉ではあります。だけど、それを言えばOKだと、信じ続けさえすれば万事解決だと、そんな能天気なことを、制作スタッフは思っていないわけですよね。打ちのめされないようにしようと、いつか乗り越えられることを信じ続けようと、どんなに努力したって、「それでもダメだ…」ってなっちゃう時はあるんだよ、頭ではわかってても、それでも転んじゃうことや挫けちゃうことはあるんだよ…。そのことを制作スタッフは十分わかってて、だから両方を真正面からぶつけてきてるんですよね。
更にスタッフは、それでどうしようもなく逃げてしまうことを許しているようにも見えるんですよね。上記の「正解なんて、どこにも無い」というのもそうですが、こんなことまで、鈴の口を借りて言わせています。Aパート中盤の、河川敷のシーンで…。
鈴「…帰らなくていい。
悲しいことや怖いことなんか、見なくていい。
クドが、かわいそうだっ……」
これは、「許し」だと思うんだよ。多分、救いでは無いんだろうけど、「それでしょうがないこともあるよね」ってのは、一種の「許し」だと思います。更に、「許し」に繋がるんだろうなと思ったのが、これに続くクドの過去の話を聞いての、理樹のモノローグです。
理樹「クドの弱さは、誰もが持っている弱さじゃないのか?
鈴はまるで、自分のことのように、うつむいていた…。」
そうだよ、誰もが、弱いんだよ。それは、理樹や鈴たちだけじゃなくて、この話を見ている僕らも、見ていない誰かも、みんなみぃんな、そういう弱さを持っているんだよ。その弱さをね、どうにかしなきゃいけないとか、「強くならなきゃいけない」なんて、理樹はついに一言も言わないんです。ホント、何度も見直したけど、ただの一度も。これが「許し」じゃなくてナンなんだ!
理樹は、クドに強制はしません。もちろん、恭介を初めとするリトルバスターズの面々も。
その代わりに理樹は、クドに「本当の気持ち」に気付かせてあげるんですよ。いや!やめて!ここで「Song for friends」かけるのは!涙腺にグッと来ちゃうから!いやいや、そもそも、理樹がそのクドの本当の気持ちに思いをはせるシーンで、理樹の目の前に広がる宇宙を描いて見せただけでもグッと来まくっちゃってるんだから!
理樹「ウソだ。
どんなに目を背けても、クドはきっと、
本当の気持ちを消すことはできないよ。」
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!(←既に言葉にならないらしい)
理樹「お母さんみたいにならなくていいんだ。
ぎこちなくても、不器用でも、
クドは自分のできることを探せばいい。
クドはクドらしい歯車になって、
宇宙の夢を追い続ければいいんだよ。」
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!
理樹(僕は多分、自分に言っていたんだ。
…逃げちゃいけない、と。)
ふぐわあああああああああああああああああああああああ!!
この絶妙なバランス感!どうだよ!つーか、あんた神さまか!神さまなんじゃねーのか!!
改めての「弱いままでも構わない」という許しと!それでも大事なことがあるという気付きと!更には「自分自身にしか成し得ない、弱さの先にある強さ」と!!てんこ盛りすぎる!!てんこ盛りすぎるよ第22話!!
~~~
恭介がクドに言っていたセリフや、クドが思い出したこと自体が、語り出すとネタばれ満載になる重要な伏線なのですが、今回は華麗にスルーの方向で。あと、理樹がまた何かフラッシュバックしていたりしたのも、葉留佳にも美魚にもケータイが繋がらなかったのも、終盤に向けての重要な伏線ですが以下同文。いやぁ、先は長いっすね。
先が長いと言えば…クド編、次回で解決するんだろうな?ひょっとしたら、という疑念が湧いて離れません。次回予告で「ミッションスタートだ!」が無かったことだけで判断するわけにはいかないでしょうが…ホント、先が読めないこの悶えに、一層の感謝を。
さて、クドリャフカと言えば、今回はその名前の差すものについての言及がありましたが、あれでは十分じゃありません。私自身も半年ほど前に遅まきながら気付いたのですが、そのことを氷菓 第十六話「最後の標的」のレビューに書いていますので一部引用。
リトルバスターズの「クドリャフカ」の名前って、そういうことか!!「ロケット」に乗せられて、「行ってしまったまま帰ってこない」って含みのある名前だったのか!!何てこった、今の今まで全然気づいてなかったよ!!
「行ってしまったまま帰って来ない」という含みのある名前、ですよ?
それでいて、今話のサブタイトルが「わたし、必ず戻ってきます」ですよ?
ゲーム本来の仕込みに加えて、わざわざこれをサブタイトルに据えてくるアニメスタッフの凶悪さ(注:褒め言葉です)と来たら、もう何と申し上げて良いやら…。
ここは一つ、第21話でストレルカとベルカの名前の由来が話された時の、「正反対の名前を付けることがある」という仕込みにすがろうじゃないですか。信じ続けることしか、僕らにもできないのだから。
一人ひとりが微細に異なる感情の起伏が、見ている側にも伝染しそうなくらいによく描かれた、クドを見送るリトルバスターズのメンバーたち。その思いを受け止めながら、クドは苦境へと一人旅立ちました。その先に、例え牢獄のような運命が待ち受けていようとも、きっと、最後にはハッピーエンドが訪れることを信じて。次回も、居住まいを正して、見届けさせて頂きます。
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