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こどもには読ませちゃいけない漫画でお馴染みの平松伸二先生のトークショーをちびっこと一緒に聞いてきたよ!

2011年11月21日
きみは小学校の頃、自転車のスポークを外そうと躍起になったことがあるか?! 

オ レ は あ る !!

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と、いうことで、スポークは外せなかったものの代わりに鉛筆で同級生の男の子とブラックエンジェルズごっこに興じていたアガサが、地元岡山で開催された平松伸二先生のトークショーに喜び勇んではせ参じましたよ!

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「地元岡山」とはいっても、開催場所は岡山市内ではなく高梁市の川上町にある吉備川上ふれあい漫画美術館。
岡山市内からは車で約2時間。 
一番最寄にある備中高梁駅からでも、バスで30分以上はかかるというハイレベルな山間部に存在しており、平日における町民とのエンカウント率はほぼ皆無といっても過言ではありますまい。
そんな高梁市川上町に平成6年に設立された漫画美術館。 
名誉館長はお笑いマンガ道場でお馴染みの富永一朗先生。 ちなみに先生は京都府出身大分県育ち。 岡山とは全く関係ない富永先生がなぜ館長に?!そもそもこんなど田舎山奥に漫画美術館を作るに至った理由は何?と謎は深まるばかりなのですが、いんだよ!細けぇ事は!!

『キララ』『どす恋ジゴロ』『ブラック・エンジェルズ』『ドーベルマン刑事』などのヒット作を持つ漫画家・平松伸二先生が、何を隠そう高梁市出身だったということから実現した、今回の原画展&トークショー。
多感な時期に夢中で読んでいた『ブラック・エンジェルズ』の原画や執筆秘話はもちろん楽しみだったものの、将来漫画家になるのが夢だという我が家のちびっこ(小4)にとっても、何かの刺激というか参考になればと思っていたアガサ。
現地に到着した途端、トークショー会場には目もくれず一目散に漫画美術館に駆け出そうとするちびっこに、「漫画はあとでゆっくり読めばいいから、先にトークショー聞こうよ?ほら、きみが憧れている本物の漫画家先生だよ? なんかアドバイスとかもらえるかもよ?」と声をかけると、彼女は
「わたし、だれかに指図されるのはすきじゃないから!」
という鮮烈な一言を吐き捨てて去って行きました。 そういうんじゃない・・・そういうんじゃなくてさぁ・・・。 ・゚・(つД`)・゚・; ・゚・

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(※ 和やかな雰囲気のもと始まったトークショー)

自由人なちびっこには思う存分漫画を満喫してもらう事にして、「将来の夢はケーキ屋さん」という漫画とは無関係ないもうとちゃん(小1)と共にいざトークショーへ。
実は今回の平松先生の原画展並びにトークショーに関するギャランティは、全て先生たっての希望で福島県浪江町に寄付されるとのこと。
高梁市の方でも、漫画美術館の蔵書の中から3600冊を被災地に贈る予定になっていた為、先生のサイン色紙などと一緒にボランティアの方が届けに行かれるそうです。
司会者の方にお礼を言われた先生が、
「本当はもっと沢山寄付したいとずっと思っていたのですが、あいにくぼくの事務所は赤字続きでなかなか義援金が送れなかった。 今回このお話を頂いたお陰でまとまったお金を送ることが出来、ぼくの方こそ感謝の気持ちでいっぱいです。」
とぶっちゃけトークされていた姿が印象的でした・・。ていうかぶっちゃけ過ぎじゃよ・・先生・・そんなに厳しいのか・・。

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(※ 身ぐるみ剥される先生。)

引き続いて、司会の方のいきなりの無茶ぶりにより「平松先生のファッションチェック」コーナー開始。
「本日のファッションのこだわりは・・?」「このブーツのとんがり具合にはどんなメッセージが・・?」などなど赤面必至の質問が投げかけられ、さながら公開処刑の様相を呈する会場。 この司会者は生粋のドSやで!
しかし、アガサの心配をよそに「この指輪はシュワルツェネッガーさんもつけていたブランドの・・」「このベルトは・・」と一歩もひかずファッソンへの熱い思いを語り始める先生。
い・・意外とイケるクチなのね~~っ!

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(※ そしてイケメンだった先生。)

「よく赤井英和さんに似ていると言われるんですよね・・」と若干照れながら語る先生。 たしかに!
陵辱&暴力&セックス&ドラッグ&ジャンボジェット機を両手で「グワアアアア」って受け止める漫画を描いている人とは思えないほど、温厚で気さくでシャイだった先生の姿を拝みつつ、トークショーが始まる前まで「きっとダニー・トレホ並の強面なんだろう」とばかり思っていたアガサは安堵の溜息を漏らしたのでした。

その後のトークショーでは、先生のデビュー作『勝負』から最新作『ザ・松田』までの執筆裏話が順に紹介され、デビュー時の原稿料がいくらで、『ドーベルマン刑事』の頃にいくらまで上がった、という超ぶっちゃけ話まで聞く事が出来ました。 ていうか先生・・ホントにぶっちゃけ過ぎじゃよ・・・。
先生の漫画には、いつも際どい時事ネタが限界値ギリギリの描写で盛り込まれていることから、読者のみなさんは「関係者の方から苦情が来るんじゃないだろうのか・・?」と心配になった事も幾度となくあるのではないかと思うのですが、本当にその該当者(というかあからさまにネタにされた方々)からの苦情はほとんど無いとの事。
それ以外の「良識ある外野」からの苦情は時々あるそうですよ。
まぁ、アレでしょうね、PとかTとかAとかがつく例の団体とか、そこら辺りなのでしょうね、きっとね。

会場である吉備川上ふれあい漫画美術館について聞かれた時には、「これは川上町のみなさんが期待して下さっている答えではないと思うのですが」と前置きされた上で、「正直言うと、ぼくは漫画を官が先導して芸術だと持て囃すような風潮には違和感があります」と正直な胸のうちを明かされた先生。

市営の漫画美術館全否定発言キタ━━━!(゚∀゚)

私たちが子どもだった3~40年前には、「漫画」は「読んでいたら大人から叱られる」ものでした。
漫画を楽しむのは「イケないこと」であり、その背徳感がさらに、刺激的な描写への渇望を生み出していたような気がします。
平松先生にとって、漫画は今でも「日向の存在」ではなく「読んでいたら怒られる」ようなものであり、そうあって欲しいとも思っている。 それくらいの「強さ」を持っていて欲しい、というような思いを語られていました。
特に毒になり、特に薬になるのが漫画で、万人に受け入れられるような生ぬるいものであって欲しくない。
そんな想いを持っていらっしゃるのかなぁ・・と感じました。

ちなみに、開場前にファンの方に声をかけられた先生は、「ぼくの漫画、こどもに読ませちゃダメだよ」とにこにこしながら話していらっしゃいましいたよ! まあね!そりゃもう先生の漫画はページの端々から毒汁が滴り落ちてるもんね! よしわかった!オレ、ちびっこには絶対読ませないよ!(まぁ、私自身こどもの頃は隠れて読んでましたしw)

今年でデビュー40周年を迎えられた平松先生。
その記念として『ドーベルマン刑事』の復活編執筆が計画されているそうです。
「漫画はいつまで描かれるのですか?」との質問に、「ぼくの怒りが続く限り描き続けるでしょうね」と答えていらしたその瞳には、先生の漫画の主人公と同様に、正義の炎が燃えさかっているようが気がしました。
どうかこれからも、こどもに読ませられないようなパワフルな漫画を描き続けて下さい!
素晴らしいトークショーを、本当にありがとうございました!


< お ま け >

トークショー終了後、平松先生による似顔絵プチ教室が開催されたのですが、なんと会場から選んだ方をモデルに実演して下さるというではありませんか!
ここで挙手しないヤツは男じゃないね!! いや、オレは女だけどさ!

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(※ 地上に舞い降りた天使か、はたまた神秘の泉から現われた妖精か・・・? いいえ、うちの超かわいいちびっこです!

というわけで、気合を込めて挙げた手を優しく指名して下さった先生の気遣いのお陰で、いもうとちゃんがモデルに抜擢。
細かい解説をまじえながら、さくさくと似顔絵を仕上げて行かれる先生。
ぜんぜん「細けぇこと」もおざなりじゃないじゃん! 超いい人じゃん!! すき! けっこんしてくれ!!


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出来上がった似顔絵にサインといもうとちゃんの名前まで入れて、その場でプレゼントしてくださいました!
見事なまでの平松タッチで再現されたいもうとちゃん・・・ 激カワですよね!!!
本人もよほど嬉しかったのか「おかあさん!わたしいっしょうのおもいでになったよ!」と大興奮で、合流したおねいちゃんに自慢しまくっていました。
復路の車中、僻んで怒ったおねいちゃんと血で血を洗う抗争が繰り広げられたことは言うまでもありません。


なにはともあれ、本当にステキな一日でした!
平松先生、川上町のみなさん、ありがとうございました!


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