『インターステラー』
2014年12月03日
あらすじ・・・
古いパラダイムをシフトしたお父さんが次元上昇します。
以下ネタバレも辞さない覚悟の感想が続きますので、ぜひご鑑賞ののちにご覧ください。
というわけで、クリストファー・ノーラン監督最新作『インターステラー』を観てきたのですが、世界の危機・・いやさ我が子の将来を救うため、勇気を振り絞って宇宙へ飛び出した父ちゃんのハートウォーミングな感動物語のはずが、その脇を固めるみなさんの規格外ともいえる言動が強く印象に残ってしまい、鑑賞しているあいだじゅう、心がざわわ・・ざわわ・・・とサトウキビ畑かはたまたトウモロコシ畑かのごとくうねりをあげていましたので、取るものも取り敢えずではありますが、まずはその鬼畜っぷりの一部をご紹介させていただきたいと思います。
【震えて眠れ・・・!宇宙を超えた鬼畜伝説!】
■「アポロ計画? ・・あれは嘘だ!」 国民総農民化のため歴史を改ざんする学校教師!
『インターステラー』の舞台となっている世界では、環境は破壊され、国政は破たんし、軍隊も解体。農作物は枯れ、誰もがみな未来の生活に不安を抱える日々を送っていました。
その災難がいつごろから始まったものなのか、食料もさることながらエネルギー問題なんかはどうなっているのか、なんてことは特に描かれない中、地球に生き残った人々は「食糧確保」を最優先事項に決定。
ひとりでも多くの農夫を。
なにはともあれ収穫可能な作物を。
そんな方針のため犠牲となったものの中には、どうやら科学の進歩も含まれていたようで、過去に偉業として伝えられていた「アポロ11号の月面着陸」は「捏造デマ」として教科書に記載されるという、大槻教授にフルボッコにされそうな事実が観客に明かされます。
食うか飢えるかという瀬戸際ですし、将来を担う子供たちが「宇宙に活路を」みたいな夢物語に夢中になっちゃっても困るんだよってコトなのかもしれませんが、そこ別にいじらなくてもよくね?
あと、アポロ計画をそんな風に改ざんした教科書の他の項がどうなっているのか、ちょっと興味が湧かないでもないですよね。
で、それはともかく、主人公の娘で頭脳明晰な科学っ子マーフちゃんは、そんなデタラメな教職員にダメ出しをするのですが、全く聞き入れられず、先生はおろか同級生たちからも非難の的となっているという、とっても気の毒な状態に。
まあね、ながなが書きましたが、要するに教師がクズい! それ(科学)はそれ、これ(農業)はこれ!
■ 「渡りに船とはこのことか!」 偶然再会した農夫に宇宙船を託すマッドな教授!
頭が良すぎるゆえに学校で浮きまくる娘と、そんな娘の遺伝子のもととなったこれまた優秀な父親・クーパー。
ある日娘から、自室の本棚から不思議と作為的な方法で数冊の本が落ちていることを知らされたクーパーは、最初こそ「幽霊の仕業だ」と取りつく島もない態度だったのですが、本だけではなく床に溜まった砂埃までもが規則的な配列をしているのを目の当たりにし、そこに込められたメッセージを読み解く方向へさっそうとシフト。
結果、それらはとある場所の座標を示しており、クーパーとマーフは家族を残して目的地へと車を走らせます。
辿り着いた場所にいたのは、数年前に解散させられたはずのNASA職員。
そして、何を隠そうクーパーもまた、数年前に奇怪な事故を起こし退職するまでは、NASAのパイロット兼エンジニアでありまして。
久しぶりに再会した恩師・ブランド教授から、実は人類の危機を前にNASAがこっそり復活していたこと、そして、みんなには内緒だけど10年ほど前から地球以外の惑星への移住計画・通称ラザロを進めてきていたんだよね、ということを知らされたクーパー。
人類の鼻の前にぶら下げられた「僅かな可能性」という名のニンジンに驚きと興奮を隠せない彼に、ブランド教授は重大な提案を始めます。
「どうだ、いっちょその宇宙船を操縦してはくれまいか」
すっげえ久しぶりに会ったOBに。
操縦なんか当分していない現・民間人に。
男でひとつで家計を支える父ちゃんに。
少ない国家予算をザブザブつぎ込んだ重大なミッションの肝の部分を!再会後たったの数時間で!
・・奥さん!このブランド教授はとんだ博打うちでっせ!!
■ 「水さえあればそれでいい・・・!?」 ハビタブルゾーンに潜む伏兵!
いきあたりばったりなブランド教授の口車にうっかり乗っかってしまったクーパーは、教授の娘・アメリアを含む3人の専門家と共に宇宙船・エンデュランス号に乗り込み、先発隊が発見したという惑星へと向かいます。
まずは2年間をかけ土星付近まで行き、そこで何者かが用意しておいてくれたワームホールに入って、一気に別惑星までワープする一行。
「生命居住可能領域」からの連絡は3件。
しかし、限られた燃料と地球に帰りたくてしょうがないクーパーの心情を加味すれば、現地に赴けるのはせいぜい2件。
話し合いを重ねた一行が選んだ星は、生物学者・ミラーが待つ水の惑星でした。
だって、まぁ、ほら、水って重要じゃん。 とりあえず水があれば生きていけるし、水があるってことは生命体も存在しているかもしれないってじっちゃん言ってた!火星で言ってた!
そして、そんな調査隊の期待を間髪入れず一瞬で打ち砕いた巨大な波! そう、この惑星の水は「ある」というレベルをはるかに超えていたのだ・・・! っていうかむしろ水しかない星だったのだ!
おい! ミラー! 報告書送ってくるんなら、もうちょっとわかりやすいヒント書いとけよ!
■ 「死なばもろとも!」 農家に生まれ農家に育ち農家で死ぬことを選んだ非業の兄!
クーパーたちが移住可能な惑星を探してえんやこらしている間、地球では様々な事柄が起こっていました。
特殊な重力を持つ水の惑星でのわずか数時間も、地球時間に直すと23年間という長期間になってしまうため、旅立ちの時15歳だったクーパーの息子・トムは家庭を持つ大人の男性になっており、父の出発に最後まで反発していたマーフもまた、当時のクーパーと同じ歳にまで成長。
家を出て、ブランド教授に弟子入りした天才児マーフとは対照的に、「家を守ってくれ」という父の願いをひたすらに守ってきたトムは、先祖代々受け継いできたトウモロコシ畑が年々枯れ細っていっても、長年の砂塵被害で女房子供が肺病を患っても、その土地から逃げ出すことを選ばず、かたくなにそこに住み続けます。
たとえ農家仲間が耕作を諦めても、たとえ人々が沈没船から逃げ出すネズミのように町を捨てても、たとえNASAにコネを持つ妹がいい医者と病院を紹介してくれると申し出ても・・・
なぜなら・・
それが父や祖父との約束だから・・・!
・・
・・・病院ぐらい行かせてやれよ! へるもんじゃなし!
■ 「あたいを怒らせるとヤケドするよ!」 理系の娘がとった理性に欠ける焼き討ち大作戦!
いくら説得してもちっとも言うことを聞いてくれない兄に腹を立てた妹・マーフは、兄嫁と甥っ子を強引に入院させるためとある陽動作戦を決行します。
その作戦とは、食糧難のこの時代に、兄が大切に育ててきたトウモロコシ畑に、そうでなくても疫病にやられ始めて風前の灯火状態の貴重な畑に、ガソリンを撒いて一気に焼き払うという作戦でした!
あかん・・・ マーフのマは「マジモンのアホ」のマやで!
■ 「君はまだ、試されていない・・・!」 氷の惑星(ほし)の眠れる王子、堂々参上!
一方その頃、父・クーパーはというと、マン博士から信号が送られてきていた氷の惑星に到着。
また無駄足かもしれない・・・ そんな一行の不安は嬉しくも裏切られ、氷に埋まった宇宙船の中にはコールドスリープ状態でみなの到着を待ち続けていたマン博士が元気まんまんで待ち受けていました。マンだけに。マンマン。
博士曰く、「この惑星の環境は決して人に優しくはないものの、居住自体は工夫次第で充分可能」とのことで、クーパーたちは一気にテンションアップ。
しかし彼らはまだ、知らなかったのです。
同行した仲間に先立たれ、人工知能を搭載したロボットも壊れてしまい、気の遠くなるような孤独と闘ってきた博士が信号を送ってきた本当の訳を・・・。
ただ単に「ひとりはもうイヤだから迎えに来てもらいたかった」だけだった、というさびしんぼうな一面を・・・。
まぁ、それはそれとして宇宙船を奪うためにクーパーを殺そうとするとか全く意味わからんけどな! みんなで帰ればいいじゃん! 船、大きいんだし!
■ 「ラザロ計画にはプランAとプランBがあると言ったな・・・ あれも嘘だ!」 可愛い顔して割とやるマッドな教授が仕掛けた最後の罠!
船を奪うという目的の為、救出に来たクーパーたちに「この星いがいと住めそうだよ!」と嘘をつき、油断させたのち殺害を試み、「父親は死ぬ前に娘の顔を見るという・・・ どうだ?君は見えたかい?」などと訳のわからない自己陶酔プレイを披露したロケットどろぼう・マン博士を返り討ちにしたクーパーとアメリア。
危機一髪でエンデュランス号に帰還したものの、その表情は晴れませんでした。
それもそもはず、地球から送られてきたマーフからのメッセージが、彼らの心を深く傷つけていたからです。
なんと、アメリアの父であるブランド教授が老衰で死亡。
しかも今際のきわに、ラザロ計画の真実を告白したというではありませんか。
クーパーを勧誘する際、教授はこう説明していました。
「ラザロ計画には、人類の移住先を探すプランAと、今いる人類は捨てて受精卵を持ち込み繁殖させる入植先を探すプランBがある」
もちろん、我が子を救いたいクーパーにはプランA以外の選択肢はない。 だからこそ、そこに望みをかけて旅立ったのです。
しかし、教授から語られたのは、「人類が別の惑星に移動することなど不可能だとわかっていた」という事実。
つまり、最初から探査団はプランBしか選べなかった。 クーパーが子どもの元に帰るというシナリオなど無かったというのです。
マーフやトムの未来のために宇宙へ行ってくれ、という教授の言葉は偽りだった。 子どもを救いたいという親心に、まんまと付け込まれただけだった。 怒りと哀しみと絶望にくじけそうになるクーパーとアメリア。
わかるよ!わからんでもないよ! そりゃ親だからさぁ、「あなたの子どもを助けると思って」って言われたら「しょうがねえ、やるか!」ってなりますし、逆に「あなたの子どもは助からないけど、地球人という種族を助けると思ってここはひとつ死んでください」なんて言われたら音の速さで「やなこったパンナコッタ」って言いますよ! わかるけどさぁ! ブランド教授、ずっちーなぁ!
というか、子を持つ親だからこそグっとくる口説く文句でしたけども、これNASAに侵入したのが独身男性とかだったらどうしていたのでしょうかねぇ。
パイロットが来なかったら素人に操縦させるつもりだったの? ねえねえ、何考えてたの?教授?
場当たり的犯行って言われても仕方ねえぞこれ!
【時間軸は永久の今で、コードは「愛」だ!】
もう戻ることは叶わない。
残る惑星はあとひとつ。
そして、目の前には巨大なブラックホール「ガルガンチュア」。
帰還を諦めたクーパーがとった驚きの行動とは、残りの燃料や物資のすべてをアメリアに託し、彼女の恋人が信号を残したまま絶賛消息不明中である最後の惑星へと向かわせることでした。
動力を失ったクーパーは、人工知能搭載ロボット・TARSとともにブラックホールの中へ。
長く暗いトンネルを抜けると、そこは5次元の世界でした・・・。
わたしには2人の娘がいます。
それぞれ小学生と中学生の彼女たちは、10年、20年先に待ち受けているはずの輝ける未来を夢見、弾んだ声でこう語ります。
「大きくなったらいろんな所に旅行したい」 「パティシエになりたい」 「プリキュアの声優になりたい」 「楽しいこと沢山したい」 「それから」 「それから」
「ねぇ、おかあさん?」 と、無垢な眼差しを向けられるたび、わたしの心にはぐちゃぐちゃと混ざり合った感情が込み上げてしまう。
なぜなら、正直に言って、10年、20年先の未来がどうなっているか、まったく見当もつかないから。
もっと正直に言うと、「明るい未来が待っている」と言い切る自信なんて全くないから。
出口の見えない景気低迷。 歯止めのかからない少子高齢化。 ますます広がるばかりの貧富差。 取り尽くしそうな資源、自己保身ばかりの政治家。 余裕ない人びとから弱者に向けられる憎悪。 外国からの挑発。
日本以外の国だって楽園ではありません。
環境破壊、内戦、干渉、正義の名の元の侵攻、財政破たん、移民問題、醜悪な差別意識。
どこを向いても暗いニュースばかりで、しかも改善の兆しすら見えてこない。
今とつぜん始まったことではない。
だからこそ、わたしの心はひどくかき乱されるのです。
「どうしてこの時代に、こんな時代に、わたしは子どもを送り出してしまったのだろう」と。
いまさら何を、とも思いますし、悲観していてもしょうがない。
幸せな一日を積み重ねることだけに集中していくしかない。
人生なんてそういうものだ。
でも、やはりふと、激しく自問してしまうのですよね。
「一生そばで守れるわけでもないのに、いつか彼女自身が厳しすぎる社会で生きて行かなければならなくなるのに、こんなに重い荷物を背負わせてしまってよかったのか」 と。
本作に登場する地球は、そんなわたしの不安を具現化したような凄まじい世界でした。
産んで育ててはみたけれど、子どもたちには学ぶ喜びも、人生をすきなように生きてゆく楽しさも、未知なる世界を発見する余力もない。
ひたすら「死なない」ために生きてゆくだけの、閉ざされた世界。
もしかしたら、架空の世界などではなく、ちょっとだけ未来の世界なのかもしれない、と思わせるリアリティ溢れる描写に、「ああ、やっぱり・・」と打ちのめされました。
「あなたはわたしたちを見捨てた! 残されたわたしたちは、ただ飢えて窒息して死んでゆくしかないのに!」というマーフの叫びが、まるでわたし自身に向けられているような気がして、自責の念にひどく苛まれたのです。
灯なきブラックホールを漂うクーパーと、広い映画館のシートに沈み込んでゆくわたしは、同じような気持ちだったかもしれません。
守り切れなかった子どもに対する思いと、この先どうして守ってゆけばいいのかわからないという思いに、胸を引き裂かれていたのかもしれません。
どうないせえっちゅうねん・・・
めちゃくちゃ陰気やないか・・・
そんな重々しい感情に満たされていた我々。
しかし、ノーラン監督が長く暗いトンネルを抜けた先に用意してくれていたのは、思いもよらない「奇跡」でした。
その「奇跡」は、子どもの可能性を信じ続けた親が起こしたもの。
その「奇跡」は、人生を決してあきらめず、親の愛に応えようとした子どもが起こしたもの。
あまりにも甘すぎる「奇跡」でしたが、わたしにとっては「希望」のひかりでした。
たしかに、この世界は大人たちにとって悲惨すぎるし、子どもたちにとっても過酷すぎます。
しかし、わたしたちが今、子どもたちに残してゆくものによって、その未来は大きく変わるかもしれない。
それは決して特別ではない、たわいもない、ありきたりなもの。
たとえば、「愛」のような。
甘いですよね。 無責任と言っていいぐらい甘い。
でもその甘い記憶が、いつか子どもたちの糧になり、彼らの救いになってくれるという可能性を、わたしは信じたいのですよね。
それが、こんな世界に生まれたノーラン監督が示した「希望」ではないかと思いますし、また、こんな世界で子どもを見守るわたしの「願い」でもあるのです。
あ、もちろん、「愛」だけじゃなくもっとこう、いろいろな知恵も渡しておきたいですけどね! なんつうかその、えーっと、ほら、生活に役立つ・・・伊東家の食卓的な・・・ゆで卵とか・・
ということで、わたしは非常に満足しました。
『インターステラー』さいこう!
親だけじゃなく、世界中の大人から子どもたちに伝えられること、きっとあると思うから! 悪いようにはしないから、みんなで観に行こう!
― おまけ ―
・ おかーさーん! まんまとノーランに煙に巻かれたよー!
・ 「5次元の中に3次元・・・」とか「重力の異次元移動・・・」とか「事象の地平線・・」とか「一般相対性理論・・」とかコレすっげえわかったようでわからんやつー! 字幕追ってるだけで頭に残らんやつー!! 随所に織り交ぜられてるうちになんとなく腑に落ちた気分になるやつー!
・ 「相対性理論」ってアレでしょ?アインシュタインのやつでしょ?光より早く移動したら時間の進み方も遅くなるってやつでしょ?それを突き詰めたらタイムマシンのもとになるってやつでしょ?ちがうの?ざっくり言うとそんな感じなんでしょ?ね?ね?
・ あと、「ワームホール」もいろいろなSF映画でさんざっぱらお目にかかってきたんですけど、さすがに紙の両端に点書いてそこを折り重ねて鉛筆でブシッて穴開ける描写見飽きたよ! これもうちょっと他にいい例えないんですかね? そもそも、点と点を重ね合わせるっていうスタート地点からして不思議でしょうがないのですが、宇宙って紙なの?レポート用紙状なの? 点と点ならワームホールで、手と手のしわを合わせたら幸せになるの? 南ー無ー!!
・ まあね、最終的には「相対性理論はこの際置いとこう」ってなりますし、話半分でもいいと思うんですけどね! ノーランのそういうとこ、オレきらいじゃないよ!
・ 理論はさておき、その「ブラックホール」や「ワームホール」の映像がホントにすばらしくて、ぽかーんと口をあけて見とれてしまいましたよ。 いや、宇宙のシーンは全編ゾッとするほど美しくてすてきだ!
・ あと、高度な知能を持ったTARSさん、CASEさん、KIPPさんのロボット三等兵トリオのなんとかわゆいことか! 意表を突いたトランスフォームっぷりもたまらんすわ! くれ!オレにも一台くれ!
・ 意表を突いたといえば、マン博士のキャスティングにも大いに驚かされましたよね! しかも超ワルい! イメージを逆手に取ったいい配役だなぁ!
・ 結局、5次元の世界というのは重力の束縛から解放された空間で、すなわち時間を超越することも可能だってことなのですよね。 で、
「5次元にいるクーパーが過去の3次元にいるマーフに、自分が宇宙に行くことを止めさせるようメッセージを送る」
→「過去のマーフはきちんとメッセージを受け取るんだけど、肝心の自分が聞く耳を持たない」
→「しょうがないから、今度は現在3次元にいるマーフに、5次元の作り方のヒントを授ける」
→「マーフがそれをもとに新次元の謎を解き明かす」
→「新次元完成!」
→「宇宙での長距離移動が楽ちんになる」
→「土星のそばに移住用のスペースコロニーを作る」
→「地球上での数十年はブラックホールでは数分なので、全て解決したのとほぼ同時期に宇宙をさまようクーパーが発見される」(いまココ)
という流れで、要するに
「クーパーを受け止めた5次元は、クーパーのヒントからマーフが作ったもの」
ってことになっちゃうと思うんですけど、それだと、過去のクーパーとマーフにメッセージを送った時点で既に5次元があって、どこから始まったの?っていう「卵が先か鶏が先か」みたいな話になっちゃいませんかね? それとも、そういうタイムパラドックス的なアレは全部
「5次元は時間も空間も超越するから、どこが最初とか気にしなくていい」
ってことでいいんでしょうかねぇ。 なんかメビウスの輪みたいですね。
・ 宇宙って不思議だなぁ!(←ひどいまとめ)
・ 子を救うためにブラックホールに入った父と、父を助けるためにブラックホールを解き明かした娘。 お互いの寿命が尽きる前にようやく再会を果たすことができた親子の姿は、その役割が逆転したかのように、一方は老い、また一方は若々しさに満ちていました。 そして父の年齢を大きく越した娘は、我が子のような父を、また新しい世界へと送り出します。 クーパーの子離れであり、マーフの親離れの瞬間です。 なんか、すごくグっときました。 父も子も、強いなぁ、と思いました。
・ 遥か宇宙の果て、クーパーたちの成功を知らずひとりきりで人類の繁殖(プランB)に打ち込んでいたアメリアの元に、クーパーの船が辿り着くのはいつなのでしょうか。 そもそも、そこまで(もともと他の生物がいたかもしれない別の惑星に入植してまで)して、「人類」という種を残さなければならないのか?という疑問は消えないものの、早いとこアメリアさんこと「おれたちのアン・ハサウェイさま」の孤独と努力が報われる日がくるといいなぁ・・と願わずにはいられなかったのでした。 ていうか、アンさまに侵略されるんなら、オレそれでもいいよ!
・ 余談ですが、先進医療も薬の開発も途絶えてしまっている『インターステラー』を観ている間、「ああ、この世界にいるのは健康な子どもたちだけなんだな」と、「先天性の疾患と闘っていた子どもや、障害を持った子どもたちは、早い段階で亡くなってしまっているんだろうな」という、猛烈な悲しみに襲われてしまったわたしですよ。 環境が厳しくなった時、一番最初に打撃を受けるのって、弱いものなんですよね。 それだけはなんとしても避けたいけれど、もしもそうなったとき、一体どうしたらいいんだろう・・・。 不安は尽きません。
・ 余談の余談ですが、ももくろちゃんことももいろクローバーZの「Neo STARGATE」がビックリするほど『インターステラー』しているので、よろしかったら一度ご視聴ください。 コードは「愛」だ!