2008年9月アーカイブ

市場リスク 暴落は必然か
リチャード・ブックステーバー
日経BP社
¥ 2,520

モルガン・スタンレー、ソロモンなどでリスク・マネージャーを勤めて来た著者が市場リスクについて書いているのですが、金融業界のいろいろなタイミングでどの会社がどんな戦略を取ったのかをかなり具体的に記載してあり、外から見ているとよく分からない各金融機関がどんな特徴を持って具体的に何をしているのか、なぜあの会社は破綻したり買われたりしたのかが分かる貴重な本になっています。

リスク・マネージャーとは、その金融機関の各部署がどんなポジションを持っているかを把握し、リスク分析を行った上でトップレベルの意思決定機関(取締役会など)へ進言をすることを仕事としているため、あらゆる情報を得ることができる立場のようです。

ソロモンの債券にしても、LTCMにしても裁定余地がある間は非常に儲かりますが、徐々に競合が生まれてそのうまみは薄れていき、最後に誰も予想もつかなかった現象が起こり破綻するというパターンを繰り返して来たのが金融業界なのだということがよく分かります。まさにチキンゲーム。

本書を読んでいると、サブプライム問題なども、過去にも何度も起こって来た金融危機と呼ばれていたことと何ら変わらず、金融分野では一定の確率で起こることなんだなぁと思います。

P.S.「ダークナイト」がそろそろ上映期間が終わりそうなので再度観てきました。改めて観るとジョーカーの訳の分からなかった語りにも意味があることが分かって、正義があるから悪が存在するという矛盾の奥深さに震撼する次第です。ほんと傑作なので、ぜひご覧ください。主要人物については予習していくといいと思います。

パコと魔法の絵本 (2008)

【監督】中島哲也
【出演】役所広司 / アヤカ・ウィルソン / 妻夫木聡 / 土屋アンナ / 阿部サダヲ / 加瀬亮 / 小池栄子 / 劇団ひとり / 山内圭哉 / 國村隼 / 上川隆也

★★★☆ [70点]「最初からテンション高すぎ?」

映像センスが秀逸。特にCGと現実世界の劇を見事に融合しているシーンは非常に緻密。「チャーリーとチョコレート工場」なんかを遥かに凌駕していて、日本人的なハイセンスを感じました。

ストーリーとしては、結構周りからはすすり泣きが聞こえてきましたが、個人的にはコメディでのハイテンションとシリアスなシーンの切り替えがうまくいかず、いまいち乗れませんでした。導入部分の阿部サダヲがいきなりハイテンションすぎて、引いてしまったのが、尾を引いてしまったのかもしれません。回想元シーンは意味も含めてどのくらいの存在価値があったのかなと思いました。まぁ単純にファンタジーが苦手というのもあると思いますが。。

全体としては、非常にはよくできた映画で特に女性はハマれるんじゃないかなと思います。


Posted by suadd on 2008/09/29 with 映画生活

あたし彼女

第3回日本ケータイ小説大賞受賞作品。象徴的かつ特徴的なプロローグが紹介されて、ネット上では叩かれたり、パロディができたりしていますね。個人的にはパロディだけでかなり笑わせてもらって、周りで「てか」「みたいな」が大流行中なんですが、さすがに読まないで批判もないだろうということで、読破。だいたい2時間くらいかかりました。

印象としては、まず句読点なしだったり風景描写ほぼなしの常時一人称な視点が新しいなぁと思いました。もしかしたら、ケータイ小説では普通なのかもしれませんが、普通の小説では見たことない作風。テンポよく次ページ、次ページとクリックしていると、韻を踏んだ感じの文章と相まって、ラップを聴いているような感覚に陥ります。

ケータイ小説で250万部も売れた「Deep Love」シリーズが小説の体裁を一応は保っていたのに対して、「あたし彼女」はまったくケータイに最適化されており、新しいタイプの小説であると言えます。

一方、内容については評価しづらいのですが、個人的には悪くないと思います。嫌な女の心理や恋に落ちることなどが生なましく描いてあり、個人的にはまったく感情移入できませんでしたが、描きたいことは明確に伝わっていると思います。

ケータイ小説を読んだことがない方は、今後の参考のためにも読んでみて損はないと思います。ネットビジネスをする方は必読です。

ちなみに、PCでも読めますが、ケータイで読んだ方がよいです。後、パロディ化されている冒頭部分が生理的に受け付けないという方は、作者の意図通りですから、我慢して読み進めてください。

みたいな

【2ch】日刊スレッドガイド : あたし彼女のガイドライン

9月21日に誕生日を迎えて、31歳になりました! メッセージや飲みなどで祝ってくれた方々、本当にありがとうございます。抱負は、とか聞かれて、あまり考えてなかったのですが、そろそろ落ち着いたりしてくる年頃なので、周りに負けずに落ち着かないようにアグレッシブに行こうかなと思ってます(なんじゃそりゃ)。

後、デジタル一眼レフがかなりおもしろくなってきてて、この趣味は極めるべしかなとか思ってます。

この本も読みました。あまりにも勉強になりすぎました。やっぱりしっかりと基本を知るべしです。最近、撮った写真から何枚か。

P9212200
P9212200 posted by (C)Shintaro

ビーチ19
ビーチ19 posted by (C)Shintaro

てんtoてんの木灰すば
てんtoてんの木灰すば posted by (C)Shintaro

辻堂夕日
辻堂夕日 posted by (C)Shintaro

P8311584
P8311584 posted by (C)Shintaro

デトロイト・メタル・シティ (2008)

【監督】李闘士男
【出演】松山ケンイチ / 加藤ローサ / 秋山竜次 / 細田よしひこ / 松雪泰子 / 大倉孝二 / 岡田義徳 / 鈴木一真 / 高橋一生 / 美波 / 大地洋輔 / 大谷ノブ彦 / 宮崎美子 / ジーン・シモンズ

★★★ [60点]「よくできているのだけども」

漫画デトロイト・メタル・シティ(DMC)がなぜおもしろいのか? 特定の20代、30代男性からするとメタルやヘビメタというのは、まさに青春の1ページだったと思うし、今ではその色褪せた記憶が恥ずかしく思っているのも共通だからではないかと思います。まさに僕もその一人なので、DMCには爆笑しました。だから、単なるギャグ漫画の域を超えて多くの人に支持されるし、映画化までされるんでしょうね。

映画については、まぁこちらも「20世紀少年」と似ていて、かなりがんばってよく錬られて作られているとは思いますが、やはり漫画のおもしろさにはかなわない感じでしょうか。でも、本当に松山ケンイチも加藤ローサも松雪泰子もかなりよかったと思うんですけども。


Posted by suadd on 2008/09/22 with 映画生活

著者はOutlookやInternet Exploreの開発にも関わったことがあるという実業界の人ですが、本書は非常に幅広く、遺伝子治療や能力増強剤(例えば、記憶力を大幅に向上したりする)、クローン、脳直結型インターフェイスなどについて、どのような技術がどの程度進展しているかを解説しています。

恐らくほとんどの人は、こんなことまでできてるのかという驚きとともに、本当にここまでしていいのか、という倫理的な問題に直面します。例えば、最近では体外受精はよく行われていますが、特定の病気(ダウン病など)にならないように遺伝子をチェックする(PGD)ということは行われています。しかし、それではIQが高い低いを選べるとしたら、どうか?

著者は基本的に遺伝子治療や能力増強剤も、コーヒーを飲んだりレーシック(視力回復手術)するのと変わらないといい、一つ一つ論破していきます。例えば、不妊治療については、PGDでIQが高い遺伝子を選んでも、精神的に不安定であるケースもあるだろうし、そもそも遺伝子だけではすべての性格や容姿などを決定できるわけでもないと言います。そもそもが現在でも帝王切開をするし、未熟児には薬品や保育器を使う。さらに言えば、欧米で禁止しても、アジアではOKという可能性もあるし、もしそうなれば所得格差を広げるだけになると主張します。

また、最後の方に出てくる脳にメッシュ型のインプラントを埋め込む話が圧巻です。まず血管より細い線をメッシュ状にして脳内を被う手術をするところから始まります。それから各種トレーニングを行うと、イメージを他人に送ったり送ってもらったりすることができるようになります。脳内とはいえ電気信号であるから当然こういったことが理論的には可能です。インプラントがインターネットに接続することで即座に知識を得たり、記憶力を増強したり、はては睡眠や食欲、心拍数や気分までコントロールできるようになります。これらは、非常にSF的ですが、本書で示されている基礎的な研究を基盤にしています。

著者のラディカルな思想には嫌悪感を持つ人も少なくないと思います。が、個人的にはここ数十年だけでも非常に大きな感覚の変更が行われて来ているわけですから、今後も同様なことが起こることは間違いないと思います。そう言った意味で僕は基本的なスタンスでは著者を支持したいと思います。

非常に想像力が刺激されますので、これからの新しい世界が知りたい方はぜひ一読をオススメします。

新規事業がうまくいかない理由
坂本 桂一
東洋経済新報社
¥ 1,575

ページメーカーのアルダス、ウェブマネーなど数々の創業を行った坂本氏による新作。今回は企業内新規事業の立ち上げ方について、独自の理論を展開します。個人的にはベンチャー経営という立場が違うため、前作「頭のいい人が儲からない理由」ほどのインパクトはないものの、企業内で新規事業を作ることに頭を悩ませている経営陣や新規事業担当者には非常に役に立つのではないかと思います。例えば、社内公募がうまくいかない理由や、それを克服するためにどうすればよいかなどはなるほどと思いました。
※献本していただきました、ありがとうございます!

LAW(ロウ)より証拠
平塚 俊樹
総合法令出版
¥ 1,470

著者は裁判のための証拠作りを行う唯一の証拠調査士(エビデンサー)だと言います。どうやら弁護士はそういった業務をしないので、裁判でよい証拠が提出できずうまく機能しないそうです。この本では、事例をもとにどのような活動をしたのかが書いてありますが、現在の司法の矛盾がうずまいているようで非常に興味深く読めました。弁護士に駆け込んでもうまくいかず途方に暮れている方はぜひエビデンサーを利用してもいいのではないか。いずれにしても、こういった世界があるということを知っておいて損はないと思います。

前回NetShareでMacでできるだけ最速でNetShareを使う方法を書いてみたのですが、いかにも大変で本当に緊急用という感じでした。なんとかならないかなと調べたところ、ProxifierというMacアプリを使えばかなり簡略化できることが分かったので、インストールしてみました。

その前にProxifierについてですが、プロクシーをバイパスするアプリらしいですが、今回の場合SOCKSで繋いだネットワークをあたかも通常のインターネットのように使うことができるようです。これの意味するところは、通常の方法でNetShareを使った場合、Safariくらいしかまともに繋がらないわけですが(設定で回避可能なアプリもあり)、Proxifierを使った場合はMail.app、Firefox、Adium(メッセンジャー)、FTP/SSHなどが普通に使うことができます。これは非常に大きいです。ただし、有償シェアウェアですので、31日のトライアル後には、$39.95(現在4,331円)を払う必要があります。

個人的には、普段がんがん使うというわけでもないですが、使いたい時に面倒な作業なくさくっと繋げたいものですから、数ステップでできるこの方法はかなり素晴らしいです。まぁしかしいつソフトバンクに禁止されるか分からないわけですけども。

以下、その具体的な方法です。

■初期設定
<Mac>

  1. メニューバーのAirMac→ネットワークを作成→新しい名前のネットワークを作る(パスワード設定したければする)

    ※DHCPサーバがいないので、自己割り当てIPで169.254.x.xに

  2. Proxifier起動→Options→Proxy settings→Add

    -Address:169.254.1.1 Port:1080 Protocol:SOCKS Version 5 で作成

  3. 同じくProxifier→Options→Name ResolutionでEnableにチェック

<iPhone>
  1. 設定→Wi-Fiで先ほどの「新しい名前のネットワーク」を選択

  2. IPアドレス→静的→IPアドレス:169.254.1.1 サブネットマスク:255.255.0.0 と設定

  3. (上部に3Gマークが出てない場合はWi-Fiを使うようになっているので、Safariなどを一度起動して3Gマークを出す)

  4. NetShareを起動 で繋がります

■2回目以降
<Mac>

  1. メニューバーのAirMac→ネットワークを作成→前回と同様の名前のネットワークを作る(パスワード設定した場合は同様に設定)

  2. Proxifier起動

<iPhone>
  1. 設定→Wi-Fi で作ったネットワークを選択

  2. (上部に3Gマークが出てない場合はWi-Fiを使うようになっているので、Safariなどを一度起動して3Gマークを出す)

  3. NetShare起動 で繋がります
人生を決めた15分 創造の1/10000
奥山 清行
ランダムハウス講談社
¥ 2,625

フェラーリなどのカーデザイナーの奥山清行氏によるエッセー本。「フェラーリと鉄瓶」と同じく超一流のデザイナーが何を考えているのかが書いてあります。イラストが多用されていて、それをぱらぱらと観るだけでも楽しいです。

最近、Launch Pad(ローンチパッド)がよく行われてますね。これはカンファレンスなどで新しい製品・サービスのプレゼンテーションを短い時間で連続して行うもので、新事業をやる場合、注目度を高める意味で非常に有用だと思います。海外だとDEMOやTechCrunch50などが有名ですかね。

イベントは有料でもLaunch Padのプレゼンターには割引きがある場合も多いようです。今応募できるものだとこんなものがあります。

他にもいろいろあると思いますので、ぜひ有効に利用してみてください。

P.S.福岡にてCNET主催で行われているモバイル・ビジネス・サミットに来ています。いろいろとお勉強。しかし、こういうときに限って、MacでMail.appでメールが見れなくなるというトラブルが発生。なんとか復旧しましたが。。

博多でもつ鍋
博多でもつ鍋 posted by (C)Shintaro

20世紀少年 (2008)

【監督】堤幸彦
【出演】唐沢寿明 / 豊川悦司 / 常盤貴子 / 香川照之 / 石塚英彦 / 宇梶剛士 / 宮迫博之 / 生瀬勝久 / 小日向文世 / 佐々木蔵之介 / 藤井隆 / 山田花子 / 片瀬那奈 / 池脇千鶴 / タカアンドトシ / オリエンタルラジオ / 藤井フミヤ / 竹中直人 / 森山未來 / 津田寛治 / 徳井優 / 石橋保 / 布川敏和 / 入江雅人 / 竹内都子 / 洞口依子 / 遠藤憲一 / 光石研 / 佐野史郎 / ベンガル / 石井トミコ / 竜雷太 / 吉行和子 / 石橋蓮司 / 中村嘉葎雄 / 黒木瞳

★★★ [60点]「三部まで出てから観た方がよさげ」

あの長大な物語をどう映像化するのだろうなと思っていたのですが、思った以上にうまくできているのではないでしょうか。ストーリーも整理されて、限りなく分かりやすくはなっているとは思います。が、大きな物語を三分割しているわけなので、登場人物が多すぎるし、伏線が貼れるだけ貼られて本作だけでは意味不明のシーンが多数だし、クライマックスもかなりしんどい。原作を読んでいないとかなり中途半端な印象を受けると思います。正直言って、三部まで出てから一気に観た方がよいと思いました。

P.S.漫画について
20巻くらいしか読んでいなかったので、途中から最後まで読み直してみました。僕は世代としては少し後になりますが、日本の高度成長時代と現代を繋ぐ非常に素晴らしい作品だと思います。

まず、少年時代に書いた「よげんの書」の恐ろしい空想が現実になるというプロットが秀逸。小さい頃の記憶が非常にあやふやだったり、大人になってそれぞれが様々な人生を送っていたり、でも昔の性格を色濃く残していたり。そして、ものすごい数の人物が登場しながら、それぞれがキャラだっていて、イマジネーションに彩られた出来事の数々。

「ともだち」が結局誰なのかについても、賛否両論いろいろあるようですが、僕は非常に納得感があり、物語としての完成度は非常に高いと思います。これは傑作といってよいと思います。


Posted by suadd on 2008/09/09 with 映画生活
まぐれ--投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか
ナシーム・ニコラス・タレブ
ダイヤモンド社
¥ 2,100

大学教授にしてトレーダーである著者が金融業界の中心で何が起きているかを明らかにした本。シニカルなタッチですが、生々しいストーリーがたくさん出て来て非常におもしろいです。

多くのトレーダーがなぜ吹き飛ぶのかと言えば、例えば1/2のリスクがあるにしても、3年勝ち続けるもののは4000人いれば500人もおり、現役トレーダーは生き残りでしかカウントできないから、ほとんどのトレーダーが好成績を残し高年収でこの世を謳歌している。本人は運が良くて高年収をもらっているとは露とも思っていない。しかし、x年目に運が悪ければ、吹き飛ぶという。

また、モラルハザードの問題も。例としてジョンという人物は7年間で2億5000万ドルの収益をもたらしたが、最後に働いた会社では6億ドルを吹き飛ばしたという。しかし、ジョンの手元には100万ドルが残った(元々は1600万ドルあったのだが)。トレーダーにしてみれば、めったに起こらないことのリスクをとってゲームに残れるオッズを最大化する明確な理由があるからだという。

しかし、それではなぜ金融機関はやっていけるのでしょうか。著者は、自分はオプションを買って儲けているが、なぜそれが儲かるかという原因については「トレーディングにつきまとう直感に反する部分(そして、私たちの情緒はそういう部分に適応できないこと)のおかげで、私は有利な立場に立てる」と書いています。しかし、そういった「歪み」は何はともあれ裁定されるのが金融というものではないのでしょうか。

実際のところどの金融機関が生き残るのかすら「まぐれ」でしかないのかもしれません。ソロモンやLTCM、UBS(名前は残っているが)なんかもなくなってしまし、リーマン・ブラザーズもなくなるかもしれないわけで。

ビートルズ・サウンドを創った男--耳こそはすべて
ジョージ マーティン
河出書房新社
¥ 2,940

第五のビートルズとも言われ数々のアーティストのプロデューサーを勤めたジョージ・マーティンによる半自伝。まだ音楽プロデューサーというものがない時代、ビートルズなどの商業レコード業界、映画音楽への取り組みなどが非常に克明に描かれており、非常に興味深いです。

若干冗長な感じもありますが、それもまた今後資料的な意味も含めて重要になってくることでしょう。この本が書かれたのは78年ですが、すでにデジタル音楽の可能性にも的確に言及しているのがさすがです。自身は、ポールとジョン・レノンに比べると音楽的才能はなかったと断言しますが、レコーディングへのこだわりは凄まじいものがあり、まさに現代音楽を作ってきた巨人であると思います。

個人的には、特に音楽プロデューサーというものがない時代から徐々に、音楽プロデューサー像を確立し、憧れの職業にしたのにその先見性と才能を深く感じました。これは音楽プロデューサーをミュージシャンと同等のクリエイティブな仕事だと認めらさせてきたからだと考えます。

僕はウェブサービスを作るということに関して、クリエイティブなウェブプロデューサーが絶対的に必要だと思っています(これをはてなではサービスクリエーターと呼んでいますが、ここではウェブプロデューサーで通します)。

現状はエンジニアがやってみたり、企画や営業の人がやってみたり、試行錯誤が繰り返されています。そして、ウェブプロデューサーはその仕事範囲の曖昧さからエンジニア、企画、営業から突き上げをくらう孤立した存在になっているケースが多いように思います。

使われるウェブサービスは例外なく優れたウェブプロデューサーがいます。後から「同じこと考えていた」などという人は、本当に「同じ」なのか(自分に正直になって)考えた方がよいし、Twitterやmixi、ニコニコ動画に細かいことで(遅いとか儲かる訳ないとか)文句ばかりつけられるのもその実装のエレガントさに目がいってないからだと思います。

もちろん批判は常に必要ですが、「なぜそのサービスが使われるのか」「サービスが何をもたらしているのか」を考えれば、ウェブプロデュースの才能とエンジニアリング、企画、営業、デザインなどの才能は分けられるべきと考えます。

恐らく10年後には、ウェブプロデューサーという仕事が確立していると思いますので、特に心配はしてないのですが、願わくは自分もその一人でありたいと思います。と、だいぶ本の感想から外れましたが。。

P.S.単行本は若干高いですが、文庫版もあるようです。

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