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プロ生活20年の西山秀二が挙げた最も印象に残っている投手は? 「1センチ単位でコントロール」

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

西山秀二インタビュー(後編)

前編:古田敦也全盛期の牙城を崩した西山秀二はこちら>>

 南海、広島、巨人で20年のプロ野球人生を送った西山秀二氏。キャッチャーとして多くのピッチャーの球を受け、多くの打者と間近に見てきた。そのなかで印象に残った選手は誰だったのだろうか。

20年のプロ野球人生で多くの投手をリードしてきた西山秀二氏 photo by Sankei Visual20年のプロ野球人生で多くの投手をリードしてきた西山秀二氏 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る

【山本浩二監督から無視】

── 2004年オフに巨人に移籍し、05年に1年間プレー。現役通算20年以上の捕手は、これまで14人しかいません。

西山 区切りとして、20年プレーしたいという気持ちはありました。巨人では1年間だけでしたが、こだわってよかったです。他球団を経験することで見識も広がりましたし、中学時代の同級生だった桑田真澄ともバッテリーを組むことができました。不思議な巡り合わせを感じましたね。

── 西山さんはプロ通算20年で1216試合に出場し、716安打、打率.242、50本塁打、282打点。ヤクルトの古田敦也さんが全盛時にベストナインを2度受賞しています。

西山 胸を張れるような数字ではないかもしれませんが、要所で頑張れたかなと思います。ゴールデンクラブ賞も獲らせていただきましたし、オールスターにも2度出場することができました。若い頃は野球も一生懸命やりましたが、遊ぶのにも必死でした(笑)。

── 現役時代、最も印象深い出来事は何ですか?

西山 一軍と二軍を行ったり来たりのエレベーター状態で、「選手としてはもう無理かな」と思い始めたプロ6年目。オールスター前の横浜戦で、左腕の田辺学さんから逆転3ランとなるプロ初本塁打を放ちました。内角高めのストレートを3球続けられ、その3球目を仕留めたのですが、今でも鮮明に覚えています。

── それが一軍定着のきっかけだったのですね。

西山 いえ、まだ続きがあります。翌日も代打で左腕の野村弘樹と対戦し、追い込まれてからフォークをセンター前に弾き返しました。「ここで打たないと、昨日の一打の価値が半減する」と、強い気持ちで向かいました。この試合も逆転勝ちし、オールスター以降は「左投手時のレギュラー」に昇格。相撲で言えば、幕尻から前頭筆頭になった感じです。チームは中日をひっくり返し、5年ぶりのリーグ制覇。思えば、あの2打席がプロ野球人生のターニングポイントでした。

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