Simらしのなく頃に+Oblivion日記

クエスト名 『チャンスのお膳立て』

東奔西走。果たして竜復活の謎は解けるのか。鍵を握るのは元Bladesの伝承者、Delphine曰く竜オタの偏屈爺、Esbern。Thalmorの追跡を逃れんと犯罪都市Riftenの地下に身を隠す老人を保護するべく、私は山賊退治やってます。

更に言えば、屈強な男どもに囲まれ大ピンチ。


Riftenの港西は“世界のノド”の雪解け水をなみなみと湛えるHonrich湖が広がる。その河口に建つ“Trevaの見張り台”へ着いてすぐ、蜘蛛の群れに襲われ難儀するキャンプに出くわした。金髪モヒカンに派手な戦化粧をしたねーちゃんや雪焼けした皮鎧のNordは山賊と区別がつかないのでありますが、こちらを襲う気配はないので害虫駆除の手伝いをすることにした。
やはり山賊魔術師にしか見えない隊のリーダーStalleoは砦（見張り台）駐留の兵隊さん。なのに何故に門前で野営なんぞしてるのか尋ねてみると、出兵で留守にしている間に山賊どもが砦を乗っ取ってしまったのだそう。Stalleoは助太刀に現れた私を増援と勘違いし、単独で砦に侵入して下りた門の柵を開けろと命じてきた。勿論、人違いだと丁重にお断りを入れたのでありますが、彼の家族が砦に囚われており、死んだら私のせいだと思いっきり逆ギレされてしまった。

で、致し方なく引き受けたわけですが…正直、砦の山賊ぐらいどってことないだろうと舐めてました、私。
これだもの。裏手の洞窟が砦の地下に繋がっており、いざ入ってみると通路が狭い上に小部屋の数が尋常でない。倒すのにまごついていたら賊が次々と集まり、大混戦になってしまった。
『デュワ！！！』

「…ハァハァ、危ない危ない、ギリギリだ」
精神コマンド『戦慄』を持つ人狼は集団を相手にしてこそ本領を発揮する。残念ながら、その姿になっていられる時間は某超人よりも短い。獲物の血を口にすればその分伸びますけど、私は甘党なので血の味は好きくない、というか血の味が好きなんて奴は変態でしょう。
砦内を片付けた後は中庭へ出て残敵を掃討。こちらは嘘のような少人数、楽勝でありました。
これで門を開ければ終わり、と合図代わりに外壁から外を覗いたら。
「竜！？」
くそ！しばらく見ないと思ったら！！見張りの山賊がやけに少なかったのは、竜を撃退する為に砦を飛び出したせい。何の備えもなく竜に挑むのは無謀だ。飛び道具を持たない者は瞬く間に死体と化した。
「おらぁあ！！」
それでも、Stalleo達の頑張りで竜は既に血だるま。後一押しで落ちる、そう思った瞬間。
竜は砂塵をあげて垂直に急上昇。
「降りてこない…嘘、逃げた？」

よもや人間相手に尻尾撒くヘタレた竜が存在するとは驚き。


砦から飛び降りてしまったので再び入り直して、庭のレバーを操作、柵の上がった門からStalleo達が駆け込んで、改めて報酬を受け取るというなんとも締まりのない終わり方に相成った次第。

結局、安否が気遣われたStalleoの家族は発見されなかった。何処かで無事であることを祈るしかありません。





来るのは久しぶり。湖側から見るとまた違った風情だな。山だらけのSkyrimで建物が平坦に並ぶ風景は珍しい。Riftenは家も道も全て木造、見た目だけなら一二を争う美しい街だ。

空に赤みが差してきた。Honrich湖に着いたのは早朝で、今はもう夕暮れ。突発的な事件で思いの外時間をとられました。街の正門は少し回り込んだ向こう、入るのは日が落ちた後になりそう。
Bladesは下水道が大好き。文官だったEsbern老も例外ではない。彼が潜むというRatwayは盗賊ギルドを始めとした犯罪者たちの巣窟で、しかも噂によると地上の街より広いらしい。闇雲に探し回っても見つかるまい。DelphineからはとっかかりとしてBrynjolfなる人物にあたれと言われてきましたが…
「ようやく、その気になったか」

やれやれ、この男でありましたか…又、面倒なのを推薦してくれたな。
名はすっかり忘れてましたけどBrynjolfは顔見知り、マーケットの屋台で中身の怪しい水薬を売る商人です。初めてRiftenを訪れた際、儲け話に乗らないかと声を掛けてきた。以来、顔を見るたびにその話を繰り返す。案の定、手を貸さない限り話が進まない。
「簡単だ。俺が騒ぎを起こす、その間にMadesiの屋台の下にある金庫から銀の指輪を頂戴する。上手くいったらそいつを気づかれないようBrand-Sheiのポケットの中に置いてくる」

そしてBrand-Sheiは衛兵に御用。やる事は文句の付け所のない犯罪行為。深入りするとロクでもないことになりそうなので詳しい事情は聞かずにおきましたが、単に商売敵を追い出そうって魂胆ではないらしい。Brand-SheiはBrynjolfの周りを嗅ぎ廻ってるそうな。はて？
"さぁさ！寄ってらっしゃい見てらっしゃい！""無くした手足が生え替わり、他人の考えもお見通し、一瞬で図書館丸ごと学びとり、強力な呪文も思うがままぁ！おまけに千年は生きられる！"

思いっきり、香具師じゃん。もう閉店間近だというのに、Brynjolfの口上に誘われて客は勿論、マーケットの店主たちや視察中のMaven Black-Briaまでもが集まってきた。ガードも遠巻きに注視している。では、今のうちに…
なんだ？潜り込んだMadesiの屋台裏の石垣に奇妙な印が刻まれていた。

いかん、時間がなくなる。屋台の戸は鍵が掛かってるのだ。
後は盗み出した指輪をBrand-Sheiへスリ渡して終わり。
「またかよ、Brynjolf！今度はなんなんだ？」
"まーまて、Brand-Shei。これはまたとないチャンスなんだ。席を外さないでくれよ！"
無理ですけどね。気配を消すのはまだしも、盗賊技能皆無の私にそんな真似出来るわけない。無実のBrand-Sheiを牢屋に放り込むのは気が引けますし。まぁ、窃盗なら微罪だ。しくじっても小銭払えば済む…と、思ってました。
「どうやら俺は打って付けの人間を選んだらしいな」
…何で出来ちゃうかなぁ。意外や意外、Brynjolfの口上が余程巧みだったのか、指輪をポケットに放り込んでもBrand-Sheiは勿論、客もガードも誰一人気づかなかった。Falmerblood万能薬なる“蟇の油”の啖呵売を終えたBrynjolfも満足げに頷いた。

「やれやれ、俺の組織は不運続きでな。それも仕方ないんだが…ま、それはいい。お前さんは仕事を受けてちゃんとやり遂げた。何より、仕事は他にもまだある…お前さんにやる気があればな」

先の話はRatwayの酒場Ragged Flagonでしよう、そう言い残してBrynjolfは足早に去った。
「ポケットの中身を見せろ」
「何を持ってるって？一体何の話をしてる？」
入れ替わるように現れたガードがBrand-Sheiのポケットをあらためて盗品を発見。身に憶えがないとの抗議を無視して、しょっ引いていった。二、三日で出られるとは思いますけど、悪いことしたな…申し訳ない。




マーケットの営業時間が終わった途端、客は蜘蛛の子散らすようにいなくなった。Riftenの夜は不気味なほど静か。特に街の下層は出歩く者も皆無。闇と夜霧に包まれ、そこだけが煌々と照らされる。
Ratway─────階段を僅かばかり降りると、そこはもう法の及ばない犯罪地帯。獲物を狙う盗人どもが容赦なく襲いくる。
Brynjolfのいう“組織”とは盗賊ギルドのことでしょう。殺しもやる泥棒の集まりがDark Brotherhood、そう揶揄されたのは遠い昔のこと。かつての盗賊ギルドは殺人や強盗を厳しく禁じてましたが、今では殺し屋たちのほうがまだマシと評される有様だ。何故にそこまで落ちぶれたやら。
盗賊ギルドの溜まり場、Ragged Flagon。ここが下水道だということを忘れてしまえば洒落た酒場であります。
「もうあきらめろ、Brynjolf…過去はもう終わったんだ」
「言ってるだろう、これは違う話だって…」
「前にも聞いた、Bryn！いい加減にしろ！」「そろそろ現実と向き合ったらどうだ。お前にVex、Mercer…みんな絶滅寸前の人種だ。時代は変わっていくんだよ」

敷居を跨ぐと酒の席で数人が軽く揉めているご様子。小耳に挟んだだけでも、組織の内情を巡って言い争いになったと判る。
「これはこれは…感激だよ、お嬢ちゃん。もう会えないと思ってたからな」
「結構、ビビってます」
「危険なくして報酬もなし、そういうもんだ。なら、慣れるしかない」
新顔に気づいて寄ってきたのは。渋い黒皮の鎧にGlass Dagger、市場のインチキ薬売りとは大違い。同じ人間なのか眼を疑いましたが、Brynjolf御本人であります。

やはり盗賊ギルドの幹部（しかも古株）であるらしいBrynjolfは早速市場の続き、他の仕事を振ってきた。今度は耳を疑った。内容は借金の取りたて。それの何処が盗賊の仕事なのかと思ったら、昨今のギルドは金貸しまでやってるんですと。

「ま、本音を言うと借金はこの際二の次でいい。より重要なのはメッセージを知らしめることだ。“俺達を舐めるな"と」

…GT○か。まるっきりマフィアの入団試験そのまんま。
「あぁ、そいつなら知ってる。Ratway Warrensに隠れてる。誰にも知られぬよう、結構な額を払ってな」

別に盗賊になりに来たわけではないので、話を適当に濁して肝心な情報を聞き出した。Esbernの居場所は更に地の底だ。
「気をつけな。奴を捜してるのはお前だけじゃない」

酒場を出ようと奧の扉へ向かうと、箒掛けしていたオーナーVekelが耳打ちしてきた。

忠告の意味はすぐに判った。酒場の裏は鉄柵の嵌められた窓がズラリと並ぶ、Ratway Vaults。暗がりに眼を凝らすと、いるはずのない者たちがそこにいた。
Thalmor！？