山田五郎熱弁による「青少年育成条例・改正案」の突込みどころ
まともなTBSである「TBSラジオ」の16時から放送されている「荒川強啓デイキャッチ!」。木曜日のコメンテーターとして山田五郎さんが参加されているのですが「何故、漫画アニメだけが規制されるのか」のお題で先日東京で可決された「青少年育成条例・改正案」のおかしな点について分かりやすく解説非難しております。
かなり分かりやすい解説だったので思わずざっくりとテキスト化してみました。
ただ「ざけんな!」と言ってらっしゃる方もこれを読む又はポッドキャストを聞いてより理解を深めていきましょう。
ここから---
この問題ね、表現の自由VS過激な性表現から子供を守るみたいな図式で報道されていて、なんとなく聞いた人は「それでもある程度は規制しなきゃいけないでしょ」と言う感想を持っているみたいですけどそうじゃないんですよ。漫画家も出版社も必ずしも自分の利益を守るためだけじゃないし誰も表現の自由は無制限なんて言っていないですよ。その証拠に現在の条例に性表現に関する規制はあるわけで、少なくとも大手出版社は守っているんですよ。いま反対表明を出している出版社や漫画家さんはやっていないですよ。だから自分の利益じゃないんですよ。今までもそれにしたがってやってきた、だから今回の改正は必要ないんだと、改正の中身も手順もおかしいんだよと言っているんだと思うんです。
規制推進派の人たちももういっかい考えなおしてもらいたい。言われているとおり規制が曖昧で本来規制されなくて良いものまで規制されしかねない問題もありますけど、これは規制推進派の人にも聞いてもらいたいんですけどじゃぁかえってね今の条例で規制できていたものを規制できなくなってしまう恐れもありますよ。それだけヘンテコな話なんですよ。一番ヘンテコなのはそのヘンテコさの根柢にですね漫画アニメというものに対する無知と無理解から来る誤解と偏見があるって言うことなんですね。
その問題が一番端的に現れているのが以前も指摘しましたが「図書類等の販売及び興業の自主規制」を定めた第七条、ここに新しく第二号と言う項目を追加した。ここが非常におかしいと思います。第七条というのは元々「図書類又は映画等の内容が、青少年に対し、性的感情を刺激し残虐性を助長し又は残虐性を助長し、健全な育成を阻害するおそれがあると認めるときはそれを規制すべし」と、元々そういった条例があるわけですよ。でこれは漫画も含まれますし、映画等にはアニメも含まれる、今まで漫画もアニメも性表現に関してはこの条例に従って自主規制してきた経緯があります。
なのにわざわざこの項目を第一号にして第二号という項目を作って「漫画アニメその他の画像(実写を除く)」とわざわざ書いて「それに限っては刑罰法規に触れる性行為や近親相姦を不当に賛美したりする行為を規制する」項目を追加したんですよ。
本当におかしな追加条文だとおもいます。だって、犯罪的性行為や近親相姦って元々第一号で規制されていたんじゃないの?え?入ってなかったの?みたいな感じなんですよね。
で、仮に第一号に入っていないってことは、つまり性的感情も刺激しないし残虐性も助長しないし犯罪も誘発しないって事で別にそれは不健全じゃないんじゃない?と言う事になって、じゃなんで追加しなきゃいけないの?って事になるんですよ。
100歩譲って第一号に該当しないけれど性的な犯罪行為や近親相姦の表現があってそれが有害だとしたら漫画やアニメだけじゃなくて映画も取り締まるべきじゃないですか?
どの角度からみても可笑しくって見ようによればですよ、せっかく今まで第一号で規制できていたものをわざわざ言っちゃうことで実写だったら犯罪的性行為や近親相姦でもオッケーなものがありますよ、と暗に言っているんじゃないの?って気がしますね。
だからこの第七条第二号と言う改正一つとっても今回の改正は少年の健全育成促進というよりは単にね漫画アニメ差別じゃないのかって言う気がします。
私の好きな映画で「処刑の部屋」って言うのがあるんです。そのなかで、金持ちのボンボンの大学生がパーティーに女子大生呼んで睡眠薬を飲ませて昏睡させて準強姦させるシーンがあるんですよ。で、当時その映画に触発されたと供述した未成年者による性犯罪が少なくとも3件ほど起きてちょっとした社会問題になったんですけど。で、最近のスーパーフリー事件を彷彿する正に刑罰法規に触れる行為をちょっと不当に賛美し誇張した表現だと思うんですよね。で、これがアニメだったら第七条第二号に当たるんですけど、ちなみにこれはDVDで売っていて18歳未満でも買えるんですよ。で、この原作者は石原慎太郎さんなんですよ。まさか自分のご自分原作の作品はオッケーと言いたいがために実写は除くと入れたわけじゃないとは思いますし処刑の部屋を規制しろと言いたいわけじゃないんですよ。ただ、じゃぁこの原作を忠実にアニメ化した作品があったとしてどうして映画はオッケーでアニメは駄目になるのか、そのことについて説明してほしいなと思うんですよ。
それに関して知事にそれに類したことを聞いた記者もいたんですけれどなんか「馬鹿な事を言うんじゃない」と一蹴しているんですけれど、僕はこの件に関しては東京都知事は答える義務があると思います。東京都青少年育成条例に於いて不健全図書を規制したり勧告したり出来るのは都知事なんですよ。だから知事はこの問題について答えるべきだと思いますよね。
知事ついでで言いますとね昨日の会見で「こんなの日本人の良識だ」と「てめぇらが自分の子どもにあんなものを見せられるのか!」とおっしゃっていましたけれども1969年に光文社から石原慎太郎さんの「スパルタ教育」っていう本があるんですけれどその中の23条として「ヌード画を隠すな。私は子どもたちの前でヌード写真を氾濫した雑誌を隠さぬことにしている。不自然に隠すほうがどのように悪い想像を育て悪い衝動を培うかわからない」と言っている。
なんで漫画アニメは駄目なんですか。ご自分の子供は良くて外の子は駄目なんですか。ご自身がアニメや漫画が嫌いなのは良いんですがそれを理由に頭から悪いと決めつけて規制するのは前にも言いましたけど現代芸術を弾圧したヒトラーと同じですよ。だからこの問題で漫画家やアニメーターは萎縮も自粛もする必要はないと思います。で、万一規制されたら訴訟を起こすべきだと思います。で、裁判を通じてこの条例のおかしさを明らかにしていきたい
この問題に関しては引き続き声をあげていきたいし、漫画アニメファンは石原慎太郎知事って言う名前とこの条例に賛成した都議会議員の名前を次の選挙まで是非とも覚えておきましょう。
---ここまで
つまり「そんなに規制したいなら現行法でいくらでも出来るだろ。それでチャンピオンREDなり一部少女コミックなりを指導取締をすれば済む話で偏見丸出しな条例をゴリ押ししているおじさんたちハズカシー。自己中振りかざしてギャーギャー騒ぐのが許されるのは小学生までだよね。」ということです。矛盾だらけですね、東京都。
アイテム
山田五郎が食べ歩く純情の男飯 (講談社MOOK)
かなり分かりやすい解説だったので思わずざっくりとテキスト化してみました。
ただ「ざけんな!」と言ってらっしゃる方もこれを読む又はポッドキャストを聞いてより理解を深めていきましょう。
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この問題ね、表現の自由VS過激な性表現から子供を守るみたいな図式で報道されていて、なんとなく聞いた人は「それでもある程度は規制しなきゃいけないでしょ」と言う感想を持っているみたいですけどそうじゃないんですよ。漫画家も出版社も必ずしも自分の利益を守るためだけじゃないし誰も表現の自由は無制限なんて言っていないですよ。その証拠に現在の条例に性表現に関する規制はあるわけで、少なくとも大手出版社は守っているんですよ。いま反対表明を出している出版社や漫画家さんはやっていないですよ。だから自分の利益じゃないんですよ。今までもそれにしたがってやってきた、だから今回の改正は必要ないんだと、改正の中身も手順もおかしいんだよと言っているんだと思うんです。
規制推進派の人たちももういっかい考えなおしてもらいたい。言われているとおり規制が曖昧で本来規制されなくて良いものまで規制されしかねない問題もありますけど、これは規制推進派の人にも聞いてもらいたいんですけどじゃぁかえってね今の条例で規制できていたものを規制できなくなってしまう恐れもありますよ。それだけヘンテコな話なんですよ。一番ヘンテコなのはそのヘンテコさの根柢にですね漫画アニメというものに対する無知と無理解から来る誤解と偏見があるって言うことなんですね。
その問題が一番端的に現れているのが以前も指摘しましたが「図書類等の販売及び興業の自主規制」を定めた第七条、ここに新しく第二号と言う項目を追加した。ここが非常におかしいと思います。第七条というのは元々「図書類又は映画等の内容が、青少年に対し、性的感情を刺激し残虐性を助長し又は残虐性を助長し、健全な育成を阻害するおそれがあると認めるときはそれを規制すべし」と、元々そういった条例があるわけですよ。でこれは漫画も含まれますし、映画等にはアニメも含まれる、今まで漫画もアニメも性表現に関してはこの条例に従って自主規制してきた経緯があります。
なのにわざわざこの項目を第一号にして第二号という項目を作って「漫画アニメその他の画像(実写を除く)」とわざわざ書いて「それに限っては刑罰法規に触れる性行為や近親相姦を不当に賛美したりする行為を規制する」項目を追加したんですよ。
本当におかしな追加条文だとおもいます。だって、犯罪的性行為や近親相姦って元々第一号で規制されていたんじゃないの?え?入ってなかったの?みたいな感じなんですよね。
で、仮に第一号に入っていないってことは、つまり性的感情も刺激しないし残虐性も助長しないし犯罪も誘発しないって事で別にそれは不健全じゃないんじゃない?と言う事になって、じゃなんで追加しなきゃいけないの?って事になるんですよ。
100歩譲って第一号に該当しないけれど性的な犯罪行為や近親相姦の表現があってそれが有害だとしたら漫画やアニメだけじゃなくて映画も取り締まるべきじゃないですか?
どの角度からみても可笑しくって見ようによればですよ、せっかく今まで第一号で規制できていたものをわざわざ言っちゃうことで実写だったら犯罪的性行為や近親相姦でもオッケーなものがありますよ、と暗に言っているんじゃないの?って気がしますね。
だからこの第七条第二号と言う改正一つとっても今回の改正は少年の健全育成促進というよりは単にね漫画アニメ差別じゃないのかって言う気がします。
私の好きな映画で「処刑の部屋」って言うのがあるんです。そのなかで、金持ちのボンボンの大学生がパーティーに女子大生呼んで睡眠薬を飲ませて昏睡させて準強姦させるシーンがあるんですよ。で、当時その映画に触発されたと供述した未成年者による性犯罪が少なくとも3件ほど起きてちょっとした社会問題になったんですけど。で、最近のスーパーフリー事件を彷彿する正に刑罰法規に触れる行為をちょっと不当に賛美し誇張した表現だと思うんですよね。で、これがアニメだったら第七条第二号に当たるんですけど、ちなみにこれはDVDで売っていて18歳未満でも買えるんですよ。で、この原作者は石原慎太郎さんなんですよ。まさか自分のご自分原作の作品はオッケーと言いたいがために実写は除くと入れたわけじゃないとは思いますし処刑の部屋を規制しろと言いたいわけじゃないんですよ。ただ、じゃぁこの原作を忠実にアニメ化した作品があったとしてどうして映画はオッケーでアニメは駄目になるのか、そのことについて説明してほしいなと思うんですよ。
それに関して知事にそれに類したことを聞いた記者もいたんですけれどなんか「馬鹿な事を言うんじゃない」と一蹴しているんですけれど、僕はこの件に関しては東京都知事は答える義務があると思います。東京都青少年育成条例に於いて不健全図書を規制したり勧告したり出来るのは都知事なんですよ。だから知事はこの問題について答えるべきだと思いますよね。
知事ついでで言いますとね昨日の会見で「こんなの日本人の良識だ」と「てめぇらが自分の子どもにあんなものを見せられるのか!」とおっしゃっていましたけれども1969年に光文社から石原慎太郎さんの「スパルタ教育」っていう本があるんですけれどその中の23条として「ヌード画を隠すな。私は子どもたちの前でヌード写真を氾濫した雑誌を隠さぬことにしている。不自然に隠すほうがどのように悪い想像を育て悪い衝動を培うかわからない」と言っている。
なんで漫画アニメは駄目なんですか。ご自分の子供は良くて外の子は駄目なんですか。ご自身がアニメや漫画が嫌いなのは良いんですがそれを理由に頭から悪いと決めつけて規制するのは前にも言いましたけど現代芸術を弾圧したヒトラーと同じですよ。だからこの問題で漫画家やアニメーターは萎縮も自粛もする必要はないと思います。で、万一規制されたら訴訟を起こすべきだと思います。で、裁判を通じてこの条例のおかしさを明らかにしていきたい
この問題に関しては引き続き声をあげていきたいし、漫画アニメファンは石原慎太郎知事って言う名前とこの条例に賛成した都議会議員の名前を次の選挙まで是非とも覚えておきましょう。
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つまり「そんなに規制したいなら現行法でいくらでも出来るだろ。それでチャンピオンREDなり一部少女コミックなりを指導取締をすれば済む話で偏見丸出しな条例をゴリ押ししているおじさんたちハズカシー。自己中振りかざしてギャーギャー騒ぐのが許されるのは小学生までだよね。」ということです。矛盾だらけですね、東京都。
アイテム
山田五郎が食べ歩く純情の男飯 (講談社MOOK)