SWEET LOVE SHOWER 2015 day2 @山中湖交流プラザきらら 8/29
- 2015/08/31
- 18:27
2日目。前日よりも明らかに天気は良くない。しかし朝はまだ雨は降っておらず。
まずはWATERFRONT STAGEでシンリズムのオープニングアコースティックをチラッと聴く。コーラスとしてSHISHAMOの宮崎朝子が参加しているのだが、SHISHAMOとは全く違う表情を見せており、SHISHAMOを聴いていて感じるよりも、宮崎は凄いボーカリストなんじゃないかと実感する。
9:55~ ドラマチックアラスカ [Mt.FUJI STAGE] (OPENING ACT)
この日のオープニングアクトはドラマチックアラスカ。
上下ともに真っ黒な衣装に金髪というヒジカタ(ボーカル&ギター)がこのフェスに出られた喜びを爆発させると、ソリッドなギターロックバンドというイメージのど真ん中と言えるような曲を続けて押しまくっていく。
すると「星になる」ではサポートギターのドラマチック☆安田の仕切りによるコール&レスポンス。最初はそこまで大きなレスポンスにはならなかったのだが、長身ベーシスト・マルオカに
「まだまだ行けんだろー!」
と無理矢理叫ばせ、
「明らかにこういうのが苦手そうな男がこんなに頑張っているんです!(笑)みなさんももっと出来るでしょう!」
と笑わせながらさらに大きなレスポンスを引き出すあたりは、さすがに去年は爆弾ジョニーのメンバーとしてこのフェスを盛り上げた男である。
そしてヒジカタが「来年はオープニングアクトじゃないアクトで帰ってきます」と宣言すると、
「これでもう終わりなんて、無理無理無理!」
と「無理無理無理」で締め。オープニングアクトとは思えないくらいの人を動員していただけに、来年間違いなくメインアクトで戻ってくるだろうし、バンドのさらなる飛躍を予感させる。
1.世界の始まり
2.エキセントリック アルカホリック
3.リダイヤル
4.星になる
5.無理無理無理
10:30~ ストレイテナー [LAKESIDE STAGE]
この日のトップバッターは実に7年ぶりの出演となるストレイテナー。リハでツービートの高速パンクナンバーとして生まれ変わった「ROCKSTEADY」を演奏すると、本編はホリエアツシがキーボードを弾きながら歌う「覚星」でしっとりと始まる。
おなじみの曲ではあるが、大胆にひなっち(ベース)とナカヤマシンペイ(ドラム)のリズムを変えたアレンジでの「Discography」からは近年の踊れるタイプのシングル曲を連発。
「7年ぶりの出演で、前回出た時はまだ3人で。3人での最後から2番目のライブでした。それからいろんな場所に行ってライブをしたけど…(大山を見て)まだ立ってないステージがあったね。次はまた7年後かな(笑)」
とホリエがMCすると、この夏の反戦歌である最新シングル「NO ~命の跡に咲いた花~」を演奏し、曲に込められたメッセージをじっくり聴き入らせる。
そしてラストは山中湖に吹いた「Melodic Storm」。最後には客席から大きなコーラスも発生し、7年ぶりのラブシャのステージを終えた。
ライブごとにセトリを変えるのは当たり前。さらには過去曲にも新たなアレンジを施して進化させているだけに、何度見ても飽きない。このあたりは高い演奏力を持ち、常に練習しまくってるんだろうなと感じさせる、本当にすごいバンドだと思う。
リハ.ROCKSTEADY
1.覚星
2.Discography
3.The World Record
4.Super Magical Illusion
5.From Noon Till Dawn
6.NO ~命の跡に咲いた花~
7.Melodic Storm
11:25~ アルカラ [Mt.FUJI STAGE]
やはり開演時間の10分以上前から登場して稲村はしゃべりまくり、「夢見る少女でいたい」を演奏し、
「今日は山中湖ということで、人間も自然の一部だよ、ってことを言いたい。どうも、[Alexandros]でした(笑)」
と笑わせながらX JAPAN「紅」を演奏するというやりたい放題ぶりを見せていたアルカラ。
「去年以外、毎年出演してきました!去年はアルカラがいなくて何かが足りなかった!何かが足りない!アブノーマルが足りない!」
と「アブノーマルが足りない」からスタートすると、凄まじいテンションの演奏で曲を連発していく。2年前の出演ではメインステージだっただけに、もはやすっかり広いステージ慣れしているかのようで、田原(ギター)と下上(ベース)もステージ両サイドまで動き回りながら演奏。
キラーチューン続きの中、急に稲村が
「えー、我々アルカラは5年前にこのフェスのオープニングアクトのオープニングアクトみたいな感じで初めて夏フェスに出演して、それから去年以外毎年このフェスに出演してきました。そんな大事なフェスだからこそここで発表したいと思いました。
これまで、13年と2ヶ月、このメンバーでずっと活動してきたアルカラですが、10月を持ちまして………21日に8枚目のアルバム出まーす!(笑)まだまだ行くでー!」
と、深刻そうな感じで話し出したものの、結局は嬉しい報告。まぁそんなことだろうとは思っていたけれど。
ラストの「半径30cmの中を知らない」ではダイバーも続出するという盛り上がりぶり。このフェスに関してはこのバンドはメインステージでも全然いけると思う。
ライブ後にいろんなバンドのライブを客席から見ているという稲村の姿勢は毎年変わらないけど。
リハ.夢見る少女でいたい
1.アブノーマルが足りない
2.チクショー
3.嘘つきライアー
4.癇癪玉のお宮ちゃん
5.愚痴ばっかりのローレロレロ
6.キャッチーを科学する
7.半径30cmの中を知らない
12:10~ きゃりーぱみゅぱみゅ [LAKESIDE STAGE]
スペシャではレギュラー番組を務めているだけに、ホームと言えるこのフェスは超満員状態となっている、きゃりーぱみゅぱみゅ。
髪の色に合わせたド派手なピンクの衣装で登場すると、「CANDY CANDY」からきゃりーキッズも伴っての鮮やかなダンスを披露。
「もんだいガール」では観客にサビでの振り付けをレクチャーし、以前に同じように振り付けをレクチャーしていた「にんじゃりばんばん」はもはやレクチャーする必要もないくらいに完璧に観客もすでに振り付けをマスターしている。これはあらゆるフェスに出てきたことによる結果だろう。
夏ももう終わりということで、ハロウィンをテーマにした新曲「Crazy Party Night ~ぱんぷきんの逆襲~」も披露。実にハロウィンらしいおどろおどろしいイントロから、やはり中田ヤスタカサウンド、と思わせるキレキレのエレクトロサウンド。
ラストは「み」から客席で両腕を左右に動かす様が壮観な「つけまつける」で今年もこのフェスをもって夏フェス行脚を締めくくった。
ちなみに客席のPA裏で、曲の振り付けを完璧にマスターしていて、キレキレのダンスを踊っていたおじさん2人組がいたのだが(なぜか新曲まですでに完璧にマスターしていた)、途中からはその2人を囲むような形でサークルができており、ライブが終わるとその2人に惜しみない拍手が送られるという、フェスならではの光景が生み出されていた。
1.CANDY CANDY
2.インベーダー インベーダー
3.もんだいガール
4.にんじゃりばんばん
5.Crazy Party Night ~ぱんぷきんの逆襲~
6.み
7.つけまつける
13:05~ indigo la End [Mt.FUJI STAGE]
前日はゲスの極み乙女。でメインステージのトリを務めた川谷絵音率いる、indigo la End。
リハの段階で「さよならベル」を演奏して早くから集まった観客を喜ばせると、「瞳に映らない」から始まったライブは、繊細な楽曲のイメージと、文系なメンバーの見た目からは想像がつかないくらいに筋肉質な演奏を見せる。
前日のゲスの極み乙女。にも参加していた女性サポートメンバー2人もコーラスとキーボードで彩りを加えるが、それをしっかりと支えているのが、去年のこのフェスでは加入したばかりだった後鳥のベースと、今年加入した佐藤のドラムによるリズム。
そう考えると、毎年出演する度にメンバーが変わっているバンド、ということになるが、初出演時はFOREST STAGEさえガラガラだったバンドがMt.FUJI STAGEをほぼ満員にしているのはすごい。
最後に演奏された、この時期の野外で聴くのがピッタリな「夏夜のマジック」は何故カップリング曲なのかと思うくらいの名曲。
そしてゲスの極み乙女。と2日連続でライブを見ると、川谷のバンドによってのキャラの違いがよくわかって、それだけでも実に面白い。
リハ.さよならベル
1.瞳に映らない
2.夜汽車は走る
3.悲しくなる前に
4.雫に恋して
5.夜明けの街でサヨナラを
6.名もなきハッピーエンド
7.夏夜のマジック
13:50~ レキシ [LAKESIDE STAGE]
このフェスではおなじみの存在だが、ついにメインステージに進出したレキシ。開演前から客席では物販で売られている稲穂が掲げられている。
メンバーとともにレキシこと池田貴史が登場すると、
「1年ぶりの出演なんで、いつもと変わらないセトリで(笑)4曲やります。えー!?じゃないわ!35分で4曲ってやってるほうだから!(笑)普通なら3曲だから!(笑)」
といきなりしゃべりまくり、少し雨がぱらついてきているだけに、
「アフロがペシャンコになる(笑)」
と言いながら、客席から飛んできたシャボン玉を追いかけたりと、ただでさえ曲が少ないのに全然曲が始まらない。
ようやく「きらきら武士」からスタートすると、鉄壁のバンドアンサンブルを見せ、合間合間にはX JAPAN「紅」や大黒摩季「ららら」を替え歌で披露するというネタの連発。しっかり合わせて曲を演奏してしまうバンドも素晴らしい。
大塩平八郎をテーマにした「salt&stone」を終えると、あっという間にラストの曲。
「さぁようやく稲穂の出番が来ましたよ。他になんの使い道もないけど(笑)売り切れたとかどうなってるんよ(笑)バックからはみ出すし、持って帰るの恥ずかしいぞ!(笑)」
と稲穂ネタを持ち出したのはもちろん「狩りから稲作へ」。
ちなみに曲中には「暮らし安心クラシアン」や「劇団四季 キャッツ」などのおなじみのネタが盛り込まれているが、先日クラシアンからお礼の手紙とCDが送られてきたらしい(笑)劇団四季からは何もない、完全に無視されているらしいが(笑)
この日はゲストはいなかったが、逆にゲストがいなかったが故か、4曲しかやってないのに持ち時間を完全にオーバーしていたのはもはやご愛嬌というか、レキシならしょうがないか、と思える。
1.きらきら武士
2.年貢 for you
3.salt&stone
4.狩りから稲作へ
14:25~ LAMP IN TERREN [FOREST STAGE]
去年はオープニングアクトであったLAMP IN TERREN、今年はメインアクトとして帰還。
最新アルバム「LIFE PROBE」がリリースされたばかりということでアルバム収録曲を続けるのだが、去年はまだ松本大(ボーカル&ギター)の、聴いているだけで浄化されるような慈悲深い声が持ち味、という感じだったのだが、中原(ベース)と川口(ドラム)の演奏が格段にパワーアップし、さらにはコーラスもするようになったというのもバンドの三位一体感が増している。
だからこそ去年も演奏した「緑閃光」の説得力が今年は去年とは段違い。ミドルテンポと言える曲だが、演奏からは力強さを感じるようになった。
「ここで盛り上がらないともう盛り上がるところねーぞ!」
と松本が叫んでの「ワンダーランド」であっという間に終了。ライブが良かっただけに、5曲というのはあまりにも少ない。(レキシより1曲多いだけ)せめてもう1曲くらいできないものだろうか。
1.林檎の理
2.ボイド
3.メイ
4.緑閃光
5.ワンダーランド
15:30~ THE BAWDIES [LAKESIDE STAGE]
去年はMt.FUJI STAGEへの出演だったTHE BAWDIES。トリをやった2年前以来にLAKESIDE STAGEに帰還。
おなじみウィルソン・ピケット「ダンス天国」でいつも通りにスーツ姿のメンバーが登場すると、いきなりの「IT'S TOO LATE」でROYがロングシャウトを轟かせて大歓声を巻き起こす。
メドレーを含めて、やる曲自体は今年の夏フェス仕様と変わらないが、順番を入れ替えていたので、何か変化を加えるのかと思っていると、かねてからこの日のライブでなんらかの発表があると予告していたROYが、
「発表があると言いましたが、我々が発表することは暗いニュースであるわけがないとみなさん分かっておられるでしょう。我々、THE BAWDIES、10月にニューシングルをリリース致します!」
と待望の新曲のリリースを発表し、そのままそのシングルのタイトル曲「SUNSHINE」を演奏。あいにく太陽の光はこの日は一切降り注ぐことはないが、タイトル通りに温かさを感じるミドルテンポの曲。
この日の「HOT DOG」の前フリの寸劇は、ROYが桃太郎、TAXMANが犬、JIMが猿、MARCYが雉という配役での桃太郎バージョン。
さらに大合唱を巻き起こした「SING YOUR SONG」で終了かと思いきや、トドメとばさりに「NO WAY」。演奏を終えると、大将ことTAXMANによるわっしょいも行われ、もはやレギュラーと言っても過言ではないこのフェスのライブを終えた。
1.IT'S TOO LATE
2.JUST BE COOL
3.KICKS!
4.メドレー ~I BEG YOU ~ I'M IN LOVE WITH YOU ~ SHAKE YOUR HIPS~
5.SUNSHINE (新曲)
6.HOT DOG
7.SING YOUR SONG
8.NO WAY
16:50~ KICK THE CAN CREW [Mt.FUJI STAGE]
去年のロッキン以来のKICK THE CAN CREW。先にDJ熊井吾郎が登場しただけで大歓声が起こる中、トラックが流れ出すと、統一感のある白黒の衣装による身を包んだKREVA、LITTLE、MCUの3人が駆け足でステージに登場し、「マルシェ」からスタートすると、当然客席からは「上がってーる!」の大合唱。
「地球ブルース ~3・3・7~」では一風変わった三三七拍子の手拍子が響くと、MCUの
「来年で30です」
のフレーズが
「来年で43」
に変わっているのに年月の経過を感じさせる。
KREVA「SWEET LOVE SHOWER、呼んでくれてありがとう。でも俺たち、昔からこういうイベントに出ると、どこか浮いてた。それは俺たちがオリジナル、いや、スーパーオリジナルだから!」
と、曲のつなぎの上手さもさすが。
もはやどの曲も10年以上前の曲にもかかわらずみんなが歌えるという状況にメンバーが驚きつつ、その中でも最も古い曲「ユートピア」も披露。
KREVA「俺たち、イメージ的には上がってんの下がってんのか、クリスマス・イブRapの人って思われてるけど…」
LITTLE「もはや自分たちでも「マルシェ」じゃなくて、上がってんの下がってんの、って言っちゃうんだ(笑)」
KREVA「そう(笑)でも俺たち的に1番、これ行けんじゃねーのか?って思ったのは、スペシャで俺たちの曲がパワープッシュに選んでもらって。やることないから事務所でずっとスペシャ見てたら、何回もPVが流れてて、ちょっとは状況が変わってきたのかなって思った」
とスペシャへの思い入れを語っていたが、KREVAとMCUが先に帰ろうとする中、LITTLEが、
「まだ何も終わっちゃいないぜ!」
と言って2人を呼び戻す「イツナロウバ」はまさにそのパワープッシュに選ばれてスペシャで大量オンエアされた曲。そして「アンバランス」と狂騒ではない、切ない夏の終わりを感じさせる曲を続けて終了。
こうしてライブを見ると、ヒップホップのエッジを保ったままキャッチーな楽曲を生み出していたのは本当にすごいし、それぞれがソロとしても活動するスキルを持ったメンバーがこうして同じグループをやっているというのは奇跡であったということを実感させられる。
そして10年以上前の曲にもかかわらず、頭の中に曲のフレーズがまだ完璧に残っている。やはり青春パンクとヒップホップは自分の青春であった。
1.マルシェ
2.地球ブルース ~3・3・7~
3.スーパーオリジナル
4.sayonara sayonara
5.ユートピア
6.イツナロウバ
7.アンバランス
17:35~ the telephones [LAKESIDE STAGE]
これまでに5回出演したこのフェスで全て雨を降らせなかった、the telephones。この日もこの時間はすでに雨は降っていない。
いつものようにアフロヅラを着用してメンバーが登場すると、「D.A.N.C.E. to the telephones!!!」からスタート。最近のイベントやフェスではやっていなかっただけに、こうしてセトリを変えてくれるのは、もはや見る機会があまりないバンドなだけに嬉しいところ。
「Baby,Baby,Baby」では去年に続いてノブが客席に突入し、走り回ってから最前列でもみくちゃにされつつステージに帰還。
最新アルバムからはリード曲「Something Good」を、
「the telephonesとみんなのことを歌った曲です!」
と言って演奏。そして、
「しばらくは山中湖でディスコを叫ぶこともなくなるから、大きな声でディスコを叫んでくれ!この景色を目に焼き付けたい!」
と言うと、ディスコシリーズを連発し、
「やっぱり、最後は愛だよね!」
と言って、前日のDJでは途中までだった「Love&DISCO」。
このフェスは、ステージ数が他のフェスより少ないというのもあるが、夏フェスの中ではthe telephonesをいち早くメインステージに抜擢した。そしてthe telephonesはこの雨が多いフェスをいつも晴れさせてきた。
このフェス、スペシャは間違いなくthe telephonesを愛していたし、the telephonesのメンバーもこのフェスを間違いなく愛していた。(それはこの日のライブのいたるところからも感じられた)
「またいつか、ここで会いましょう」
という石毛の言葉を信じて、またいつかこの場所で会えるのを信じて。またこのフェスに出た時は、富士山が見えるくらいに晴れさせてくれ。
1.D.A.N.C.E. to the telephones!!!
2.HABANERO
3.Baby,Baby,Baby
4.Something Good
5.I Hate DISCOOOOOOO!!!
6.Monkey Discooooooo!!!
7.Love&DISCO
18:35~ RADWIMPS [Mt.FUJI STAGE]
今年のこのフェスでの1番の目玉と言ってもいいであろう、RADWIMPS。大方の予想を裏切り、トリとはいえ、メインではなくまさかのMt.FUJI STAGEへの出演となった。
ライブ本数があまりない上に、関東圏では実に久しぶりのライブということで、入場規制レベルの超満員の飢餓感溢れるファンが待ち受ける中、ステージにメンバーが登場すると、凄まじい歓声が上がる中、「ギミギミック」からスタート。さらに「迷わずYOU!!!」のフレーズで大合唱が起こった「ます。」と、名盤「RADWIMPS4」からの曲が続く。
武田のベースは相変わらずの力強さと柔軟さを兼ね備え、山口のドラムとともにこのバンドの骨格を形成し、桑原はギターを走り回りながら演奏する。前回のツアー同様に鉄壁のアンサンブルである。
洋次郎の声こそ万全とは言えないようだったが、「アイアンバイブル」のハンドマイクで歩き回りながら歌い、最後にはピアノを弾きながら歌う姿からはやはりオーラのようなものを感じる。
メンバー全員がスティックを持ってドラムを連打する「DADA」、洋次郎が指揮者のようにメンバーの演奏を操りながらセッションを展開する「おしゃかしゃま」と激しい曲が続くと一転して、
「せっかくのフェスなんだからさ、好きな人には愛してるって言っちゃいなよ!」
と洋次郎が言うと手拍子が起こりながら洋次郎がハンドマイクで歌う「いいんですか?」、アウトロのフレーズを何度もテンポを上げながら演奏し、終わったかと思いきや観客の「もう1回!」の声に応えてさらにアウトロの演奏を繰り返す。
そして、
「幸せになれよ!」
と洋次郎が叫んでラストに演奏されたのは、「会心の一撃」。実に難しい曲を圧巻とも言える演奏力で披露できたのは、かつては明らかに精彩を欠いていた桑原の復調が大きい。それは味噌汁'sの活動も関係しているんだろうか。
しかしながら演奏が終わっても洋次郎はステージを去らず、照明を消すことを支持すると、
「満天の空に君の声が…」
と、「トレモロ」を歌い出しだけ披露した。あいにく、空に星は一切見えなかったが、「満天の空」が見える状態でこの曲を演奏されたら、どんなに素晴らしい景色になるだろうか。
そしてすでにツアーが行われていることも発表されているが、それはなんらかのリリースを踏まえて、というものになるんだろうか。
しかし、スタッフも何度も前に押さないように注意を喚起していたが、今年の出演者の中でトップクラスの動員力を誇るRADWIMPSをあのステージにしたのは無理があった。実際、次々に女の子がスタッフに抱えられて行った。これは主催者側のミスとしか言えない。
1.ギミギミック
2.ます。
3.アイアンバイブル
4.DADA
5.おしゃかしゃま
6.いいんですか?
7.君と羊と青
8.会心の一撃
トレモロ(歌い出しだけ)
19:25~ [Alexandros] [LAKESIDE STAGE]
まだ[Champagne]名義時代にFOREST STAGEに出演した際に、「いつかはメインステージでトリを」と語っていた[Alexandros]、ついにその言葉を実現させる日がやってきた。
メンバーが登場すると、「ワタリドリ」からスタートし、次々とキラーチューンを連発していく。
「Kick & Spin」では、
「笑われたなら笑い返せばいい そんなことを君は教えてくれた」
というフレーズの「君」の部分でステージのスペシャのロゴを指差す。これはシリアで暮らしていた時代にずっとスペシャを見ていたというスペシャキッズだった川上ならでは。
「メインステージのトリ、いただいちゃいました!
愛とか、自由とかみんな大好きでしょ!普段は我々は絶対愛とか言わないけど!」
と実に嬉しそうに川上が叫ぶと、「Starrrrrrr」からはキーボード奏者、Roseが合流。よっていつもとはアレンジが変わるのだが、「Run Away」ではアウトロでセッション的な演奏に展開していき、トリにしてはあまりにもあっという間な「Adventure」でラスト。ハンドマイクの川上が煽ると、最後にはコーラス部分を大合唱させた。
しかしこれで終わるわけもなくらアンコールで再びメンバーが登場すると、
「スペシャには昔からお世話になっていて、今はレギュラー番組もやらせてもらっていて。こういう時じゃないと恩返しできないので、今からやるラブソング2曲は、スペシャに捧げます!」
と言うと、いつもよりも圧倒的にテンションの高い演奏で「Dracula La」を披露すると、
「昔、スペシャのイベントのために作った、我々の最初のラブソングを」
と言って最後に演奏されたのは、「You're So Sweet & I Love You」。最後には磯部がマイクスタンドを客席に向け、またしても大合唱を起こすと、川上が
「今までも、これからも愛してるぜ!」
とスペシャへの思いを叫んで、ついに掴んだメインステージのトリを全うした。期待していた、毎年恒例のコラボこそ今年はなかったが。
1.ワタリドリ
2.Famous Day
3.Kick & Spin
4.Starrrrrrr
5.Run Away
6.Adventure
encore
7.Dracula La
8.You're So Sweet & I Love You
中盤に雨こそ降ったが、夜の寒い時間には雨は降らず。しかし、このフェスは朝が早い割には、待ち時間がほとんどなく、絶え間なくライブを観まくれるので、時間が経つのが本当にあっという間。2日間開催だったら、これで終わっちゃってるんだもんな。
Next→ 8/30 SWEET LOVE SHOWER 2015 day3 @山中湖交流プラザきらら
まずはWATERFRONT STAGEでシンリズムのオープニングアコースティックをチラッと聴く。コーラスとしてSHISHAMOの宮崎朝子が参加しているのだが、SHISHAMOとは全く違う表情を見せており、SHISHAMOを聴いていて感じるよりも、宮崎は凄いボーカリストなんじゃないかと実感する。
9:55~ ドラマチックアラスカ [Mt.FUJI STAGE] (OPENING ACT)
この日のオープニングアクトはドラマチックアラスカ。
上下ともに真っ黒な衣装に金髪というヒジカタ(ボーカル&ギター)がこのフェスに出られた喜びを爆発させると、ソリッドなギターロックバンドというイメージのど真ん中と言えるような曲を続けて押しまくっていく。
すると「星になる」ではサポートギターのドラマチック☆安田の仕切りによるコール&レスポンス。最初はそこまで大きなレスポンスにはならなかったのだが、長身ベーシスト・マルオカに
「まだまだ行けんだろー!」
と無理矢理叫ばせ、
「明らかにこういうのが苦手そうな男がこんなに頑張っているんです!(笑)みなさんももっと出来るでしょう!」
と笑わせながらさらに大きなレスポンスを引き出すあたりは、さすがに去年は爆弾ジョニーのメンバーとしてこのフェスを盛り上げた男である。
そしてヒジカタが「来年はオープニングアクトじゃないアクトで帰ってきます」と宣言すると、
「これでもう終わりなんて、無理無理無理!」
と「無理無理無理」で締め。オープニングアクトとは思えないくらいの人を動員していただけに、来年間違いなくメインアクトで戻ってくるだろうし、バンドのさらなる飛躍を予感させる。
1.世界の始まり
2.エキセントリック アルカホリック
3.リダイヤル
4.星になる
5.無理無理無理
10:30~ ストレイテナー [LAKESIDE STAGE]
この日のトップバッターは実に7年ぶりの出演となるストレイテナー。リハでツービートの高速パンクナンバーとして生まれ変わった「ROCKSTEADY」を演奏すると、本編はホリエアツシがキーボードを弾きながら歌う「覚星」でしっとりと始まる。
おなじみの曲ではあるが、大胆にひなっち(ベース)とナカヤマシンペイ(ドラム)のリズムを変えたアレンジでの「Discography」からは近年の踊れるタイプのシングル曲を連発。
「7年ぶりの出演で、前回出た時はまだ3人で。3人での最後から2番目のライブでした。それからいろんな場所に行ってライブをしたけど…(大山を見て)まだ立ってないステージがあったね。次はまた7年後かな(笑)」
とホリエがMCすると、この夏の反戦歌である最新シングル「NO ~命の跡に咲いた花~」を演奏し、曲に込められたメッセージをじっくり聴き入らせる。
そしてラストは山中湖に吹いた「Melodic Storm」。最後には客席から大きなコーラスも発生し、7年ぶりのラブシャのステージを終えた。
ライブごとにセトリを変えるのは当たり前。さらには過去曲にも新たなアレンジを施して進化させているだけに、何度見ても飽きない。このあたりは高い演奏力を持ち、常に練習しまくってるんだろうなと感じさせる、本当にすごいバンドだと思う。
リハ.ROCKSTEADY
1.覚星
2.Discography
3.The World Record
4.Super Magical Illusion
5.From Noon Till Dawn
6.NO ~命の跡に咲いた花~
7.Melodic Storm
11:25~ アルカラ [Mt.FUJI STAGE]
やはり開演時間の10分以上前から登場して稲村はしゃべりまくり、「夢見る少女でいたい」を演奏し、
「今日は山中湖ということで、人間も自然の一部だよ、ってことを言いたい。どうも、[Alexandros]でした(笑)」
と笑わせながらX JAPAN「紅」を演奏するというやりたい放題ぶりを見せていたアルカラ。
「去年以外、毎年出演してきました!去年はアルカラがいなくて何かが足りなかった!何かが足りない!アブノーマルが足りない!」
と「アブノーマルが足りない」からスタートすると、凄まじいテンションの演奏で曲を連発していく。2年前の出演ではメインステージだっただけに、もはやすっかり広いステージ慣れしているかのようで、田原(ギター)と下上(ベース)もステージ両サイドまで動き回りながら演奏。
キラーチューン続きの中、急に稲村が
「えー、我々アルカラは5年前にこのフェスのオープニングアクトのオープニングアクトみたいな感じで初めて夏フェスに出演して、それから去年以外毎年このフェスに出演してきました。そんな大事なフェスだからこそここで発表したいと思いました。
これまで、13年と2ヶ月、このメンバーでずっと活動してきたアルカラですが、10月を持ちまして………21日に8枚目のアルバム出まーす!(笑)まだまだ行くでー!」
と、深刻そうな感じで話し出したものの、結局は嬉しい報告。まぁそんなことだろうとは思っていたけれど。
ラストの「半径30cmの中を知らない」ではダイバーも続出するという盛り上がりぶり。このフェスに関してはこのバンドはメインステージでも全然いけると思う。
ライブ後にいろんなバンドのライブを客席から見ているという稲村の姿勢は毎年変わらないけど。
リハ.夢見る少女でいたい
1.アブノーマルが足りない
2.チクショー
3.嘘つきライアー
4.癇癪玉のお宮ちゃん
5.愚痴ばっかりのローレロレロ
6.キャッチーを科学する
7.半径30cmの中を知らない
12:10~ きゃりーぱみゅぱみゅ [LAKESIDE STAGE]
スペシャではレギュラー番組を務めているだけに、ホームと言えるこのフェスは超満員状態となっている、きゃりーぱみゅぱみゅ。
髪の色に合わせたド派手なピンクの衣装で登場すると、「CANDY CANDY」からきゃりーキッズも伴っての鮮やかなダンスを披露。
「もんだいガール」では観客にサビでの振り付けをレクチャーし、以前に同じように振り付けをレクチャーしていた「にんじゃりばんばん」はもはやレクチャーする必要もないくらいに完璧に観客もすでに振り付けをマスターしている。これはあらゆるフェスに出てきたことによる結果だろう。
夏ももう終わりということで、ハロウィンをテーマにした新曲「Crazy Party Night ~ぱんぷきんの逆襲~」も披露。実にハロウィンらしいおどろおどろしいイントロから、やはり中田ヤスタカサウンド、と思わせるキレキレのエレクトロサウンド。
ラストは「み」から客席で両腕を左右に動かす様が壮観な「つけまつける」で今年もこのフェスをもって夏フェス行脚を締めくくった。
ちなみに客席のPA裏で、曲の振り付けを完璧にマスターしていて、キレキレのダンスを踊っていたおじさん2人組がいたのだが(なぜか新曲まですでに完璧にマスターしていた)、途中からはその2人を囲むような形でサークルができており、ライブが終わるとその2人に惜しみない拍手が送られるという、フェスならではの光景が生み出されていた。
1.CANDY CANDY
2.インベーダー インベーダー
3.もんだいガール
4.にんじゃりばんばん
5.Crazy Party Night ~ぱんぷきんの逆襲~
6.み
7.つけまつける
13:05~ indigo la End [Mt.FUJI STAGE]
前日はゲスの極み乙女。でメインステージのトリを務めた川谷絵音率いる、indigo la End。
リハの段階で「さよならベル」を演奏して早くから集まった観客を喜ばせると、「瞳に映らない」から始まったライブは、繊細な楽曲のイメージと、文系なメンバーの見た目からは想像がつかないくらいに筋肉質な演奏を見せる。
前日のゲスの極み乙女。にも参加していた女性サポートメンバー2人もコーラスとキーボードで彩りを加えるが、それをしっかりと支えているのが、去年のこのフェスでは加入したばかりだった後鳥のベースと、今年加入した佐藤のドラムによるリズム。
そう考えると、毎年出演する度にメンバーが変わっているバンド、ということになるが、初出演時はFOREST STAGEさえガラガラだったバンドがMt.FUJI STAGEをほぼ満員にしているのはすごい。
最後に演奏された、この時期の野外で聴くのがピッタリな「夏夜のマジック」は何故カップリング曲なのかと思うくらいの名曲。
そしてゲスの極み乙女。と2日連続でライブを見ると、川谷のバンドによってのキャラの違いがよくわかって、それだけでも実に面白い。
リハ.さよならベル
1.瞳に映らない
2.夜汽車は走る
3.悲しくなる前に
4.雫に恋して
5.夜明けの街でサヨナラを
6.名もなきハッピーエンド
7.夏夜のマジック
13:50~ レキシ [LAKESIDE STAGE]
このフェスではおなじみの存在だが、ついにメインステージに進出したレキシ。開演前から客席では物販で売られている稲穂が掲げられている。
メンバーとともにレキシこと池田貴史が登場すると、
「1年ぶりの出演なんで、いつもと変わらないセトリで(笑)4曲やります。えー!?じゃないわ!35分で4曲ってやってるほうだから!(笑)普通なら3曲だから!(笑)」
といきなりしゃべりまくり、少し雨がぱらついてきているだけに、
「アフロがペシャンコになる(笑)」
と言いながら、客席から飛んできたシャボン玉を追いかけたりと、ただでさえ曲が少ないのに全然曲が始まらない。
ようやく「きらきら武士」からスタートすると、鉄壁のバンドアンサンブルを見せ、合間合間にはX JAPAN「紅」や大黒摩季「ららら」を替え歌で披露するというネタの連発。しっかり合わせて曲を演奏してしまうバンドも素晴らしい。
大塩平八郎をテーマにした「salt&stone」を終えると、あっという間にラストの曲。
「さぁようやく稲穂の出番が来ましたよ。他になんの使い道もないけど(笑)売り切れたとかどうなってるんよ(笑)バックからはみ出すし、持って帰るの恥ずかしいぞ!(笑)」
と稲穂ネタを持ち出したのはもちろん「狩りから稲作へ」。
ちなみに曲中には「暮らし安心クラシアン」や「劇団四季 キャッツ」などのおなじみのネタが盛り込まれているが、先日クラシアンからお礼の手紙とCDが送られてきたらしい(笑)劇団四季からは何もない、完全に無視されているらしいが(笑)
この日はゲストはいなかったが、逆にゲストがいなかったが故か、4曲しかやってないのに持ち時間を完全にオーバーしていたのはもはやご愛嬌というか、レキシならしょうがないか、と思える。
1.きらきら武士
2.年貢 for you
3.salt&stone
4.狩りから稲作へ
14:25~ LAMP IN TERREN [FOREST STAGE]
去年はオープニングアクトであったLAMP IN TERREN、今年はメインアクトとして帰還。
最新アルバム「LIFE PROBE」がリリースされたばかりということでアルバム収録曲を続けるのだが、去年はまだ松本大(ボーカル&ギター)の、聴いているだけで浄化されるような慈悲深い声が持ち味、という感じだったのだが、中原(ベース)と川口(ドラム)の演奏が格段にパワーアップし、さらにはコーラスもするようになったというのもバンドの三位一体感が増している。
だからこそ去年も演奏した「緑閃光」の説得力が今年は去年とは段違い。ミドルテンポと言える曲だが、演奏からは力強さを感じるようになった。
「ここで盛り上がらないともう盛り上がるところねーぞ!」
と松本が叫んでの「ワンダーランド」であっという間に終了。ライブが良かっただけに、5曲というのはあまりにも少ない。(レキシより1曲多いだけ)せめてもう1曲くらいできないものだろうか。
1.林檎の理
2.ボイド
3.メイ
4.緑閃光
5.ワンダーランド
15:30~ THE BAWDIES [LAKESIDE STAGE]
去年はMt.FUJI STAGEへの出演だったTHE BAWDIES。トリをやった2年前以来にLAKESIDE STAGEに帰還。
おなじみウィルソン・ピケット「ダンス天国」でいつも通りにスーツ姿のメンバーが登場すると、いきなりの「IT'S TOO LATE」でROYがロングシャウトを轟かせて大歓声を巻き起こす。
メドレーを含めて、やる曲自体は今年の夏フェス仕様と変わらないが、順番を入れ替えていたので、何か変化を加えるのかと思っていると、かねてからこの日のライブでなんらかの発表があると予告していたROYが、
「発表があると言いましたが、我々が発表することは暗いニュースであるわけがないとみなさん分かっておられるでしょう。我々、THE BAWDIES、10月にニューシングルをリリース致します!」
と待望の新曲のリリースを発表し、そのままそのシングルのタイトル曲「SUNSHINE」を演奏。あいにく太陽の光はこの日は一切降り注ぐことはないが、タイトル通りに温かさを感じるミドルテンポの曲。
この日の「HOT DOG」の前フリの寸劇は、ROYが桃太郎、TAXMANが犬、JIMが猿、MARCYが雉という配役での桃太郎バージョン。
さらに大合唱を巻き起こした「SING YOUR SONG」で終了かと思いきや、トドメとばさりに「NO WAY」。演奏を終えると、大将ことTAXMANによるわっしょいも行われ、もはやレギュラーと言っても過言ではないこのフェスのライブを終えた。
1.IT'S TOO LATE
2.JUST BE COOL
3.KICKS!
4.メドレー ~I BEG YOU ~ I'M IN LOVE WITH YOU ~ SHAKE YOUR HIPS~
5.SUNSHINE (新曲)
6.HOT DOG
7.SING YOUR SONG
8.NO WAY
16:50~ KICK THE CAN CREW [Mt.FUJI STAGE]
去年のロッキン以来のKICK THE CAN CREW。先にDJ熊井吾郎が登場しただけで大歓声が起こる中、トラックが流れ出すと、統一感のある白黒の衣装による身を包んだKREVA、LITTLE、MCUの3人が駆け足でステージに登場し、「マルシェ」からスタートすると、当然客席からは「上がってーる!」の大合唱。
「地球ブルース ~3・3・7~」では一風変わった三三七拍子の手拍子が響くと、MCUの
「来年で30です」
のフレーズが
「来年で43」
に変わっているのに年月の経過を感じさせる。
KREVA「SWEET LOVE SHOWER、呼んでくれてありがとう。でも俺たち、昔からこういうイベントに出ると、どこか浮いてた。それは俺たちがオリジナル、いや、スーパーオリジナルだから!」
と、曲のつなぎの上手さもさすが。
もはやどの曲も10年以上前の曲にもかかわらずみんなが歌えるという状況にメンバーが驚きつつ、その中でも最も古い曲「ユートピア」も披露。
KREVA「俺たち、イメージ的には上がってんの下がってんのか、クリスマス・イブRapの人って思われてるけど…」
LITTLE「もはや自分たちでも「マルシェ」じゃなくて、上がってんの下がってんの、って言っちゃうんだ(笑)」
KREVA「そう(笑)でも俺たち的に1番、これ行けんじゃねーのか?って思ったのは、スペシャで俺たちの曲がパワープッシュに選んでもらって。やることないから事務所でずっとスペシャ見てたら、何回もPVが流れてて、ちょっとは状況が変わってきたのかなって思った」
とスペシャへの思い入れを語っていたが、KREVAとMCUが先に帰ろうとする中、LITTLEが、
「まだ何も終わっちゃいないぜ!」
と言って2人を呼び戻す「イツナロウバ」はまさにそのパワープッシュに選ばれてスペシャで大量オンエアされた曲。そして「アンバランス」と狂騒ではない、切ない夏の終わりを感じさせる曲を続けて終了。
こうしてライブを見ると、ヒップホップのエッジを保ったままキャッチーな楽曲を生み出していたのは本当にすごいし、それぞれがソロとしても活動するスキルを持ったメンバーがこうして同じグループをやっているというのは奇跡であったということを実感させられる。
そして10年以上前の曲にもかかわらず、頭の中に曲のフレーズがまだ完璧に残っている。やはり青春パンクとヒップホップは自分の青春であった。
1.マルシェ
2.地球ブルース ~3・3・7~
3.スーパーオリジナル
4.sayonara sayonara
5.ユートピア
6.イツナロウバ
7.アンバランス
17:35~ the telephones [LAKESIDE STAGE]
これまでに5回出演したこのフェスで全て雨を降らせなかった、the telephones。この日もこの時間はすでに雨は降っていない。
いつものようにアフロヅラを着用してメンバーが登場すると、「D.A.N.C.E. to the telephones!!!」からスタート。最近のイベントやフェスではやっていなかっただけに、こうしてセトリを変えてくれるのは、もはや見る機会があまりないバンドなだけに嬉しいところ。
「Baby,Baby,Baby」では去年に続いてノブが客席に突入し、走り回ってから最前列でもみくちゃにされつつステージに帰還。
最新アルバムからはリード曲「Something Good」を、
「the telephonesとみんなのことを歌った曲です!」
と言って演奏。そして、
「しばらくは山中湖でディスコを叫ぶこともなくなるから、大きな声でディスコを叫んでくれ!この景色を目に焼き付けたい!」
と言うと、ディスコシリーズを連発し、
「やっぱり、最後は愛だよね!」
と言って、前日のDJでは途中までだった「Love&DISCO」。
このフェスは、ステージ数が他のフェスより少ないというのもあるが、夏フェスの中ではthe telephonesをいち早くメインステージに抜擢した。そしてthe telephonesはこの雨が多いフェスをいつも晴れさせてきた。
このフェス、スペシャは間違いなくthe telephonesを愛していたし、the telephonesのメンバーもこのフェスを間違いなく愛していた。(それはこの日のライブのいたるところからも感じられた)
「またいつか、ここで会いましょう」
という石毛の言葉を信じて、またいつかこの場所で会えるのを信じて。またこのフェスに出た時は、富士山が見えるくらいに晴れさせてくれ。
1.D.A.N.C.E. to the telephones!!!
2.HABANERO
3.Baby,Baby,Baby
4.Something Good
5.I Hate DISCOOOOOOO!!!
6.Monkey Discooooooo!!!
7.Love&DISCO
18:35~ RADWIMPS [Mt.FUJI STAGE]
今年のこのフェスでの1番の目玉と言ってもいいであろう、RADWIMPS。大方の予想を裏切り、トリとはいえ、メインではなくまさかのMt.FUJI STAGEへの出演となった。
ライブ本数があまりない上に、関東圏では実に久しぶりのライブということで、入場規制レベルの超満員の飢餓感溢れるファンが待ち受ける中、ステージにメンバーが登場すると、凄まじい歓声が上がる中、「ギミギミック」からスタート。さらに「迷わずYOU!!!」のフレーズで大合唱が起こった「ます。」と、名盤「RADWIMPS4」からの曲が続く。
武田のベースは相変わらずの力強さと柔軟さを兼ね備え、山口のドラムとともにこのバンドの骨格を形成し、桑原はギターを走り回りながら演奏する。前回のツアー同様に鉄壁のアンサンブルである。
洋次郎の声こそ万全とは言えないようだったが、「アイアンバイブル」のハンドマイクで歩き回りながら歌い、最後にはピアノを弾きながら歌う姿からはやはりオーラのようなものを感じる。
メンバー全員がスティックを持ってドラムを連打する「DADA」、洋次郎が指揮者のようにメンバーの演奏を操りながらセッションを展開する「おしゃかしゃま」と激しい曲が続くと一転して、
「せっかくのフェスなんだからさ、好きな人には愛してるって言っちゃいなよ!」
と洋次郎が言うと手拍子が起こりながら洋次郎がハンドマイクで歌う「いいんですか?」、アウトロのフレーズを何度もテンポを上げながら演奏し、終わったかと思いきや観客の「もう1回!」の声に応えてさらにアウトロの演奏を繰り返す。
そして、
「幸せになれよ!」
と洋次郎が叫んでラストに演奏されたのは、「会心の一撃」。実に難しい曲を圧巻とも言える演奏力で披露できたのは、かつては明らかに精彩を欠いていた桑原の復調が大きい。それは味噌汁'sの活動も関係しているんだろうか。
しかしながら演奏が終わっても洋次郎はステージを去らず、照明を消すことを支持すると、
「満天の空に君の声が…」
と、「トレモロ」を歌い出しだけ披露した。あいにく、空に星は一切見えなかったが、「満天の空」が見える状態でこの曲を演奏されたら、どんなに素晴らしい景色になるだろうか。
そしてすでにツアーが行われていることも発表されているが、それはなんらかのリリースを踏まえて、というものになるんだろうか。
しかし、スタッフも何度も前に押さないように注意を喚起していたが、今年の出演者の中でトップクラスの動員力を誇るRADWIMPSをあのステージにしたのは無理があった。実際、次々に女の子がスタッフに抱えられて行った。これは主催者側のミスとしか言えない。
1.ギミギミック
2.ます。
3.アイアンバイブル
4.DADA
5.おしゃかしゃま
6.いいんですか?
7.君と羊と青
8.会心の一撃
トレモロ(歌い出しだけ)
19:25~ [Alexandros] [LAKESIDE STAGE]
まだ[Champagne]名義時代にFOREST STAGEに出演した際に、「いつかはメインステージでトリを」と語っていた[Alexandros]、ついにその言葉を実現させる日がやってきた。
メンバーが登場すると、「ワタリドリ」からスタートし、次々とキラーチューンを連発していく。
「Kick & Spin」では、
「笑われたなら笑い返せばいい そんなことを君は教えてくれた」
というフレーズの「君」の部分でステージのスペシャのロゴを指差す。これはシリアで暮らしていた時代にずっとスペシャを見ていたというスペシャキッズだった川上ならでは。
「メインステージのトリ、いただいちゃいました!
愛とか、自由とかみんな大好きでしょ!普段は我々は絶対愛とか言わないけど!」
と実に嬉しそうに川上が叫ぶと、「Starrrrrrr」からはキーボード奏者、Roseが合流。よっていつもとはアレンジが変わるのだが、「Run Away」ではアウトロでセッション的な演奏に展開していき、トリにしてはあまりにもあっという間な「Adventure」でラスト。ハンドマイクの川上が煽ると、最後にはコーラス部分を大合唱させた。
しかしこれで終わるわけもなくらアンコールで再びメンバーが登場すると、
「スペシャには昔からお世話になっていて、今はレギュラー番組もやらせてもらっていて。こういう時じゃないと恩返しできないので、今からやるラブソング2曲は、スペシャに捧げます!」
と言うと、いつもよりも圧倒的にテンションの高い演奏で「Dracula La」を披露すると、
「昔、スペシャのイベントのために作った、我々の最初のラブソングを」
と言って最後に演奏されたのは、「You're So Sweet & I Love You」。最後には磯部がマイクスタンドを客席に向け、またしても大合唱を起こすと、川上が
「今までも、これからも愛してるぜ!」
とスペシャへの思いを叫んで、ついに掴んだメインステージのトリを全うした。期待していた、毎年恒例のコラボこそ今年はなかったが。
1.ワタリドリ
2.Famous Day
3.Kick & Spin
4.Starrrrrrr
5.Run Away
6.Adventure
encore
7.Dracula La
8.You're So Sweet & I Love You
中盤に雨こそ降ったが、夜の寒い時間には雨は降らず。しかし、このフェスは朝が早い割には、待ち時間がほとんどなく、絶え間なくライブを観まくれるので、時間が経つのが本当にあっという間。2日間開催だったら、これで終わっちゃってるんだもんな。
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