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福島県の住人たちは気づき始めました。
自分たちが、人質にされていることに。


人口流出してしまうと税収が減ってしまう

この記事は、前の記事-本当は福島県に何人いるか誰も分らない-の中で投げかけた「『人口を流出させないために、福島県に、どんなインセンティブが働いているのか」に対する答えを導き出そうとするものです。

福島県では、9月14日~19日の6 日間にわたって、奥会津会津若松猪苗代郡山相馬いわきの6ヶ所で野外ロックフェスティバル・LIVE 福島が行われたのを皮切りに、10月31日には飯坂温泉で、美人コンテスト・アジアン・ビューティー・フェスティバルが開催され、11月13日には、東日本女子駅伝、そして、本日20日には福島県の市町村対抗・ふくしま駅伝と、およそ復興には直接つながるとは思えない派手なイベントばかり行われています。

これらのイベントに、主催、共催、後援として名前を連ねているのが、各自治体、市長会、町村会、教育委員会、スポーツ振興関連団体、そして福島の新聞、ラジオ、テレビ。

中でも、福島民報社は、必ずといってもいいほど、主催者、後援者として名前が挙がっています。

もともと福島県は、東北の政商・小針暦ニの地盤。

福島民報社、福島交通などの創業や経営に関与。
福島県で行われる駅伝も、小針暦ニの遺産として、しっかり恒例行事となっています。

その後、福島中央テレビに福島民報社が資本を入れるなど、福島のまさしく「県民洗脳」メディア・コングロマリットができがったのです。

福島県の今の知事、市長、各団体の長…こうした人々は、自分が「福島の支配層に属する人間である」ことを、心の奥深くで自負しており、福島王国の為政者の一員として、暢気な生活を楽しんできました。

ただし、彼らは、視野の狭い「井の中の蛙」に過ぎません。

彼らは、今回のような大災害の際には、何もできなかったどころか、“住民の安全など知ったこっちゃない”、とばかりに自分だけ福島から逃げてしまった市長もいるくらいです。

こうした人々が寄り集まって運営されている今の県政、市政の頂点に居座っているのが現在の福島県です。

福島県独特の歴史的な風土があるにせよ、なぜ福島県では、県庁、市町村、教育委員会、その他の公共団体、そして福島ローカルの新聞、テレビ、ラジオが一斉に「復興・福島」の掛け声のもと、合従連衡するのか、という謎が横たわっています。

世界から見ると、どう贔屓目に見ても、福島県の行政は異常だと断ずるほかないのです。

その謎にアプローチする格好の動画がありました。
これはWeb  Iwakamiを主宰している岩上安身氏が、福島県川内村の元・村議の西山ちかこ氏と、鹿児島県阿久根市の元市長、竹原信一氏にインタビューしたときのレポートです。



この動画の58分からお聴きください。

「なぜ、福島県は子供たちを避難させたくないか」、その理由を知るための貴重な告白があります。

岩上安身氏:
……これと同じ構造が、川内村だけではないと思いますけれど、福島県や、福島県内の地方自治体に起きていて、いろいろなところで聞いたんですけれど、何があっても県内の人口を流出させない。なぜだと、、、。

「オフレコだから、本音で話すけど」ということで聞いた話なんですけど、県、あるいは市とかの、そこで働いている人たちのお給料が決まっていて、その人たちの生涯の設計があるわけですよ。

それはビタ一文削りたくないという思いがあって…。

ところが人口流出していくと、税収(人口に比例している地方交付税)が減っていってしまう。
おのずと市財政、あるいは市町村、県も含めてですけれど、その財政の中で人件費の割合が大きくなっていって、とてもではないが財政破綻してしまう。

で、行政の職員のクビを切るか、給与を下げるかしなければいけなくなる。

それが、(彼らは)いやなんです。

つまり、お役人の給料のために、村民なり、市町村民なり、県民なりが、ここにとどまっていて一定程度の年貢を払えと。そのために人口流出はさせないんだと。

オフレコで、本当にある関係者が私に話してくれたんです。

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管理人:

地方自治体にとって、人口減少は「あってはならないこと」なのです。
それは県や市の職員の給与の算定方式や、退職金に直接関わってくる大問題だからです。

県、市の職員は、生涯賃金が簡単に計算することができます。
それは彼らの人生の値段です。

人口減少によって、住民から徴収する市民税という「年貢」が減ってしまえば、地方公務員にとっては、自分たちの老後の計画も吹き飛んでしまうかもしれません。
特に退職金の額が減ってしまうことは、彼らがいちぱん心配していることなのです。

広がるホットスポットと人口流出を止めたい自治体の記事の中に、福島市が人口流出を止めるために、線量の高い東側(原発側)の住民に、線量の低い西側に移住してもらう計画があることを書きました。
これは、福島市在住の医療ジャーナリスト、藍原寛子氏が地元からヒアリングした情報です。

そこでも線量は高いのですが、なんとかそこに住んでもらって、住民が他県に引越ししないように、ということなのです。

なぜ、福島県の首長たちは、住民の安全を無視し、健康被害が出ることが分かっていながら、住民の流出を阻止したいのか。

とにかく、人口減少によって税収が落ち込むことを阻止したい、その一点なのです。

下の動画では、その福島市の瀬戸市長が、10月20日の原子力損害賠償審査会で本音を語っています。



この動画の01:26:00から覧ください。

「確かに私は避難して欲しいと、そういう状況の方がたくさんいて、本当に支援までしたいと思っておりますけれども、コミュニティをあずかる首長としましては、やはり人口が市から出て行く、あるいは県の人口が減る、ということについては、やっぱりそのなんとかコミュニティを維持できないか、ということで除染という方法をですね、選んでいるということをご理解いただきたいと思います」。

この人は何が言いたいのか、よく理解できません。

つまり、福島市長の瀬戸孝則氏は、心情としては 避難したい人には支援したいが(何も市長でなくとも、誰でもそう思うはず)、基本は福島市内に留まってほしい。
なぜなら、福島から人口が出ていくと困るからだ、と明確に述べています。

これは住民の生命・財産を守ることを旨としている首長の言うことではないでしょう。

瀬戸孝則氏は、福島の子供たちに年間20ミリシーベルトを被曝させることを容認した人間のひとり、として地元では知られています。

なぜ、そんな惨いことができるのかか。

子供を県外に避難させてしまうと、まず母親が付き添います。他に子供がいれば、その子供も母親と一緒に他県に移動します。
もし父親も、ということになれば、一度に3人から5人程度が福島市から流出してしまうのです。

この単位が何万世帯ということになれば、たちまちのうちに福島県の人口の何割かは減ってしまうでしょう。

そうなれば、自治体の破綻は必至です。

そのためには、子供を押さえることが重要なのです。彼らは人質に取るという「戦略」に出たのです。

福島の線量を計測したら、多くの場所で、年間20ミリシーベルト以上の線量が計測されました。

苦肉の策として、県知事、福島市長を始め、数人の首長が“密室談合”のごとく、「子供たちは、年間20ミリシーベルトまでなら安全である」ということにしてほしいと国に要求したと考える他はありません。

なんと、福島県のほうから国の側に要請したのです。
この点で、被害認定の範囲を極小化し、補償額を少しでも減らしたいとする国との利害が一致したのです。

そして山下俊一を早々担ぎ出し、内部被曝を一切考慮しないICRPのリスクモデルを引っ張り出してきて、非常事態時勧告・年間20ミリシーベルトまでOKということにしてしまったのです。

「年間20ミリシーベルト」というのは、子供たちの命を二の次にして、市や県の財政を優先させた結果、はじき出された数字だったのです。

瀬戸孝則氏は、7月22日、中国メディア・人民網の取材に対して、このように言っています。

温泉地周辺はとても低くなっている。福島市の温泉は心配ない」と安全性を強調、「安心して観光にきてほしい」と呼びかけた。

「事故現場から60キロも離れ ているにもかかわらず、風向きの関係で放射性物質が福島市に降り注いだ」と説明した。

現在の懸念材料として、
放射線量は微量で日本の基準から言えば十分安 全な値だが、福島産というだけで特産品の果物などが風評被害を受けている。東北地方全体で観光客が減少している

「福島市は海淀区の交流を深め、北京をはじめ中国から多くのお客さんを呼び込みたい」。
「福島市は中国では主要な日本観光地ではないが、首都圏に近いので、
首都圏を訪れた際は福島にも足を伸ばしてほしい」とアピールした。


絶句。。。これほど愚かな人間がいたのかと。
それも、こともあろうに県庁所在地の福島市の市長。これほどまでの真っ赤な嘘を平気で言える時点で、市長不適格どころか人間不適格なのです。

後々、日中間のトラブルの元です。とても心配です。

この瀬戸氏は、まだ外部被曝と内部被爆の違いが、まったく分かっていないのです。
そして線量のリスク・レベルについても、まったくの無知。

これについては、いちいち証拠(ちゃんと存在します)を挙げることは控えますが、福島県の各自治体の首長は、おしなべて放射能については無知であり、また、住民を被曝から守るため、知識を吸収しようと努力もしないのです。

これが市民の命をあずかる市長とは、信じられないくらいお粗末です。

瀬戸氏も知事の佐藤雄平氏と同様に、あまりにも無知なために、3.11初期のころから、福島市民から猛烈にバッシングされているのですが、こうした事実を知るにつけ、それも無理からぬことである、と納得させられます。

すべては無知から始まっており、「金」に終始しているのです。
佐藤雄平氏にしても、瀬戸孝則氏にしても、子供たちの命を犠牲にしてまでも守らなければならないものとは何だったのでしょう。

福島児童の健康より、退職金を選ぶ人々

下の図は、地方公務員の給与額を改定するときの手順です。

地方公務員は人事委員会の勧告を経て議会に改定案が提出されます。
人事委員会などは完全に形骸化していますから、ただのお飾りに過ぎません。

資料はこちらから。
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形式上は何段階もの審査を受けるようになっていますが、結局は、県議会、市町村議会で承認されてしまえば、およそ民間の平均を上回るような、お手当てでも通過してしまうのです。

鹿児島県阿久根市は、その典型ですし、大阪府では「背広手当て」、全国の政令中核都市19市で「独身手当て」なる怪しげな手当てが支給されていたことは記憶に新しいと思います。

これらの自治体は例外なく、財政破綻直前まで行きました。

霞ヶ関と同様、地方自治体の公務員たちも、しっかり監視しなければ暴走するのです。彼らを野放しにしておけば、やがては自治体の財政破綻がやってきます。

この給与算定方式で客観的な根拠になるのが、課税対象となる人口です。
人口が多い、というだけで自治体にとっては、財政のポテンシャルを持っていることになります。

福島県は原発の誘致によって潤ってきました。
しかし、それが突然消えたのです。

そして、福島に進出していた工場なども撤退を検討し始めています。今後、税収の漸減は目に見えています。

県庁職員、市役所職員の人生設計に大きな狂いが生じることは必至です。
さらに、彼らは、老後の原資となる退職金の額が心配になってきました。

彼らの不安はいっそう大きくなっています。退職後の悠々自適が遠のくのですから。
何がなんでも人口流出を食い止めることは、福島県にとっては至上命題なのです。

地方公務員の退職金は(すべての自治体ではありませんが)、その財源を、各自治体が起債する「退職手当債」によって賄われています。

自治体の公務員の退職金は民間企業のように、積み立て方式ではなく、そのときどきの必要な額を地方債や市債を発行することによって退職金原資が調達されているのです。
「退職手当債」も地方債の一種です。

役所では、昔から、定年退職が迫ってくると、不可解な役職や手当てを付けたりして給与額を嵩上げします。
公務員の退職金の額は、退職直前の給与額が基準になるからです。

こうした実質、詐欺的とも言える行為が、堂々と行われているのですが、いまだ国も見過ごしています。

とにかく、退職時、そのイベントは公務員にとっては、生涯のうちで大金が手に入るチャンスなのです。
絶対に彼らは、それを手放したくないでしょう。たとえ子供を犠牲にしようが。

通常、地方債(借金)の返済額の一部は、国からの交付金などで充当できるので、自治体の負担はかなり軽減されるのですが、退職手当債は、それを起債した自治体が全額、返済しなければなりません。

その金利分を含めた返済資金は住民税で賄われています。
つまり、自治体の職員、県庁や市役所で働いている公務員たちの老後の安心=退職金は住民が、その都度、住民税によって負担しているという構図になっているのです。

自治体は、退職手当債を発行し、主に地元の地銀や信用金庫などに、それを買わせます。
地方の銀行は、長引く不況で体力を落としていますから、「これ以上、(退職手当債を含む)地方債や市債は引き受けられない」と悲鳴を上げ始めています。

こうした問題は、どういうわけか新聞に載ることは極めて少ないのですが、事実、さまざま自治体で問題化しているのです。

これは福島県の場合も同様です。

自治体職員、団体職員たちの焦りが、皇室に会津の柿を献上したり、ブータン国王夫妻に福島を訪問させたりと、思わず顔を赤らめてしまうほどの愚行に走らせているのです。

ブータン国王夫妻の福島訪問では、福島の児童たちが利用されました。
他国の王様を福島に呼び寄せる前に、福島の子供たちを安全な場所に避難させることが先決です。

福島の自治体の首長たちの本音。
あくまでも「避難させない」です。


彼らは、鬼になって、自治体の財政を破綻させないために、福島の子供たちを「人質」にすることを選んだのです。

このような手段を選ばない福島県の知事、福島市の市長、その他福島県内の各自治体、その首長たち、教育委員会、スポーツ振興団体、観光協会、地元のメディア、これを後押しする企業のスポンサード…。

こうした連中の“努力”も虚しく、福島県の税収減は止められないでしょう。

福島県内の広大な地域の路線価格は、ゼロ円、もしくは30%減、もしくは半分以下になってしまいました。
当然、固定資産税などの税収は激減です。

金融機関は膨大な担保割れ物件を抱えることになります。新たな地方債や市債などを引き受ける余地などなくなってしまうでしょう。

復興のビジョンなきまま、「幻の復興」に突っ走る福島県。
束の間の夢を見たいがために、福島の子供を避難させないことを選択したのです。

今の首長たちは、早くこのことに気づき、まずは全国の人々に、そして世界の人々に、己の無知によって、放射能被曝させる片棒を担がされたことについて謝罪すべきです。

彼らは、何を言っても無駄です。
彼らこそ、原発を東電に頭を下げてまで誘致し、3号機のプルサーマル稼動を了承した人々なのです。

そこから初めて復興へのレールに乗ることができるのです。

その復興とは、どんなことか。

除染事業は、完全に原子力ムラのハゲタカ連中の食い物にされます。すてへに利権化しています。いずれ、頓挫します。
都市部の除染は、定期的に必要ですが、それ以外の土地での除染は不可能です。

除染に必要な事業費の総額が数百兆円だとか、無邪気な原発学者たちが勝手なことを言っているのですが、そんな野放図なことをやれば、国が破綻することは確実です。

福島県の被災対象者から中間処理施設の用地とその周辺の広大な土地を国が買い取り、まずは瓦礫・廃棄物の中間処理施設の建造を進めることです。

そして、実験的に小規模な焼却炉を建造し、実際に放射性物質をテスト焼却して、性能の良いバクフィルターの開発に着手すべきです。

それなくして、福島県の農業の復活など、100%不可能です。ありえないのです。

まずは、転地永久疎開を前提に、原発被災者から土地を買い上げ、さらに一人当たり1千万円程度補償した上で、代替地を用意しても、除染事業費の数十分の1で済むのです。
そのほうが子供たちの安全は、より高いレベルで確保されますし、日本の経済の観点から言えば、内需が大いに刺激されます。

なぜ、それをやらないで、“檻に閉じ込めた子供たち”に、ブータン国王夫妻を訪問させるのでしょう?

除染事業に群がり始めた学者や、学者が引っ張ってくる業者たちも、結局は佐藤雄平氏や瀬戸孝則氏と同じ臭いのする人々に過ぎません。

彼らは決して「福島の子供たちを早く避難させろ」とは言わないのです。

こんなことから、自治体職員、教育委員会、観光協会などの諸団体などは、佐藤雄平氏の「福島を復興させよう!」の号令一下、すぐに一枚岩になることができるのです。

しかし、「福島の復興」は佐藤雄平氏や瀬戸孝則氏、そして国が段階的棄民措置を進めるための虚構に過ぎません。それは、国にとっての時間稼ぎです。
このことが、誰も分かっていないのです。

福島県では、学校給食を食べない児童の親御さんを職員室に呼びつけて、「国が安全だと言っている給食を自分の子供に食べさせないなど非国民だ」と言っている教師がいます。

その教師に、こう質問してみればいいです。
「大勢の生徒の命と、自分の退職金と、どっちが大事なの?」と。





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