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『Call of Yeti (イエティの呼び声) 』

★このページは『Call of Yeti (イエティの呼び声) 』総合ページです。情報は随時更新されます。

お久しぶりです。Power9Gams ナインです。

2024/11/19,20 に開催される「ゲームマーケット2024秋」にて 『Call of Yeti (イエティの呼び声) 』 を頒布します。
今回は11/19日(土)のM02ブースでの頒布となります。
Pab_CofYbox00.jpg

Call of Yeti (イエティの呼び声) は3-5人用でプレイ時間約20分の「ビッド式トリックテイキングゲーム」です。

4種類のUMAカード(ツチノコ、モスマン、チュパカブラ、イエティ)がAから12までの12種類と
特殊カード(コーヒーこぼした!)があります。
CofYCard.png


プレイヤーは配られたカードをみて、今回配られた11のイエティで勝てそうだから2のイエティを伏せよう。などと考えながら
勝てる予想回数と同じ枚数のカードを伏せて、手札を作ります。

リードプレイヤー(最初にカードを出すプレイヤー)は、
イエティは実在、します!(イエティを出す場合)と宣言し、
他のプレイヤーは手札に宣言されたUMAがあったらそれを出さなければいけません。

もし宣言されたUMA(この場合はイエティ)が手札になければ、好きなカードを出して構いません。

全員がカードを1枚出したら勝負。
イエティはとても強いUMAなので、イエティがいたらそれ以外は脱落。
イエティがいなければ、宣言されたUMA以外は脱落して、数値で勝者を判定します。

数値は基本大きな数値が勝利しますが、同じUMAのAと12が同時に出た場合はAが勝利するので気を付けましょう。
勝利したプレイヤーが今回出したカードのみ、勝利予想の列の下に並べておきます。

これを手札が残っている最後の一人になるまで繰り返し、終わったら勝利予想カードを全て表にします。
・勝利予想カードのUMAと、実際勝利したUMAでペアが作れたら、ペアごとに1点
・勝利予想の枚数と、実際に勝利した回数が同じだったら、ボーナスで3点
を獲得できます。

これを人数分繰り返して、最も得点が多かったプレイヤーが「最優秀UMA調査員」となり、勝利します。

詳しいルールは以下のリンク先からマニュアルを参照してください。

https://blog-imgs-174.fc2.com/p/o/w/powernine/rule_jp_CofY.jpg

rule_jp_CofY.jpg

English Manual is Here!
https://blog-imgs-174.fc2.com/p/o/w/powernine/rule_en01_CofY.jpg

rule_en01_CofY.jpg




◆内容物
CoYコンポーネント写真
UMAカード 50枚
・イエティ、ツチノコ、モスマン、チュパカブラ がそれぞれAから12まで
・特殊カード(コーヒーこぼした!) が2枚

石膏カード 5枚 (スタートプレイヤー決めに使用)

得点チップ 35個
・1点チップ 20枚
・3点チップ 15枚

◆プレイ人数 3-5人(人数によって使用カード変動)
◆プレイ時間 20分程度

ゲームマーケット2024秋価格
2,500円

販売ブース ゲムマ土曜日(2024/11/19) 土-M02 にて!

★★★★ 取り置き予約はコチラから! ★★★★
https://forms.gle/SQpymE1zEr5ZiUkG7


「春待ち村」制作ノート

この記事はBoardGame Design Advent Calendar 2023 の7日目の記事として書かれました。

どうも。アドベントカレンダーから読まれている方も多いと思います。
当サークルはPower9Gamesと言いまして、2012年のゲムマから参加している、気づけば長いことゲーム制作をしているサークルです。
代表作としては「ドラゴンズストーン」とか「ひつじとどろぼう」といったカードドラフトゲーム。
最近は小規模でチャレンジなゲーム制作が多く、どうぶつフィギュアが36種入った「アニマルビンゴ」とか
ビーチボールの地球儀上にマステで航路を描いて地球一周する「ワールドバケーション」とかを制作していました。

今回はゲームマーケット2023秋の12/9(土)にチャック横丁10にて、新作「春待ち村」をリリースしますので、
この「春待ち村」の制作ノートをまとめたいと思います。なんかめっちゃ長いテキストになったので、お暇な時にでも。

それでは早速。

「春待ち村」制作ノート


◆棚に眠り続けていた「オートチェス」のモック

 まだ「春待ち村」の影も形もない2年前くらい、
 オートチェスをアナログ化したゲームを作りモックまで進行して停滞していました。
 ※オートチェスはPCで流行したゲームデザインで、キャラを集めてコロシアムで殴り合う感じのゲームです。

 ゲームシステムはかなり直球なオートチェス。バトルロイヤルでだんだんと脱落していくゲームでした。
 オリジナル性が強い部分としては、キャラ購入がリアルタイムに早い人がメリットタイルが先に取れる点。
 (ウボンゴのパズルクリア後にポーン取るみたいなもの)
オートチェスモック
※ちゃんと遊べるモックになっているが、停滞中。

 このモックは遊んでもらって「楽しい」と感想ももらえていて、デベロップを進めればゲームになる感触はあったんですが、
 なんというか「足らない」感があり、手が止まっていました。そこから長年放置・・・

 そして今年、オートチェスを落とし込んだと言われる大ヒットゲーム「チャレンジャーズ」が登場しました。

 バトルルールの「7種目がベンチに行ったら敗北」があるデッキ構築は明らかに「発明」で、
 オートバトルは賛否両論になりがちだし、座席の入れ替えも煩雑さがあるのですが、
 やはり「発明」の魅力はとてつもなく強く、自分含めみんなチャレンジャーズに惚れてしまう魅力がありました。
 
 チャレンジャーズをプレイして逆に理解できたのは、自分の作っていたオートチェスにはやはり「発明」が足らない。
 そこを乗り越えられれば制作に前向きになれそうですが、発明はそうそう生まれるものでもない。
 そうしてオートチェスのモックは引き続き棚の中にしまわれるのでした。。。


◆天啓! 「春待ち村」=「オートチェス」+「環境サバイバル」+「バックパックバトル」!?

 ゲームマーケット2023秋にはチャック横丁として参加申請していたのですが、
 今回のゲームマーケット2023秋まで1.5か月前くらいに開催される
 10/28のテストプレイ会に持ち込むゲームが、無い。

 最近のゲムマではビーチボールのガチ地球儀を使った「ワールドバケーション」や「アニマルビンゴ」などを
 ゲムマの1~2か月前くらいに発案して、パッとゲームを作り上げてきたのですが今回はどうにもプランがない。

 困った。。。と、テストプレイ会の週に柄にもなく公園を歩きながら考えていたら「天啓」が。
 オートチェスのテーマを大規模に変更して、別のゲームに組み上げ直せば良いのでは!

 オートチェスはプレイヤー同士の対戦なのでガチ戦闘が嫌いな人からは避けられやすい。
 協力というか、直接対戦しない形での脱落ゲームは作れないか。。。作れそう!
 厳しい自然環境というシステムとプレイヤーとの対決にすれば、全然違うテーマで脱落型対戦ゲームが作れるぞ

 というわけで唐突に「オートチェスが極寒の雪山サバイバルに置き換えられる」という方向性が誕生。
 脳内のイメージではフロストパンクとか、マインクラフトの雪山などが浮かんでいました。

 次はゲームシステムです。
 ちょうどPCゲーム(steam)でBackpack Battleという荷物整理対戦ゲームや、
 同種のBackpack Heroが流行っており、自分もそこそこ楽しんでいました。

 この「荷物を整理する」という要素を、昔から作ってみたかったジャンルである「タイル配置」に消化し、
 『空中庭園』のようにタイルを重ねて配置してリソースを確保するのはどうだろうか。

 重ねるタイルを「部屋の増設」に見立てて、外気が入らないように工夫して部屋を増やしていく…
 ゲームプレイを想像してみると、悪くなさそうです。

 ゲーム的な豊かさ(パラメータや考えどころ)は担保できそうでしょうか?
 極寒との闘いということは、パラメータとして「暖かさ」を用意できそう。
 もともとのオートチェスの対戦で負けたプレイヤーがダメージを受ける要素は「武装が低い人はオオカミに襲われる」として、
 2種類のダメージ源を用意したら、プレイに振れ幅が作れそうです。
 オートチェスでの「手札の購入/引き直し」などで使うお金の要素の活用として、お金を稼げるパラメータを用意。

 これでまだ3要素。もう少しパラメータが必要そうです。
 オートチェスで言う「場のユニット数の増加」にあたるような、お金でパラメータを増強する手段として「労働者」をつくり
 この「労働者」が必要とする要素として「食料(のちに肉)」。

 これで4要素。あとはゲーム的な拡張として「カードドロー枚数増加」と「ライフ増加(後になくなります)」で6要素。
 これだけあれば、いくつかの要素を伸ばしていくタイル配置ゲームになりそうです。

◆仮のモックを用意して、プレイを空想する。

 タイルは、これも自分がモックまで作って止まっている「ミニシビライゼーション+カタン」ゲームで採用している
 1タイル4マスでモックで作ることにしました。MTGのカードのスリーブに四角い紙片を入れてタイル替わりにします。

シヴィカタンモック※こんなやつ。


 試しにタイルを配置しようと思うと、最初にどこに置くべきか。とっかかりがありません。
 なので9マス(3x3)の基礎ボード(のちに屋敷ボードとなる)を用意してそこから拡張していく形にしました。
 
 タイルには金額を記載して、その額を払って配置する形に。
 引いたタイルが嫌ならお金を払ってタイルの引き直しができるように。
 そして、お金が余っていたら利息をもらえるように。
 ここらへんの要素は「オートチェス」でやりたかったシステムを採用しています。

 次はプレイヤーを脅かす雪山の脅威をどうやって発生させるか。
 緩すぎたらサバイバルにならず、厳しすぎても対抗できません。

 ちょうどサイコロが手元にあり、モックとして準備しやすかったこともあり、
 大自然の理不尽さの表現として、完全にランダムなランダマイザであるサイコロをまず採用してみることにしました。

 サイコロを振って出た数値の寒さ(吹雪)が襲い掛かり、同数の暖かさが無いとダメージを受ける。あり得そうです。
 とはいえ、1~6のランダムというのは振れ幅が大きすぎ、最大6倍の数値をコントロールしなければいけません。
 そこでサイコロの1と2は「オオカミ襲来」として、3~6を「吹雪」としました。これなら吹雪の揺れ幅は2倍で済みます。
 (後にオオカミはサイコロ1と6に変更になります)

 ここまではモックを、ルールも適当に置いたりなんだりしながら検証、検討しています。
 ざっと全体のルールは不整合なく整った感じがします。ではモックプレイしてみましょう。


◆モックを作って1人で4人プレイを繰り返す…

春待ち村モック
 次の段階ではモックを作って1人で4人分をプレイして検証していきます。
 やはりプレイしてみるとルールが緩すぎたり、煩雑なところがすぐわかってプレイが止まります。

 初回のゲーム終了に行く前に、いろんな調整が発見されます。
 ・手札5枚は煩雑すぎる。3枚でよさそう。
 ・タイルのパラメータ(アイコン)がガンガン増えるので配置制限が必要。⇒連結最大だけを見る形に変更
 ・労働者の使い道が難しい、わからない ⇒ 最大連結ルールにすることで、労働者は「オールマイティー」にして対応。
 ・「暖かさ」が十分に溜まると脅威がなくなる ⇒ ゲーム進行に合わせて吹雪の増強が必要。サイコロ振る回数が増えていく仕組みを追加
 ・タイルに「壁」が少ないタイルが使い道がない ⇒ タイルの壁の総量を増やす(この対応は以降も何度も繰り返すことなる)

 ガンガンとゲームを調整ながら1人で4人プレイを続けていくと、なんとなく整いました。

 あ、ゲーム名を決めていない。とりあえず「雪山サバイバル」として…
 これで、明日のテストプレイに挑みましょう。


◆テストプレイでの感触とランダマイザの扱い方

 テストししてくれるプレイヤーはそれぞれ自分のサークルでゲームを作っているような猛者ぞろいなのですが、
 結論から言えば、かなりの良感触でした。

 ゲーム全体のプレイ感覚、雪山サバイバルというフレーバー、両方ともスッと受け入れられました。
 ルールの不整合の指摘や、細かいルールの不整備によってわかりづらい点などの指摘も貰い、その場で調整していきます。
 この時点のルールでは労働者が非常に強く、労働者が多いとデメリットになる部分が必要になりそうでした。

 モックのタイルがMTGのカードに四角い紙片なのでとても遊びずらく、次は四角いカードを用意する必要がありました。
 幸い(?)我が家には厚紙とシールプリント用紙と裁断機があります。シールプリントに印刷して厚紙に貼ってカット! 
 これ以降のモックは厚みのある紙製タイル状で行っていきます。

 テストプレイ参加者に必ず聞きたかった点は「サイコロ」についての感想
 このゲームはラウンド最後に「サイコロ運」に任せる部分があり、いわゆる「最後に運試しが発生するゲームはクソゲー」的な
 ゲームデザインの教科書だったら「避けるべき」と書かれるシステムを搭載しています。
 例えば「テーベ」で袋から遺物を引くか。砂を引くか。等に近い「結果ランダム」です。

 春待ち村では、プレイヤーの意思で先に「部屋を配置」して、サイコロの目に備える事ができるので、
 結論として「サイコロ運ゲー」というよりも、「不確定な脅威」として認識して貰えているようでした。

 この部分は今回襲ってくる大自然の脅威を先に明示すれば緩和できるとわかっていました。
  ・先にサイコロを振ってから、タイル配置を行う
  ・サイコロの代わりに脅威デッキを作り、先に公開してからタイル配置する
 等ですが、この場合は「予定調和的に脅威が先に見えて」いるのでタイル配置の計画は立てやすくなる一方で
 理不尽な脅威が襲ってきた。という感触はなくなってしまいます。

 テストプレイ参加者全員が「理不尽だけど、酷い運ゲーという感触はない」という感想で、
 サイコロを振って一喜一憂。という瞬間的な楽しさを納得できる形で実装できたかな。という瞬間でした。


◆テストプレイは続く続く続く

 初回のテストプレイの好評も受け、自分1人で4人や3人のテストプレイを延々と繰り返してバランスの調整。
 時には家族3人でプレイしたり、開催されるテストプレイ会にまた参加させていただいてプレイ。
 そのたびに調整を繰り返していきます。

 テストプレイが進むにつれて「使われない部屋タイル」が分かってきて、
 特に「配置難度は高いけど恩恵が高い」と想定して作ったタイルが使われずにゲームが終了しているとわかりました。

 シンプルに考えると、こういう特殊でちょっと使いずらいタイルをすべて排除して簡素なタイルのみにすれば良いのですが、
 プレイから揺れ幅や驚きを奪ってしまう側面もあり、ごく一部だけ残す形で調整していきます。

 テストプレイ会では1人用のルールもあるとよいのでは?という提案も貰い、ルールを追加して
 1人でソロプレイをするテストプレイも繰り返していきます。
 1人で複数のソロプレイ卓を立てて同時にプレイするのは初体験で、謎に笑いがこみあげてきました。


 テストプレイを重ねて見えてきた問題として、ゲームの最初のラウンドの資源が弱すぎて過酷すぎる点がありました。
 最初からきつ過ぎて、盛り上がり少なく死んでしまう。あまり望ましいプレイ体験ではありません。
 可能な限り「最初はちょっと緩いけどどんどん厳しくなる」という体験がベストです。

 最初の9x9マスは当初空欄でしたが、ゲームの第1ラウンドでのタイル配置の指標が足らないことに気づき
 角の4マスに資源を配置する形へ調整しました。この変更で食料(肉)の初期値を持たせられたので、
 最初に1体「労働者」を無料で置けるようにし、「労働者」のチュートリアルとしながらも
 初期資源を豊富にすることで初期難易度の問題が解決できました。

 労働者が強すぎた点については「オオカミ襲来時に段階的に食料(肉)が減る」要素を追加することで
 調整ができるようになり、強いけど状況次第でリスクにもなりえるというバランスへ調整ができました。

 この他にもこまごまといろんなルールが統廃合されていきます。
 サイコロ複数回振った時の挙動や、タイル配置ルールなどなどなどなど。
 短期間ながら毎日、何なら1日に複数回モックを作り直してテストを繰り返します。


◆そして帳合へ

 ゲームバランスも問題ないだろうという所まで調整し、
 制作者が全員辛いというマニュアルライティング。(チェックして下さった皆様ありがとうございます!!!)

 タイルは名刺印刷の変形で正方形のカードを大量に印刷。9x9のボードはハガキ印刷で。
 同梱物として、労働者コマが16個、ライフ管理用のハートコマが12個、他にもサイコロや木製クリップ。
 やたら多いコンポーネントを詰め込み、カードを帳合して。箱詰めという名のチャック袋詰め。
 なんとかゲームマーケット前に発送することができました。

 デベロップ(ゲーム開発)期間は実質一か月くらい。これは誇るべき所ではなくてもっと時間をかけて良い部分です。
 元々あったオートチェスは「発明」が生まれれば形になるかもしれませんが、
 同じ種から全く別種の「春待ち村」を誕生させることができました。

 ボードゲームの印刷所さんを使ったり、アート制作にじっくり時間をかけるのであれば
 当然もっと前から準備をするべきところですが、今回はなんとか全てが間に合った。というところで。


◆ゲーム情報です。

 そんなわけで、「春待ち村」は ゲームマーケット2023秋 12/9(土) チャック横丁 10 にて 2000円で頒布いたします。
 取り置き予約も下記URLで行っておりますので、お気軽にお申込みください(待っています!!)

★「春待ち村」取り置き予約

春待ち村パッケージ
春待ち村内容物
※内容物一覧 

◆振り返って、まとめ

 近年は仕事や私生活の忙さなどにも負けて、切れの良い小作品を短期間で作る。という方向になっています。
 そういう方向でのノウハウであったり、経験値もだいぶ溜まってきたかな。という印象です。
 特に今回の「春待ち村」をまとめられたのはスキルアップを感じたりしています。

 この制作ノートを書くことでも、また客観的に振り返ることができて経験値が稼げてる感がありますが、
 「春待ち村」を通して、自分の制作ステップを振り返ってみます。

◆制作ステップ

 ①コンセプトを明確にする。
  今回ならオートチェス型のゲームの変奏としての「大自然サバイバル」というコンセプトを立てる
   ⇒コンセプトが弱い、または不十分だと以降のステップのどこかで詰まる/辞めたくなるので大事。

 ②アイデアを形にするためのパラメータ、ゲームプレイを妄想する
  どんなゲームプレイをするゲームなのか。そのプレイを実現させるだけのパラメータ種別が担保できそうか。これは制作の経験値必要かも。
   ⇒BackPackBattleのイメージを引用したり、「空中庭園」のタイル配置に近いルールを想像したり。ルールのキメラ化がここら辺で規定されてます

 ③未完全なモックを作って妄想を具現化していく
  ルール未整備のままカードを並べて、カード配置を悩ませたいとか、ここでジレンマを持たせたい。という体験をどういうルールで具現化するか検討
   ⇒ここでゲームを遊んだら「どんな気持ち」を「どのタイミング」で発生させたいのか検討しておくのが大事。いわゆる体験設計の妄想具現ステップなのか?

 ④モックを一人でプレイ。納得がいくまで直す
  モックになるまで具現化が進んだら、ゲームとしてちゃんとプレイしてまず自分がゲームを体感します。不明瞭な部分が無くなるまで、遊べるものになるまで詰める。
   ⇒ここからはゲームルールの整備に近い印象。モックにすると不自然/不可解なルールを整備しなきゃいけいないので必要なステップ

 ⑤外部テストプレイと内部テストプレイのキャッチボール
  自分以外の人に遊んでもらうことで、多視点からの検証。プレイヤーがドヤ顔したり、あー!と言ってしまうシーンが生まれているか。
   ⇒主に確認ステップかも。ここで違和感が明確になる事も多いです。基本的な矛盾の見逃しやルールエラーがある場合もあり、比較的時間をかけたい所。

 ⑥マニュアルとか、梱包物の手配とかマジ大変な事務的だけど手を抜けない対応
  十全なマニュアルが無いと遊ぶこともできないので、ここはもう必死。梱包は結構楽しかったりする。
   ⇒大変だけど、もっと大変なのは広報とか設営用の準備諸々なので並行してそちらも大変

 なるほど。こんな風に作ってるんだな。自分。

 「春待ち村」はとても順調に作れましたが、どのステップでも自分が違和感を覚えたら、前述のオートチェスゲームのように製作は途中で止まってしまいます。(すみません)
完成度が高いものだけ製品化している。とも言えますが、完成度というよりも作者の主観での納得度。な気もします。
 「アニマルビンゴ」「ワールドバケーション」もかなり順調なパターンでしたが、これらはコンセプトの時点で完成品のイメージがかなりできていたとも言えます。
 コンセプトの段階で遊んだ時にどんな気持ちになる場面を、どのように発生させるか。まで明確になっていると途中で頓挫しにくい印象ありますね。
 次回作の案出しに生かそうと思います。

 では、みなさんのゲーム制作に何かのお役に立てることを祈って。


 

『春待ち村』

★このページは『春待ち村』総合ページです。情報は随時更新されます。

お久しぶりです。Power9Gams ナインです。

2023/12/9,10 に開催される「ゲームマーケット2023秋」に 『春待ち村』 を頒布します。
今回は12/9日(土)の チャック横丁 10 ブースでの頒布となります。
春待ち村パッケージ

春待ち村 は1-4人用でプレイ時間約30分の「タイル配置&環境サバイバルゲーム」です。

各プレイヤーは「屋敷シート」を持ち、部屋カード配置して屋敷を増設していきます。
屋敷には「収入」「暖かさ」「食料(肉)」「ナイフ」のアイコンがあり、部屋を増やしてアイコンを増強することができますが
「大自然の脅威フェーズ」では、吹雪やオオカミが襲い掛かり、体力を奪っていきます。

だんだんと強くなる大自然の脅威の前に、徐々にプレイヤーは脱落していきます。
あなたは最後の生存者となり、無事に春を迎えることができるでしょうか?

◆内容物
部屋カード 60枚
屋敷シート 4枚
資金カード 4枚
マスターボード 1枚
冬の週マーカー 1枚
サイコロ 1個
労働者コマ(木製ポーン) 16個(4色x4個)
ハートコマ12個
木製クリップ 5個

◆プレイ人数 1-4人(1人用ルールあり)
◆プレイ時間 30分程度

ゲームマーケット2023秋価格
\2,000円

◆取り置き予約を開始いたしました!
春待ち村 取り置き予約申し込み




以下、モックでのプレイ風景

春待ち村モックプレイ風景2
春待ち村モックプレイ風景1

~ ゲーム紹介について、適宜追加していく予定です ~


◆ゲームマニュアル(第1稿)を下記で公開しています。

春待ち村 マニュアル

内容修正がありしだい、こちらも反映していきます。


よろしくお願いいたします。

ゲームの「基礎ルールの穴」とその調整方法について

この記事はBoard Game Design Advent Calendar 2019に寄稿するために書かれた
デザインについての簡単なコラムになります。

どうも。Power9Gamesのナインと申します。

過去作では「Dragon's Stone Revised」や
ひつじとどろぼう」(ペガサスシュピール様から海外で「Sheep & Thief」として出版されました)があります。

中量級以上はドラフトゲームばかり出しているため、ドラフト特化デザイナーと思われがちなので(笑)
今回はちょっとドラフトから離れて、制作関連のコラムみたいなものを書いてみたいと思います。

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ゲームの「基礎ルールの穴」とその調整方法について
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■ゲームの「基礎ルール」の穴とは?

ゲーム作成のスタートはいろいろなパターンがありますが

・自分が好きなゲームのアレンジ版を思いついた
・2つのゲームのこことここを繋げたら面白くなる気がした
・たまたま、面白いネタをおもいついた

など、唐突に「ゲーム」が出来てしまうこともあります。
良いことです(笑)が、問題は
出来てしまった「ゲーム」をどう評価するべきなのか。

これは結構難しい問題で、自分が世に出していないゲーム案の中でも

・他の人にすごく褒められてるゲーム

・他の人はニガめな顔をするけど自分ではそんなに悪くないと思ってるゲーム

があります(笑)

同人ゲーム制作なので、
ほかの人のリアクションなんか気にせずに作ってしまえ!
というノリも良いのですが、ゲームを出した後なってから後悔するのは(制作コスト的にも)
もったいないので、制作中に自己チェックできる方が良いでしょう。

いわゆる、テストプレイと検証です。

ただ、制作者自身というのは「このゲームが面白い」と思ってゲームを作り上げているので
ゲームの悪い点を気づけなかったり、過少評価しがちです。

そんなわけで、ありがちな「バランスミス」や「考慮抜け」に当たる項目を列挙してみたいと思います。


■注意すべき、ルールの穴の列挙

・マニュアルやカードの表記がわかりずらい
 ルールには正しく記載していても誤解を生む可能性があるデザインだと、
 直観的に誤ったプレイをされてしまいがちです

・特定のカード(能力or役職or機能)を使った人が必ず勝つ

・特定の役職を使った人が勝つことはありえない

・特定の戦法を使った人が必ず勝つ

・得点で先行した人が必ず勝つ

・先手番(もしくは特定手番)の人が必ず勝つ、もしくは特定手番の人に勝機がない

・特定の人数でのプレイ時に、公平でない状態になる
 陣営戦があるゲームで奇数プレイを許可している場合にありがちです。

・最後に運の要素強めに影響して勝者が決まる
 最後に大きな勝利点が入る要素がある場合、その中で最高の建築物を建てた人が勝つ。などはありがちです

・誰かがちょっと特殊なプレイの仕方をするだけで、ゲーム全員(全体)の体験が壊れる
 「モダンアートで相場観が違う人が1人いると場が荒れる」問題などもありますが、
 ごきぶりポーカーをカードを見ないでプレイする人と同卓しても体験は壊れてしまいます。
 ルールに「見る」ことを明記するなど、対策を考える価値はあります

・ルールの意味がわからない
 過度に複雑なルールになっていて理解がしずらいケース、能力語が世界観に寄りすぎてわからないケースがあります
 特に能力語は、1つ2つくらい入れるのはなんとかなりますが、多数入れた場合は混乱の種になります

・作戦を考えてプレイできない
 各手番で、自分で「考えて」「決断する」だけの自由度があること。
 これを軽視するとドロー運などの「手なりで進めるだけ」と感じてしまって、面白く感じにくくなります。
 ※ライトなゲームにしたり、フレーバーでノリを求めたり、等で対策はできます

・過度な考えすぎを生み出す状況が発生しやすい
 将棋のようなランダム性が低いゲームになると、手番の先読みなどで長考が発生しやすくなります。
 考える価値があるのは良いのですが、深い思考を連続で強いると、プレイヤーの疲労度は格段にあがりやすくなります

(他にもいろいろあると思いますが、思いついたものを列挙した。という程度で)

■「注意すべき点」を最終評価するのは誰か?

注意すべき点を読んでも、ピンとこなかったり
自分のゲームは関係ないな。的に感じる制作者も結構いると思うのですが、
さきほど書いた通り、制作者自身はこの「注意すべき点」を軽視しがちです。

自分のゲームはちょっと初手番の人が強いかもしれないけど、そういうゲームだから。

といった風に、制作者自身は意外と納得というか、
そういうものだと理解したまま進行するパターンは多いと思いますが、
この「注意すべき点」を評価するのは、完成したゲームを遊ぶプレイヤーです。

しかも、そのプレイヤーが遊ぶときに制作者自身はアドバイスもできないし、何も関与できませんし
1日に同じゲームで何度も遊んでくれることはめったにありません。

プレイヤーがあなたのゲームを「競技的なゲームだろう」という先入観で遊んで「初手番が強い」という印象を受けると、
「これは初手番が強いゲームなので、手番決めでゲームの8割が決まります」
というような評価につながってきます。

なので、「注意すべき点」とは制作者であるあなたが注意するべきというより
遊んでくれるプレイヤーにどう思われるのかを、注意すべき点です。

こればかりは、熟練のゲームデザイナーでも見落としたり、軽視したり、チェックが抜ける事は多々あります。
なので他の人との確認「テストプレイ」をして検証しておく必要がでてきます。


■確認「テストプレイ」とは?

通常の制作中のゲームの「テストプレイ」では、
・ゲームのここの部分が気になる
・こういう部分をこう変えたらどうか

といった、ゲームルールの中身についての意見が出ることが多いと思うのですが、
自分の経験上、ゲームの内容への意見に集中しすぎた結果
注意すべき点の項目をスルーしてテストプレイが行われて、
最後まで気づかれないままになってしまう事も結構あります。

それらの意見を受け取るのと同時に、注意すべき点であがった項目についても
直接聞いてみて、どう感じたか感想をまとめておくのをオススメします。

これは気になる項目だけでも良いので、初期のテストプレイだけではなく
テストプレイをやるたび常に確認する。ぐらいの方がよいでしょう。

ではここで見つかった問題点はどうすればよいのでしょうか。


■分かった問題点をどう調整するか

問題点の内容によっては、仕組み的に解決できるものも多いと思いますが、
解決の仕方はゲームによってどれが望ましいのか、変わってきます。

例えば「先手番の人が勝ちやすい」が問題のときの解決方法は

・先手以降の手番の人に少しずつ初期得点を配布する
・先手番だけ初期資源がちょっと少ない
・先手番だけ、選択できない行動選択肢がある
・次のラウンドは、先手番は必ず最終手番になる

などが考えられます。(もっとほかにもあるでしょうけれど)

ただ、どれを選んでもゲームの初期セットアップに1工程増えたり、
ゲーム開始時のタイミングだけの特別処理のルールが追加されたりします。

こういう形で A の問題を A解決ルール でふさいでいくのは
普通のアプローチに見えますが、この手法でゲーム制作を進めていくと
いつのまにか細かいルールが増えてしまい、あそびにくいゲームになりがちです。

なので、例えばゲームによっては

「先手番の人が勝ちやすい」が問題はあるが、
・ゲームのプレイ時間を短くして、あまり気にならないようにする

といった、ルールを追加して修正するのではなく、構造を変えて目立たなくするアイデアも重要です。

または注意すべき点ではあるものの、客観的に見てもそれほど考慮するほどの問題ではなく、
むしろ調整することで過度にルールを増やしてしまい、本末転倒になるケースもあり得ます。

そのため、この調整のタイミングでは
・原型の面白さを損なわない
・問題点を修正できるが、ルールが増えたり煩雑になったりしない
・可能なら「ルールを引き算して」問題点を修正できないか検討する
ことに留意しながら、調整を考えていく必要があります。

あとは、この繰り返しです。

■ループ&ループ

ここからは、テストプレイで出た「ゲームのルール本体」「プレイ体験」への感想を元に
ルールの調整 ⇒ 調整後の方が面白くなっているか ⇒ 調整後の基礎ルールに問題はないか
のループの時間です。

慣れてくると1人で4人プレイをするような、いわゆる1人回しでのプレイでも
基礎ルールの穴に気づきやすくなったり、ルール改変の勘どころがつかめるようになりますが
ゲームを最初に作った時などでは、遊んで、感想を聞く。以外の方法は無いと思います。

テストプレイでゲーム内容(体験)が良くなった!やった!!
と思っていたら、基礎ルールに穴ができていた。
もしくは基礎ルールにちょっと穴があると分かってはいるけど、
体験が良くなったからこれでよいだろう!

というのは、とてもありがちな所です。
ですが、ゲームをリリース後に
「そこをそんなに指摘されるとは思わなかった…」
という悲しみとなって跳ね返ってきてしまいます。

ゲーム本体のルールについては、
制作者のエゴの塊でも全然かまわないし、むしろそうあって欲しいのですが、
基礎ルールの穴はみなさまくれぐれもチェック抜けの無いように…

(自戒も込めて)

『Dragon's Stone Revised』(ドラゴンズストーンリバイズド)

★このページは『Dragon's Stone Revised』(ドラゴンズストーンリバイズド)総合ページです。情報は随時更新されます。

お久しぶりです。Power9Gams ナインです。

2018/11/24 に開催される「ゲームマーケット2018秋」に 『Dragon's Stone Revised』 を頒布します。
DSRV箱絵

『Dragon's Stone Revised』(ドラゴンズストーンリバイズド)

プレイ人数 2-5人(2人用バリアント入り)
プレイ時間 30-45分程度
ゲームマーケット頒布価格:3000円
ゲームデザイン:坂下裕一

※現在、ゲームマーケット2018秋、土曜日の取り置き予約を受け付けています。
 こちらからどうぞ!!

DSRV内容物

■物語■
深い森と険しい山に囲まれた平和な王国。9代目の王は病に伏せ、彼の子供達にこう告げました
「呪われた王冠の呪いを解き、財宝を持ち帰った者を次の王とする!」
あなたは王子/王女となり、次の王の座を目指して、他の王位継承者と財宝(ドラゴンズ ストーン)の獲得を競います。
王国の騎士達や城下町の商人達の協力を得て、ゴブリンやエルフを雇い、さらには邪悪な死霊術師や、恐るべきドラゴンさえも説得し、ライバル達を出し抜きましょう。
財宝(ドラゴンズ ストーン)を誰よりも早く集め、王位を勝ち取ろう!

■ゲーム概要■
キャラクターカードをドラフト形式で配布して、5枚の手札を作ります。
その後、各プレイヤー1枚ずつカードを使用するバトルを4ターン繰り返します。
この、ドラフト⇒バトル4回 を1ラウンドとします。

各バトルで最も強かったプレイヤーは財宝(ドラゴンズストーン)を獲得して、
誰かが財宝を5つ持った状態でラウンド終了を迎えたら、ゲーム終了です。
集めた財宝の色などで得点を計算して、最も得点が高かったプレイヤーが勝利します!



■キャラクターカード(色別で全種類掲載! ※クリックで詳細が見れます)
DSRV黒
DSRV赤
DSRV青
DSRV緑
DSRV黄

短時間で濃密な「ドラフト」を繰り返し遊べる、本格的な「ドラフトカードバトルゲーム」です。

■ドラゴンズストーンリバイズドの特徴
★初めての人でも遊びやすい「チュートリアル」付き!
DRSV_チュートリアルマーカー

カードの一部には『チュートリアルマーカー』がついています。
これらのカードを抜きだし、マニュアルに従うと1ラウンド目を「チュートリアル」としてプレイでき、
バトルの流れを学習しながらゲームを進めることができます。

★濃密な相互作用と、それを意識したドラフト
DSRVかーどいっぱい
キャラクターカードには「最強のカード」は存在せず、それぞれに必ず弱点となる相手が存在します。
ドラフト中は堅実なカードを選ぶか、強いが明確に弱点を持つカードを選ぶか。
はたまた、強いカードを罠として相手に渡しつつ、その弱点となるカードを確保するか。

カードそれぞれの濃密な相互作用と、それを最大限に感じられるドラフト形式のカードの配布を楽しむことができます。

★リバイズドでの変更点と、追加の拡張要素!
リバイズド版では、旧版から役半数のカード効果が変更/調整されています。
ゲームの楽しさはそのままに、旧版にあった「フラッグ」と「リードプレイヤー」の要素を廃止して再調整。
プレイ時に確認する項目を減らし、さらに手軽に遊べるようになりました。

また、拡張要素「王の勅命」が同封されています!
これは旧版の同名拡張の調整版ですが、
基本セットだけでのゲームに慣れてきたプレイヤー向けの拡張カードで
バトルで勝つだけではなく、ある種の「手役」を作ることで得点を伸ばすことができるようになります。
これにより、ドラフト中に何を取るかがさらに悩ましく、楽しむことができるようになります。

★ほかにも、遊び易さのために手厚く細かい要素がモリモリ…
・カードをスリーブに入れてもおさまるBOXサイズ(のはず)
・慣れた時にゲームを始めやすい「プレイ開始時のセットアップガイド」カード付!
・マニュアルの裏面はそのまま「ルールサマリー」として使用可能
・マニュアルのほかに「全カードリスト」が付属!
・TCGデッキボックスで持ち運びたい人向けに、セットアップガイドの裏面は「ボードの代わりになるデザイン」に!

↓マニュアル裏面のルールサマリー
DRSV_ルールサマリー
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プロフィール

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Author:u_1
坂下裕一
ボードゲーム制作サークルPower Nine代表。
海外ボードゲームが(一部売却後も)300個以上保有し続けてしまっているボードゲーム好き。
いつも「シンプルでままならない」ゲームをデザインする傾向があります。

公式Twitter:Power_nine

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