僕が天使になった理由(わけ) - LOVE SONG OF THE ANGELS. まとめ

シナリオ

恋が、2人からなにか大事なものを奪っていく。


「恋は人を幸せにする」と信じている天使と「恋は人を不幸にする」と信じている主人公の、恋愛群像劇。
OVERDRIVEらしいロックンロールは薄め。
天使の設定は「灰羽連盟」の影響が垣間見える。

共通ルートでは、6組のカップルの恋愛模様が語られる。
「好きな気持ちだけじゃ幸せにはなれない」という様々なエピソードは、なかなか興味深い。
私のお気に入りは、6話の小雪ちゃんのお話かな! 次いで、3話の美里と文子のエピソード。

しかし、1話完結モノなエピソードのせいで、メインヒロイン同士の絡みはほとんどない。
いわゆるギャルゲー的な「楽しい共通ルート」を期待するとガッカリするかも。

個別ルートでも、絵に描いたようなハッピーエンドになるお話はひとつもない。
何かを得れば、何かを失う。そういったリアリティが十二分に描かれている。
ハッピーエンドばかりでうんざりしている人には強くオススメできるかも!
この雰囲気は「闇色のスノードロップス」と少し似ているかもしれない。

個別シナリオ別評価
  奈留子 > みなも ≧ アイネ > 百合

奈留子ルートは、奈留子の可愛さが異常だった。
幼なじみ属性を持つ人はもちろん、そうでない人にも是非プレイしてほしい。本当に可愛いから!
シナリオ自体も良作。途中ちょっとグダった感はあるにせよ、読後感は抜群。

みなもルートは、ハッピーエンドのラスト、屋上のシーンがすばらしい。
ああいう爽やかに甘酸っぱいシーンは大好物です。
オナニーガールなみなもちゃんも、健気可愛いし!

アイネルートは、全ての設定のネタバレ。
これが予想の付いているものばかりで、オドロキ要素が少なく、やや退屈。
けれど、いつまでも純粋なアイネちゃんには癒されるかな。

百合ルートは、桃ちゃんのはっちゃけ具合の好き嫌いで評価が分かれそう。
私は嫌いじゃなかったけど、なんか読後感がべちゃっとしてたので、評価は低め。
桃ちゃんの心理をもっと綿密に追えば、イイカンジになったと思うんだけどな。

オススメ攻略順
  (百合 or みなも) → 奈留子 → アイネ

共通ルートでの返した欠片の数が少ないと百合ルート、中くらいだとみなもルート、多いと奈留子ルートに入る模様。
奈留子ルートにはネタバレが含まれているため、後回しがオススメ。
アイネルートは、他3ルートをクリアしてから、第6話で分岐する。

テキスト

シナリオライターは「DEARDROPS」の那倉怜司。
テキスト自体の読みやすさは普通。
日常シーンでの、アイネがネットジャンキーになったりするシーンは面白かった。
こういうギャグ要素がもっと多ければなぁと思わないでもない。

危惧していた、話のネタを物語にしていくスキルについては、アイネルートなんかではやはり気になってしまうところではあった。
じゃあどうするべきだったのか!?と問われても、なかなか難しいのだけれど……。
「天使になった恵唯奈」のエピソードとか、もうちょっと掘り下げてほしい感はあったかなぁ。

グラフィック

原画は「キラ☆キラ カーテンコール」「DEARDROPS」の藤丸。
絵は確実に上達していると思う。おにゃのこのファッションセンスも上がってるし。
今回は、上にだぼだぼなものを着させて、下はパンツのまま!っていうのが流行っていたらしい。
なるほど、いいと思います。

ただ、百合ちゃんとか、頭大きくない?とか気になってしまうところではあった。
なんだろう、私の勘違い……なのか?
いや、そんなことないと思うんだけど……。

一枚絵は、計90枚程度。
今回は、塗りが肉感的でエロかった。
軽いアヘ顔っぽいのもあったし、よだれや愛液といった汁物の描写も秀逸だった。
枚数的には少なくはないけれど、もうちょっとがんばってエッチシーンを増強してほしかったよ。

キャラクター
  奈留子 > リカ > アイネ > 小雪 > その他

奈留子の可愛さは一級品。
どこに出しても恥ずかしくない、自慢の幼なじみです。

無口系貧乳ロリなリカちゃんとの絡みがもっと欲しかったところ。
天使三人組は、結局誰とも絡めなかったしなぁ。
リカちゃんが攻略できるファンディスクを強く希望します。

アイネはやっぱり愛嬌があって癒されるね。
ヘッポコなのが庇護欲をそそられるし!

小雪さんは、私のNTR属性のツボを押してきてくれる女の子だった。
この清純派ビッチという属性がもっと二次元世界にも認知されればいいと思います!

Hシーン

少ない。とにかく少ない。
回数自体は全17シーンと、割と普通なのだけれど、共通ルートでのサブキャラ同士のシーンが描かれているせいで、メインヒロインにそのしわ寄せがきてしまっている。

メインヒロインのシーン自体はやや濃い目。
「おまんこ」とは言ってくれないものの、「おちんちん」は言ってくれる。うれしい
構図もエロいのが多くて、実用的だと思います。

ファンディスクでリカちゃんのエッチシーンをはよ!

声優

奈留子役・鈴田美夜子以外はマイナー声優ばかり。
でも、クオリティはそこまで低くないんじゃないかな。
ときどき気になる人もいないではなかったけど、減点評価をするほどでもない。

音楽

「キラ☆キラ」「DEARDROPS」ではパンクロック志向だったけれど、今作ではミドルチューンが多め。
個人的には、もっと疾走感がほしかったかも。
曲も劇中ではほとんど使われず、エンディングに詰め込んできている。
シナリオ上でもっと天使バンドを押してきて欲しかったなぁ。

オープニングムービー自体の出来は普通。
BGMも特筆すべきものはなかった。
これからの天使バンド「CaS」のCD展開に期待!

システム

必要十分。
おまけモードでの「CaS劇場」の遊び心は嬉しい。
しばらく放置してると、天使ちゃんたちがちょっとお喋りしてくれるのには気づいたでしょうか?

総評

音楽押しな異色のエロゲーブランド"OVERDRIVE"の送る、切ない冬の恋物語。
ご都合主義なハッピーエンドに飽きた人に強くオススメしたい。

全体の完成度はそこまで高くないものの、キラリと光るものが確かにあった。
いいところもあれば悪いところもある。
それらをならして、★3良作評価です。

余談、13年3月末に「キラ☆キラ 5th Anniversary Live Anime KICK START GENERATION」が発売される模様。
「キラ☆キラ」「DEARDROPS」のライブシーンをアニメ化したOVAなんだとか?
公式HPには、天使バンドCaSもクレジットされていた。
OVERDRIVEファンの私としては、こちらにも期待しちゃいます!
関連記事

コメント

非公開コメント