日本企業から出願される中国特許出願明細書は、①。権利は主張せず、②。発明はいち早く知らせてあげる、③。しかも直ぐに作れるように図面はやたらと正確です。実は、こんな美味い「ODA」があるとは知らなかったです。とにかく日本人は良い人だ!となっているのでしょう。中国で偽者作りをしている人はきっと嬉し涙を流しながら偽物の生産に励んでいると思います。大手を振ってネ、なにしろ日本人さんは「権利」を主張していないんだから彼らは自信満々です。
今のうちにどんどん儲けてください、と奨励しているようなもんです。偽物対策にしても日本企業は自社の売上が目に見えて落ちない限り、「ほったらかし」です。そのときは、すでに手遅れで末期がん状態です。其の企業の余命は2-3年しか残されていないです。会社が頓死するまでに停年で逃げ切れる人は良いけど、安心はできないです。なぜなら会社が潰れたら企業年金なんて出ないですからネ。
中国で偽物をつくる人は大変アタマが良いです。まず日本企業が進出している市場での商売は避けます。彼らは特許法の無い国とか特許におおらかな国から商売をしていきます。そのうち日本企業が進出している市場に低価格で殴り込んできます。そこで日本企業さん売上が落ちて、やっと偽物対策を打ちますがモグラたたきのスパイラルに嵌ります。日本企業さん、更に売上が落ちて今度は新興市場を開拓するでしょう、ところが既に彼らがバッチリと知財、販売ル-ト、価格まで押さえています。つまり敵さんに先回りされているわけです。災いの根が小さい時から芽をシッカリ摘んでおかないと駄目です!それには根元である中国で早くから芽をつむことです。いかに中国特許明細書の質と速めの侵害調査が必要か、がわかったでしょう
ここで中国特許明細書の翻訳者からの川柳「大笑い、中国翻訳、泪が出る」、日本企業のいい加減、無責任、ノ-テンキを嘆いているわけです。この方はもうヤケクソに翻訳しているそうです。こんな面白い翻訳を紹介してくれました。こんなのは序の口でとても「可愛い笑い話」だそうです。
例1.審査官の指定:例)AはBを含む、についてなにを含んでいるのかハッキリさせてヨ
日本語の含むは、中国語では「隠含」となるらしい、現地中国特許事務所の対応は、AはBを隠している、なにを隠しているのかハッキリさせてヨ、と連絡。中国では「含む」ということは「隠れている状態」と同じ意味と解釈するらしい。日本のクライアントは、私はなにも隠しごとはしていない、審査官に身の潔白を証明してヨ!。これでは幾らやり取りをしても、おたがい意味不明で解決不能です。(以下、例2、例3は省略します)。
てなことで余りにも問題が大きすぎます。そこで弊社では中国知的財産サ-ビスセンタ-を開設して、ベテラン中国弁理士と発明者が日本で打ち合わせしながら中国特許明細書を作成するビジネスモデルを構築しました。単なる翻訳をしているのではありません、中国特許明細書を作成しているのです。ただし手作りで量産が効きません。ですからやる気のある会社だけへお手伝いするようにしています。質に無関心で納期とコストしか興味の無い、やる気の無い会社からの依頼はキッパリと!お断りしています。それから中国知的財産権侵害調査も北京アイア-ルでやることにしました。ニセモノ退治の専門家が入社しております。(矢間伸次)