アイコン 官庁工事受注▲19%減、変わって民間増加 スーパーゼネコン4社の3月決算

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官庁工事が減少していると多くのゼネコンが決算で表明しているが、スーパーゼネコンである大林・鹿島・清水・大成の4社(竹中は官民の区別がなく省く)の2016年3月期の期中の官庁工事の受注額(単体)を調べてみた。

4社合計の総受注額は、前期より▲0.5%減・▲262億円減少の5兆3595億円だった。ほぼ変わらずであるが、うち官庁工事を見てみると前期は1兆 4317億円受注していたが、当期は1兆1578億円で、前期比▲19.1%減・▲2739億円減と大幅に減少している。

これは、東日本大震災復興工事が一巡したことによるものが大きいが、借金天国のわが国の財政は健全化を求められており、麻生財務大臣の財布の紐は硬くなっている。

アベノミクスによる円安政策と超低金利政策の持続拡大により、企業収益は大幅に改善され、税収が大幅に増加、しかし、増加分は「この景気を全国の隅々に」と公共投資ノバラ撒き財源となり、国の借金は減っていない。

一方、民間工事の受注は、前期比8.7%増加している。数値では1ケタ台だが、金額は3106億円で官庁工事の落ち込み分2739億円より多く、企業景気の回復により官庁工事から民間工事に移行してきていることが示されている。

国内景気がよければそのまま移行していくものと見られるが、中国・東南アジア経済の低迷および円高から、業績に陰りが出ている製造業も多く予断を許さない。
 ただ、20東京五輪・パラリンピック、今後、新競技施設の直接発注や関連事業の発注が控えており、来年あたりから発注が本格化するものと見られる。スーパーゼネコンや中堅ゼネコンはその多くを享受するものと見られるが、地方はどうなるのだろうか。

 

20163月期・受注額/単体 (1)
 
受注総額
うち官庁建設工事
百万円
前期
当期
前期比
前期
当期
前期比
大林組
1,311,543
1,428,954
9.0%
277,721
301,185
8.4%
鹿島建設
1,193,813
1,236,872
3.6%
309,092
268,885
-13.0%
清水建設
1,450,614
1,341,900
-7.5%
373,092
281,855
-24.5%
大成建設
1,429,835
1,351,810
-5.5%
471,890
305,957
-35.2%
 
5,385,805
5,359,536
-0.5%
1,431,795
1,157,882
-19.1%
 
 
-26,269
 
 
-273,913
 

 

20163月期・受注額/(2)
 
うち民間建設工事
連結/百万円
前期
当期
前期比
大林組
983,328
1,040,024
5.8%
鹿島建設
773,023
923,887
19.5%
清水建設
922,928
936,092
1.4%
大成建設
894,394
984,304
10.1%
 
3,573,673
3,884,307
8.7%
 
 
310,634
 
 
<受注残>
受注残では、官庁工事はダムやトンネルなど工事期間が長い工事も多く、減少額は少なくなっている。
20163月期・受注残額/単体(1)
 
受注残総額
うち官庁建設工事
/百万円
前期
当期
前期比
前期
当期
前期比
大林組
1,457,720
1,651,576
13.3%
365,695
428,062
17.1%
鹿島建設
1,500,657
1,571,382
4.7%
529,617
499,937
-5.6%
清水建設
1,448,145
1,383,212
-4.5%
469,130
470,545
0.3%
大成建設
1,429,835
1,351,810
-5.5%
471,890
305,957
-35.2%
4社合計
5,836,357
5,957,980
2.1%
1,836,332
1,704,501
-7.2%
 
 
121,623
 
 
-131,831
 

 

20163月期・受注残額/単体(2)
 
うち民間建設工事
/百万円
前期
当期
前期比
大林組
1,014,771
1,133,207
11.7%
鹿島建設
861,306
958,896
11.3%
清水建設
785,935
759,426
-3.4%
大成建設
894,394
984,304
10.1%
4社合計
3,556,406
3,835,833
7.9%
 
 
279,427
 

 

[ 2016年5月14日 ]
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