アイコン 105円の攻防 円高か円安か 気になる原油高騰 他力本願路線にシフト

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4月末の黒田ショックで対ドル円は、111円が一機に108円・106円と円高に大振れ、今や105円の関の攻防となっている。
 今年に入っての黒田サプライズや金融施策はすべて、ハクション大魔王のクシャミとなり、円高を加速させる直接原因となってしまった。

 これまで、やり続けてきた金融緩和政策を、4月末の会合では市場期待を裏切り立ち止まったことに今回の円の大暴騰・株価暴落の直接原因を創ってしまった。

 原因は、2014年10月の追加金融緩和と年金基金の株式購入枠拡大にあったと思われる。
 米ハゲタカの通商代表部は、一貫して日本政策につき、年金基金の市場開放と日本郵政の民有化・市場参入に置いていた。
アベノミクスの頂点の政策は、アメリカの対外政策に乗じたものであり、その後株価は急騰、原油暴落・中国株価指数暴落後の15年7月21日に付けた20,841.97円(日経平均)までトントン拍子で上昇した。
しかし、原油暴落、中後経済の悪化により、中国と東南アジアに依存度の高い日本の製造業の業績は悪化するとの思惑から、対ドル円も日本株同様下落の一途を辿った。

製造業の業績悪化も四半期決算発表で明らかになり、今年に入り株価は急落、円高というアベノミクスの両輪が狂い始めた。
その背景には、笛吹けど踊らぬ日本経済の実態にあるが、米ハゲタカ通商省の思惑通り、年金基金の市場開放と日本郵政の民有化・株購入枠拡大政策により、また外資の大幅な買い越しにも支えられ株価は上がったものの、日本市場はもう潮時と見た外資が一斉に引き上げにかかったことに大きく起因している(3月までに5兆円引き上げ)。
 それほど、2014年10月の日銀の金融緩和策と年金機構を動かした安部政権によるWバズーカ砲の威力は大きかったということであり、策を出し尽くしもうこれ以上のものはないと評価されてもいる。
そのため、日銀黒田丸が今年打ち出したマイナス金利政策にしても賞味期限はなんと2日間しか持たず、円高に倍返しでシフトしてしまったという現実が実態である。
 
今後、円安に振れるには、他力本願の米金利上昇となる。4月末の会合では据え置かれたものの、労働市場や消費市場は堅調であり6月14~15日開催か、7月26~27日か、9月20~21日の会合で利上げが決定されるものと見られる。ただ、経済は水物、根拠もほとんどなく原油価格が現在大幅に上昇しているように何があるかわからない。経済は今やハゲタカ領域での海千山千の化かし合いの様相下にある。(麻生閣下が怒るのも理解でできる。従順な日本はおもちゃにされているだけともいえる)

 その米金利上昇に加え、中国経済の復調が取り沙汰されている。かなりの公共投資が執行されているが、キツネ狩りに怯えた地方ド官僚たちが動かず、その成果がなかなか出てこなかったが、鉱工業生産指数に見られるように大幅に上昇してきている。ただ、遅れている過剰生産設備の構造調整がなおざりにされれば、鉄鋼製品のような貿易摩擦問題や為替問題が再浮上してくるおそれもある。それでも中国の経済指数の回復が見て取れるようになれば、日本の製造業も回復しだし、再度円安に向かう可能性は大である。

中国経済が回復してくれば、東南アジア経済も連動して上げてくることから、日本にとってマイナスはなく、プラスのみ。
 米国は、これまで金利政策を長期にわたり弄び、世界経済を大混乱に陥れてきたが、2回目の金利が上昇したとしてもすでに織り込み済みが多く、海外経済への影響は限定的と見られる。

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2月1日からの円暴騰は1月29日の黒田君のマイナス金利導入によるもの、4月28日の暴騰は同日昼黒田君が発表した金融緩和据え置き発表によるもの。

 

現行 円高か円安か
 
単位
4月
3月
2月
1月
12
9
米国経済指標
非農業雇用者数
万人
 
21.5
24.5
17.2
26.2
13.7
小売売上高
前月比
 
-0.3
0.0
-0.4
0.2
0.0
消費者物価指数
前年比
 
0.9
1.0
1.4
0.7
0.0
住宅着工戸数
万戸
 
108.9
119.4
112.0
114.3
119.1
ISM製造業景況感
指数
50.8
51.8
49.5
48.2
48.0
50.2
鉱工業生産
前月比
 
-0.6
-0.6
0.8
-0.7
-0.2
 
 
 
 
 
 
 
 
中国経済指標
小売売上高
前年比
 
 
 
10.5
11.1
10.9
生産者物価指数
前年比
 
-5.3
-4.9
-4.3
-5.9
-5.9
製造業PMI
指数
49.4
49.0
50.2
50.1
49.7
49.8
非製造業PMI
指数
53.5
52.7
53.8
53.5
54.4
53.4
鉱工業生産指数
前年比
 
 
6.8
5.9
5.7
鉄鋼業購買担当
指数
57.3
49.7
49.0
46.7
40.6
 
 うち新規受注
指数
65.6
53.3
50.9
49.9
40.9
 

 

[ 2016年5月 3日 ]
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