九州も寒かばい 日本を襲う極寒渦「ポーラー・ボルテックス」 週後半は暖かくなる
九州・西日本に襲来する40年ぶりともされる大寒波は、「ポーラー・ボルテックス」・「極渦(きょくうず))」という北極の上空にできる巨大な気流の渦が源だという。
週末にかけて米国東海岸の広い地域に「歴史的大雪」(気象当局)を降らせた“犯人”もこの極渦だという。23日には、首都ワシントンでは60センチの積雪を見ている。
中 国でも猛烈なシベリア寒気団が襲っている。23日、西北地域の中部と東部、華北地域の大部分、黄河と淮河の間の地域、江南・淮南地域などで前日より 6~10度下がり、局地的には11~14度も下がった。華北平原および黄河・淮河間の地域は最低気温がマイナス9~20度に達している。上海でも30年に 一度の寒波とされ、最低気温がマイナス10度になるという。
極渦は、1年の中で冬場に勢力が最も強くなるが、普段はシベリアや中国大陸の辺りで止まっている。 しかし、今回は25日にかけてさらに勢力を増し、大雪の目安となる上空1500メートル付近でマイナス12度の寒気団が、シベリアや中国を超え、北陸や西日本にまでどんどん流れ込んでいる。その原因はわかっていない。降雪の目安となるマイナス6度の寒気のラインは、一時的に奄美大島(鹿児島県)まで南下しそうだという。
長崎市では24日午後4時、平地で16センチも積雪、39年ぶりに最高気温が0℃未満の真冬日となった。九州の各地でも鹿児島に至るまで大雪となっている。
レーダーを見ても、まだらの筋が大陸・黄海(朝鮮半島の西側)から九州南西諸島、東へ抜けている。台湾付近から沖縄にかけ偏西風と極渦流が交わり、極渦流は東(太平洋)へ流されている。
この渦に低気圧が発生し、急速に発達しながら東北の太平洋近くを北東へ進んでいる。そのため暴風雪が日本中に荒れ狂っている。
東北の日本海上には低気圧の渦が2つも見られ、日本海で水蒸気を吸った大気が北陸・東北へ濃い雪雲を形成、大雪を降らせている。
偏西風も強い寒気団に押し下げられたのか、平年よりかなり日本の南側を通っている。
<気象庁の週間天気予報> 1月25日から1月31日まで
北日本から西日本にかけての日本海側は、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雪または雨の降る日が多いでしょう。
北日本から西日本にかけての太平洋側は、期間の前半は高気圧に覆われて晴れる所もありますが、気圧の谷や寒気の影響で雲が広がりやすく、明日(25日)や期間の後半は雨または雪の降る日があるでしょう。
沖縄・奄美は、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雨の日が多いですが、期間の中頃は高気圧に覆われて晴れる日もある見込みです。
なお、明日(25日)にかけては、強い冬型の気圧配置が続くため全国的に風が強く、北日本から西日本にかけては、荒れた天気や大雪となる所があるでしょう。
最高気温・最低気温ともに、北海道地方では、平年並か平年より低いですが、期間の前半は平年より高い日があるでしょう。
東北地方から沖縄・奄美にかけては、週はじめは、平年並か平年より低く、平年よりかなり低い所もありますが、その後は平年より高い日が多く、平年よりかなり高い日もある見込みです。
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