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芸能人「入籍しました」の新聞表記は「婚姻届を出す」

毎日新聞校閲グループ
2016年3月31日付の毎日新聞大阪朝刊
2016年3月31日付の毎日新聞大阪朝刊

 芸能人が本人のブログで「入籍しました」と発表するケースが増えています。「入籍」という言葉は、結婚式や披露宴と区別するには便利ですが、新聞では「婚姻届を出す」と直すようにしています。

 戦前は家制度があり、旧民法に「妻は婚姻によって夫の家に入る」と定められていました。女性にとっては、おおむね結婚イコール夫の籍に入ること、入籍だったのです。

 現在では、戸籍法が「婚姻の届け出があったときは、夫婦について新戸籍を編製する」と定めており、2人の戸籍を新しく作ることになります。

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毎日新聞は東京に40人余り、大阪に30人余りの校閲記者がいる。原則として広告などを除く全紙面について記事のチェックをしており、いわば新聞の「品質管理部門」。書籍などと比べてかなり短時間で仕事をこなさなければならないのがつらいところ。朝刊の校閲作業は深夜になるため生活は「夜型」である。