長く遊べるゲームの工夫とは

はじめに

昨今は、長くじっくり遊べるゲームが求められているようで、RPGなどはクリア後にも最強武器の入手や、裏ボスを倒したりと、やれることが多い。長く遊べるゲームが増えたのは、プレイヤにとってはお金を出してゲームを買うのだから一本で長く遊べた方がお得で、メーカーとしても長く遊べるゲームを作った方が中古に流れるソフトが減るし、作り手としても愛着を持って欲しいなどの理由からだろうか。個人的には、20時間位でクリアできるゲームが一番丁度良いですけども。メーカーとしては、たくさんゲームを買ってほしいので、短く遊べるゲームを出したいが、すると中古に流れてしまうという二律背反です。
長く遊べるゲームが求められているわけだが、長く遊べるゲームとはどんなゲームだろうか。また、長く遊べるゲームにはどのような工夫がなされているのだろうか。本稿では長く遊べるゲームについて語って生きたい。
ここで語るゲームとは、主にコンシューマのビデオゲームのことだが、ゲームを長く遊ばせる工夫はPCや携帯電話向け、あるいは非電源ゲームにも当てはまるだろう。長く遊べるゲームについて語る前に、ゲームの仕組みを紐解いてみよう。

ゲームとは作業である

ゲームは単純作業の繰り返しである。楽しい単純作業がゲームになる。例えば、梱包剤であるエアパッキンを潰していく作業は楽しい。これは、潰れる感触と音、潰せるプチプチが徐々に減っていく過程が快感だからだろう。しかし、ある程度潰すと飽きてしまい、エアパッキンを雑巾のように丸めて一網打尽にしてしまう。全てのエアパッキンを潰すまで遊ぶ人はほとんどいないのではないか。
エアパッキンの例を挙げるまでも無く、単純作業だけでは飽きてしまいゲームを長く遊んでもらえない。そこで、褒美が用意される。エアパキンを潰す快感も褒美の一つであると考えることも出来るが、褒美であっても、ずっと同じものを貰いい続ければ飽きる。だから、人は違う褒美を求めて丸めて潰してみる。たくさん潰れる音は快感である。しかし、それでも全てのエアパッキンは潰れないだろう。では、エアパッキンを全部潰してもらうにはどうしたらよいだろうか。エアパッキンを隈なく潰すことで何かしらの褒美があれば、人はエアパッキンをドンドン潰し、さらには効率的な潰し方を模索することだろう。

ゲームに戻れば、パズルも作業をクリアすること自体が褒美である。しかし、パズルを10個解くと壁紙がもらえるとか、クロスワードを解くと懸賞に応募できるなどの褒美を用意すれば、そのパズルに挑戦する人は増えるだろう。パチンコに興じる人が多いのは褒美が魅力的だからである。
ゲームとは、ある作業を与えられ、その解放を見つけ出し、褒美をもらうことの繰り返しである。この繰り返しのスパンによって、褒美の量は変わってくる。短い作業を繰り返す場合は、褒美は小さい。逆に長く遊んでもらいたければ、作業に時間がかかるので、それに見合った大きな褒美を設定すれば良い。RPGなどは、短期的、中期的、長期的な目的が設定され、それに見合った褒美が用意されている。最も短期的なのは、戦闘に勝つこと。戦闘に勝つことで経験値やアイテムが手に入る。中期的なのは、レベルアップであり、キャラクターが強くなり、新しい魔法や技などを覚える。長期的な目的はダンジョンや中ボスを倒すこと。いける場所が増えて世界が広がったり、強力な武具が入手できる。もちろん最終目標はラスボスを倒すことである。

ゲームを続けてもらうためには褒美が必要であると説いたが、ゲームをプレイする人々にとっては作業を達成すること自体を楽しんでいる。そのため、褒美の質をそこまで重要視する必要はなく、むしろ作業の質を上げることに重点を置いた方が良い。もちろん、難しい作業ならばそれなりの褒美、たとえば強い武器が手に入るなどが欲求されるが。また、昨今ではゲーム中での実績が記録されたり、ゲームハードにその実績が記録されるトロフィー機能があったりする場合もある。ただ、潔癖ゲーマーにとっては、全てが揃わないことで逆にイライラを感じるようですけども。

ゲームを長く遊ばせる工夫

ゲームを長く遊んでもらうには、ゲームの根幹である作業を工夫しなければならない。以下に、ゲームを長く遊ぶための工夫を列挙し、逐次解説していきたい。

  1. 作業を難しくする
  2. 作業の数を増やす
  3. 作業を逐次投入する
  4. 作業に運を絡める
  5. 単位時間当たりに実行可能な作業数を制限する
  6. 作業が自動生成される
  7. ユーザーが作成することを作業にする
  8. 他者を巻き込む
作業を難しくする

ゲームを長く遊ばせる工夫として、最も単純なのはゲームそのものを、つまり作業を難しくすれば良い。遊戯王の千年パズルなどがそうだろう。ただし、ストーリー的に考えると選ばれた人にしか解けないのだろうが。
エアパッキンならば、大きな圧力をかけないと潰れないとか潰すために技量が必要などだろうか。
作業を難しくすることは容量によらないので、ファミコンなどに多く見られる。逆に、ファミコンのゲームが難しいのは容量の問題であろう。
作業が難しければ、作業を達成できる技量になるまで難度もプレイするしかない。しかし、作業が難しすぎると達成する技量に達する前に諦めてしまうことがしばしばある。ファミコンの頃ならば選択肢が多くなかったから、難しいゲームでもそれなりに遊んでもらえたが、様々なゲームのある現在では直ぐに投げられて中古に流れてしまうだろう。それを解決する方法として、難易度設定を設ければ良い。とは言うものの、各難易度において調整する必要があるので大変なのだけど。

作業の数を増やす

ゲームを長く遊ばせには作業の数を増やしてしまえばいい。パズルゲームなどは、作業の数が多くなければ直ぐに遊び終えてしまう。レントン教授も作業の数が多いから長く遊べるわけだ。
昔に比べゲームの容量が膨大になったので、作業の難度を上げるよりも作業の数を増やした方が長く遊んでもらえる。最近の多くのゲームは作業が膨大である。しかし、作り手側にしてみると労力がかかってしかたがないのだろうが。
作業の数を闇雲に増やせば長く遊んでもらえるかと言えば、そうとも限らない。人はあまりにも膨大な作業を目の前にするとやる気となくす。いつ終わるとも知れない作業を繰り返すのは無間地獄だ。膨大な枚数のエアパッキンがあっても全てを潰す気にはならないだろう。
作業を増やす場合、終わりを明確にしなければ人はやる気にならない。一般的なRPGでレベル上げをする際に、レベルを上げる気になるのは次のレベルに必要な経験値が明確にされているからだ(一部のゲームではそうではないが)。次のレベルに必要なレベルが明らならば、後何回戦闘すればレベルが上がるか分かるし、敵を倒して得られる経験値が少なければ他でレベルを上げるべきだなと分かる。次のレベルに必要な経験値が明らならば、次のレベルまでは上げる気になるがレベル99にする気にはならない。これは、レベル99になるまで必要な経験値が明らかではないからだ。
作業の数を増やしたゲームとしては、FF5。FF5において、ジョブマスターを目指すのは膨大なABPが必要である。それでも目指す気になるのは、最終的な必要なABPが明確に示されているからだ。もしコレが明らかでなければ、レベル99まで上げるのと同様にやる気にならないだろう。また、通常の戦闘では多くても5ABPしかもらえないのに、ラスとダンジョンに行けば桁が上がり平均で20ABPも貰えるようになる。作業数は多いが救済処置があるのもポイントかもしれない。さらに、新しいアビリティを覚えるのに多くても100ABP(便利なアビリティは400ABP以上だが)程度とキャラクターの成長スパンが短いのもやる気を促しているだろう。
最近の作業の数を増やしたゲームとしては、ドラクエ9やアサシンクリード2。ドラクエ9もアサシンクリード2もやることが多い。とは言うものの、達成度を確認できるのでやる気になる。特にアサシンクリード2の宝箱の回収は地図さえ買えば明らかなので、どれくらいで作業が終わるかわかり易い。

以上に示したように、作業の数を増やす場合は終わりを見通せるようにしなければ、人は挑戦する気にならない。アドベンチャーゲームや美少女ゲームなども作業の数が多い。これらも達成率が分かるからこそやる気になる。選択肢の多いアドベンチャーゲーム場合、フローチャートが用意されていることも多い。このフローチャートを逆に利用したのが428である。428ではそれぞれのキャラクターの行動が、互いに影響しあいストーリーが進んで行く。そのため、各キャラクターのシナリオを行き来しながらゲームを進めるが、その際にフローチャートがそれぞれのキャラクターをつなげる役割を担う。

作業を逐次投入する

作業を逐次投入するのもゲームを長く遊んでもらう工夫であろう。昔のコンシューマゲームではソフト、ハード的に難しかったが、最近はハードにHDDなどの外部メモリがあるので可能になってきた。XboxではDLCが盛んである。DLCにより新しいアイテムを入手できるようになる。アイドルマスターが長く遊ばれるのも、DLCがあるからだろう。オンラインゲームでは、新しいミッションやクエストがアップデートされる。
作業の逐次投入はゲーム機では最近の工夫であるが、非電源ゲームでは当たり前の工夫であろう。カードゲームでは新しいカードを発表してきたし、その他テーブルゲームなら新しいアップデートパックを発売したり。PCゲームでも拡張パックが発売されてきた。

以前のゲーム機でも発売後に追加要素が加えられたゲームはあった。ディスクシステムは追加要素を狙ったものであろうが成功はしていない。PSのビードマニアでは、アペンドディスクが発売されていた。アペンドディスクだけでゲームはプレイできない。通常版のビートマニアを起動後に、ディスクを入れ替えることでアペンドディスクに収録された新曲がプレイ可能になる。ディスク入れ換えが可能なPSだからこそできる仕組みである。三国無双でも拡張パックが猛将伝として発売されている。

コンシューマゲームおいて作業の逐次投入は、最近流行っているスタイルの一つである。新しいアイテムやミッションを付け加える以外にも、MGS4のようにラジオを配信するという試みもなされており、今後どんな新しい工夫がなされるのか注目である。

作業に運を絡める

作業を運を絡めることで、作業の完遂までに時間がかかるようになる。そもそも、ゲームとは運を競うもので、それも楽しみの一つだ。対人ゲームならば、運がよければ熟練者にも勝てると言うのは面白みの一つではある。
しかし、ビデオゲームの場合PC相手に運を競うのでなんだかバカバカしい。オンラインゲームならば、他のプレイヤがいるのでアイテムドロップに運が絡んでも納得できるが、非オンラインゲームで必要なアイテムが運のみでしか手に入らないのはイライラしする。エアパッキンを潰しても、運によって割れたり割れなかったりではイライラするだろう。
例えば、ドラクエ9の一部のウエストは運が絡みすぎてイライラ。特に、クエスト109「フォースイメージ」。これは、上級職である魔法戦士を取得するためのクエストなのだが、クリア条件が「メタルスライムを3匹、魔結界を張って、張ったキャラが倒せ」と運が絡みすぎなのである。ドラクエ9はシンボルエンカウントなので、自分で戦うモンスターを選択できるとは言っても、メタルスライムの出現率は低い。しかも、エンカウントできても逃げる確率が高く、魔結界を張るために1ターン消費しなければならない。工夫の仕方で成功する確率は上がるけれども、絶対とはいえない。上級職は皆が欲しがるだけに、あまり運を絡めて欲しくなかったと。その他のクエストに関しては、ある程度「運」が絡んでもよいとは思うが、特定のモンスターをある条件で倒せ、という数をこなすだけのクエストが多いのも、面倒くささを冗長している。
当たる確率が低いならば、褒美を多大にするしかない。順序が逆かもしれないが、多くの人がパチンコに興じるのは褒美が魅力的だからだろう。

作業に運を絡めるのは、難易度を上げるのと同様に簡単に導入できるのが利点だが、確率や作業の設定次第ではプレイヤをイライラさせてしまいよろしくない。特に、作業の数を増やしかつその達成度に運が絡んでしまうと、終わりが見えないのでプレイヤのイライラは頂点に達するだろう。だから、先にあげたドラクエ9の一部のクエストは筋が良くない。
運を絡めるならば、作業のスパンを短くしたほうが良い。例えば、ウィンドウズに付属しているゲームである、ソリティアとマンスイーパ。ソリティアとマンスイーパは必ずしもクリアできるとは限らない。しかし、多くの人々がソリティアやマンスイーパにはまるのは、1ゲーム辺りの時間が短いからだ。クリアできなくても、直ぐに次にトライできる。これが、長々とプレイさせた挙句に最後に運が絡んだらプレイヤは納得できないだろう。元々。ソリティアは占い的な側面もあるので、クリアが運に依存するのも当たり前かもしれない。
あるいは、運による成功が「運が良かったな」とプレイヤに思わせるか。例えば、ドラクエ3などに登場するレアアイテムである、しあわせのくつなど。クリアするために手に入れる必要はないが、手に入ると何となく嬉しい。運に関してはその程度に留めておいて欲しい所である。出現率がただでさえ低いモンスターから、さらにドロップ率の低いアイテムを入手しなければ裏ボスが倒せないとかはちょっと止めていただきたい所存。

また、「運」を絡ませることで劇的な演出を生み出すことも可能である。それが、ロマンシングサガ2から導入された「閃きシステム」。サガクロニクルによると、プロヂューサである河津さんは当初「閃きシステム」に批判的だったが、3を作る際にと「閃きシステム」だけは残して、他は全部捨ててもよいと言われるほどに気にいっていたようです(サガクロニクル p. 67)。
閃きシステムは「運」に起因するが、閃く技の難度と敵の強さに密接な関係があり、そのバランスが絶妙なほどに調整されている。それが劇的な演出を生み出している。倒せそうに無い敵と戦っていたら強い技を覚えたり、WPが切れた後に新たな技を覚えたりと。ラスボスを倒すのに必ずしも最強技が必要ではないこともポイントだろう。強い技を閃いて運が良かったなとプレイヤが思える作りになっている。河津さんがロマサガ3のデバッグのためラスボスと戦っていたら、JPもWPも切れ負けるなと思った瞬間に黄龍剣を閃いて倒したことがあるそうな(サガクロニクル p. 81)。
ちなみに、ロマサガの成長システムも「運」だが、プレイヤがそこまでイライラしないのは成長のスパンが短いからだろう。戦闘ごとに高い割合でキャラクターが成長する。ただし、MAXまで育てるのはきついけれども。

単位時間当たりに可能な作業数を制限する

単位時間当たりに可能な作業数を制限することでも、プレイ時間は長くなる。例えばたまごっちなどの育成ゲームは時間が経過しなければキャラクターが成長しない。時間が経たなければゲームが進まないというシチュエーションは育成ゲームと相性がよく、mixi アプリであるサンシャイン牧場などもそうである。単位時間当たりの可能な作業数が制限されたゲームでは、プレイヤが一定時間進行できないことに納得できなければ、プレイヤは投げ出してしまう。一日一回しかマリオを操作できないなどプレイヤは納得できないだろう。しかし、育成ゲームならば、育つのに時間がかかることは現実では当たり前のことで、その仕組みがゲームにリアリティを持たせている。
一日に出来るタスクが決まっていることでプレイヤを虜にしたのがラブプラスである。リアルタイムモードでは、ゲーム内でも現実に即した時間が流れる。キャラクターは朝起きて学校に行き、下校する。休みの日は学校の休み。季節によって服装も変わる。永遠とも思える高校での恋愛を楽しむことが出来るのだ。
自分自身が成長するゲームでも、作業数が制限されている。脳トレの脳年齢測定は一日一回だ。続けることに意味があるのだから、一日に何度も測定できては意味が無い。えいご漬けの英語力も一日一回しか測定できない。Wii Fit も毎日体重計に乗ることに意義がある。
単位時間当たりに可能な作業数が制限されているゲームの場合、単位時間当たりの作業時間は短い方が長く遊ばれるだろう。一回あたりの時間が長すぎれば、ゲームを終わらせるまでに息切れしてしまう。また、毎日続けることに意義があるので、ちょっとした時間にできた方が良い。その点では、ブラウザゲームや携帯電話向けのゲームに向いていると言える。

ドラクエ9の一部のクエストは、オンライインを通じ発売から徐々に解放されている。一見すると作業の逐次投入なのだが、DSの仕組み上、全てのクエストをあらかじめゲーム内に入れておき、それをオンライン通信によりプレイ可能な状態にするので、単位時間当たりに可能な作業数の制限に当たる。

作業が自動生成される

ゲームを長くプレイしてもらうには、作業の数を増やせばよい。これまでに、作業の数を膨大にする、あるは作業を逐次投入する方法を紹介したが、これらの作業数は有限であり、いつかは終えてしまう。ならば作業を無限大にすればよい。つまり、作業を自動生成すればよい。
ローグライクゲームである不思議のダンジョンシリーズはダンジョンが自動生成される。第一作目である、トルネコの大冒険のキャッチコピーは「1000回遊べるRPG」であった。冒険毎にダンジョンの形が変わる。プレイヤはダンジョンの形を覚えるのではなく、効率的なダンジョンの散策方法、危機に瀕したときの対処法などを学んで行く。
テトリスなどの落ちモノパズルも自動生成型といえるだろう。テトリスなどは無限に続き、本当に終わりが無いゲームといえるだろう。ただし、長く遊ぶにつれブロックの落ちる速度が速くなるので難易度上の障壁が存在するが。また、先にあげた、マンスイーパーやソリティアも自動生成型であろ。
あるいは、バーコードバトラーやモンスターファームのように、ゲーム以外の物からモンスターなどが生成されるパターン。バーコードバトラーはバーコードから、モンスターファームはCDから生成される。無限とは言えないが、その数は多く、色々試しているとゲームのプレイ時間は長くなるであろう。

自動生成型は作業がランダムに生成されるので、運による要素が絡みやすい。そのため、ゲーム一回あたりの時間を短くし回転率を上げた方が、総合的には長く遊ばれるゲームになる。ソリティアやマンスイーパーもプレイ時間が短く、失敗しても難度も挑戦でき、クリアしてもまたその快感を味わおうとするからこそ中毒的にはまってしまうのだろう。テトリスもラインを消す間隔は短い。4ラインを消す場合は少々時間がかかるが、テトリス棒で一気に消せたときの感触は何事にも変えがたい。どんなに長く遊ぶとしても数十分が限度である。
プレイ時間が長くなる場合は、運によらない救済処置を用意したほうが良い。不思議のダンジョンでは、ある程度ゲームを進めると、倉庫にダンジョンで手に入れたアイテムを集めることが出来るようになる。プレイヤはその倉庫に集めたアイテムを利用して難度の高いダンジョンに挑むことができるようになっている。

ユーザーが作成することを作業にする

作業の数を増やすのではなく、作業をユーザーが作っても良い。古くは、ロードランナーなどのステージエディットなど。以前ならば、ステージを自作しても自分で楽しむだけだったが、最近ではオンラインを通じて共有することも可能だ。ブラウザゲームのパズルなどには用意されていた機能で、現在はコンシューマでも可能である。例えば、リトルビックプラネットでは自身でステージを作り公開することが可能だ。
ステージを作るのではなく、何かを作ること自体を作業にしても良い。PSで発売されたパネキットは今でもコアなユーザーに遊ばれているゲームだ。パネキットは様々なパーツを組み合わせて車や飛行機などを作って遊ぶ、物理系シミュレーションである。その組み合わせは千差万別。プレイヤの好みに合わせて色々な乗り物を作ることが出来る。パネキットのように、組み合わせを増やすのもゲームを長く遊んでもらうための工夫であろう。ラクガキ王国のように、自身の描いたキャラクターを操作できるのも、ある種自分で作業を作っているといえるかもしれない。
より直接的に作ることを目的としたゲームとしては、マリオペイントやRPGツクールなどがあるだろうか。マリオペイントでは絵だけでなく、作曲も可能である。ただ昨今では、絵や音楽にゲームなどを自作する環境が整っているので、自分で作った方が良かったりしますが。

ユーザーが作成することを作業にした場合、作ること自体が難しいので多くのユーザーに遊んでもらえないという欠点がある。しかし、現在ではオンラインを通じて共有可能であるから、作られた作業をプレイしたり、それらを参考にしたりと、今後発展の期待できる方法ではないでしょうか。

他者を巻き込む

非電源ゲームが長く遊ばれる理由は、人と一緒に遊ぶからである。コミュニケーションを図れるのはもちろんのこと、他人が介在することで、予想だにしない結果が生まれる。対人ならば、運が絡んでも自分に運が無かったのだと納得できるし、運が悪くても技量で勝てることもある。

電源ゲームでも人と一緒にプレイするゲームは楽しい。人と一緒にプレイする場合は、協力か対戦プレイに分けられるだろう。昨年末に Wii 向けに発売されたニュースーパーマリオブラザーズは協力プレイすることが出来る。協力プレイをすることで、互いに声を掛け合うのは楽しいものである。そういえば、聖剣伝説2も協力プレイが可能で、みんなと一緒にプレイするのは楽しかったなと。
協力プレイよりも、対戦型ゲームのほうが遥かに多い。それぞれの世代で対戦ゲームの記憶は違うのではないだろうか。すごろく系ならば、桃鉄にいたストにドカポン。みんなでワイワイならば、くにおくんにスマブラにマリオパーティーなど。もちろん、対戦格闘ゲームはスト2に、飢狼にKOFにカプエスと。みんなでワイワイ楽しんでいたら、リアルファイトに発展したという思い出がある人もいるのではないか。このように、人と一緒にゲームをすることで思い出が出来ていく。
しかし、一同に会さなければゲームを一緒に楽しむことは出来なかった。しかし、現在ではオンラインを通じて一緒にゲームをプレイすることができるようになった。オンラインで、最も長く遊ばれるのがMMORPGだろう。MMORPG廃人という言葉があるほどに、長い時間プレイしている人もいる。MMORPGの運営には維持費がかかり、課金を継続させることで収益を得るモデルである。多くの人を拘束させた方が儲かるので、必然的にゲームの時間を間延びさせる作りになりがちだ。ゲームの時間を延ばす方法として、レベルアップに必要な経験値を多くし、アイテムドロップの確率を下げるなどがある。MMORPG以外ならばプレイヤは投げ出してしまうだろうが、それでもプレイヤが離れないのは他者が介在するから、そこにコミュニケーションがあるから。MMORPGは人によってプレイヤを縛っているとも言えるのではないだろうか。

まとめ

ゲームを長く遊んでもらう工夫としていかが考えられる。

  1. 作業を難しくする
    • 少ない容量で実装できる。
    • ゲームをクリアする前にプレイヤが投げ出してしまう可能性がある。
  2. 作業の数を増やす
    • 多くの容量が必要。
    • 実装する場合、終わりを明確にすること。終わりの見えない作業は地獄である。
  3. 作業を逐次投入する
  4. 作業に運を絡める
    • 少ない容量で実装できる。
    • あまりに運に頼りすぎると、プレイヤは理不尽と感じる。
    • 運を絡める場合は、作業のスパンを短くするか、救済処置を用意する。
  5. 単位時間当たりに実行可能な作業数を制限する
    • 一定時間経過しないとキャラクターなどが成長しない育成ゲームなど。
    • 脳トレなどの毎日続けることに意味があるトレーニング系なども。
    • 一回当たりの作業数が限られ、時間もかかるので、それにプレイヤが納得できるか否か。
  6. 作業が自動生成される
  7. ユーザーが作成することを作業にする
    • シミュレーション系やツクールシリーズなど。
    • 敷居が高いので多くのプレイヤは獲得できない。
    • ただし、現在ではオンラインを通じて共有できる。
  8. 他者を巻き込む
    • 対人ゲームにする。
    • 現在でではオンラインを利用可能。
    • MMORPGのように他者が絡むので抜けられないという問題も、