「姉歯物件は大震災でビクともしていなかった」と長谷川豊が言ってんだけどさ
明らかに長谷川豊は調べずに印象だけで書いていると思うんだよね。
あの姉歯物件は東日本大震災でビクともしていなかった。「臭いものには目をつむる」マスコミに蔓延している体質
http://www.peeep.us/038d665c
確かにあの事件では姉歯設計がスケープゴートになり、横行していた強度計算の偽装が多数隠蔽されたのは大人の解決としてもちょっとなあと不動産投資をする側としては思うわけですよ。
でもそれはマスコミの「臭いものには目をつむる」話とはまったく無関係でね。
また、「東日本大震災でビクともしていなかった」というけれども、いまでも競売案件では姉歯物件は事故物件として調査・告知義務があり、私の知るだけでも8棟の姉歯物件は非破壊検査からの補強工事を施している物件ばかりなので、当然のように現行法での強度基準をクリアしているわけですよ。
逆に、具体名を出すと拙いので伏せるけれども、補強工事をしなかった姉歯物件については、崩落のような問題こそ起こさないものの(はっきりいって、そんなのが起きたら重度問題で、姉歯関係なく所有者の施設管理上の責任を問われる)内部配管の断絶が発生しているものも2件あったんですよね。
この程度の話は、ある程度不動産取引や調査の仕組みを知っていればそれなりに調べることができるし、少なくとも長谷川某が言うように「姉歯物件は大震災でビクともしていなかった」とは絶対に言えない話なわけですよ。
事件発覚当時のバッシングが過剰だったからといって、姉歯物件が大震災で問題なかったというガセネタを長谷川某が流すこととは無関係であるし、姉歯事件の影響で強度計算についての一般理解も進み、対策も打たれていることは併記するべきだと思うんですよね。読み手側のリテラシーに委ねるには専門的すぎるから、書き手側の調査能力や執筆が誠実であるべきという議論になるわけで。
姉歯バッシングがやりすぎだという議論で、まじめに耐震偽装問題に取り組み改善を施してきた不動産業者の努力が無かったかのように扱われるのはどうかと思いますけどね。まあ長谷川豊じゃしょうがないんでしょうけど。