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2015.12.11

AppBankの上場直後の元役員横領発覚が物悲しすぎてヤバイ

 あまりにも残酷な事件で全米が泣いた。特にラストシーンでマックスむらいが親指をたてながら溶鉱炉に沈んでいくシーンは涙なしには見られなかった。

AppBank、元役員による会社資金横領の可能性が浮上・被害金額は1億4000万円
http://news.nifty.com/cs/economy/stockdetail/tech-b-20151210-201512101905/1.htm
マックスむらいのAppBank「経理部門の責任者であった元役員が約1億4千万円を業務上横領したと疑われる事実が判明いたしました」
http://kabumatome.doorblog.jp/archives/65843238.html

 取引の座組み自体に問題があるのではないかということは、AppBankには直接間接共に散々話を申し入れてきて、担当役員の方などから改善をお約束いただいていたわけなんですけれども、元役員による横領、それも上場前期の利益の半分ももっていかれてましたという話は実にアレであります。

 当然、流出が判明しているデータだけでなく、周辺のお話もたくさん出ているわけでして、出て行ったお金が実は戻ってきていました、経営への影響は軽微でしたという話になりますと、それは資金循環であり粉飾行為であります。トーマツには上場前日に情報漏えいの事実を伝え、資料に基づいて取引を見るだけでも問題であることは否定できないと申し伝えていただけに、このタイミングでさも露顕したかのようなIRが出てしまうのは微妙すぎる事態であります。個人的には、知らなかったわけがないと思いますが、この元経理担当であった元役員を刑事告訴するそうですから、やはりここは事態の推移を見守りたいと考えるところでございます。

 やはり、子供たちの夢を乗せて株式上場という結果を出したAppBankには信頼に応えられるよう是正の努力を続けていっていただきたいと強く願うことなのですが、常識的には上場直前期の決算内容が嘘だったわけで、2011年のシニアコミュニケーションズと同様に即座にマザーズ上場廃止のレベルの不祥事と見られても不思議ではありません。

 AppBankがIRで頑張って不正に情報漏洩とか主張してたので、何が漏れたのかについて全部お持ち帰り用dropboxに固めておきました。懸案となった横領以外にも、「もし事実ならこれ情実取引じゃね」「駄目だと分かっててなんでこんな事業で売り上げ計上しているんですかね…」と感じる物件も垣間見えますのでご笑覧賜れますと幸いです。

https://www.dropbox.com/sh/gpe5jrc0nn1jfz5/AAC3WGDBI6l0KW_A4I0WS7Sga?dl=0


 また、これらの問題を看過して、気づくことなく上場にまでもっていってしまった主幹事の野村證券や、監査法人のトーマツも無傷では済まないんじゃないかと思います。以前も述べましたが、AppBankにおいては、どうもいまなお情報が漏洩中だという話も伝え聞いておりますので、もう少しコンプライアンスをしっかりと考え、きちんと上場企業に相応しいガバナンスを実現していっていただきたいと関係各位に願うところです。

 もう遅いかもしれないけど。






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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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