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2013.02.08

星野監督、体罰について東京スポーツで語る

 自分では「悪いことをしていた」という認識はまるでないんだろうな。

“闘将”星野監督が「体罰問題」を語る 「このままじゃ指導者はどんどん“事なかれ主義”になっていく」
http://www.tokyo-sports.co.jp/sports/95907/

 もちろん、お前が言うなで終わる問題ではあるんですけど、私も過日、ヤフーのほうで体罰について語ったとき、体罰を純粋悪とする人からクレームを貰ったりもしました。

体罰と教育
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20130115-00023070/

 ある意味、時代の流れというのがあって、星野監督も選手の気質の変化を見ながら指導法を変えて、生き残ってきたという点では優れたリーダーではあるのでしょう。その一方で、体罰が容認されてきた体育会系へのノスタルジーというか、懐古主義のようなものがあって、いわゆる(暴力を含む)強い指導で組織を引っ張るマネジメントを理想としていることに変わりはないようです。

 良かった。これこそが、私たちの知っている本来の星野監督だ。

 星野監督までもが「体罰は絶対悪」とか言い出して勝ち馬に乗る言動をはじめたらどうしようと思っちゃったんだよね。やっぱり、プロ野球を見て育ったものとしては暴力監督と言えば闘将星野だ。このイメージだけは壊してはいけない。体罰の結果としての自殺は否定して見せつつも、行き過ぎた体罰批判が指導者を事なかれ主義にするという絶妙な意義の見出し。それは自己擁護を多分に含むものだとしても、星野監督としては自分のしてきたことと、いまある社会的な体罰批判の高まりとの間で一番妥協できる余地を工夫するとこういう言動になる。なるほどねえ。

 職場で大人の選手を殴っておいて、教育の基本は幼児時期と言い切る、この取り返しのつかなさ。駄目な大人を叱責するのに「お前は幼児教育がなってなかったんだ」っていうのでしょうか。いいですねえ、星野監督。

 それに、体罰ができなくなると指導者が無責任になるのだそうです。論理的にまったく破綻しているんですけど、星野監督なら確かにそう言いかねない、つまり殴ってでも正道復帰させる指導者こそが偉大とする理想が、彼の中に聳え立っているのでしょうね。

 やっぱり星野監督は星野監督でした。それが分かっただけで、私は満足です。東スポはいい仕事をしました。いや、東京スポーツは昔からいい仕事をし続けています。これからも頑張っていただきたい。
 本当にありがとうございました。


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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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