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和書・マンガの評価と感想の記録。

[本の感想] 現代アート、超入門!



たとえば一九一七年に発表されたデュシャンの『泉』。
この作品は工業製品である便器がそのままアートとして出品されたものだ。
仲間のアーテストたちにも「はたしてこれはアートか?」と理解されなかった作品が、
なぜ今現代アートを代表する作品といわれるのか?さまざまな作品を俎上に載せながら、
現代アートの「わからない」をごくフツーの人の立ち位置に立ち、
難解な解釈から解き放たれた「よくわかる」現代アートとの付き合い方、
鑑賞法を探り当てる。初心者だけでなく、
アート鑑賞の新たなノウハウにも学びが得られる一冊である。(Amazon)

現代アートの入門というよりも前衛芸術の入門本だ。
これは本書でもいってるが。

そもそも文学やら音楽やら絵画やらの芸術には,
のめり込んで楽しみむにはある程度知識が必要だ。
まぁなくても楽しむことはできるんだが
それだと驚くほど語れる語彙が不足する。
いいよねとか面白いよねとかで終わる。
そこで読書感想文なんかは実体験を踏まえて語るわけだ。
その知識がないと何も語れないのが,
顕著な芸術分野が現代アートだろう。
そういうことで知識を与えるというこの本の趣旨は間違っていない。

内容も,はじめに作品を紹介して
まずみんなが思いつくような印象を提示して
次に主となっている作品の見方を説明して
それについての周辺知識(作品のカテゴライズや作家論,時代背景)
を説明というのが7回分続く。

すごく読みやすい。
ネガティブに答えれば
これは中身が薄いといった方がいいような気も。
ただこういう読みやすい?新書ってどの分野でもどんどん出てるし,結構人気になったりする。
読むのにあまりバックヤードとなる知識がいらないってのも売れる本の条件なのかもしれない。
別にそれはそれでいいんだろう。
案外現代アートが受け入れられる要因も
これまでの美術に必要となる知識を必要としないみたいなところにあるのかも。
まぁもっと饒舌に語りたい人は,この本を足がかりにしてもっと知識を蓄えるようになればいいさ。

ただツッコミを入れたくなるところもあって,
例えば画家・モンドリアンが「コンポジション」シリーズを描くに行き着いた理由が2つあって,
1つが故郷のオランダが水平線と垂直線のような視界世界になっていたというのは
ちょっとトンデモに聞こえるんで,これのソースが気になる。
もう1つが神智学という学問を学んでいて世界に法則をみようとしたという,こっちはまだ理解できる
後ろ側にある参考文献のところをちょっと本文に引用先として付け加えてくれたら,
取っ掛かりのいい現代アートの読書案内にもなるんだろうが。

☆☆☆

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  1. 2013/09/16(月) 10:22:14|
  2. 本 ☆☆☆
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